動画編集/撮影

CapCut:商用利用はOK?ビジネス動画をCapCutで編集する際の法的注意点とマナー

「CapCutは無料で使えるけど、商用利用しても大丈夫?」

「会社の動画をCapCutで作りたいけど、著作権とか問題ないの?」

「CapCutの素材を使った動画を広告に使っても大丈夫?」

CapCutは、TikTokを運営するByteDance社が提供する無料の動画編集アプリです。直感的な操作性と豊富な機能で人気を集めていますが、ビジネスで使用する場合は、いくつかの注意点があります。

特に、企業がマーケティングや広告目的で動画を制作する場合、著作権や利用規約を正しく理解していないと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

この記事では、CapCutでビジネス動画を編集する際の法的注意点を徹底解説します。商用利用の可否から、素材の著作権、音楽の使用許諾、企業として気をつけるべきマナーまで、安全にCapCutを活用するための情報を網羅しています。

【重要な注意事項】

この記事は2026年1月時点の情報に基づいています。CapCutの利用規約や機能は頻繁に更新される可能性がありますので、実際に使用する際は、必ず最新の利用規約を確認してください。また、法的な判断が必要な場合は、専門家(弁護士など)にご相談ください。

CapCutとは:基本情報の確認

まず、CapCutの基本的な情報を確認しておきましょう。

CapCutの概要

CapCut(キャップカット)は、ByteDance社が提供する無料の動画編集アプリです。

【基本情報】

・提供元:ByteDance社(TikTokと同じ会社)
・料金:基本無料(有料プラン「CapCut Pro」あり)
・対応プラットフォーム:iOS、Android、Windows、Mac、Web版
・主な機能:カット編集、テロップ、BGM、エフェクト、フィルターなど

CapCutの特徴

【メリット】

・無料で高機能
・直感的な操作性で初心者でも使いやすい
・豊富なテンプレート、エフェクト、音楽
・スマホでもPCでも編集可能
・縦型動画の編集に特に強い

【企業での利用シーン】

・SNS向けのショート動画制作
・TikTok、Instagram Reels向けの広告素材
・簡単な社内動画の制作
・製品紹介のショート動画

無料版と有料版(CapCut Pro)の違い

CapCutには無料版と有料版(CapCut Pro)があります。

【無料版】

・基本的な編集機能はすべて利用可能
・一部の素材(音楽、エフェクトなど)に制限あり
・書き出した動画にウォーターマーク(透かし)が入る場合あり

【有料版(CapCut Pro)】

・すべての素材が利用可能
・ウォーターマークなし
・クラウドストレージ
・高度な機能(AIツールなど)

ビジネス利用の場合、有料版の方が安心して使用できる面があります(詳細は後述)。

CapCutの商用利用は可能か?

最も重要な疑問、「CapCutは商用利用できるのか」について解説します。

結論:「アプリ自体」の商用利用は可能

CapCutの利用規約上、アプリを使って動画を編集し、商用目的で使用すること自体は禁止されていません

つまり、自分で撮影した映像や、正規にライセンスを取得した素材をCapCutで編集し、ビジネス目的(広告、商品紹介、企業PRなど)で公開することは可能です。

ただし、「素材」には注意が必要

CapCutには、アプリ内で提供されている素材(音楽、効果音、フォント、テンプレート、エフェクトなど)があります。

これらの素材の商用利用については、別途の注意が必要です。

具体的には:

・素材ごとに利用条件が異なる場合がある
・一部の素材は個人利用のみ許可されている可能性
・有料版(Pro)限定の素材は、有料版でのみ商用利用可能な場合がある
・音楽は著作権の関係で、プラットフォームによって使用可否が異なる

利用規約の確認が必須

CapCutの利用規約は更新されることがあります。商用利用を検討する場合は、必ず最新の利用規約を確認してください。

【確認すべきポイント】

・商用利用に関する記載
・素材のライセンス条件
・禁止事項
・地域による制限

利用規約は、アプリ内の設定画面や公式サイトで確認できます。

CapCut内の素材を使う際の注意点

CapCut内で提供されている素材(音楽、エフェクト、テンプレートなど)を商用利用する際の注意点を解説します。

音楽(BGM・効果音)

CapCutには、アプリ内で使用できる音楽ライブラリがあります。しかし、この音楽の商用利用には特に注意が必要です。

【注意点】

・CapCut内の音楽の多くは、TikTokなど特定のプラットフォームでの使用を前提としている
・YouTube、Webサイト、テレビCMなど、他のプラットフォームで使用すると著作権侵害になる可能性
・音楽によっては、商用利用が明確に禁止されているものもある
・著作権者からクレームが来る可能性がある

【安全な対応】

・ビジネス動画には、別途ライセンスを取得した音楽を使用する
・著作権フリー音楽サービス(Artlist、Epidemic Sound、AudioStockなど)を利用
・CapCut内の音楽を使う場合は、TikTok投稿など限定的な用途に留める
・音楽のライセンス条件を個別に確認する

テンプレート

CapCutには、あらかじめデザインされたテンプレートが豊富に用意されています。

【注意点】

・テンプレートによっては、個人利用のみ許可されている場合がある
・テンプレート内に含まれる音楽やフォントにも著作権がある
・他のユーザーが作成したテンプレートの場合、さらに権利関係が複雑

【安全な対応】

・公式が提供するテンプレートで、商用利用可と明記されているものを使用
・テンプレートを参考にしつつ、自社で一から作成する
・重要な案件では、テンプレートの使用を避ける

フォント

CapCutには様々なフォントが用意されていますが、フォントにも著作権があります。

【注意点】

・すべてのフォントが商用利用可能とは限らない
・特に日本語フォントは、ライセンス条件が厳しいものが多い
・フォントの不正使用は、高額な損害賠償につながることも

【安全な対応】

・商用利用可能なフォントを自分で用意してインストール
・Google Fontsなど、無料で商用利用可能なフォントを使用
・有料フォントは正規ライセンスを購入

エフェクト・フィルター

エフェクトやフィルターは、比較的自由に使用できる場合が多いですが、念のため確認が必要です。

【注意点】

・一部のエフェクトは、有料版(Pro)限定の場合がある
・特殊なエフェクト(例:特定のブランドとのコラボ)は制限がある場合も

ステッカー・絵文字

CapCut内のステッカーや絵文字も、素材として著作権の対象となります。

【注意点】

・キャラクターものは特に注意(版権キャラクターの無断使用は違法)
・有名ブランドやロゴを模したステッカーは避ける

商用利用時に気をつけるべき法的ポイント

CapCutでビジネス動画を制作する際、素材以外にも注意すべき法的ポイントがあります。

著作権

動画内で使用するすべての素材(映像、画像、音楽、テキストなど)には著作権が存在します。

【確認すべきこと】

・自社で撮影・作成した素材か
・正規にライセンスを取得した素材か
・著作権フリー(パブリックドメイン)の素材か
・引用として適切に使用しているか

【よくある著作権侵害のパターン】

・ネットで見つけた画像を無断使用
・他社の動画の一部を無断で引用
・有名な曲を許可なくBGMに使用
・テレビ番組やYouTube動画の映像を無断転載

肖像権・パブリシティ権

動画に映っている人物の権利にも注意が必要です。

【肖像権】

・すべての人には、自分の容姿を無断で撮影・公開されない権利がある
・従業員でも、動画出演には同意が必要
・街中で撮影した映像に映り込んだ人にも配慮が必要

【パブリシティ権】

・有名人の名前や写真を無断で広告に使用することはできない
・芸能人、スポーツ選手などの肖像を商用利用する場合は許諾が必要

【安全な対応】

・出演者から書面で同意(リリース)を取得
・従業員の場合も、動画利用についての同意書を取得
・有名人の肖像は正規のライセンスを取得

商標権

他社のロゴ、ブランド名、商品名などを動画内で使用する場合、商標権に注意が必要です。

【注意すべきケース】

・他社の製品を紹介する動画
・比較広告(自社製品と他社製品を比較)
・パロディやオマージュ

【安全な対応】

・他社の商標を使用する場合は、事実に基づいた表現に限定
・誤解を招く使用方法は避ける
・必要に応じて許諾を得る

薬機法・景品表示法

商品やサービスを宣伝する動画では、広告に関する法規制にも注意が必要です。

【薬機法】

・化粧品、健康食品、医薬品などの効能効果の表現に制限
・「治る」「若返る」などの表現は規制対象

【景品表示法】

・誇大広告、虚偽広告の禁止
・「日本一」「最安」などの表現には根拠が必要
・ステルスマーケティングの規制

プライバシー・個人情報

動画内で個人情報を扱う場合は、プライバシーの保護に注意が必要です。

・お客様の声動画では、本人の同意を得る
・名前、住所、電話番号などの個人情報は映さない
・子どもが映る場合は、保護者の同意が必要

プラットフォーム別の注意点

CapCutで作成した動画をどのプラットフォームで公開するかによっても、注意点が異なります。

TikTok

CapCutはTikTokと同じByteDance社が運営しているため、TikTokとの親和性が高いです。

【ポイント】

・CapCut内の音楽は、TikTokでの使用を前提としているものが多い
・TikTokに直接投稿する機能もある
・TikTokの広告(プロモーション)として使用する場合は、別途TikTokの広告ポリシーを確認

Instagram(Reels、ストーリーズ)

Instagramで公開する場合は、音楽の著作権に特に注意が必要です。

【ポイント】

・CapCut内の音楽をそのままInstagramで使用すると、著作権侵害になる可能性
・Instagramのビジネスアカウントでは、使用できる音楽に制限がある
・安全策として、著作権フリー音楽を使用するか、Instagramの音楽ライブラリを使用

YouTube

YouTubeでは、Content IDという著作権管理システムが稼働しています。

【ポイント】

・著作権で保護された音楽を使用すると、自動的に検出される
・検出されると、広告収入が著作権者に分配される、または動画がブロックされる
・CapCut内の音楽は、YouTubeでは使用しない方が安全

Webサイト・LP

自社サイトやランディングページに動画を掲載する場合は、比較的自由度が高いですが、素材の権利には注意が必要です。

【ポイント】

・プラットフォームの制約がない分、すべて自己責任
・使用素材のライセンスを確認し、商用利用可能なものを使用
・長期間掲載する場合、ライセンス期間にも注意

テレビCM・デジタルサイネージ

テレビCMやデジタルサイネージなど、大規模な露出がある媒体では、より厳格な権利確認が必要です。

【ポイント】

・CapCut内の素材は、これらの用途には適していない可能性が高い
・すべての素材について、商用利用・広告利用の許諾を確認
・必要に応じて、正規のライセンスを取得
・重要な案件では、専門家(弁護士、制作会社)に相談

CapCut Proを使う場合の注意点

有料版のCapCut Proを使用する場合の注意点を解説します。

CapCut Proで変わること

CapCut Proに加入すると、以下のメリットがあります。

・より多くの素材(音楽、エフェクトなど)が利用可能
・ウォーターマーク(透かし)なしで書き出し
・クラウドストレージ
・高度なAI機能

Proでも注意が必要な点

ただし、CapCut Proに加入したからといって、すべての素材が無条件で商用利用可能になるわけではありません

【確認すべきこと】

・Pro素材の商用利用ライセンス条件
・音楽の著作権(Proでも著作権は存在する)
・利用規約の更新(条件が変わる可能性)

ビジネス利用ならProの検討を

とはいえ、ビジネスで継続的にCapCutを使用するなら、Proへの加入を検討する価値はあります。

・ウォーターマークなしで、よりプロフェッショナルな印象に
・より多くの素材を使用可能
・公式のサポートを受けやすい

企業としてのマナーとベストプラクティス

法的な問題だけでなく、企業として動画を公開する際のマナーやベストプラクティスも押さえておきましょう。

クレジット表記

素材によっては、クレジット(著作権者の表記)が必要な場合があります。

【クレジット表記の例】

・音楽:「Music by ○○ / provided by △△」
・画像:「Photo by ○○ on Unsplash」
・フォント:「Font: ○○ by △△」

動画の説明文やエンドクレジットに記載します。

利用規約の遵守

CapCutの利用規約を遵守することは、企業として当然のことです。

・利用規約を定期的に確認
・規約に反する使用方法は避ける
・不明点があれば公式に問い合わせ

社内ルールの策定

企業で動画制作を行う場合、社内ルールを策定しておくと安全です。

【ルール化すべき項目】

・使用可能なツール、アプリ
・素材の調達方法(どこから取得するか)
・権利確認のフロー
・公開前のチェック体制
・問題が発生した場合の対応

記録の保管

使用した素材のライセンス情報や、取得した許諾の記録を保管しておきましょう。

・素材の購入履歴、ライセンス証明
・出演者からの同意書
・著作権者からの許諾メール

後からクレームが来た場合に、正当な使用であったことを証明できます。

トラブル発生時の対応

万が一、著作権侵害などのクレームを受けた場合の対応も考えておきましょう。

・迅速に動画を非公開/削除
・相手方に誠実に対応
・必要に応じて弁護士に相談
・再発防止策を講じる

CapCutの代替手段

商用利用に不安がある場合、CapCut以外の選択肢も検討してみましょう。

Adobe Premiere Pro / Premiere Rush

業界標準の動画編集ソフトで、商用利用に適しています。

【メリット】

・商用利用に明確に対応
・Adobe Stockとの連携で素材調達も安心
・プロフェッショナルな機能

【デメリット】

・有料(サブスクリプション)
・学習コストが高い

Premiere Proについては、Premiere Pro:初心者がまず覚えるべき基本操作10選|挫折しないための学習ロードマップで詳しく解説しています。

DaVinci Resolve

無料版でも高機能な動画編集ソフトで、商用利用も可能です。

【メリット】

・無料版でも商用利用可能
・プロ品質の編集が可能
・カラーグレーディングに強い

【デメリット】

・学習コストが高い
・PCスペックが必要

Canva(動画編集機能)

デザインツールCanvaの動画編集機能は、商用利用に対応しています。

【メリット】

・商用利用に明確に対応(Canva Pro)
・テンプレートが豊富
・直感的な操作

【デメリット】

・高度な編集には向かない
・Canva Proは有料

著作権フリー素材サービスの活用

どの編集ソフトを使う場合でも、素材は信頼できるサービスから調達するのが安全です。

【音楽】

・Artlist、Epidemic Sound、AudioStock(有料)
・YouTubeオーディオライブラリ、DOVA-SYNDROME(無料)

【画像・映像】

・Adobe Stock、Shutterstock、Getty Images(有料)
・Unsplash、Pixabay、Pexels(無料)

これらのサービスは、商用利用のライセンスが明確になっています。

よくある質問(FAQ)

CapCutの商用利用に関するよくある質問に回答します。

Q1:CapCutで作った動画をYouTubeにアップしてもいい?

A:CapCutで編集した動画をYouTubeにアップすること自体は問題ありません。ただし、CapCut内の音楽を使用している場合、YouTubeのContent IDで検出され、著作権の問題が発生する可能性があります。自分で撮影した映像+著作権フリー音楽で制作すれば安全です。

Q2:CapCutの音楽をそのまま使った動画を、広告として使えますか?

A:推奨しません。CapCut内の音楽の多くは、TikTokなど特定の用途を前提としており、広告利用の許諾が不明確です。広告には、商用利用が明確に許可された音楽を使用してください。

Q3:CapCutのテンプレートを使った動画を、商品紹介に使えますか?

A:テンプレートによります。公式が提供する商用利用可能なテンプレートであれば使用できる可能性がありますが、テンプレート内の音楽やフォントの権利も確認が必要です。重要な案件では、自社で一から作成する方が安全です。

Q4:CapCutで編集した動画に、CapCutのウォーターマーク(透かし)が入るのはなぜ?

A:無料版で一部の機能(特定のエフェクトなど)を使用すると、ウォーターマークが入ることがあります。ビジネス利用でウォーターマークが問題になる場合は、有料版(CapCut Pro)への加入を検討してください。

Q5:社内の研修動画をCapCutで作っても大丈夫?

A:社内利用であっても、CapCut内の素材の権利には注意が必要です。ただし、一般に公開する動画に比べればリスクは低いです。自社で撮影した素材を中心に使用すれば、より安全です。

Q6:CapCutで作った動画を販売してもいい?

A:動画そのものを商品として販売する場合、より厳格な権利確認が必要です。CapCut内の素材を含む動画の販売は、素材のライセンス条件に違反する可能性が高いため、避けた方が良いでしょう。

Q7:CapCutを使っていることを公表しないといけない?

A:CapCutを使用したことを公表する義務はありません。ただし、CapCutのウォーターマークが入っている場合は、CapCutで作成したことがわかります。

まとめ

この記事では、CapCutでビジネス動画を編集する際の法的注意点とマナーについて解説しました。

【CapCutの商用利用】

・アプリ自体の商用利用は可能
・ただし、CapCut内の素材(音楽、テンプレートなど)の商用利用には注意が必要
・利用規約を必ず確認

【素材利用の注意点】

・音楽:TikTok以外での使用は要注意、著作権フリー音楽の使用を推奨
・テンプレート:商用利用可の確認が必要
・フォント:商用利用可能なフォントを使用
・エフェクト・ステッカー:版権キャラクターは避ける

【法的に注意すべきポイント】

・著作権(すべての素材に権利がある)
・肖像権・パブリシティ権(人物の同意)
・商標権(他社ブランドの使用)
・薬機法・景品表示法(広告規制)

【安全に使うためのポイント】

・自社で撮影・作成した素材を中心に使用
・音楽は著作権フリーサービスから調達
・重要な案件では、専門家に相談
・社内ルールを策定し、記録を保管

CapCutは非常に便利なツールですが、ビジネスで使用する際は、著作権やライセンスについて正しく理解することが重要です。

この記事を参考に、安全にCapCutを活用してください。

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