動画編集/撮影

「喋り」が苦手でも大丈夫!テロップと図解で補足する編集の工夫

「動画を作りたいけど、喋りが苦手で…」

そんな悩みを抱えている方は、想像以上に多いのではないでしょうか。

YouTubeやTikTok、Instagram、企業の採用動画やサービス紹介動画など、今やあらゆる場面で「動画」が求められる時代になりました。しかし、人前で話すことや、カメラの前で滑らかに喋ることが得意な人ばかりではありません。

むしろ、「話すことが苦手」「緊張して噛んでしまう」「言いたいことがうまくまとまらない」という方のほうが圧倒的に多いはずです。

ここで朗報があります。

喋りが苦手でも、「編集力」でカバーすれば、十分に伝わる動画を作ることができます。

テロップ(字幕)や図解、アニメーション、効果音といった編集テクニックを駆使すれば、話し手のトーク力に頼らずとも、視聴者に情報を正確に、そして魅力的に届けることが可能なのです。

この記事では、「喋りが苦手」という弱点を、動画編集の力で強みに変えるための具体的なテクニックを徹底解説します。テロップの効果的な入れ方から図解の作成方法、さらには話し手のサポート術まで、すぐに実践できるノウハウを余すところなくお伝えします。

動画マーケティングを成功させたいビジネスパーソンの方、YouTube運営を始めたい初心者の方、採用動画や教育コンテンツを内製化したい企業担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

なぜ「喋り」が苦手でも動画で成功できるのか

動画の魅力は「話術」だけではない

多くの人が誤解しているのが、「動画で成功するには、話し上手でなければならない」という思い込みです。

確かに、流暢に話せる人の動画は聞きやすいかもしれません。しかし、視聴者が動画に求めているものは「上手な喋り」だけではありません。

視聴者が動画から得たいものは、大きく分けて以下の3つです。

1つ目は情報・知識です。「何かを知りたい」「問題を解決したい」という欲求を満たすために動画を見ます。2つ目は感情的な満足です。「面白い」「感動した」「共感した」という体験を求めています。3つ目は信頼感・安心感です。「この人(会社)は信頼できそうだ」「ここにお願いしたい」という気持ちを持ちたいのです。

これらの要素は、必ずしも「流暢な喋り」がなければ実現できないものではありません。むしろ、テロップや図解を効果的に使った編集により、「喋り」以上に伝わる動画を作ることができるのです。

テレビ番組も「喋り」だけで成り立っていない

日本のテレビ番組を思い浮かべてください。バラエティ番組でも情報番組でも、画面には常にテロップが表示されています。

出演者が話した内容をテロップで強調し、フリップやパネルで図解を見せ、効果音やBGMで雰囲気を演出しています。これらの「編集による補足」がなければ、どれほど話し上手なタレントでも、視聴者を惹きつけ続けることは難しいでしょう。

つまり、プロの世界でさえ「喋りだけ」では勝負していないのです。動画編集の力を借りることで、話し手のパフォーマンスを何倍にも高めているのです。

「素人っぽい喋り」がむしろ好まれる時代

興味深いことに、近年のSNS動画では「完璧すぎない喋り」がむしろ好感を持たれる傾向があります。

あまりにも流暢で洗練された喋りは、「営業っぽい」「広告っぽい」「本音じゃなさそう」という印象を与えかねません。一方で、少し不器用でも誠実に話している様子は、「この人は本当のことを言っている」「親しみやすい」という印象につながります。

特に、企業のサービス紹介や採用動画において、社長や社員が「自分の言葉」で語る姿は、プロのナレーターによる完璧な読み上げよりも、はるかに説得力を持つことがあります。

だからこそ、「喋りが苦手」は欠点ではなく、むしろ「リアルさ」「誠実さ」を伝える武器になりうるのです。そして、その「素の喋り」をテロップや図解で補足することで、「リアルさ」と「分かりやすさ」を両立させることができます。

テロップ(字幕)の基本と効果

テロップが果たす5つの役割

テロップ(字幕)は、動画編集において最も基本的でありながら、最も強力なツールの一つです。テロップが果たす役割は、想像以上に多岐にわたります。

【役割1】音声の補完・代替

テロップの最も基本的な役割は、話している内容を文字で表示することです。これにより、以下のような状況でも動画の内容を伝えることができます。

電車内や図書館など、音を出せない環境で視聴している人に内容を届けられます。聴覚に障害を持つ方にも情報をアクセシブルにできます。話し手の滑舌が悪い部分や、専門用語など聞き取りにくい部分も補えます。また、日本語が母語でない視聴者の理解も助けられます。

実際、Facebookの調査によると、モバイルでの動画視聴の85%が音声オフで行われているというデータもあります。テロップがなければ、これらの視聴者に情報を届けることができないのです。

【役割2】重要ポイントの強調

話している内容すべてをテロップにする「フルテロップ」スタイルもありますが、それ以外にも「重要なポイントだけをテロップで強調する」という使い方があります。

例えば、「ここが重要です。〇〇という点を覚えておいてください」という発言に対して、「〇〇」の部分だけを大きなテロップで表示する、といった具合です。これにより、視聴者は「ここが大事なんだな」と直感的に理解できます。

【役割3】情報の整理・構造化

話している内容は、どうしても「流れていく」情報です。一度聞き逃すと、戻って確認することは面倒です。

テロップを使って「今日のテーマ3つ」「ポイント①」「まとめ」といった形で情報を構造化することで、視聴者は「今、全体のどの部分を聞いているのか」を把握しやすくなります。

【役割4】感情・ニュアンスの補足

文字には、音声では伝えきれないニュアンスを追加する力があります。

例えば、同じ「すごいですね」という発言でも、テロップで「すごい…!」と表示すれば感動のニュアンスが、「すごいですねぇ〜(棒)」と表示すれば皮肉のニュアンスが伝わります。

フォントの種類、サイズ、色、アニメーションなどを工夫することで、話し手の感情や意図をより正確に伝えることができるのです。

【役割5】エンターテインメント性の向上

バラエティ番組のテロップを思い出してください。「ドーン!」「ガーン!」「え〜!」といった効果音的なテロップが入ることで、視聴者は「ここで笑えばいいんだな」「驚くシーンなんだな」と理解し、番組をより楽しめるようになります。

ビジネス動画でも、適度なエンタメ要素を入れることで、視聴者を最後まで飽きさせずに見てもらうことができます。

テロップの種類と使い分け

テロップには様々な種類があり、目的に応じて使い分けることが重要です。

フルテロップ(全文字幕)

話している内容をほぼすべて文字起こしして表示するスタイルです。YouTube動画やSNS動画で非常に多く使われています。

メリットとしては、音声オフでも内容が100%伝わること、聞き逃しがないこと、SEO的にも有利(文字情報が増える)なことが挙げられます。デメリットとしては、制作に時間がかかること、画面が文字で埋まりがちなこと、視聴者が「読む」ことに疲れる可能性があることがあります。

ポイントテロップ(要点のみ)

重要なキーワードやポイントだけをテロップで表示するスタイルです。

メリットとしては、制作が比較的楽なこと、画面がスッキリすること、「ここが大事」が一目で分かることが挙げられます。デメリットとしては、音声オフでは内容が伝わりにくいこと、何を「重要」とするかの判断が必要なことがあります。

装飾テロップ(演出用)

内容の補足というよりも、「効果音」的な役割を果たすテロップです。「!?」「ガーン」「キラキラ」などの感嘆詞や擬音語、話し手のリアクションを強調するためのテロップなどが該当します。

メリットとしては、動画にエンタメ性が加わること、感情表現が豊かになること、視聴者の離脱を防ぐ効果があることが挙げられます。デメリットとしては、使いすぎると「うるさい」印象になること、真面目な内容には不向きなことがあります。

情報テロップ(補足情報)

話している内容とは別に、追加の情報を画面に表示するテロップです。商品の価格、URL、連絡先、注釈・補足説明、データの出典などが該当します。

メリットとしては、口頭で言わなくていい情報を伝えられること、正確な情報(数字など)を確実に伝えられることが挙げられます。デメリットとしては、情報が多すぎると画面が散らかること、本編から注意を逸らす可能性があることがあります。

テロップについてさらに詳しく知りたい方は、見やすいテロップ(字幕)の入れ方|フォント・サイズ・色の視認性ルールの記事も参考にしてください。フォントの選び方や色使いなど、視認性を高めるための具体的なルールを解説しています。

テロップで「喋りの弱点」をカバーする具体例

ここからは、「喋りが苦手な人」の典型的な悩みを、テロップでどうカバーするかを具体的に見ていきましょう。

【ケース1】言い間違いが多い

撮影中、言い間違いをしてしまった場合でも、テロップを「正しい内容」で表示すれば問題ありません。視聴者は、音声よりもテロップを優先して認識する傾向があるため、多少の言い間違いは気にならなくなります。

ただし、あまりにも言い間違いが多いとテロップとの乖離が目立つので、その場合はカットして撮り直すか、そのシーンを「〇〇と言い間違えてますが…」とテロップでツッコミを入れて笑いに変える手法もあります。

【ケース2】話が脱線する・まとまらない

話している途中で脱線したり、同じことを繰り返したりしてしまう場合は、編集で不要な部分をカットした上で、テロップで「要点」だけを表示します。

例えば、話し手が「えーと、つまりですね、要するに、結局のところ、一番大事なのは〇〇ってことなんですよ」と言った場合、テロップでは「一番大事なのは【〇〇】」とスッキリ表示すればOKです。

【ケース3】専門用語が多くて分かりにくい

業界の専門用語や略語を多用してしまう場合は、テロップで「(=一般向けの説明)」を追加します。

例えば、話し手が「CVRを上げるためにはCTAの改善が重要です」と言った場合、テロップでは「CVR(成約率)を上げるにはCTA(行動喚起ボタン)の改善が重要」と表示します。

これにより、専門知識のない視聴者にも内容が伝わりやすくなります。

【ケース4】声が小さい・滑舌が悪い

声が小さかったり、滑舌が悪くて聞き取りにくい部分がある場合は、その部分をフルテロップで補います。また、編集で音量を上げたり、ノイズを除去することで聞き取りやすくすることもできます。

音声の問題については、音がこもる・ノイズが入る…編集で解決できる音声トラブルの限界と対策の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

【ケース5】緊張して表情が硬い

テロップだけでは表情の硬さはカバーできませんが、「テロップのトーン」を柔らかくすることで、動画全体の印象を和らげることができます。

例えば、「〇〇です」という硬い言い方をテロップでは「〇〇なんです!」と少しカジュアルにしたり、絵文字的な記号を追加したりすることで、親しみやすい印象を作ることができます。

図解(インフォグラフィック)の活用術

なぜ図解が「喋りの弱点」をカバーできるのか

図解(インフォグラフィック)は、テロップと並んで、話し手の喋りを強力にサポートする編集テクニックです。

人間の脳は、文字や音声よりも「図」の方が処理しやすいという特性があります。「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、複雑な概念も図にすることで一瞬で理解できることがあります。

特に、以下のような内容は図解が威力を発揮します。

比較・対比(AとBの違い)、プロセス・手順(〇〇の流れ)、構造・関係性(〇〇の仕組み)、数値・データ(〇〇の割合)、概念・イメージ(〇〇とは何か)などです。

話し手がこれらの内容を口頭だけで説明しようとすると、どうしても「えーと」「つまり」が増え、聞いている方も混乱しがちです。しかし、図解を画面に表示しながら「この図のように」と話せば、説明は格段に楽になり、視聴者の理解度も大幅に上がります。

図解の種類と使い分け

動画で使える図解には、様々な種類があります。目的に応じて使い分けましょう。

フローチャート(流れ図)

手順やプロセスを説明する際に最適です。「まず〇〇をして、次に△△をして、最後に□□をする」という内容を、矢印でつないだ図で表現します。

例えば、「動画制作の流れ」「お問い合わせから納品までの流れ」「サービス利用の手順」などに適しています。

比較表(マトリクス)

複数の選択肢を比較する際に便利です。「プランA」「プランB」「プランC」の違いや、「〇〇 vs △△」の比較を、表形式で分かりやすく見せることができます。

例えば、「無料版と有料版の違い」「自作と外注の比較」「各ツールの機能比較」などに適しています。

円グラフ・棒グラフ

数値データを視覚的に表現する際に使います。「〇〇の割合」「〇〇の推移」「〇〇のランキング」などを、グラフにすることで直感的に理解できます。

例えば、「顧客満足度の内訳」「売上の推移」「業界シェア」などに適しています。

イメージ図・概念図

抽象的な概念を視覚化する際に使います。「〇〇の仕組み」「〇〇の関係性」「〇〇のイメージ」などを、イラストや図形で表現します。

例えば、「ビジネスモデルの全体像」「組織構造」「サービスの仕組み」などに適しています。

アイコン・ピクトグラム

単純な概念やカテゴリーを象徴的に表現する際に使います。「〇〇」という言葉を、関連するアイコンと一緒に表示することで、視認性と記憶定着率を高めます。

例えば、「メリット3つ」のそれぞれにアイコンを付ける、「手順1〜5」の各ステップにアイコンを付ける、などの使い方があります。

図解の入れ方についてより詳しく知りたい方は、【教育・スクール】オンラインレッスンの動画編集|受講者が理解しやすい図解の入れ方の記事も参考になります。教育コンテンツ向けの解説ですが、ビジネス動画全般に応用できる内容です。

図解を作成するツールと方法

図解を作成するには、いくつかの方法があります。

PowerPoint・Keynote

最も手軽に図解を作成できるツールです。テンプレートやスマートアート機能を使えば、専門知識がなくてもそれなりの図解を作ることができます。作成した図解を画像として書き出し、動画編集ソフトに取り込みます。

Canva

Webブラウザ上で使える無料のデザインツールです。インフォグラフィックのテンプレートが豊富に用意されており、テキストや色を変更するだけでプロっぽい図解が完成します。動画編集機能も備わっているため、Canvaだけで動画まで完成させることも可能です。

Canvaの使い方については、Canvaで動画編集!初心者でもデザイン性の高いSNS動画を作るテクニックの記事で詳しく解説しています。

Figma

Webデザイナーやプロダクトデザイナーが使うツールですが、図解作成にも適しています。無料で使え、複数人で同時編集できるのが特徴です。より凝ったデザインの図解を作りたい場合におすすめです。

動画編集ソフトの機能

Premiere ProやDaVinci Resolveなどの動画編集ソフトには、図形やテキストを配置する機能があります。簡単な図解であれば、動画編集ソフト上で直接作成することもできます。

さらに、After Effectsなどのモーショングラフィックスツールを使えば、アニメーション付きの図解を作成することも可能です。

図解を動画に組み込むタイミングと演出

図解を作成したら、次は動画への組み込み方を考えましょう。

フルスクリーン(全画面表示)

話し手の映像を一時的に止め、画面全体を図解で埋める方法です。図解の内容をじっくり説明したい場合に適しています。

注意点として、話し手の顔が見えなくなるため、視聴者との「つながり」が途切れる可能性があります。長時間の全画面表示は避け、ポイントを説明したらすぐに話し手の映像に戻りましょう。

PinP(ピクチャ・イン・ピクチャ)

話し手の映像を小さくして画面の隅に配置し、メインの画面を図解にする方法です。話し手の存在感を維持しながら、図解をしっかり見せることができます。

Webセミナーやオンライン授業でよく使われる手法です。

オーバーレイ(重ね合わせ)

話し手の映像の横や下に、図解を配置する方法です。テレビのニュース番組やバラエティ番組でよく見かける演出です。

話し手の表情を見ながら、同時に図解も確認できるため、視聴者にとって情報を処理しやすくなります。

アニメーション付き図解

図解を一度に全部見せるのではなく、話の進行に合わせて要素を一つずつ表示していく方法です。「まず〇〇があって…(図解の〇〇部分が表示)…次に△△が…(図解の△△部分が表示)」という具合です。

これにより、視聴者は「今説明しているのはこの部分だな」と理解しやすくなります。

図解を使った「喋りの補足」実例

具体的なシーンごとに、図解をどう活用するかを見ていきましょう。

【実例1】サービス紹介動画

話し手が「弊社のサービスは3つのステップで進みます」と説明する場面。口頭だけだと「1つ目は〇〇、2つ目は△△、えーと、3つ目は□□…」と言葉がもたつきがちです。

図解で「ステップ1:〇〇」「ステップ2:△△」「ステップ3:□□」を矢印でつないだフローチャートを表示しながら話せば、話し手は「この図の通りです」と言うだけで済み、視聴者も一目で理解できます。

【実例2】商品比較動画

話し手が「AプランとBプランの違いは…」と説明する場面。口頭で「Aは〇〇で、Bは△△で、価格はAが□円でBが☆円で…」と言うと、視聴者は混乱します。

比較表を画面に表示し、話し手が「こちらの表をご覧ください」と誘導すれば、一瞬で違いが分かります。

【実例3】データ解説動画

話し手が「〇〇の割合は60%で、△△が30%、その他が10%です」と数字を説明する場面。数字を口頭で言うだけでは、視聴者の記憶に残りにくいです。

円グラフを表示しながら「この青い部分が60%で…」と説明すれば、視覚的にインパクトがあり、記憶にも残りやすくなります。

編集テクニック:話し手をサポートする演出

ジャンプカットで「間」を消す

「喋りが苦手」な人の動画に多いのが、「えー」「あの」「えっと」といった言い淀みや、考え込む「間」です。これらが多いと、視聴者は「テンポが悪い」「見ていてイライラする」と感じてしまいます。

そこで有効なのが「ジャンプカット」という編集テクニックです。

ジャンプカットとは、同じカメラアングルの映像を、不要な部分をカットしてつなげる編集手法です。言い淀みや「間」の部分をカットすることで、話がテンポよく進んでいるように見せることができます。

YouTuberの動画を見ると、ほとんどがこのジャンプカットを多用しています。話し手が一度も言い淀むことなく、スラスラと話しているように見える動画も、実際には何度もカットを入れて編集されていることがほとんどです。

ジャンプカットについては、ジャンプカットの是非:不自然さを消しつつ「情報密度」を上げるためのカット技術の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

BGMと効果音で雰囲気を作る

話し手の喋りだけで視聴者を惹きつけ続けるのは、プロでも難しいことです。そこで重要になるのが、BGM(バックグラウンドミュージック)と効果音(SE)です。

BGMの役割

BGMには、動画全体の雰囲気を作る効果があります。明るいBGMを流せば「楽しい動画」という印象に、落ち着いたBGMを流せば「真面目な動画」という印象になります。

また、話し手の「間」や言い淀みをBGMが埋めてくれるため、視聴者が退屈を感じにくくなります。沈黙の時間があっても、BGMが流れていれば「不自然な間」には感じません。

さらに、BGMのテンポに合わせてカットを切り替えることで、編集にリズム感が生まれ、視聴者を飽きさせない動画になります。

効果音の役割

効果音は、視聴者の注意を引いたり、感情を誘導したりするのに効果的です。

「キラーン」という音で「重要ポイント」を強調したり、「シャキーン」という音でテロップの出現を演出したり、「ズーン」という音で深刻な話題を強調したり、「ポン」という音で場面転換を示したりできます。

効果音を適切に使うことで、話し手のトーンが単調でも、動画にメリハリをつけることができます。

BGMと効果音の選び方については、BGMと効果音(SE)の選び方で印象は激変!動画のクオリティを上げる音響術の記事で詳しく解説しています。

インサート映像(Bロール)で視覚的変化を

話し手が延々とカメラに向かって話している映像だけでは、視聴者は飽きてしまいます。特に、「喋りが苦手」で表情や身振りが硬い場合、その傾向は顕著です。

そこで有効なのが「インサート映像」(業界では「Bロール」とも呼びます)です。

インサート映像とは、メインの映像(話し手の映像)の間に挿入される補助的な映像のことです。話している内容に関連する映像を入れることで、視覚的な変化を生み出し、視聴者を飽きさせない効果があります。

インサート映像の例

商品紹介動画であれば、商品のアップ映像、使用シーン、パッケージなどを挿入します。会社紹介動画であれば、オフィスの様子、社員が働いている映像、外観などを挿入します。解説動画であれば、説明している内容のイメージ映像、図解、アニメーションなどを挿入します。

インサート映像を挿入している間、話し手の音声は流れ続けます。これにより、視聴者は「映像を見ながら音声を聞く」という体験をすることになり、情報の伝達効率が上がります。

また、話し手にとってもメリットがあります。インサート映像を挿入することを前提にしておけば、カメラを意識せずに話すことができます。「この部分は後から映像を入れるから、カメラ目線じゃなくてもいい」と思えば、緊張も和らぎます。

マルチカメラ編集で飽きさせない

1台のカメラで撮影した映像だけでは、どうしても単調になりがちです。そこで、複数のカメラで撮影し、編集で切り替える「マルチカメラ編集」という手法があります。

例えば、正面からのアングルと、斜め横からのアングルの2つのカメラで同時に撮影します。編集時に、適宜アングルを切り替えることで、視覚的な変化が生まれ、視聴者を飽きさせない動画になります。

2台のカメラを用意するのが難しい場合は、4K撮影した映像をクロップ(切り取り)して、疑似的に2つのアングルを作る方法もあります。詳しくは編集を楽にする撮影術:後から「ズーム」できるように4Kで撮っておくべき理由の記事で解説しています。

本格的なマルチカメラ編集については、マルチカメラ編集:3台のカメラ映像を1つに!対談動画を飽きさせないスイッチング術の記事も参考にしてください。

アニメーションで動きを加える

静止画やテロップに動きを加えることで、視聴者の注意を引きつけることができます。

テロップアニメーション

テロップを単に「パッ」と表示するのではなく、「フェードイン」「スライドイン」「バウンス」などのアニメーションを付けることで、視覚的なインパクトが増します。

図解アニメーション

図解を一度に全部見せるのではなく、要素を一つずつ「ポップアップ」させたり、矢印を「伸ばしていく」アニメーションを付けたりすることで、視聴者の理解を助けます。

強調アニメーション

重要な部分を「拡大」したり、「点滅」させたり、「色を変える」アニメーションを付けることで、「ここが大事」というメッセージを視覚的に伝えられます。

アニメーションの作り方については、アニメーションの「イージング」とは?動きの緩急でプロの質感を出す方法の記事で詳しく解説しています。

自分の声をAIでクローン化するツールもあります。AIで「自分の声」をクローン化?ナレーション編集を全自動化する最新ツール活用の記事で詳しく紹介しています。

インタビュー形式で負担を軽減

一人でカメラに向かって話すのが苦手であれば、「インタビュー形式」で撮影する方法があります。

聞き手(インタビュアー)を立て、質問に答える形で話すと、一人で話すよりも自然に話しやすくなります。また、聞き手が適宜フォローを入れてくれるため、言葉に詰まっても安心です。

インタビュー形式の動画編集については、インタビュー動画の編集|話し手の魅力を引き出し、退屈させない構成案の記事で詳しく解説しています。

業種別:テロップと図解の活用事例

ここからは、具体的な業種・目的別に、テロップと図解をどう活用すべきかを見ていきましょう。

BtoB企業(製造業・IT・サービス業など)

BtoB企業の動画では、「専門性」と「信頼性」を伝えることが重要です。しかし、専門的な内容は口頭だけでは伝わりにくいことが多いです。

テロップの活用ポイント

専門用語には必ず「(=一般向け説明)」を付けましょう。数字・データは大きなテロップで強調します。英語の略語はカタカナ表記も併記すると親切です。

図解の活用ポイント

サービスの仕組み、導入フロー、料金体系など、複雑な情報は必ず図解化しましょう。ビフォー・アフターの比較図、ROI(投資対効果)のグラフなども効果的です。

製造業向けの動画編集については、【製造・技術】伝統工芸や工場の技術を「魅せる」シネマティックな編集方法の記事も参考にしてください。また、【B2Bサービス】難しい製品を「アニメーション動画」でわかりやすく解説するコツでは、アニメーションを使った解説動画の作り方を紹介しています。

士業(弁護士・税理士・社労士など)

士業の動画では、「専門性」をアピールしつつ、「相談しやすさ」も伝える必要があります。難しい法律用語や制度を、いかに分かりやすく伝えるかがポイントです。

テロップの活用ポイント

法律用語・専門用語は必ず一般向けの言葉に言い換えを併記します。「〇〇法第△条」などの条文番号は、テロップで表示して口頭では省略してもOKです。重要な注意点・例外事項はテロップで強調して見落としを防ぎます。

図解の活用ポイント

手続きの流れ(申請から完了まで)はフローチャートで可視化しましょう。「対象者」「要件」「期限」などの条件は表形式で整理します。「こんな方におすすめ」のチェックリスト形式も有効です。

士業向けの動画編集については、士業(弁護士・税理士):信頼を損なわない、落ち着いたトーンの動画編集テクニックの記事で詳しく解説しています。また、ホームページ制作の観点からは士業(税理士・弁護士)のホームページ制作|「相談しやすさ」と「専門性」を両立するコツも参考になります。

医療・クリニック

医療系の動画では、「安心感」と「専門性」を両立させることが重要です。患者さんが不安に思っていることを、分かりやすく丁寧に説明することが求められます。

テロップの活用ポイント

医学用語は必ず一般向けの言葉に言い換えを併記します。治療の流れや費用など、患者さんが知りたい情報はテロップで明確に表示します。「よくある質問」への回答はQ&A形式のテロップで見やすく整理します。

図解の活用ポイント

治療のビフォー・アフター、体の構造図、治療の仕組みなどを図解化します。来院から治療完了までの流れはフローチャートで可視化します。アニメーションを使った「治療イメージ」も患者さんの理解を助けます。

医療系のホームページ制作については、歯科医院のホームページ制作|増患につながる「治療案内」と「院内ツアー」の見せ方クリニック・歯科:清潔感と安心感を与える「院内紹介動画」の編集ポイントの記事も参考にしてください。

美容・サロン

美容系の動画では、「ビジュアル」が命です。施術の様子や仕上がりを美しく見せることが最優先ですが、テロップや図解で「安心感」を加えることも重要です。

テロップの活用ポイント

施術時間、料金、持続期間などの具体的な情報はテロップで明示します。「痛みは?」「ダウンタイムは?」などの不安要素への回答もテロップで先回りして答えます。スタッフの資格・経験年数などの信頼情報も効果的です。

図解の活用ポイント

施術の流れ(カウンセリング→施術→アフターケア)はフローチャートで可視化します。料金プランの比較は表形式で分かりやすく整理します。ビフォー・アフターの比較は、並べて表示して効果を実感させます。

美容・サロン向けの動画編集については、美容・サロン:施術の魅力を引き出す「スローモーション」と「カラー調整」の使い分けの記事で詳しく解説しています。

採用動画

採用動画では、「会社の雰囲気」と「働く人の声」を伝えることが重要です。社員インタビューでは、話し手が緊張していることも多いため、編集でのサポートが特に重要になります。

テロップの活用ポイント

社員の名前、所属部署、入社年次などの基本情報はテロップで表示します。「入社の決め手」「やりがい」などのテーマをテロップで提示して、話の文脈を分かりやすくします。求職者が知りたい情報(休日、福利厚生など)は補足テロップで追加します。

図解の活用ポイント

組織図、キャリアパス、1日のスケジュールなどは図解化して分かりやすく伝えます。勤務地、オフィスレイアウトなどの情報も図解で可視化します。数字で示せる情報(平均年齢、有給取得率など)はインフォグラフィックで見せます。

採用動画の編集については、【採用動画】優秀な人材を惹きつける動画編集|社員インタビューと社内風景の魅せ方の記事で詳しく解説しています。また、求人特化型ホームページ(採用サイト)の作り方|応募が増えるデザインと情報の見せ方も参考になります。

教育・スクール

教育系の動画では、「分かりやすさ」が最優先事項です。受講者が理解できなければ、どれほど良い内容でも意味がありません。

テロップの活用ポイント

重要なキーワード、公式、定義などは必ずテロップで強調します。「ここがポイント!」「試験に出る!」などの注意喚起テロップも効果的です。専門用語の読み方、英語表記なども併記します。

図解の活用ポイント

概念の説明、プロセスの説明、比較・分類など、あらゆる場面で図解を活用します。アニメーション付きの図解で、動きのある説明を行います。板書の代わりに、画面上に文字や図を書き込む演出も効果的です。

教育系の動画編集については、【教育・スクール】オンラインレッスンの動画編集|受講者が理解しやすい図解の入れ方の記事で詳しく解説しています。また、スクール・教育:受講生が飽きない「オンライン教材」の編集ルール|画面分割とテロップ活用も参考にしてください。

テロップ作成の実践テクニック

読みやすいテロップの3要素

テロップを作成する際、最も重要なのは「読みやすさ」です。読みにくいテロップは、視聴者にストレスを与え、動画からの離脱を招きます。

読みやすいテロップを作るには、以下の3つの要素を意識しましょう。

【要素1】フォント選び

動画のテロップには、「ゴシック体」が基本です。明朝体は細い線が多く、動画の画面では読みにくくなります。

特に、「太めのゴシック体」「角丸ゴシック」「デザインゴシック」などが動画に適しています。具体的なフォント名でいうと、「ヒラギノ角ゴ」「游ゴシック」「Noto Sans JP」「源ノ角ゴシック」などが定番です。

バラエティ番組風の動画であれば、「ラノベPOP」「けいふぉんと」などのポップなフォントも使えます。

【要素2】サイズと位置

テロップのサイズは、「スマートフォンで視聴しても読める大きさ」を基準にします。YouTube動画であれば、フルHD(1920×1080)の画面で、24〜36ポイント程度が目安です。

位置は、画面下部の「セーフゾーン」内に収めるのが基本です。あまり端に寄りすぎると、再生プレーヤーのコントロールバーと被ってしまう可能性があります。

【要素3】色と縁取り

テロップの文字色は、背景と十分なコントラストが取れる色を選びます。白い文字に黒い縁取り(または影)を付けるのが、最も汎用性が高い組み合わせです。

背景が暗い映像の場合は白文字、背景が明るい映像の場合は黒文字(または濃い色)が読みやすくなります。

重要なポイントは、赤や黄色などの目立つ色を使って強調することもあります。

テロップのデザインについて詳しくは、見やすいテロップ(字幕)の入れ方|フォント・サイズ・色の視認性ルールの記事を参考にしてください。

テロップ入力を効率化するツール

フルテロップの動画を作る場合、すべてのテロップを手作業で入力していては、膨大な時間がかかります。そこで、テロップ入力を効率化するツールを活用しましょう。

Vrew

Vrewは、AI音声認識を活用した動画編集ツールです。動画をアップロードするだけで、自動的に音声を文字起こしし、テロップを生成してくれます。

認識精度は非常に高く、多少の修正だけで実用に耐えるテロップが完成します。無料版でも基本的な機能は使えるため、テロップ作成の時間を大幅に短縮できます。

詳しくはVrew:爆速で字幕を入れる!AI音声認識を活用した編集効率化の極意の記事で解説しています。

Premiere Proの自動文字起こし機能

Adobe Premiere Proにも、AI音声認識による自動文字起こし機能が搭載されています。日本語にも対応しており、高い精度でテロップを生成できます。

Premiere Proを使っている方は、この機能を活用することで、外部ツールを使わずにテロップ作成を効率化できます。

DaVinci Resolveの字幕機能

無料で使える高機能動画編集ソフト「DaVinci Resolve」にも、字幕作成機能があります。SRTファイル(字幕ファイル)の読み込みにも対応しているため、外部の文字起こしサービスと連携することもできます。

DaVinci Resolveについては、DaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法の記事も参考にしてください。

テロップ作成時の注意点

テロップを作成する際、いくつかの注意点があります。

1行あたりの文字数を制限する

1行に収める文字数は、20文字程度を目安にしましょう。それ以上長くなると、読む速度が追いつかなくなります。

長い文章は、複数行に分けるか、別のテロップとして分割します。

表示時間を適切に設定する

テロップの表示時間は、「読む速度」を考慮して設定します。一般的に、1秒あたり4〜5文字程度が読みやすいとされています。

10文字のテロップであれば2〜2.5秒、20文字のテロップであれば4〜5秒程度の表示時間が目安です。

話の内容と一致させる

テロップの内容は、話している内容と一致させる必要があります。ただし、一言一句同じにする必要はありません。

話し言葉をそのまま文字にすると、「えー」「あのー」「〜なんですけど」などの余計な言葉が入り、読みにくくなります。適宜、文語的に整理しましょう。

誤字脱字のチェック

AI文字起こしを使う場合、認識ミスによる誤字が発生することがあります。公開前に、必ず全てのテロップを確認し、誤字脱字を修正しましょう。

誤字脱字のチェックについては、「AIによる自動字幕」の誤字脱字を最速でチェックする校正ワークフローの記事も参考にしてください。

図解作成の実践テクニック

図解デザインの基本原則

見やすい図解を作るには、いくつかの基本原則を押さえておく必要があります。

【原則1】シンプルに

図解は、情報を「整理」して「分かりやすく」するためのものです。情報を詰め込みすぎると、かえって分かりにくくなります。

「この図で伝えたいことは何か」を明確にし、それ以外の情報は思い切って削りましょう。

【原則2】余白を取る

要素と要素の間には、十分な余白を取りましょう。余白がないと、視線が迷い、情報が頭に入ってきません。

特に、文字は小さくしすぎず、周囲に余裕を持たせることが大切です。

【原則3】色は3色まで

使う色は、基本的に3色程度に抑えましょう。多すぎる色は、視覚的にうるさくなり、何が重要なのか分からなくなります。

ベースの色(背景や本文)、アクセントの色(強調したい部分)、サブの色(補助的な部分)の3色を決めて、統一感を持たせましょう。

【原則4】揃える

要素の配置は、できるだけ「揃える」ことを意識しましょう。左揃え、中央揃え、等間隔など、ルールを決めて配置することで、整理された印象になります。

【原則5】視線の流れを意識する

人の視線は、一般的に「左上から右下」に流れます。重要な情報は左上や中央に、補足情報は右下に配置すると、自然に情報が伝わります。

フローチャートであれば「上から下」または「左から右」の流れにすると、分かりやすくなります。

図解作成の手順

実際に図解を作成する手順を説明します。

ステップ1:伝えたい情報を整理する

まず、図解で伝えたい情報を箇条書きで整理します。「何を」「どういう関係で」「どういう順番で」伝えたいのかを明確にしましょう。

ステップ2:図解のタイプを選ぶ

情報の性質に応じて、適切な図解のタイプを選びます。

手順・流れを説明したい場合はフローチャートを選びます。比較したい場合は比較表を選びます。割合を示したい場合は円グラフを選びます。変化・推移を示したい場合は折れ線グラフを選びます。関係性を示したい場合は概念図を選びます。

ステップ3:ラフスケッチを描く

いきなりツールで作り始めるのではなく、まず紙にラフスケッチを描きましょう。大まかなレイアウトと情報の配置を決めます。

ステップ4:ツールで作成する

ラフスケッチを元に、PowerPoint、Canva、Figmaなどのツールで図解を作成します。テンプレートを活用すると、効率よく作成できます。

ステップ5:動画に適した形式で書き出す

作成した図解を、PNG形式で書き出します。背景を透過させたい場合は、透過PNG形式で書き出しましょう。

動画編集ソフトでの図解活用テクニック

作成した図解を動画編集ソフトに取り込んだら、以下のテクニックで効果的に活用しましょう。

アニメーションを付ける

図解を一度に全部見せるのではなく、話の進行に合わせて要素を一つずつ表示していきます。

Premiere ProやAfter Effectsでは、キーフレームを使ってアニメーションを設定できます。「フェードイン」「スケール」「位置移動」などのアニメーションを組み合わせることで、プロっぽい演出ができます。

ハイライトを入れる

「今、話しているのはこの部分」ということを視覚的に示すため、図解の特定の部分をハイライト(強調表示)します。

周囲を暗くして特定の部分だけ明るくする、枠で囲む、色を変える、拡大するなどの方法があります。

吹き出しで補足を入れる

図解の中で補足説明が必要な部分には、吹き出しで追加情報を入れます。話し手が「ここで注意が必要なんですが…」と言うタイミングで、吹き出しが表示されると、視聴者の理解が深まります。

撮影段階での工夫:編集を楽にする準備

原稿を用意しておく

「喋りが苦手」な人が動画撮影で苦労する最大の原因は、「何を話せばいいか分からなくなる」ことです。

これを防ぐために、撮影前に「原稿」を用意しておきましょう。一言一句読み上げる必要はありませんが、話すべきポイントを整理しておくことで、撮影がスムーズになります。

原稿の作り方

まず、動画の目的と伝えたいメッセージを明確にします。次に、話す内容を箇条書きで書き出します。そして、箇条書きを元に、話す順番を決めます。最後に、必要であれば、具体的なセリフを書き起こします。

原稿を見ながら話す場合は、カメラの近くに原稿を配置するか、プロンプター(原稿を表示する装置)を使うと、視線が不自然になりにくくなります。

動画の台本や構成の作り方については、ChatGPTで動画の台本と構成を作る方法|編集時間を半分にするプロンプト公開の記事も参考にしてください。AIを活用して効率的に原稿を作成する方法を紹介しています。

インサート用の映像を多めに撮る

前述の通り、インサート映像(Bロール)は、話し手の映像を補完し、視覚的な変化を生み出す重要な素材です。

撮影の際は、本編(話し手の映像)だけでなく、インサート用の映像を多めに撮っておきましょう。

撮るべきインサート映像の例

商品のアップ映像(様々な角度から)、作業している手元の映像、オフィスや店舗の様子、パソコンの画面、資料やカタログ、外観や周辺環境などを撮影しておくと、編集の幅が広がります。

「多すぎるかな?」と思うくらい撮っておいて問題ありません。使わなかった素材は捨てればいいだけです。逆に、素材が足りないと、編集で苦労することになります。

素材が足りない場合の対処法は、素材が足りない!撮影し忘れたシーンを「フリー素材」や「静止画」でカバーする編集技の記事で解説しています。

図解で説明する部分は「切り替え」を前提に話す

図解を使って説明する部分は、撮影段階から「画面が図解に切り替わる」ことを前提に話しましょう。

例えば、「こちらの図をご覧ください」「このグラフが示すように」「流れとしては3つのステップがあります」といった「誘導の言葉」を入れておくと、編集で自然に図解に切り替えることができます。

また、図解の各要素を説明する際は、「まず1つ目は〇〇」「次に2つ目は△△」というように、区切りを明確にしておくと、編集でアニメーションを付けやすくなります。

複数テイク撮っておく

「喋りが苦手」な人は、一度の撮影で完璧に話すことは難しいです。同じ内容を複数テイク撮っておき、編集で最も良い部分を使うようにしましょう。

また、同じ内容でも「簡潔バージョン」「詳細バージョン」など、異なるバリエーションを撮っておくと、編集の選択肢が増えます。

動画編集ソフトの選び方

初心者におすすめの編集ソフト

テロップや図解を入れる動画編集を始めるには、適切な編集ソフトを選ぶ必要があります。初心者におすすめの編集ソフトをいくつか紹介します。

Canva

Webブラウザ上で使える無料のデザイン・動画編集ツールです。テンプレートが豊富で、直感的に操作できるため、初心者でもプロっぽい動画を作ることができます。

テロップの挿入や図解の作成も、同じツール内で完結できるのが大きなメリットです。ただし、高度な編集機能は限られているため、凝った編集をしたい場合は物足りなく感じるかもしれません。

詳しくはCanvaで動画編集!初心者でもデザイン性の高いSNS動画を作るテクニックの記事を参考にしてください。

CapCut

スマートフォンでも使える無料の動画編集アプリです。TikTokを運営するByteDance社が開発しており、SNS向けの動画編集に特化した機能が充実しています。

AI自動字幕機能があり、テロップ作成が非常に楽です。ただし、ビジネス利用には注意が必要な点もあります。CapCut:商用利用はOK?ビジネス動画をCapCutで編集する際の法的注意点とマナーの記事で詳しく解説しています。

DaVinci Resolve

プロ仕様の機能を無料で使える動画編集ソフトです。カラーグレーディング(色補正)に強みがあり、映画のような映像を作ることができます。

学習コストは比較的高いですが、一度覚えれば長く使えるソフトです。詳しくはDaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法の記事を参考にしてください。

プロ向けの編集ソフト

より本格的な動画編集を行いたい場合は、以下のソフトがおすすめです。

Adobe Premiere Pro

業界標準の動画編集ソフトです。テレビ番組や映画の制作にも使われており、プロの現場で最も広く使われています。

月額制のサブスクリプションで利用できます。After Effectsとの連携により、高度なモーショングラフィックスも作成できます。

詳しくはAdobe Premiere Proがビジネス動画編集の標準である3つの理由の記事を参考にしてください。初心者向けの学習ロードマップはPremiere Pro:初心者がまず覚えるべき基本操作10選|挫折しないための学習ロードマップで解説しています。

Final Cut Pro

Macユーザー向けの動画編集ソフトです。Appleが開発しており、Macとの相性が抜群です。買い切り型で、一度購入すれば追加費用なく使い続けられます。

Premiere Proと並んで、プロの現場でも使われているソフトです。

動画編集ソフトの比較については、ツール比較:【2026年最新】動画編集ソフト徹底比較|目的・予算・スペック別のおすすめの記事で詳しく解説しています。

効率化のためのワークフロー

テンプレートを作成する

同じシリーズの動画を複数作る場合は、「テンプレート」を作成しておくと効率が大幅にアップします。

テロップのテンプレート

フォント、サイズ、色、縁取り、位置などを決めた「標準テロップ」を用意しておきます。毎回ゼロから設定する必要がなくなり、動画間の統一感も保てます。

図解のテンプレート

よく使う図解のパターン(フローチャート、比較表など)をテンプレート化しておきます。テキストを差し替えるだけで、新しい図解が完成します。

プロジェクトのテンプレート

動画編集ソフトで、「いつも使う構成」をプロジェクトとして保存しておきます。オープニング、エンディング、テロップのスタイルなどがあらかじめ設定されていれば、編集作業をすぐに始められます。

テンプレート化については、動画編集の「テンプレート化」のススメ|制作時間を短縮しつつ統一感を出す方法の記事で詳しく解説しています。

AIツールを活用する

近年、AIを活用した動画編集ツールが急速に進化しています。これらを活用することで、編集作業を大幅に効率化できます。

AI文字起こし

Vrew、Premiere Proの自動文字起こし機能などを使えば、テロップ作成の手間を大幅に削減できます。

AI自動カット

無音部分や言い淀みを自動的に検出してカットしてくれるAIツールもあります。詳しくはAIによる「自動カット」の精度を検証|Premiere Proの新機能を使い倒すの記事で解説しています。

AI画像生成

イラストや図解の素材が必要な場合、AIで生成することもできます。静止画が動き出す?AI画像生成と動画編集を組み合わせて「未来の広告」を作るの記事も参考にしてください。

AIを活用した動画編集全般については、AI動画編集ツールの実力は?自動カットや字幕生成で作業を10倍速くする方法の記事で詳しく解説しています。

外注・分業を検討する

すべての作業を自分で行う必要はありません。苦手な部分や時間がかかる部分は、外注や分業を検討しましょう。

テロップ入れだけを外注する

テロップ入れは単純作業の割合が高いため、外注しやすい工程です。クラウドソーシングで、数千円〜数万円程度で依頼できます。

図解作成だけを外注する

デザインが苦手であれば、図解作成だけをプロに依頼することもできます。PowerPointやCanvaで使えるテンプレート形式で納品してもらえば、今後は自分で修正することも可能です。

外注のコツについては、動画編集の外注コストを「1/3」にするための、上手な素材提供と指示書の書き方の記事を参考にしてください。

視聴維持率を高める編集テクニック

どれほど良いテロップや図解を入れても、視聴者が最後まで見てくれなければ意味がありません。視聴維持率を高めるための編集テクニックを紹介します。

冒頭で「結論」または「期待」を示す

動画の冒頭数秒で、視聴者は「この動画を最後まで見るかどうか」を判断します。この「最初の数秒」で視聴者の心をつかむ必要があります。

結論ファーストで始める

「今日の結論から言います。〇〇です」と、最初に結論を示す方法です。視聴者は「なぜそうなるのか」を知りたくなり、最後まで見てもらえる可能性が高まります。

期待を持たせる

「この動画を最後まで見ると、〇〇が分かります」「最後に、〇〇の方法をお伝えします」と、視聴を続けるメリットを示す方法です。

冒頭のテロップで「【結論】〇〇」「【この動画で分かること】①〇〇 ②△△ ③□□」と表示するのも効果的です。

最初の数秒の作り方については、縦型動画(9:16)特有の編集ルール|最初の3秒でユーザーの指を止める仕掛けの記事も参考にしてください。

適度な「区切り」を入れる

長い動画は、途中で「区切り」を入れることで、視聴者の集中力を維持できます。

チャプター分け

動画を複数のパートに分け、各パートの冒頭で「次は〇〇について説明します」とテロップで示します。視聴者は「全体のどの辺にいるのか」を把握でき、安心して視聴を続けられます。

YouTubeでは「チャプター機能」を使って、動画内の目次を設定することもできます。詳しくはYouTubeの「チャプター機能」を最大活用する編集と設定のコツの記事を参考にしてください。

場面転換のアニメーション

パートが変わるタイミングで、トランジション(場面転換)のアニメーションを入れます。「ここで話題が変わるんだな」と視覚的に伝わり、視聴者の脳がリセットされます。

テンポよくカットする

「間」が多すぎると、視聴者は退屈を感じて離脱してしまいます。ジャンプカットを活用して、テンポよく編集しましょう。

特にYouTube動画では、1カットあたりの長さを10〜30秒程度に抑えることが推奨されています。同じ画角の映像が長く続くと、視聴者は飽きてしまいます。

カットの入れ方については、視聴維持率が変わる!プロが教える「カット」と「間」の編集テクニックの記事で詳しく解説しています。

視覚的な変化を付ける

画面が単調にならないよう、定期的に視覚的な変化を入れましょう。

テロップの出現、図解の挿入、インサート映像の切り替え、ズームイン・ズームアウト、カメラアングルの変更など、3〜5秒に1回は何らかの視覚的変化があると、視聴者を飽きさせません。

「引き」を作る

動画の途中で「この後、さらに重要なことをお伝えします」「後半で、〇〇の具体例を紹介します」といった「引き」を入れることで、視聴者は「最後まで見よう」という気持ちになります。

テロップで「【後半で解説】〇〇の具体例」などと表示するのも効果的です。

よくある失敗とその対策

テロップが多すぎて読めない

「情報を伝えたい」という気持ちが強すぎると、テロップを詰め込みすぎてしまうことがあります。画面が文字だらけになると、視聴者は「読むのが大変」と感じて離脱してしまいます。

対策

1画面に表示するテロップは、1〜2行に抑えましょう。情報量が多い場合は、複数のテロップに分けて、順番に表示します。また、本当に重要な情報だけをテロップにし、それ以外は口頭の説明に任せるという判断も必要です。

図解が複雑すぎる

情報を整理するはずの図解が、逆に複雑すぎて分かりにくくなってしまうケースがあります。矢印が入り乱れていたり、要素が多すぎたりすると、視聴者は混乱します。

対策

1つの図解で伝える情報は、1つのメッセージに絞りましょう。複数のことを伝えたい場合は、複数の図解に分けます。また、図解を一度に全部見せるのではなく、アニメーションで要素を一つずつ表示することで、理解しやすくなります。

テロップと音声がずれている

テロップの表示タイミングが音声とずれていると、視聴者は違和感を覚えます。特に、テロップが先に出すぎると「ネタバレ」感があり、遅すぎると「追いついていない」感があります。

対策

テロップは、話し始めるタイミングか、少し遅れて(0.2〜0.5秒程度)表示するのが自然です。編集時に、音声を聞きながらテロップのタイミングを細かく調整しましょう。

フォントや色がバラバラ

テロップや図解のデザインが動画内でバラバラだと、統一感がなく、「素人っぽい」印象を与えてしまいます。

対策

動画を作る前に、使用するフォント、色、サイズなどの「ルール」を決めておきましょう。テンプレートを作成しておくと、統一感を保ちやすくなります。

トンマナ(トーン&マナー)の定義については、トンマナ定義書:フォント・色・素材のルールを決めて「動画のブランド化」を急ごうの記事も参考にしてください。

BGMがうるさすぎる

BGMの音量が大きすぎると、話し手の声が聞き取りにくくなります。逆に小さすぎると、BGMの効果が薄れてしまいます。

対策

BGMの音量は、話し手の声の邪魔にならない程度に抑えましょう。目安として、話し手の声に対してBGMは-20dB〜-30dB程度に設定するのが一般的です。編集ソフトの「ダッキング」機能を使うと、話している間は自動的にBGMの音量を下げてくれます。

音声バランスについては、動画のクオリティは「音」で決まる!ノイズ除去と音量バランスの黄金比の記事で詳しく解説しています。

スマートフォン視聴を意識した編集

現在、動画視聴の多くはスマートフォンで行われています。スマートフォンでの視聴を意識した編集が必要です。

テロップのサイズに注意

PCの大画面では読めるサイズのテロップでも、スマートフォンの小さな画面では読めないことがあります。

テロップを作成したら、必ずスマートフォンで表示を確認しましょう。目安として、スマートフォンを通常の視聴距離(30〜40cm)で持った状態で、楽に読めるサイズである必要があります。

スマホ視聴を意識したフォントサイズについては、スマホで文字が小さい?モバイルフレンドリーなフォントサイズと行間の黄金比の記事も参考になります。

縦型動画への対応

TikTok、Instagram Reels、YouTubeショートなど、縦型動画のプラットフォームが急成長しています。横型(16:9)で撮影した動画を縦型(9:16)に編集する場合は、画面の使い方が大きく変わります。

縦型動画では、上部と下部にテロップを配置するスペースが取りやすくなります。一方で、横に広がる図解は収まりにくくなるため、縦に長い構成に変更する必要があります。

縦型動画の編集については、縦型動画(9:16)特有の編集ルール|最初の3秒でユーザーの指を止める仕掛けの記事で詳しく解説しています。

音声オフでも伝わる編集

電車内やオフィスなど、音声を出せない環境で動画を視聴する人が多いです。音声オフでも内容が伝わるように、フルテロップを入れることを検討しましょう。

また、展示会のブースで流す動画など、最初から「音なし」で視聴されることを前提とした動画もあります。そのような場合は、B2B展示会:音なしでも伝わる!展示会ブースで流す動画の「文字特化」編集の記事が参考になります。

ホームページとの連携

動画は、ホームページと連携させることで、さらに効果を発揮します。

ホームページに動画を埋め込む

作成した動画をYouTubeにアップロードし、ホームページに埋め込むことで、訪問者の滞在時間を延ばすことができます。滞在時間が延びると、SEO的にもプラスの効果があります。

動画の埋め込みについては、ホームページに動画を埋め込むメリット|YouTube活用で滞在時間を延ばすSEO効果の記事で詳しく解説しています。

また、動画編集とSEOの相乗効果|サイト滞在時間を延ばす「埋め込み動画」の作り方では、SEOを意識した動画の作り方と埋め込み方を紹介しています。

ファーストビューに動画を配置

ホームページのファーストビュー(最初に表示される画面)に動画を配置することで、訪問者の注目を集め、メッセージを効果的に伝えることができます。

詳しくはファーストビュー動画:HPを開いた瞬間に心を掴む!背景動画の書き出し設定と軽量化の記事を参考にしてください。

LPに動画を活用

ランディングページ(LP)に動画を配置することで、コンバージョン率(成約率)を高めることができます。商品やサービスの説明を動画で行うことで、テキストだけよりも伝わりやすくなります。

LPへの動画活用については、LP(ランディングページ)専用動画の編集|コンバージョン率を高める構成の記事で詳しく解説しています。

動画からホームページへ誘導する

逆に、動画からホームページへ視聴者を誘導することも重要です。

エンドカードで誘導

動画の最後に「エンドカード」(終了画面)を設置し、ホームページへの誘導を行います。「詳しくはこちら」「お問い合わせはこちら」などのCTA(行動喚起)をテロップで表示しましょう。

エンドカードの作り方については、リード獲得:視聴後に「問い合わせ」へ繋げる!動画末尾(エンドカード)の編集術の記事を参考にしてください。

概要欄にリンクを記載

YouTubeの場合、動画の概要欄にホームページのURLを記載しておきましょう。動画内でも「概要欄にリンクがあります」とテロップで案内することで、クリック率を高めることができます。

QRコードを表示

動画内にQRコードを表示することで、スマートフォンで視聴している人を別のデバイスでホームページに誘導したり、セミナーなどで上映している動画から直接サイトにアクセスしてもらったりすることができます。

QRコードの活用については、ショート動画からHPへ誘導する編集の仕掛け|QRコードやリンクの配置の記事を参考にしてください。

まとめ:喋りが苦手でも、編集力で勝負できる

この記事では、「喋りが苦手」という弱点を、動画編集の力で強みに変えるための具体的なテクニックを解説してきました。

改めて、重要なポイントをまとめます。

テロップの活用

フルテロップで音声を補完し、ポイントテロップで重要な情報を強調します。テロップのデザイン(フォント・サイズ・色)を統一し、読みやすさを確保します。AI文字起こしツールを活用して、制作効率を上げましょう。

図解の活用

複雑な情報は図解で分かりやすく可視化します。フローチャート、比較表、グラフなど、情報に適した形式を選びます。アニメーションを付けて、話の進行に合わせて要素を表示しましょう。

その他の編集テクニック

ジャンプカットで言い淀みや「間」を消します。BGMと効果音で雰囲気を作ります。インサート映像で視覚的な変化を加えます。マルチカメラ編集やアニメーションで飽きさせない工夫をしましょう。

「喋りが苦手」を逆手に取る

「素人感」を「親近感」に変え、「喋り」以外の強み(専門知識、実績、人柄)を前面に出します。必要であれば、ナレーションやAI音声、インタビュー形式も検討しましょう。

喋りが苦手であっても、編集力を磨くことで、プロ顔負けの動画を作ることは十分に可能です。むしろ、「喋りが完璧でないからこそ、編集で工夫する」という姿勢が、結果的に視聴者にとって分かりやすく、印象に残る動画を生み出すことにつながります。

最初は時間がかかるかもしれませんが、テンプレートを作成し、AIツールを活用し、経験を積むことで、徐々に効率よく高品質な動画を作れるようになります。

ぜひ、この記事で紹介したテクニックを実践し、動画マーケティングを成功させてください。

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