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AMP(Accelerated Mobile Pages)は必要?2026年におけるAMPのSEO効果と実装判断

はじめに:あの「稲妻マーク」はどこへ消えた?

数年前まで、スマホでニュースを検索すると、検索結果に「⚡(稲妻マーク)」が付いた記事がたくさん並んでいました。
タップすると一瞬で表示されるその体験に、未来を感じた方も多いでしょう。

しかし2026年現在、その稲妻マークはひっそりと姿を消しました。
GoogleはAMPを捨てたのでしょうか?それとも、まだ導入する価値はあるのでしょうか?

この記事では、Web担当者を長年悩ませてきた「AMP対応、やるべきか辞めるべきか問題」に、最新のSEO情勢を踏まえた完全な答えを出します。


1章:AMP(Accelerated Mobile Pages)とは何だったのか

AMP(アンプ)とは、GoogleとTwitter(現X)などが共同で立ち上げた「モバイルページを爆速で表示させるためのプロジェクト」です。

AMPが速い仕組み

AMPページが速いのには、物理的な理由があります。

  1. Googleがデータを預かる(キャッシュ):
    あなたのサーバーではなく、Googleの高性能サーバーから直接データを配信します。
  2. 機能を制限する:
    重くなる原因であるJavaScriptやCSSを極端に制限し、「余計なものを読み込ませない」ことで軽さを実現しています。

つまり、「Googleという巨大な図書館に、軽量化したコピー本を置かせてもらう」ような仕組みでした。


2章:Googleの方針転換「AMP優遇の終了」

かつてGoogleは、「AMP対応しているページだけを、検索結果のトップニュース枠(カルーセル)に載せる」という強力な優遇措置をとっていました。
そのため、メディアサイトやブログはこぞってAMPを導入しました。

しかし、2021年以降、このルールは撤廃されました。

主役は「Core Web Vitals」へ

Googleはこう宣言しました。
「AMPであるかどうかは関係ない。そのページが速くて快適なら(Core Web Vitalsが良ければ)、どんな技術を使っていても優遇する」

これにより、通常のHTMLで作られたページでも、SEO対策やサーバーの高速化(サーバー選び)をしっかり行っていれば、AMPと同じ土俵で戦えるようになったのです。


3章:2026年におけるAMPのメリット・デメリット

では、今からAMPを導入する意味は全くないのでしょうか?
状況別に整理してみましょう。

メリット:依然として「最速」ではある

通信環境が悪い場所や、スペックの低いスマホを使っているユーザーにとっては、機能制限されたAMPページは依然として最強の閲覧体験を提供します。
また、サーバーへの負荷をGoogleが肩代わりしてくれるため、アクセス集中に強いという利点もあります。

デメリット:運用コストとデザイン制約

AMPを導入すると、実質的に「通常サイト」と「AMPサイト」の2つを管理することになります。
デザインの自由度は低く、使いたいウィジェットや広告が貼れないなどの制約も多々あります。
また、URLが2つ存在することによるインデックストラブルのリスクも無視できません。

次回の第2部では、それでも「AMPを導入すべき(維持すべき)」数少ないケースについて解説します。
特に「Google Discover(砲)」での爆発的な流入を狙うブログやニュースメディアにとって、AMPがまだ武器になる理由を深掘りします。

🚀 次回予告:AMPが「武器」になる唯一の場所

「Google砲を狙うならAMP?」
Discoverでの露出率とAMPの関係性、そして大手ニュースサイトがまだAMPを辞めない本当の理由。

4章:Google Discover(Google砲)とAMPの深い関係

Googleアプリを開いた時、検索窓の下に「あなたへのおすすめ記事」が表示されますよね。
これが「Google Discover」です。
ここに掲載されると、短期間で爆発的なアクセス(いわゆるGoogle砲)が発生します。

実は、このDiscoverにおいて、AMPはいまだに強力なアドバンテージを持っています。

なぜDiscoverではAMPが強いのか?

Googleは公式には「DiscoverにAMPは必須ではない」と言っています。
しかし、実際のデータを見ると、Discover経由で配信される記事の多くがAMP対応ページです。

これは、Discoverのユーザー層が「スマホで手軽にニュースを読みたい人」であり、Google側も「タップした瞬間に開く快適な体験(AMP)」を提供したいと考えているためだと推測されます。

もしあなたがブログやトレンドアフィリエイトを運営しており、「検索順位」よりも「Discoverからの爆発的な流入」を主軸に置いているなら、AMP導入は有力な選択肢となります。


5章:大規模メディアがAMPを辞めない「別の理由」

新聞社や大手Webマガジンなど、月間数百万PVを超えるオウンドメディアの多くは、今もAMPを継続しています。
彼らがAMPを辞めない理由は、SEO順位だけではありません。

サーバーダウンを防ぐ「防波堤」

大規模サイトにとって一番怖いのは、アクセス集中によるサーバーダウンです。
AMPページは、Googleのキャッシュサーバー(CDN)から配信されるため、自社サーバーへの負荷がほとんどかかりません。

つまり、AMPは「無料で使える超高性能なキャッシュサーバー」としての役割を果たしているのです。
もしAMPを解除して通常ページに戻せば、自社サーバーへの負荷が一気に跳ね上がり、高額なサーバー増強コストが発生するリスクがあります。


6章:中小企業・コーポレートサイトには「不要」

一方で、一般的な企業のホームページ(コーポレートサイト)や、実店舗の集客用ページにおいては、AMPを導入するメリットはほぼゼロです。

❌ 企業サイトにAMPが向かない理由
  • デザイン制限:ブランドイメージを伝えるリッチなデザインやアニメーションが使えない。
  • コンバージョン機能の制限:問い合わせフォームやチャットボットなど、JavaScriptを使う機能が制限されるため、成約率(CVR)が下がる可能性がある。
  • 運用の手間:更新頻度が低いサイトで、AMPエラーの管理をするのはコストに見合わない。

結論として、2026年においてAMPを導入すべきなのは、以下の条件に当てはまるサイトだけです。

  • 月間100万PV以上のニュースメディア
  • Google Discover狙いのトレンドブログ

それ以外のサイトは、無理にAMPを導入せず、通常のレスポンシブデザインでの高速化を目指すべきです。

次回の第3部では、AMPの「負の側面」に焦点を当てます。
導入することで発生するデザイン崩れや、広告収益の減少、そして最も恐ろしい「URL正規化」のトラブルについて解説します。

🚀 次回予告:AMP導入の「代償」を知る

「AMPにしたら広告が出ない!」「デザインが崩れた…」
機能制限による収益ダウンのリスクと、Googleアナリティクスの計測漏れ問題。

7章:デザインと機能の「強制ダイエット」

AMPを導入するということは、サイトに厳しい「食事制限」を課すようなものです。
Googleが定めるAMPの仕様(AMP HTML)に準拠するために、通常のWebサイトで当たり前に使われている技術の多くが禁止されます。

JavaScriptが(ほぼ)使えない

これが最大のデメリットです。
AMPでは、基本的に自作のJavaScriptが動作しません(※現在はamp-scriptで一部緩和されていますが、制限は厳しいです)。

そのため、以下のような機能が動かなくなるリスクがあります。

  • ハンバーガーメニューのアニメーション
  • お問い合わせフォームのバリデーション(入力チェック)
  • チャットボットやポップアップバナー
  • ECサイトの「カートに入れる」ボタンの複雑な挙動

結果として、デザインが簡素になりすぎてブランドイメージが損なわれたり、自作ホームページのように安っぽく見えてしまったりすることがあります。


8章:収益と計測の落とし穴

メディア運営者にとって死活問題なのが、広告とアクセス解析への影響です。

広告収益の減少リスク

AMPページでは、通常の広告タグ(AdSenseなど)がそのままでは動きません。
AMP専用の広告タグ(amp-ad)に書き換える必要があります。

また、スクロール追従型のオーバーレイ広告など、収益性の高い広告フォーマットが制限されることも多く、結果として「アクセスは増えたけど、広告単価が下がって売上が落ちた」というケースが後を絶ちません。

アクセス解析の分断

AMPページはGoogleのキャッシュサーバーから配信されるため、ドメインがgoogle.com/amp/example.comのようになります。
これにより、Googleアナリティクスなどの解析ツールにおいて、通常ページとAMPページが「別々のセッション」として計測され、ユーザーの動きを正しく追えなくなる(直帰率が異常に高く見える)問題が発生します。

これを解決するための「Linker機能」の設定も非常に複雑です。


9章:URL正規化の罠(SEOトラブル)

AMPを導入すると、1つの記事に対して「通常ページ」と「AMPページ」の2つのURLが存在することになります。
ここで怖いのが、Googleがどちらを「正規のページ」として評価するかという問題です。

正しくrel="canonical"タグを設定していないと、Googleはこれらを「重複コンテンツ(コピー記事)」とみなす可能性があります。
最悪の場合、評価が分散して検索順位が下落したり、インデックスから除外されたりするリスクがあります。

「プラグインを入れるだけでAMP化!」という手軽なツールも多いですが、裏側でタグ設定が間違っていて、気づかないうちにSEO評価を落としているサイトも少なくありません。

次回の第4部では、「やっぱりAMPを辞めたい」と思った時のための、正しい解除手順(脱AMPマニュアル)を解説します。
ただプラグインを停止するだけでは、検索結果に404エラーが大量発生し、大惨事になります。安全に着地するためのリダイレクト設定をお伝えします。

🚀 次回予告:検索順位を落とさない「脱AMP」の手順

「プラグイン停止して終わり、は大間違い!」
Googleのインデックスに残ったAMPページを、安全に通常ページへ転送(301リダイレクト)する技術的マニュアル。

10章:プラグイン停止=ゴールではない!最大の落とし穴

WordPressなどでAMPプラグインを使っている場合、「プラグインを無効化すればAMP解除完了」と思いがちですが、これは非常に危険な間違いです。

なぜなら、Googleの検索結果には、まだあなたの「AMPページのURL(例:example.com/page/amp/)」がインデックス(登録)されたまま残っているからです。

この状態でプラグインを停止するとどうなるでしょうか?
検索ユーザーがそのAMPページをクリックした瞬間、画面には「404 Not Found(ページが見つかりません)」が表示されます。
これはユーザーにとって最悪の体験であり、Googleからの評価もガタ落ちします。


11章:安全な「脱AMP」の3ステップ

検索順位を維持したまま、安全に通常ページへ戻すための正しい手順は以下の通りです。

ステップ1:301リダイレクトの設定(最重要)

「AMPページに来たユーザーを、自動的に通常ページへ転送する」設定を行います。
これにより、検索結果に古いAMPのURLが残っていても、ユーザーは迷わず正しい記事にたどり着けます。

【WordPressでの設定例】
「Redirection」などのプラグインを使うか、サーバー.htaccessファイルに以下の記述を追加します。

# AMPページから通常ページへのリダイレクト
RewriteEngine On
RewriteCond %{REQUEST_URI} (.+)/amp/?$
RewriteRule ^(.+)/amp/?$ $1/ [R=301,L]

※サイトのURL構造によって記述は異なります。エンジニアに相談することをおすすめします。

(参考:301リダイレクトとは?

ステップ2:AMPプラグインの無効化

リダイレクト設定が完了し、実際に「/amp/」付きのURLにアクセスして通常ページに転送されることを確認したら、ここで初めてAMPプラグインを停止・削除します。

ステップ3:Search Consoleで確認

数日〜数週間かけて、GoogleのインデックスからAMPのURLが徐々に消えていきます。
Search Consoleの「AMP」レポートを見て、エラーが増えていないか、有効なAMPページ数が減っているか(0に向かっているか)を定期的にチェックしましょう。


12章:Googleのキャッシュはいつ消える?

自サイトの設定を完璧にしても、Googleのサーバー上に保存された「AMPキャッシュ(google.com/amp/…)」は、しばらく残り続けます。

これはGoogle側の仕様なので、完全に消えるまでコントロールすることはできませんが、通常は数日から数週間で自動的に更新され、リダイレクトが反映されるようになります。
焦らず待つのが正解です。

次回の最終回(第5部)では、AMPを辞めた後にどうやって「速さ」を維持するか?というテーマで、代替技術とまとめをお届けします。
AMPなしでもCore Web Vitalsをクリアし、爆速サイトを作るためのロードマップと、最終的な導入判断フローチャートを公開します。

🚀 次回予告:AMPなしで「爆速」を作る方法

「AMPを辞めたら遅くなる?」
いいえ、最新の技術を使えばAMP以上の速度は可能です。Core Web Vitals時代の高速化戦略と、最終的な意思決定ガイド。

13章:AMPの代わりになる「高速化技術」

GoogleがAMP優遇を終了した理由は、「通常のWeb技術だけで、十分に高速なサイトが作れるようになったから」です。
AMPという特殊なフレームワークを使わなくても、以下の施策を行えば、Core Web Vitalsのスコアを「合格(緑色)」にすることは難しくありません。

1. 画像の軽量化(WebP)

AMPの高速化の肝は「画像の遅延読み込み」と「サイズ指定」でした。
これらは現在、WordPressの標準機能やプラグイン、そして次世代フォーマット「WebP」への変換で簡単に実現できます。

2. 高速サーバーとCDN

AMPキャッシュの代わりになるのが、高性能なレンタルサーバー(NVMe SSD搭載)と、CDN(Cloudflareなど)の活用です。
自社サーバーのスペックを上げれば、Googleのサーバーに頼る必要はありません。

3. 動画の最適化

YouTube動画などの重いコンテンツは、「facade(ファサード)」と呼ばれる技術(再生ボタンを押すまで読み込まない仕組み)を使えば、初期表示速度を劇的に改善できます。


14章:最終結論|AMP導入判断フローチャート

ここまで読んで、「結局うちはどうすればいいの?」と迷っている方へ。
以下のフローチャートで判断してください。

🚦 2026年版 AMP導入・継続判断

Q1. あなたのサイトは「ニュースメディア」または「トレンドブログ」ですか?

  • NO ➡ AMP不要(レスポンシブで高速化しよう)
  • YES ➡ Q2へ

Q2. 月間PV数はどれくらいですか?

  • 10万PV以下 ➡ AMP不要(管理コストの方が高い)
  • 100万PV以上 ➡ Q3へ

Q3. Google Discover(おすすめ記事)からの流入が全体の30%以上ありますか?

  • NO ➡ AMP解除を検討(収益性が上がる可能性大)
  • YES ➡ AMP継続(Discover枠を失うリスクは避けるべき)

ほとんどの企業サイト、サービスサイト、一般的なブログにとって、答えは「AMP不要」になるはずです。


15章:まとめ|技術に振り回されず、本質を見よう

全5回にわたり、AMPの興亡と現状について解説してきました。

AMPは一時的に「SEOの特効薬」のようにもてはやされましたが、本質はあくまで「ユーザーに快適な速度を提供する手段の一つ」に過ぎません。
Googleの方針が変われば、推奨される手段も変わります。

重要なのは、「AMPかどうか」ではありません。
あなたのサイトを訪れたユーザーが、ストレスなく情報を得られるかどうか(Core Web Vitalsが良いかどうか)。
それさえ満たしていれば、Googleは必ずあなたのサイトを評価してくれます。

流行りの技術に飛びつく前に、まずは基本的なSEO対策と、コンテンツの質(滞在時間)を高めることに注力しましょう。


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