はじめに:「なんでも屋」では副業で稼げない理由
「動画編集を副業で始めたけど、なかなか稼げない…」
「案件は取れるけど、単価が低くて消耗している…」
「どうすれば月10万円、20万円と稼げるようになる?」
動画編集を副業にする人が増える中、「稼げる人」と「稼げない人」の差が広がっています。
その差を生む大きな要因が、「特化型」か「なんでも屋」かの違いです。
なんでも屋の編集者:
- 「どんなジャンルでも対応します」
- 「カット、テロップ、BGM、何でもできます」
- 結果:競合が多すぎて埋もれる、単価が上がらない
特化型の編集者:
- 「ビジネス系YouTubeの編集が得意です」
- 「モーショングラフィックスに特化しています」
- 結果:競合が少ない、高単価で選ばれる
本記事では、副業で動画編集を成功させるための「特化型戦略」を詳しく解説します。
なぜ「なんでも屋」は稼げないのか
理由1:競合が多すぎる
「カット+テロップ+BGMができます」という編集者は、山ほどいます。
クラウドソーシングで「動画編集」の案件を見ると、応募者が数十人〜100人以上になることも珍しくありません。その中で選ばれるのは至難の業です。
なんでも屋の問題:
- 「誰に頼んでも同じ」と思われる
- 選ぶ基準が「価格」だけになる
- 最安値の人が選ばれる
理由2:差別化できない
「なんでもできます」は、一見強みに見えますが、実は「何も特徴がない」と同義です。
クライアントの立場で考えてみてください。
提案A:「動画編集歴2年、どんなジャンルでも対応します」
提案B:「ビジネス系YouTube専門、担当チャンネルの平均再生回数を2倍にした実績あり」
どちらに頼みたいですか?ビジネス系のチャンネルを運営しているなら、間違いなくBですよね。
理由3:価格競争に巻き込まれる
差別化できないと、価格でしか勝負できなくなります。
価格競争の悪循環:
- 案件を取るために安くする
- 安くしても、もっと安い人が現れる
- さらに安くする
- 利益が出なくなる
- 疲弊する
この悪循環から抜け出すには、「価格以外の理由で選ばれる」必要があります。それが「特化」です。
理由4:スキルが中途半端になる
「なんでもやる」と、スキルが広く浅くなります。
なんでも屋のスキル:
- カット編集:そこそこ
- テロップ:そこそこ
- モーショングラフィックス:少しだけ
- カラーグレーディング:基本だけ
特化型のスキル:
- ビジネス系の構成:プロレベル
- 視聴維持率を上げるテロップ:プロレベル
- 権威性を出す演出:プロレベル
「そこそこ何でもできる人」より、「この分野では誰にも負けない人」の方が、高単価で選ばれます。
「特化型」とは何か
特化の2つの軸
特化には、大きく分けて2つの軸があります。
1. ジャンル特化
特定のジャンル、業界に絞る戦略。
- ビジネス・教育系
- 美容・コスメ
- フィットネス・ヨガ
- 不動産・金融
- 医療・健康
- ゲーム実況
- 料理・グルメ
2. スキル特化
特定のスキル、技術に絞る戦略。
- モーショングラフィックス
- カラーグレーディング
- サムネイル作成
- アニメーション
- 音声編集・ポッドキャスト
- 縦型動画(ショート、リール)
掛け合わせでさらに強くなる
最強なのは、ジャンル特化 × スキル特化の掛け合わせです。
例:
- 「ビジネス系YouTube × モーショングラフィックス」
- 「美容系 × 縦型動画(リール・TikTok)」
- 「不動産 × ドローン映像編集」
- 「教育系 × アニメーション解説」
掛け合わせることで、競合がほとんどいないポジションを作れます。
特化のメリット
1. 競合が減る
- 「動画編集者」は山ほどいる
- 「ビジネス系専門の動画編集者」は少ない
- 「ビジネス系 × モーショングラフィックス」はさらに少ない
2. 高単価で選ばれる
- 専門家には高いお金を払う価値がある
- 「安さ」ではなく「専門性」で選ばれる
3. 効率が上がる
- 同じジャンルの案件をこなすうちに、作業が効率化
- テンプレート、ノウハウが蓄積
- 時間あたりの収益が上がる
4. 実績が積み上がる
- 同じジャンルの実績が増える
- 「◯◯の専門家」としてのブランディング
- 口コミ、紹介が生まれやすい
5. 営業がしやすくなる
- ターゲットが明確になる
- 刺さる提案ができる
- 「この人しかいない」と思ってもらえる
特化すべきジャンルの選び方
選び方の3つの基準
どのジャンルに特化するかは、以下の3つの基準で選びましょう。
1. 市場があるか(需要)
- そのジャンルでYouTubeをやっている人が多いか
- 企業の参入が増えているか
- 予算を持っているクライアントがいるか
2. 自分に適性があるか(強み)
- そのジャンルに興味がある、好き
- 業界知識がある(本業、趣味など)
- そのジャンルの動画を作るのが楽しい
3. 競合が少ないか(差別化)
- すでに「◯◯専門」を名乗っている人が多くないか
- 参入の余地があるか
高単価が狙えるジャンル
以下のジャンルは、比較的高単価が狙えます。
1. ビジネス・教育系
特徴:
- 企業、コンサルタント、講師などがクライアント
- 予算を持っている
- 「伝わること」「信頼感」が重要
求められるスキル:
- わかりやすい構成力
- 権威性を出すテロップデザイン
- 図解、インフォグラフィックス
単価目安:15,000〜50,000円/本
2. 不動産・金融
特徴:
- 不動産会社、FP、投資家などがクライアント
- 高額商品を扱うため、予算が大きい
- 専門用語、業界知識が必要
求められるスキル:
- 専門用語の理解
- 信頼感のある演出
- データ、グラフの見せ方
単価目安:20,000〜60,000円/本
3. 医療・健康
特徴:
- クリニック、医師、健康系インフルエンサーがクライアント
- 正確性が求められる
- 専門知識があると重宝される
求められるスキル:
- 医療用語の理解
- わかりやすい図解
- 信頼感、清潔感のあるデザイン
単価目安:20,000〜50,000円/本
4. 美容・コスメ
特徴:
- 美容系YouTuber、コスメブランドがクライアント
- ビジュアル重視
- トレンドへの敏感さが必要
求められるスキル:
- おしゃれなテロップ、デザイン
- カラーグレーディング
- SNS(Instagram、TikTok)への対応
単価目安:10,000〜30,000円/本
5. 企業チャンネル(BtoB)
特徴:
- 企業のマーケティング部門がクライアント
- 予算が大きい
- 品質、納期厳守が求められる
求められるスキル:
- ビジネスコミュニケーション
- 企業のブランドガイドラインへの対応
- 安定した品質
単価目安:20,000〜100,000円/本
避けた方が良いジャンル(副業の場合)
以下のジャンルは、単価が低くなりやすいため、副業で高単価を狙うなら避けた方が良いかもしれません。
1. ゲーム実況
- 参入者が非常に多い
- 編集がシンプルな場合が多い
- クライアントの予算が小さいことも
2. 切り抜き動画
- 大量生産型で単価が低い
- 「安さ」が求められる
3. 個人Vlog
- 編集がシンプル
- 予算が限られている個人が多い
※これらのジャンルが悪いわけではありません。好きなら続けられますし、量をこなせば稼げます。ただし、「高単価」を目指すなら他のジャンルの方が有利です。
特化すべきスキルの選び方
高単価につながるスキル
1. モーショングラフィックス
概要:
After Effectsなどを使った、動きのあるグラフィック制作。
需要:
- ビジネス系、教育系で需要が高い
- 企業VPで必須
- できる人が少ない
学習コスト:中〜高(After Effectsの習得に時間がかかる)
単価への影響:大(2〜5倍になることも)
2. カラーグレーディング
概要:
映像の色味を調整し、映画のような世界観を作る技術。
需要:
- シネマティック系、Vlog
- 企業VP、ブランド動画
- ハイクオリティを求めるクライアント
学習コスト:中(DaVinci Resolveは無料で学べる)
単価への影響:中〜大
3. サムネイル作成
概要:
クリックされるサムネイルをデザインする技術。
需要:
- 全てのYouTuberに需要がある
- 編集とセットで依頼されることが多い
学習コスト:低〜中(Photoshop、Canvaで作成可能)
単価への影響:中(+1,000〜5,000円/枚)
4. 縦型動画(ショート・リール・TikTok)
概要:
9:16のショート動画に特化した編集。
需要:
- 急成長中の市場
- 企業、インフルエンサーの参入が増加
- 横型とは違うスキルが必要
学習コスト:低〜中
単価への影響:中(1本の単価は低いが、量で稼げる)
5. 構成・企画力
概要:
「伸びる動画」の構成を提案できる力。
需要:
- 全てのYouTubeクライアントに需要
- 「編集者」から「パートナー」になれる
学習コスト:中〜高(経験、分析が必要)
単価への影響:大(ディレクション込みで高単価に)
スキルの掛け合わせ例
| 掛け合わせ | 強み | ターゲット |
|---|---|---|
| 編集 × モーショングラフィックス | 高品質な動画を一貫制作 | 企業、ビジネス系 |
| 編集 × サムネイル | ワンストップで依頼可能 | 全YouTuber |
| 編集 × 構成・企画 | 「伸びる動画」を提案 | 成果を求めるクライアント |
| 編集 × カラーグレーディング | シネマティックな世界観 | Vlog、ブランド動画 |
| 縦型 × トレンド分析 | バズる動画を量産 | SNSマーケ、インフルエンサー |
特化型編集者になるためのステップ
ステップ1:特化するジャンル・スキルを決める
決め方:
- 自分の興味、経験をリストアップ
- 市場の需要を調査(YouTubeで検索、クラウドソーシングで案件を見る)
- 競合の状況を確認(◯◯専門を名乗っている人がどれくらいいるか)
- 3つの条件(需要、適性、差別化)を満たすものを選ぶ
最初は1つに絞る:
- 「あれもこれも」は避ける
- まずは1つのジャンルorスキルで実績を作る
- 軌道に乗ったら、掛け合わせを増やす
ステップ2:専門知識を身につける
特化するジャンルの「専門知識」を身につけましょう。
学習方法:
- そのジャンルのYouTube動画を大量に見る
- 人気チャンネルの編集スタイルを分析
- 業界の書籍、記事を読む
- そのジャンルのトレンドをフォロー
例(ビジネス系に特化する場合):
- 人気のビジネス系YouTuberを10チャンネル以上分析
- 「なぜこの動画は伸びているのか」を考える
- テロップのスタイル、構成、演出をメモ
- ビジネス書を読んで、コンテンツの理解を深める
ステップ3:特化したポートフォリオを作る
ポートフォリオは、特化した分野に絞って作りましょう。
NGなポートフォリオ:
- 「いろんなジャンルの動画を入れました」
- 「何でもできることをアピール」
OKなポートフォリオ:
- 「ビジネス系YouTube専門の編集実績」
- 「このジャンルに特化した作品を厳選」
ポートフォリオに入れるべきもの:
- 特化ジャンルの作品(3〜5本)
- なぜその編集をしたかの解説
- 成果(あれば):「この動画で再生回数◯万回」
- ビフォーアフター(編集前と編集後の比較)
ステップ4:特化を打ち出して営業する
営業(提案)でも、特化をアピールしましょう。
NGな提案:
動画編集歴3年です。 どんなジャンルでも対応できます。 よろしくお願いします。
OKな提案(ビジネス系に特化している場合):
ビジネス系YouTube専門で編集しております、◯◯と申します。 これまで20チャンネル以上のビジネス系YouTubeを担当し、 平均視聴維持率を40%から55%に改善した実績があります。 貴チャンネルの「◯◯」という動画を拝見しました。 視聴維持率を上げるために、以下の改善を提案させていただきます。 ・冒頭5秒でのフック強化 ・図解を使った説明パートの追加 ・エンディングCTAの最適化 ポートフォリオ:(URL) ぜひ一度、お話しできれば幸いです。
特化していることで、「この人はうちのことをわかっている」と思ってもらえます。
ステップ5:実績を積み上げる
特化した分野で実績を積み上げることで、さらに強い専門家になれます。
実績の見せ方:
- 「ビジネス系YouTubeを30チャンネル以上担当」
- 「担当チャンネルの合計登録者数100万人以上」
- 「平均再生回数を2倍に改善した実績多数」
実績が増えるほど、単価を上げても選ばれるようになります。
特化型編集者の営業戦略
戦略1:ターゲットを絞った営業
特化しているからこそ、営業先も絞れます。
例(ビジネス系特化の場合):
- ビジネス系YouTuberに直接DM
- コンサルタント、講師にアプローチ
- 企業のマーケティング担当者にLinkedIn経由でアプローチ
「なんでも屋」だと、どこに営業すればいいかわからなくなりますが、特化していればターゲットが明確です。
戦略2:SNSでの発信
特化した分野についてSNSで発信することで、クライアントから見つけてもらえます。
発信内容の例:
- 「ビジネス系YouTubeで使える編集テクニック」
- 「視聴維持率を上げるテロップの入れ方」
- 「◯◯ジャンルの編集で意識していること」
- 編集のビフォーアフター
- 担当した動画の紹介(許可を得て)
発信するSNS:
- X(Twitter):編集者が多い、情報が広がりやすい
- YouTube:自分の編集スキルを動画で見せる
- Instagram:ビジュアルで見せる
- LinkedIn:企業案件を狙うなら
戦略3:紹介を生む
特化型編集者は、紹介が生まれやすいです。
紹介が生まれる理由:
- 「◯◯ジャンルなら、あの人がいいよ」と言いやすい
- 同じジャンルのYouTuber同士でつながりがある
- クライアントが知り合いに紹介してくれる
紹介を増やすコツ:
- とにかく良い仕事をする(当然)
- 「紹介してくれたら嬉しいです」と伝える
- 紹介してくれた人にお礼をする
戦略4:高単価クライアントに絞る
特化しているなら、低単価クライアントは断る勇気も必要です。
断るべきクライアント:
- 予算が明らかに低い
- 「安くして」が口癖
- 自分の専門外のジャンル
断り方の例:
ご依頼ありがとうございます。 申し訳ありませんが、現在のキャパシティと ご予算が合わないため、今回はお受けすることが難しい状況です。 もしご予算に余裕がございましたら、 改めてご相談いただければ幸いです。
断ることで、高単価案件に時間を使えるようになります。
特化型の成功事例
事例1:ビジネス系特化で月収50万円
背景:
- 元営業職、ビジネス書が好き
- 副業で動画編集を開始
- 最初は「なんでも屋」で単価5,000円
特化した経緯:
- 自分が好きなビジネス系に特化することを決意
- ビジネス系YouTuberの動画を100本以上分析
- ポートフォリオをビジネス系のみに絞る
- 「ビジネス系専門」を打ち出して営業
結果:
- 単価:5,000円 → 25,000円に
- 月収:10万円 → 50万円に
- 継続クライアント5社(全てビジネス系)
事例2:美容系 × 縦型動画で月収30万円
背景:
- 美容好きの主婦、子育て中
- 隙間時間で副業を開始
- 最初はゲーム実況の編集で単価2,000円
特化した経緯:
- 自分が好きな美容系に特化
- さらに「縦型動画(リール・TikTok)」に絞る
- 美容系インフルエンサーに直接DM営業
結果:
- 単価:2,000円 → 8,000円/本(縦型)
- 月に40本程度制作
- 月収:30万円前後
- 隙間時間で効率的に作業
事例3:モーショングラフィックス特化で月収80万円
背景:
- デザイン系の会社員
- After Effectsを使えた
- 副業で動画編集を開始
特化した経緯:
- 「カット+テロップ」ではなく、モーショングラフィックスに特化
- ロゴアニメーション、インフォグラフィックスを武器に
- 企業案件を中心に営業
結果:
- 単価:30,000〜100,000円/本
- 月に8〜10本程度制作
- 月収:80万円前後
- 独立も視野に
よくある質問(Q&A)
Q1:特化すると案件が減りませんか?
A:最初は減る可能性がありますが、長期的には増えます。
- 「なんでも屋」は大量の競合と戦う必要がある
- 「特化型」は少ない競合の中で選ばれやすい
- 特化したことで「指名」や「紹介」が増える
Q2:どれくらい特化すれば良いですか?
A:最初は「1ジャンル」または「1スキル」から始めましょう。
- いきなり狭すぎると案件が見つからない
- 広すぎると差別化できない
- 「ビジネス系」「美容系」くらいの粒度がおすすめ
- 軌道に乗ったら、さらに絞る or 掛け合わせを増やす
Q3:特化した後に、別のジャンルもやりたくなったら?
A:全く問題ありません。
- まずは1つで実績を作ることが大事
- 実績ができたら、2つ目の特化を作っても良い
- ただし、同時に複数を打ち出すのは避ける(どっちつかずになる)
Q4:今の案件を断ってまで特化すべきですか?
A:いきなり断る必要はありません。
- 今の案件をこなしながら、特化の準備を進める
- 特化した分野の案件が増えてきたら、徐々に移行
- 無理に断ると収入が途絶える
Q5:副業で特化型になる時間がありません
A:少しずつで大丈夫です。
- 週末に特化ジャンルの動画を分析する
- 隙間時間にSNSで発信する
- 今の案件の中で「特化したい分野」を優先的に受ける
- 3〜6ヶ月かけて徐々に移行
まとめ:「なんでも屋」を卒業し、「専門家」になろう
本記事では、動画編集を副業にする人が「特化型」を目指すべき理由と、その戦略を解説してきました。
なんでも屋が稼げない理由:
- 競合が多すぎる
- 差別化できない
- 価格競争に巻き込まれる
- スキルが中途半端になる
特化型のメリット:
- 競合が減る
- 高単価で選ばれる
- 効率が上がる
- 実績が積み上がる
- 営業がしやすくなる
特化する2つの軸:
- ジャンル特化(ビジネス系、美容系、不動産など)
- スキル特化(モーショングラフィックス、カラーグレーディングなど)
特化型になるためのステップ:
- 特化するジャンル・スキルを決める
- 専門知識を身につける
- 特化したポートフォリオを作る
- 特化を打ち出して営業する
- 実績を積み上げる
「動画編集ができる人」は山ほどいます。しかし、「◯◯の専門家」は少ないです。
副業で月10万円、20万円、30万円と稼ぎたいなら、「なんでも屋」を卒業し、「専門家」を目指しましょう。
特化することで、あなただけの「選ばれる理由」が生まれます。
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