動画編集/撮影

【EC・小売】購買意欲をそそる商品紹介動画の編集テクニック(シズル感の出し方)

「商品写真は綺麗に撮れているのに、なぜか売れない」

「動画を作ってみたけど、再生されても購入につながらない」

「競合の動画は美味しそう・欲しくなるのに、うちの動画は何かが足りない」

EC・小売業で商品紹介動画を制作している方なら、一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

商品紹介動画の目的は明確です。「見た人に買いたいと思わせること」。しかし、ただ商品を映しているだけでは、その目的は達成できません。

購買意欲をそそる動画に必要なのは、「シズル感」です。

シズル感とは、もともと肉がジュージューと焼ける音(sizzle)から来た言葉で、「思わず手を伸ばしたくなる魅力」「五感を刺激する臨場感」を指します。食品に限らず、ファッション、コスメ、家電、インテリアなど、あらゆる商品カテゴリで「シズル感」は重要です。

この記事では、EC・小売業の商品紹介動画で購買意欲を最大化するための編集テクニックを徹底解説します。シズル感の正体から、具体的な撮影・編集のコツ、商品カテゴリ別のポイントまで、実務で使える情報を網羅しています。

「シズル感」の正体とは?購買心理から理解する

編集テクニックに入る前に、まず「シズル感」とは何か、なぜ購買意欲を高めるのかを理解しておきましょう。

シズル感は「五感の疑似体験」

人が商品を購入する際、特に実店舗では「五感」をフル活用しています。

食品なら、見た目の美しさ(視覚)、香り(嗅覚)、試食の味(味覚)、パッケージの手触り(触覚)、調理音(聴覚)。洋服なら、デザイン(視覚)、生地の質感(触覚)、試着したときのフィット感(触覚・視覚)。

しかし、ECでは画面越しに商品を見るしかありません。触れることも、香りを嗅ぐことも、試すこともできません。

この「五感の欠如」を補うのが、シズル感のある動画です。

動画を通じて「触ったらこんな感じだろうな」「食べたらこんな味がしそう」「使ったらこんな気持ちになりそう」という疑似体験を提供することで、購買意欲を高めることができます。

シズル感が刺激する「欲求」のメカニズム

心理学的には、シズル感は「感覚的欲求」を刺激します。

人間の購買行動は、大きく分けて「理性的判断」と「感情的衝動」の2つに支えられています。スペックや価格を比較して「これが最適だ」と判断するのが理性的判断。「なんか欲しい」「美味しそう」「かわいい」と感じるのが感情的衝動です。

ECでは、商品情報や口コミで理性的判断を促すことはできます。しかし、感情的衝動を引き出すのは難しい。テキストや静止画だけでは限界があります。

動画、特にシズル感のある動画は、この感情的衝動を引き出すことに優れています。「欲しい」という気持ちを直接刺激できるのです。

シズル感の3要素

シズル感を構成する要素を分解すると、以下の3つになります。

1. リアリティ(実在感)
「本当にそこにある」と感じさせる存在感。質感、光沢、影、細部のディテールなどで表現されます。

2. ダイナミズム(躍動感)
「動いている」「変化している」と感じさせる生命感。湯気が立ち上る、生地が揺れる、液体が流れるなどの動きで表現されます。

3. エモーション(情緒)
「心が動く」と感じさせる感情の喚起。音楽、色調、ストーリーなどで表現されます。

優れた商品紹介動画は、この3要素をバランスよく組み合わせています。

最初の3秒で心を掴む:冒頭の編集テクニック

SNSやECサイトで動画を見るユーザーは、最初の数秒で「見続けるか、スキップするか」を判断します。特にスマホでのスクロール中は、最初の3秒が勝負です。

冒頭に「一番美味しいシーン」を持ってくる

多くの人が犯す間違いは、動画を「起承転結」で構成してしまうことです。最初に商品の説明があり、中盤で特徴を紹介し、最後にシズル感のあるシーンを持ってくる、という構成です。

しかし、これでは最後まで見てもらえません。

商品紹介動画では、最も魅力的なシーンを冒頭に持ってくるのが鉄則です。

食品なら、とろけるチーズ、肉汁が溢れる瞬間、湯気が立ち上る様子。コスメなら、肌にスーッと馴染む瞬間、艶やかな発色。ファッションなら、生地が風になびく様子、モデルが颯爽と歩くシーン。

「この動画、面白そう」と思わせる最高の瞬間を、最初の3秒に凝縮しましょう。

冒頭の作り込み方については、縦型動画(9:16)特有の編集ルール|最初の3秒でユーザーの指を止める仕掛けも参考になります。

「動き」から始める

静止画のような動画は、スクロール中に目に留まりません。動きのあるシーンから始めることで、視聴者の目を引きつけます。

効果的な「動き」の例:

・液体が注がれる、流れる
・粉や粒子が舞う
・布や髪がなびく
・手が商品に触れる、持ち上げる
・商品がフレームイン/フレームアウトする
・ズームイン/ズームアウト

逆に避けるべきは、商品が静止したまま映り続ける冒頭です。

音で引きつける

動画の強みは「音」が使えることです。冒頭で印象的な音を使うと、視聴者の注意を引けます。

・食品:ジュージュー(焼ける音)、パリパリ(かじる音)、シュワシュワ(炭酸)
・コスメ:シュッ(スプレー音)、プチッ(開封音)
・ファッション:サラサラ(生地の擦れる音)
・家電:起動音、操作音

これらの「音」は、ASMR的な心地よさも提供し、視聴継続率を高めます。

音の効果的な使い方については、BGMと効果音(SE)の選び方で印象は激変!動画のクオリティを上げる音響術で詳しく解説しています。

テロップで「結論」を先出しする

音声をオフにして動画を見るユーザーも多いため、テロップも重要です。

冒頭のテロップでは、「この商品を使うとどうなるか」という結論を先に出すのが効果的です。

✕「新商品のご紹介」「○○シリーズから新登場」
○「1日中崩れない」「これ1本で完結」「リピート率90%」

視聴者が知りたいのは「この商品が自分にとって何の価値があるか」です。商品名や新発売であることは、その後でいいのです。

シズル感を生み出す撮影テクニック

編集で魅力を高めることはできますが、素材がよくなければ限界があります。シズル感のある動画は、撮影段階から作り込む必要があります。

ライティング:光で「質感」を引き出す

商品撮影でもっとも重要なのは、ライティング(照明)です。

【食品の場合】

食品を美味しそうに見せるには、「ハイライト」と「シャドウ」のバランスが重要です。

・メインライトは斜め後方から当てる(逆光気味)と、立体感と透明感が出る
・湯気を見せたい場合は、背後からの光で湯気を浮かび上がらせる
・ツヤのある食品(肉、果物など)は、光の反射(テリ)を意識
・マットな食品(パンなど)は、柔らかい拡散光で質感を出す

【コスメ・アクセサリーの場合】

光沢のある商品は、光の当て方で印象が大きく変わります。

・宝石やメタルは、キラキラと光る「ハイライト」が命
・複数の光源を使い、多角度から光を当てる
・黒い背景で光の反射を際立たせる

【ファッションの場合】

生地の質感を伝えることが重要です。

・シルクやサテンは光沢が出るよう、角度を計算した照明
・ニットやウールは柔らかい光で質感を強調
・全体を均一に照らすより、陰影をつけて立体感を出す

アングル:「触りたくなる」視点を探す

どの角度から撮るかで、商品の印象は大きく変わります。

【俯瞰(真上から)】

・商品の全体像、並び、レイアウトを見せるのに最適
・食品の場合、お皿全体の盛り付けを見せられる
・フラットレイ(物撮り)スタイルでSNS映えする

【水平(横から)】

・商品の高さ、厚み、ボリューム感を伝えられる
・ハンバーガーやケーキなど、層になった食品に最適
・ボトルやパッケージのデザインを見せるのに良い

【ローアングル(下から見上げる)】

・商品に存在感、迫力を与える
・飲料が注がれるシーンで効果的
・高級感、威厳を演出したい場合に

【クローズアップ(接写)】

・質感、ディテールを伝える
・シズル感を最大化できる
・生地の織り目、食品の断面、コスメのテクスチャーなど

1つの動画の中で、複数のアングルを使い分けることで、商品を多角的に伝えられます。

動きのある撮影:「生きている」感覚を出す

静止した商品をただ撮るのではなく、「動き」を加えることでシズル感が生まれます。

【商品自体を動かす】

・回転台(ターンテーブル)に載せて360度見せる
・手で持ち上げる、傾ける、開ける
・布を広げる、畳む

【カメラを動かす】

・スライダーを使ってゆっくり横移動
・ジンバルを使ってなめらかに追従
・ドリーイン/アウト(近づく/離れる)

【要素を加えて動きを演出】

・スプーンですくう、フォークで刺す
・ソースをかける、クリームを絞る
・水しぶき、粉を振りかける
・風を当てて布をなびかせる

「人の手」を入れる効果

商品だけを撮るよりも、「人の手」が映り込むことで、視聴者は自分がその商品を使っているところをイメージしやすくなります。

・化粧品を手の甲に塗る
・食器を手に持つ
・洋服を手に取る
・スマホを操作する

「手」は顔よりも汎用性が高く、視聴者が自分を投影しやすいパーツです。

シズル感を最大化する編集テクニック

撮影素材が揃ったら、編集で仕上げます。ここでは、シズル感を高める編集の具体的なテクニックを解説します。

スローモーションで「瞬間」を引き延ばす

シズル感のある瞬間は、一瞬で過ぎ去ってしまいます。スローモーションを使うことで、その瞬間を引き延ばし、視聴者にじっくり見せることができます。

スローモーションが効果的なシーン:

・チョコレートがとろける瞬間
・肉汁が溢れ出す瞬間
・液体が注がれる瞬間
・粉やスパイスが振りかけられる瞬間
・髪や布がなびく瞬間
・水しぶきが飛ぶ瞬間

スローモーションをきれいに見せるには、撮影時に高フレームレート(60fps以上、できれば120fps)で撮影しておく必要があります。通常の30fpsで撮影した映像をスローにすると、カクカクした動きになってしまいます。

スローモーションの活用法については、物撮り編集:商品の質感を120%引き出す!スローモーションとスピードランプの使い分けで詳しく解説しています。

スピードランプで「緩急」をつける

スピードランプとは、動画の再生速度を滑らかに変化させるテクニックです。

たとえば、通常速度で始まり→クライマックスの瞬間でスローに→また通常速度に戻る、という流れを作ることで、映画のような躍動感が生まれます。

スピードランプの活用例:

・ソースをかける動作は通常速度→ソースが食品にかかる瞬間はスロー→かけ終わりは通常速度
・コスメを肌に塗る動作は通常速度→塗った直後の肌の艶感はスローで強調

カラーグレーディングで「食欲」「高級感」を演出

動画の色調を調整するカラーグレーディングは、シズル感に大きく影響します。

【食品の場合:暖色系で食欲増進】

食品動画では、一般的に暖色系(オレンジ、赤、黄色)を強調すると食欲をそそります。

・色温度をやや暖かめに(ホワイトバランスを暖色寄りに)
・彩度を少し上げて、色を鮮やかに
・オレンジの色相を調整して、肌色や焼き色を美味しそうに

逆に、青みがかった色調は食欲を減退させます(青は自然界で「腐敗」を連想させるため)。

【コスメ・ファッションの場合:肌色を自然に】

人の肌が映る動画では、肌色の調整が重要です。

・肌色が黄色すぎず、赤すぎず、自然な色合いに
・ハイライト(明るい部分)を持ち上げて、艶感を出す
・シャドウ(暗い部分)を締めて、立体感を出す

【高級感を出したい場合】

高級感のある商品(ジュエリー、時計、ブランド品など)は、以下の調整が効果的です。

・コントラストを高めに
・彩度は控えめに(派手すぎない)
・黒を締める(深みのある黒)
・ハイライトは白飛びしない程度にキープ

カラーグレーディングの基本については、カラーグレーディングの基本|動画の色味を整えて「プロっぽさ」を出す方法で詳しく解説しています。

カット割りで「テンポ」を作る

複数のカットをどのタイミングで切り替えるかで、動画のテンポが決まります。

【短いカット(0.5秒〜2秒)】

・テンポがよく、飽きさせない
・SNS向け、若年層向けに最適
・多くの情報を短時間で伝えられる

【長いカット(3秒以上)】

・じっくり見せたい場面に
・高級感、落ち着いた印象を与える
・商品のディテールを伝えるのに最適

商品紹介動画では、冒頭は短いカットでテンポよく引きつけ、商品のディテールを見せる場面では長めのカットでじっくり見せる、という緩急のある構成が効果的です。

カット編集のテクニックについては、視聴維持率が変わる!プロが教える「カット」と「間」の編集テクニックも参考になります。

BGMで「気分」を盛り上げる

BGMは、動画の印象を大きく左右します。商品のターゲット層や、伝えたい世界観に合った音楽を選びましょう。

【食品:美味しそう、幸せな気分】

・アコースティックギター、ウクレレなど温かみのある音
・明るく軽快なテンポ
・ジャズ系(おしゃれ感を出したい場合)

【コスメ:おしゃれ、トレンド感】

・ポップで今っぽいエレクトロ系
・ローファイ・ヒップホップ(落ち着いた雰囲気)
・女性ボーカルの洋楽風

【ファッション:スタイリッシュ、クール】

・ビートの効いたエレクトロ
・ランウェイ風のハウス系
・シンプルなピアノやシンセ

【高級品:上品、洗練】

・クラシック、ピアノソロ
・アンビエント系の静かな音楽
・ミニマルなエレクトロ

著作権フリーのBGMを探す際は、無料で使える!商用OKの高品質なBGM・効果音サイト5選【2026年版】を参考にしてください。

効果音で「リアリティ」を増幅する

BGMに加えて、効果音(SE)を重ねることで、シズル感が格段に増します。

食品に効果的な効果音:

・ジュージュー(焼ける音)
・パリッ、サクッ(かじる音、揚げ物の音)
・トローン(とろける音、伸びる音)
・シュワー(炭酸の音、沸騰の音)
・ゴクゴク(飲む音)
・コトコト(煮込む音)

その他の商品に効果的な効果音:

・シュッ(スプレー音)
・カチッ(開ける音、閉める音)
・サラサラ(布の擦れる音)
・キラーン(輝く音)

効果音は、実際の撮影時に録音したものを使うのがベストですが、難しい場合はフリー素材や効果音ライブラリから探して追加します。

テロップのデザインで「世界観」を統一する

商品紹介動画には、商品名、価格、特徴、CTAなどのテロップが入ります。このテロップのデザインも、シズル感や世界観に影響します。

【フォントの選び方】

・食品(カジュアル):手書き風、丸ゴシック
・食品(高級):明朝体、セリフ体
・コスメ:細めのゴシック、サンセリフ体
・ファッション:スタイリッシュなサンセリフ、ブランドロゴ風
・家電:読みやすいゴシック体

【テロップの出し方】

・フェードイン/フェードアウト:上品、落ち着いた印象
・スライドイン:テンポがよい、動きがある
・ポップアップ:元気、若々しい印象
・手書き風アニメーション:温かみ、親しみやすさ

テロップデザインの詳細は、見やすいテロップ(字幕)の入れ方|フォント・サイズ・色の視認性ルールで解説しています。

商品カテゴリ別:シズル感の出し方ポイント

ここからは、商品カテゴリごとに、シズル感を出すための具体的なポイントを解説します。

【食品】「美味しそう」を最大化する

食品は、シズル感の概念がもっとも発達しているカテゴリです。

シズル感を出すポイント:

湯気を見せる:温かい料理は湯気が命。背後から光を当てると湯気が映える
断面を見せる:ハンバーグ、ケーキ、サンドイッチなど、切った断面は食欲をそそる
とろける瞬間:チーズ、チョコレート、卵の黄身などがとろける瞬間はスローで
音を強調:焼ける音、かじる音、注ぐ音をしっかり収録または追加
「食べる」シーン:実際に食べているシーンがあると、美味しさが伝わる

避けるべきこと:

・冷めた印象を与える(湯気がない温かい料理)
・色味が悪い(青みがかった照明)
・雑な盛り付け

食品動画の編集については、【飲食】「美味しそう」を伝える料理動画の編集|スピード感と音の組み合わせでさらに詳しく解説しています。

【コスメ・美容】「なりたい自分」を想像させる

コスメは、「商品そのもの」だけでなく、「使った後の自分」を見せることが重要です。

シズル感を出すポイント:

テクスチャーを見せる:クリームの伸び、リップの艶、パウダーのきめ細かさ
ビフォーアフター:使用前と使用後の変化を並べて見せる
肌への馴染み:スキンケアが肌に浸透していく様子(スローで)
発色の美しさ:リップやアイシャドウは、発色がわかるアップショット
「使っている」シーン:手や顔に塗っている様子を見せる

ライティングのコツ:

・肌を美しく見せるソフトライト
・艶感を出すハイライト
・メイクの色が正確に伝わる色温度

【ファッション・アパレル】「着たらどうなるか」を見せる

ファッションは、「着用したときの姿」をイメージさせることが重要です。

シズル感を出すポイント:

着用シーン:モデルが実際に着ている動画は必須
動きのある撮影:歩く、回転する、座るなど、動きで生地の揺れやシルエットを見せる
生地感:クローズアップで織り目、光沢、質感を見せる
スタイリング提案:コーディネート例を複数見せる
サイズ感:モデルの身長・体型を明記し、フィット感を伝える

撮影のコツ:

・自然光または柔らかい照明で生地の質感を引き出す
・風を当てて動きを演出(扇風機など)
・全身・半身・ディテールのカットを用意

【家電・ガジェット】「使う体験」を疑似提供する

家電やガジェットは、スペックよりも「使ったらどう便利か」を伝えることが重要です。

シズル感を出すポイント:

実際に使用するシーン:操作している様子、使用中の映像
Before/After:掃除機なら、掃除前と掃除後
スピード感:時短家電なら、いかに速いかを見せる
動作音:静音がウリなら静かさを、パワフルなら力強い音を
質感:高級感のあるマテリアル、ボタンの押し心地など

3DCGやアニメーションの活用:

家電の内部構造や技術的な仕組みは、3DCGやアニメーションで「見える化」すると効果的です。内部の動きや空気の流れなど、実写では撮れない部分を見せられます。

【インテリア・家具】「空間」を見せる

インテリアや家具は、商品単体よりも「空間に置いたときの雰囲気」が重要です。

シズル感を出すポイント:

実際の部屋に置いた映像:スタジオ撮影だけでなく、リアルな空間での撮影
サイズ感:人が使っている様子、他の家具との比較
質感:木目、布地、金属などの素材感をクローズアップ
生活シーン:ソファに座る、テーブルで食事するなど、使用シーン
複数のスタイリング:異なるテイストの部屋に置いたバリエーション

【アクセサリー・ジュエリー】「輝き」を最大化する

アクセサリーやジュエリーは、「キラキラ感」「高級感」が命です。

シズル感を出すポイント:

光の反射:多方向からの光で、宝石やメタルの輝きを最大化
回転撮影:360度から光の角度が変わる様子を見せる
着用シーン:手首、首、耳などに着けた状態
クローズアップ:細工のディテール、刻印など
黒背景:輝きを際立たせるシックな背景

撮影のコツ:

・マクロレンズで細部まで鮮明に
・複数の光源で「キラッ」とした輝きを作る
・ゆっくりとした動きで高級感を演出

プラットフォーム別:最適化のポイント

商品紹介動画は、掲載するプラットフォームによって最適な形式が異なります。

自社ECサイト

長さ:30秒〜2分程度。詳細に見せてOK
形式:横型(16:9)が一般的、商品ページに埋め込み
自動再生:音声オフで自動再生する場合はテロップ必須
CTAボタン:動画の近くに「カートに入れる」ボタンを配置

Amazon・楽天などのモール

長さ:15秒〜45秒程度。コンパクトに
形式:モールの規定に従う(Amazonは正方形推奨など)
音声:音声なしで見られることを想定
競合との差別化:同じ商品一覧に並ぶため、サムネイルで目立つ工夫

ECサイトでの動画活用については、【ECサイト】Amazonや楽天で売れる商品紹介動画|最初の5秒で魅せる編集術でさらに詳しく解説しています。

Instagram(フィード・リール)

長さ:フィードは60秒以内、リールは15〜90秒
形式:リールは縦型(9:16)、フィードは正方形(1:1)も可
トレンド:流行りの音源やエフェクトを取り入れると伸びやすい
テンポ:短いカットでテンポよく
CTA:「プロフィールのリンクから」「詳細はコメント欄」など誘導

Instagramリール向けの編集については、Instagramリール:世界観を壊さず「保存」を増やす!文字入れと余白のデザインルールを参考にしてください。

TikTok

長さ:15〜60秒が主流
形式:縦型(9:16)必須
冒頭:最初の0.5秒で引きつける
テンポ:非常に速いカット割り
トレンド:流行りの音源、エフェクト、ハッシュタグを活用

TikTok向けの編集については、TikTok:最初の0.5秒で離脱させない!「ループ再生」を狙う編集の仕掛けで解説しています。

YouTube

長さ:商品紹介なら1〜5分程度
形式:横型(16:9)
サムネイル:クリックされるサムネイルが重要
SEO:タイトル、説明文、タグにキーワードを入れる
チャプター:長い動画は目次(チャプター)を設定

YouTube向けのサムネイル作成については、動画の「サムネイル」編集術|クリック率を最大化する文字の配置とデザインを参考にしてください。

内製 vs 外注:商品紹介動画の制作体制

商品紹介動画を「自社で作るか」「外注するか」は、多くのEC事業者が悩むポイントです。

内製のメリット・デメリット

メリット:

・商品知識が深いスタッフが作れる
・スピーディーに量産できる
・細かい修正にすぐ対応できる
・長期的にはコストを抑えられる

デメリット:

・撮影機材、編集ソフトへの投資が必要
・スキル習得に時間がかかる
・クオリティの安定が難しい
・本業の時間が削られる

外注のメリット・デメリット

メリット:

・プロのクオリティが手に入る
・自社リソースを使わずに済む
・新しい視点やアイデアが得られる

デメリット:

・コストがかかる(1本数万円〜数十万円)
・納期がかかる
・商品理解に時間がかかることも
・修正のたびに追加コストが発生する可能性

おすすめの使い分け

内製向き:

・商品数が多く、大量に動画が必要
・新商品のたびに即座に動画を作りたい
・SNS向けの短尺動画を量産したい

外注向き:

・ブランドイメージを訴求する代表的な動画
・広告出稿用のクオリティ重視の動画
・自社にスキルやリソースがない

内製と外注の判断基準については、企業が動画編集を内製化すべきか?外注すべきか?判断基準を徹底解説で詳しく解説しています。

内製する場合の機材・ツール

【撮影機材】

・カメラ:スマートフォン(iPhone 13以降など高性能モデル)でも十分。本格的にやるならミラーレス一眼
・三脚:ブレを防ぐ必須アイテム
・照明:リングライトまたはLEDパネル
・背景:白い壁、背景紙、または撮影ボックス
・レフ板:光を反射させて影を和らげる

【編集ソフト】

・初心者向け:Canva、CapCut、iMovie
・中級者向け:DaVinci Resolve(無料で高機能)
・本格派:Adobe Premiere Pro

各編集ソフトの比較は、ツール比較:【2026年最新】動画編集ソフト徹底比較|目的・予算・スペック別のおすすめを参考にしてください。

効果測定と改善:動画のPDCAを回す

動画を作って終わりではなく、効果を測定して改善していくことが重要です。

追うべき指標

【視聴指標】

・再生回数:どれだけの人に見られているか
・視聴完了率:最後まで見た人の割合
・平均視聴時間:どこまで見られているか

【エンゲージメント指標】

・いいね、コメント、シェア(SNSの場合)
・保存数(Instagramの場合、特に重要)
・クリック率(広告の場合)

【コンバージョン指標】

・動画視聴後のカート追加率
・動画視聴後の購入率
・動画経由の売上

改善のポイント

【視聴完了率が低い場合】

・冒頭で離脱されている → 最初の3秒を改善
・中盤で離脱されている → テンポが悪い、長すぎる
・最後まで見られているのにCVしない → CTAが弱い

【再生回数が伸びない場合】

・サムネイルが魅力的でない
・タイトル/キャプションが弱い
・配信プラットフォームとの相性が悪い

【購入につながらない場合】

・商品の魅力が伝わっていない(シズル感不足)
・価格や詳細情報が見えない
・購入導線が分かりにくい

視聴データの分析と改善については、解析データを編集に活かす|YouTubeアナリティクスの「維持率」を改善する修正術で詳しく解説しています。

よくある失敗と対策

最後に、商品紹介動画でよくある失敗パターンと、その対策を紹介します。

失敗1:商品スペックの羅列になっている

症状:「サイズは○○、重量は○○、素材は○○…」と情報を読み上げるだけ。

対策:スペックではなく「体験」を伝える。「このサイズだから、バッグに入れて持ち運べます」のように、スペックがユーザーにとってどんな価値になるかを示す。

失敗2:動きがない、静止画の連続になっている

症状:商品を正面から撮っただけの画像が数秒ずつ切り替わるだけ。

対策:動画である意味を活かす。商品を動かす、カメラを動かす、使用シーンを撮る。静止画の羅列なら、動画にする必要がない。

失敗3:音声がない、または質が低い

症状:無音、またはBGMだけ。あるいは音声がこもっていて聞き取りにくい。

対策:効果音やBGMを適切に入れる。音声をオフで見る人のためにテロップも入れる。ナレーションを入れる場合は、クリアな音質で収録する。

失敗4:長すぎる

症状:3分以上の動画で、途中で飽きる。

対策:SNS向けなら15〜60秒、ECサイト用でも2分以内に収める。伝えたいことを絞り、テンポよく編集する。

失敗5:CTAがない、弱い

症状:動画を見終わった後、何をすればいいかわからない。

対策:動画の最後に明確なCTAを入れる。「今すぐ購入」「詳細はプロフィールのリンクから」「限定クーポンコードは○○」など。

失敗6:ターゲットが曖昧

症状:誰に向けた動画かわからない。若者向けなのか、高齢者向けなのか、専門家向けなのか。

対策:ターゲットを明確にし、その層に刺さる表現(音楽、テンポ、言葉遣い、モデル)を選ぶ。

まとめ

この記事では、EC・小売業の商品紹介動画で購買意欲を高めるための編集テクニック、特に「シズル感」の出し方を解説しました。

ポイントを改めて整理します。

【シズル感の3要素】
・リアリティ(実在感):質感、ディテール
・ダイナミズム(躍動感):動き、変化
・エモーション(情緒):音楽、色調、ストーリー

【冒頭の作り方】
・最初の3秒に「一番美味しいシーン」を
・動きのあるシーンから始める
・印象的な音で引きつける
・テロップで結論を先出し

【撮影のコツ】
・ライティングで質感を引き出す
・複数のアングルを使い分ける
・動きを加える(商品を動かす、カメラを動かす)
・「人の手」を入れて親近感を

【編集のコツ】
・スローモーション、スピードランプで緩急を
・カラーグレーディングで食欲・高級感を演出
・カット割りでテンポを作る
・BGM・効果音でリアリティを増幅
・テロップデザインで世界観を統一

【商品カテゴリ別のポイント】
・食品:湯気、断面、とろける瞬間、音
・コスメ:テクスチャー、ビフォーアフター、肌への馴染み
・ファッション:着用シーン、動き、生地感
・家電:使用シーン、Before/After、操作感
・インテリア:空間に置いた映像、生活シーン
・アクセサリー:光の反射、回転、クローズアップ

シズル感のある動画は、「見た人の感情を動かす」力を持っています。この記事で解説したテクニックを活用して、「思わず買いたくなる」商品紹介動画を作りましょう。

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