「対談動画を撮ったけど、同じ画角がずっと続いて単調……」
「複数のカメラで撮影したのに、編集でどう組み合わせればいいか分からない……」
「YouTubeのトーク番組みたいに、テンポよく切り替えたい……」
対談やインタビュー動画、1カメラだと単調になりがちですよね。
解決策は、マルチカメラ(マルチカム)編集です。
2台、3台のカメラで撮影し、編集で効果的に切り替えることで、テレビ番組のような見やすく飽きない動画が作れます。
「でも、マルチカメラ編集って難しそう……」
いいえ、基本を押さえれば意外と簡単です。最近の編集ソフトには、複数カメラの映像を自動で同期してくれる機能もあります。
この記事では、マルチカメラ編集の基本からスイッチングのコツまで、詳しく解説します。対談動画を例に、視聴者を飽きさせない切り替え術を身につけましょう。
マルチカメラ編集とは
マルチカメラ編集の基本
マルチカメラ編集(マルチカム編集)とは、複数のカメラで同時に撮影した映像を、1つの動画に編集する手法です。
仕組み:
- 複数のカメラで同じシーンを同時に撮影
- 編集ソフトで、すべての映像を時間軸で同期
- 再生しながら、使いたいカメラに切り替え
- 切り替えた結果が、1本の動画として完成
テレビの生放送では、スイッチャーがリアルタイムで切り替えています。動画編集では、後から自由に切り替えポイントを決められるのが大きなメリットです。
マルチカメラのメリット
マルチカメラ編集には、多くのメリットがあります。
1. 視覚的な変化で飽きさせない
同じ画角がずっと続くと、視聴者は飽きてしまいます。カメラを切り替えることで、視覚的な変化が生まれ、視聴者の注意を維持できます。
2. 話者にフォーカスできる
対談で「今、誰が話しているか」を明確にできます。話している人をアップで映すことで、視聴者は話の流れを追いやすくなります。
3. リアクションを映せる
話を聞いている人のリアクション(うなずき、驚きの表情など)を映すことで、会話に臨場感が生まれます。
4. ミスをカバーできる
言い間違いや噛んでしまった部分を、別カメラの映像でカットできます。ジャンプカットを隠すのにも有効です。
5. プロフェッショナルな印象
マルチカメラで編集された動画は、テレビ番組のような完成度を感じさせ、チャンネルや企業の信頼感向上につながります。
どんな動画に向いているか
マルチカメラ編集は、以下のような動画に特に効果的です。
- 対談・インタビュー:話者の切り替え、リアクション
- セミナー・講演:登壇者とスライド、会場の様子
- トークショー・ポッドキャスト:複数の出演者
- ライブ演奏・音楽:全体と各演奏者
- 料理動画:手元と全体、完成品
- イベント・式典:ステージと客席
- スポーツ:複数のアングル
基本的に、「複数の視点で見せたい」シーンには、マルチカメラが有効です。
撮影の準備:マルチカメラのセットアップ
必要な機材
マルチカメラ撮影に必要な機材を確認しましょう。
カメラ(2台以上)
- 最低2台、理想は3台
- 同じ機種でなくてもOK(ただし画質差に注意)
- スマートフォンでも可能
三脚(カメラと同数)
- 安定した映像のために必須
- 高さ調整ができるもの
音声機材
- 外部マイク(ピンマイク、ショットガンマイクなど)
- 外部レコーダー(あると便利)
- カメラの内蔵マイクは同期用として使用
照明
- 複数アングルで撮るため、どのカメラからも綺麗に映る照明が必要
- 最低でもキーライト、できればフィルライトも
その他
- SDカード(各カメラ分)
- バッテリー(予備含む)
- クラップボード(同期用、なければ手拍子でOK)
カメラの台数と役割
何台のカメラを使うかは、撮影内容によって決めます。
2カメラ構成:
- カメラ1:話者A(または全体)
- カメラ2:話者B(または別アングル)
- 最もシンプルな構成
- 1対1のインタビューに最適
3カメラ構成(最も一般的):
- カメラ1:話者Aのアップ
- カメラ2:話者Bのアップ
- カメラ3:2人を映した全体(引きの画)
- 対談動画の標準的な構成
4カメラ以上:
- パネルディスカッション、複数出演者のトーク
- セミナー(登壇者+スライド+会場など)
- ライブ演奏(各演奏者+全体)
カメラ配置のパターン
対談動画の基本的なカメラ配置を紹介します。
パターン1:三角形配置(3カメラ)
[カメラ3:全体]
↓
[A] ←───────→ [B]
↖ ↗
[カメラ1] [カメラ2]
(Aアップ) (Bアップ)
最も一般的な配置。カメラ1と2は、それぞれの話者の斜め前方から撮影。カメラ3は正面から2人を収める。
パターン2:直線配置(2カメラ)
[カメラ1] [カメラ2]
↓ ↓
[A] ←───────→ [B]
シンプルな配置。それぞれの話者を正面または斜めから撮影。
パターン3:インタビュー配置
[インタビュアー] ← [カメラ1](ゲスト用)
↑
│
↓
[ゲスト] ← [カメラ2](ゲストアップ)
↑
[カメラ3](全体 or インタビュアー)
インタビュアーとゲストが向かい合う配置。
カメラ設定の統一
複数のカメラを使う場合、設定を統一することが重要です。
統一すべき設定:
1. 解像度・フレームレート
- すべてのカメラで同じ解像度(1080p、4Kなど)
- すべてのカメラで同じフレームレート(30fps、24fpsなど)
- 異なると、編集時に問題が発生
2. ホワイトバランス
- すべてのカメラで同じ色味になるように
- オートではなく、手動で統一
- ケルビン値を合わせる(例:5500K)
3. 露出
- すべてのカメラで同じ明るさになるように
- 切り替えたときに明るさが変わると不自然
4. ピクチャープロファイル
- 同じカメラなら、同じプロファイルを使用
- 異なるカメラの場合は、編集で調整
同期のための準備
編集で複数のカメラを同期するための準備をしましょう。
方法1:クラップ(手拍子)
最も簡単な方法。撮影開始時に、すべてのカメラの前で手を叩く。
- 「パン!」という音と、手が合わさる瞬間を同期の目印に
- 編集ソフトで、音の波形または映像を見て合わせる
方法2:タイムコード同期
プロの現場で使われる方法。すべてのカメラに同じタイムコードを記録。
- タイムコードジェネレーターが必要
- 編集ソフトで自動同期できる
方法3:音声同期
すべてのカメラで同じ音声を録音し、編集ソフトで音声を元に自動同期。
- 各カメラの内蔵マイクで録音しておく
- 外部マイクの音声とカメラ音声を両方録音
- ほとんどの編集ソフトに自動同期機能がある
音声収録のポイント
マルチカメラ撮影での音声収録は重要です。
基本的な考え方:
- メイン音声:高品質な外部マイク(ピンマイク、ガンマイクなど)で録音
- 同期用音声:各カメラの内蔵マイクでも録音
収録方法:
パターン1:カメラに外部マイクを接続
- 1台のカメラ(メインカメラ)に外部マイクを接続
- 他のカメラは内蔵マイクで同期用に録音
- 編集時に、メインカメラの音声を使用
パターン2:外部レコーダーで別録り
- 外部レコーダー(Zoomなど)でメイン音声を録音
- 各カメラは内蔵マイクで同期用に録音
- 編集時に、外部レコーダーの音声をメインで使用
音声だけで印象は激変!「ナレーション」を最大限生かす録音・編集の基本も参考にしてください。
編集の基本:マルチカメラシーケンスの作成

素材の取り込みと整理
まず、撮影素材を整理します。
整理のポイント:
- カメラごとにフォルダを分ける(Camera1、Camera2、Camera3など)
- 音声素材も別フォルダに
- ファイル名を分かりやすく変更(任意)
フォルダ構成例:
プロジェクト名/
├── Camera1_全体/
├── Camera2_Aさんアップ/
├── Camera3_Bさんアップ/
└── Audio_外部マイク/
Premiere Proでのマルチカメラ編集
Premiere Proでのマルチカメラ編集手順です。
ステップ1:素材の同期
- すべてのカメラの素材と音声を選択
- 右クリック →「マルチカメラソースシーケンスを作成」
- 同期ポイントを選択:
- 「オーディオ」:音声波形で自動同期(おすすめ)
- 「インポイント」:各クリップのイン点で同期
- 「タイムコード」:タイムコードで同期
- 「OK」をクリック
ステップ2:マルチカメラシーケンスを配置
- 作成されたマルチカメラソースシーケンスを、タイムラインにドラッグ
- またはダブルクリックで開く
ステップ3:マルチカメラ表示に切り替え
- プログラムモニターの右下にある「+」アイコン(ボタンエディター)をクリック
- 「マルチカメラ表示を切り替え」ボタンをドラッグして追加
- そのボタンをクリックしてマルチカメラ表示を有効に
ステップ4:スイッチング(切り替え)
- タイムラインを再生
- マルチカメラビューで、切り替えたいカメラをクリック
- クリックした瞬間に、そのカメラに切り替わる
- 切り替えポイントが自動的に記録される
ステップ5:微調整
- 切り替えポイントは、後からタイムライン上でドラッグして調整可能
- 「ローリング編集」ツールで前後のクリップを同時に調整
DaVinci Resolveでのマルチカメラ編集
DaVinci Resolveでのマルチカメラ編集手順です。
ステップ1:マルチカムクリップの作成
- メディアプールですべての素材を選択
- 右クリック →「選択したクリップで新規マルチカムクリップを作成」
- 同期方法を選択:
- 「サウンド」:音声で自動同期(おすすめ)
- 「インポイント」
- 「タイムコード」
- 「作成」をクリック
ステップ2:タイムラインに配置
- 作成されたマルチカムクリップをタイムラインにドラッグ
ステップ3:マルチカム表示でスイッチング
- クリップを右クリック →「マルチカムクリップを開く」
- タイムラインビューアーに複数のカメラが表示される
- 再生しながら、切り替えたいカメラをクリック
または、カットページを使用:
- カットページに移動
- マルチカムクリップを選択
- ビューアーでカメラを切り替えながら編集
Final Cut Proでのマルチカメラ編集
Final Cut Proでのマルチカメラ編集手順です。
ステップ1:マルチカムクリップの作成
- ブラウザですべての素材を選択
- ファイル →「新規マルチカムクリップ」
- 同期方法を選択:
- 「オーディオを自動で同期」をチェック(おすすめ)
- または「最初のクリップのタイムコードを使用」
- 「OK」をクリック
ステップ2:アングルエディタでスイッチング
- マルチカムクリップをタイムラインに配置
- 表示 →「アングルを表示」→「アングルビューア」
- 再生しながら、切り替えたいアングルをクリック
ショートカット:
- 「1」「2」「3」……のキーで、各カメラに即座に切り替え
同期がうまくいかない場合
自動同期がうまくいかない場合の対処法です。
原因1:音声がない、または小さすぎる
- カメラの内蔵マイクで録音されていない
- 対策:手動で同期する(クラップの映像を目印に)
原因2:ノイズが多い
- 環境音が大きく、同期用の音声が識別できない
- 対策:クラップの音や、特徴的な音を手動で合わせる
原因3:長時間収録でズレる
- 異なるカメラのクロック精度の違いで、徐々にズレる
- 対策:途中でクラップを入れ直す、または手動で調整
手動同期の方法:
- すべてのクリップをタイムラインに配置
- クラップの音(または映像)を探す
- すべてのクリップのクラップ位置を同じタイムに合わせる
- マルチカメラシーケンスを作成(同期済みの素材から)
スイッチングの基本ルール
いつ切り替えるか
スイッチング(切り替え)のタイミングは、動画の印象を大きく左右します。
基本ルール1:話者が変わったら切り替える
対談で最も基本的なルール。「今、誰が話しているか」を明確にするため、話者が変わったら、その人のカメラに切り替えます。
基本ルール2:リアクションを見せる
話を聞いている人のうなずき、驚きの表情、笑いなどのリアクションも映しましょう。会話に臨場感が生まれます。
基本ルール3:長く同じ画角を続けない
同じカメラが30秒以上続くと、単調に感じられます。話の内容に関係なく、時々切り替えを入れましょう。
基本ルール4:意味のある切り替え
切り替えには理由があるべきです。「話者が変わった」「リアクションを見せたい」「強調したい」など。無意味な切り替えは視聴者を混乱させます。
切り替えの頻度
切り替えの頻度も重要です。
頻度の目安:
- 最低でも30秒に1回は切り替える
- 10〜20秒に1回程度が自然
- 会話のテンポが速い場合は、より頻繁に
頻度が少なすぎると:
- 単調で飽きる
- 「マルチカメラの意味がない」状態に
頻度が多すぎると:
- 落ち着かない、目が疲れる
- 視聴者が内容に集中できない
バランスが大切です。
話の内容に合わせた切り替え
話の内容に合わせて、切り替えのタイミングを決めましょう。
強調したいポイントで切り替え
重要なことを言う瞬間に、そのの話者のアップに切り替えると、強調効果があります。
質問のときは質問者を映す
「〇〇についてどう思いますか?」という質問では、質問者を映してから、回答者に切り替えます。
回答のリアクションを映す
回答を聞いている質問者のリアクション(納得、驚きなど)を時々映すと、会話が生きてきます。
全体を映すタイミング
- 笑いが起きたとき(2人が笑っている様子)
- 話題が変わるとき(場面転換の意味)
- 2人で議論しているとき(やり取りの全体像)
切り替えのテクニック
より自然な切り替えのためのテクニックです。
テクニック1:発言の直前に切り替える
話し始めてから切り替えるのではなく、話し始める少し前に切り替えると自然です。
悪い例:Aさん「そうですね、私は……」(ここでBからAに切り替え)
良い例:(先にAに切り替え)Aさん「そうですね、私は……」
テクニック2:「間」を活かす
会話の「間」(沈黙)のタイミングで切り替えると、自然です。
テクニック3:L字カット(Jカット)
音声と映像の切り替えタイミングをずらすテクニック。
- Lカット:映像を先に切り替え、音声は後から
- Jカット:音声を先に切り替え、映像は後から
これにより、より滑らかで映画的な編集になります。
テクニック4:アクションで切り替える
手を動かす、身を乗り出すなど、動きのあるタイミングで切り替えると、切り替えが目立ちにくくなります。
避けるべき切り替え
やってはいけない切り替えも覚えておきましょう。
NG1:似たサイズへの切り替え
同じような画角(例:バストアップからバストアップ)への切り替えは、ジャンプカットのように見えて不自然です。
対策:サイズを変える(アップから全体へ、など)
NG2:動きの途中で切り替え
話者が動いている最中に切り替えると、動きが途切れて不自然です。
対策:動きの区切りで切り替える
NG3:頻繁すぎる切り替え
数秒ごとに切り替えると、落ち着かず、内容に集中できません。
対策:意味のある切り替えだけにする
NG4:話の途中での全体への切り替え
誰かが熱く語っている最中に全体に切り替えると、勢いが削がれます。
対策:全体は話の区切りで使う
対談動画のスイッチング実践
オープニング
対談動画のオープニングでのスイッチングパターンです。
パターン例:
- 全体(2人が座っている様子、1〜2秒)
- Aさん「こんにちは、今日は○○さんをお迎えしています」
- Bさん「よろしくお願いします」
- Aさん「今日は○○についてお話を伺います」
- 全体(導入終わり、本題へ)
ポイント:
- 最初に全体を見せて、場の雰囲気を伝える
- 紹介のときは紹介される人を映す
- 挨拶では挨拶している人を映す
本編(対話部分)
本編の対話でのスイッチングです。
基本パターン:
- 質問:質問者を映す → 回答者に切り替え
- 回答:回答者をメインで映す
- 長い回答:時々、聞いている人のリアクションを挿入
- 相づち:「うんうん」程度なら切り替えない、「なるほど!」など強いリアクションなら切り替える
会話例とスイッチング:
[Aさん] 「○○についてはどう思われますか?」 ← Aを映す
[Bさん] 「そうですね、私は……」 ← 質問後、Bに切り替え
「……というのが重要だと思っています」 ← Bを映し続ける
[Aさん] 「なるほど、興味深いですね」 ← Aのリアクションに切り替え
[Bさん] 「それから、もう一つ言うと……」 ← Bに戻る
「……という点もあります」
[全体] ← 話の区切りで全体に
盛り上がりシーン
会話が盛り上がっているときのスイッチングです。
ポイント:
- 切り替えのテンポを上げる(会話のスピードに合わせる)
- 笑いが起きたら全体を映す(2人が笑っている様子)
- 熱く語っている人を長めに映す(途中で切り替えない)
- リアクションを積極的に映す
盛り上がりの例:
[Aさん] 「それってまさに……」 ← A
[Bさん] 「そうそう!」 ← B(すぐ切り替え)
[Aさん] 「ですよね!私も思ってて」 ← A
[全体] (2人で笑う) ← 全体
エンディング
エンディングでのスイッチングパターンです。
パターン例:
- Aさん「今日はありがとうございました」
- Bさん「こちらこそ、楽しかったです」
- Aさん「また機会があればぜひ」
- 全体(締めの挨拶、お辞儀など)
- 全体を少し引いて(余韻、フェードアウト)
ポイント:
- 最後は全体で締めるのが基本
- 余韻を持たせるために、少し間を取る
仕上げのテクニック
色合わせ(カラーマッチング)
複数のカメラで撮影すると、色味が異なることがあります。
色の違いが発生する原因:
- ホワイトバランスの違い
- カメラのセンサーの違い
- 照明の当たり方の違い
- レンズの違い
色合わせの方法:
- 基準となるカメラを決める
- 他のカメラの映像を、基準カメラに合わせて調整
- ホワイトバランス、露出、彩度、コントラストを調整
DaVinci Resolveなら:
「カラーマッチ」機能で自動的に色を合わせることもできます。
カラーグレーディング:ホワイトバランスと「色温度」の調整で映像の印象をコントロールするも参考にしてください。
音声の統一
複数のカメラで録音した音声も統一しましょう。
基本:
- メイン音声を1つ決めて、全編でそれを使用
- 他のカメラの音声はミュート
問題:カメラごとに音声レベルが違う
対策:メイン音声を統一して使う、音量を正規化
問題:切り替えのたびに環境音が変わる
対策:メイン音声を全編で使う(切り替えても音は変わらない)
トランジションの使い方
マルチカメラ編集でのトランジションについて。
基本:カット(トランジションなし)
対談動画では、カット編集(瞬時に切り替え)が基本です。ディゾルブやワイプは、対談の自然さを損ないます。
トランジションを使う場面:
- 話題の大きな転換:ディゾルブで「時間経過」や「場面転換」を表現
- オープニング・エンディング:フェードイン・フェードアウト
避けるべき:
- 会話の途中でのディゾルブ(不自然)
- 派手なトランジション(対談の雰囲気に合わない)
テロップの入れ方
対談動画でのテロップのポイントです。
発言テロップ:
- 重要な発言をテロップで強調
- 話者に合わせた色分け(Aさんは青、Bさんはオレンジなど)
- 切り替えに合わせてテロップも切り替え
名前テロップ:
- 話者の名前と肩書きを表示
- オープニングで表示、または最初に映ったときに表示
ポイントテロップ:
- 話のキーポイントを見出しとして表示
- 「今から○○の話」という視聴者へのガイド
なぜそのフォント?テロップで「伝わる力」を最大化するフォント選びと視認性の基本も参考にしてください。
BGMの入れ方
対談動画でのBGMの扱いです。
基本:BGMは控えめに
対談のメインは会話です。BGMは、会話を邪魔しない控えめな音量で。
BGMを入れるタイミング:
- オープニング:やや大きめ → 会話開始で小さく
- 本編:小さく流し続ける、または無し
- エンディング:会話終了後にやや大きく
注意:
- 会話に被らないよう、音量バランスに注意
- テンポの速い曲は会話と合わないことも
- インストゥルメンタル(歌なし)を選ぶ
BGMの入れ方:「音量バランス」と「フェードイン・フェードアウト」で自然に仕上げるも参考にしてください。
よくある問題と解決策
問題1:映像と音声がズレる
症状:口の動きと声がズレている
原因と対策:
- 同期がうまくいっていない → 手動で調整
- 長時間撮影でズレた → 途中でクラップを入れ直す、分割して同期
- フレームレートの不一致 → 設定を統一して撮り直し、または変換
問題2:カメラごとに色が違う
症状:切り替えると色味が変わって見える
原因と対策:
- ホワイトバランスの違い → 撮影時に統一、編集で調整
- カメラの違い → カラーマッチングで調整
- 照明の当たり方の違い → 照明を調整、編集で補正
問題3:特定のカメラだけ画質が悪い
症状:あるカメラの映像だけノイズが多い、ぼやけている
原因と対策:
- 設定の違い → 全カメラの設定を統一
- カメラ性能の差 → 使用頻度を減らす、または別カメラに変更
- ピンボケ → 撮影前に全カメラのピントを確認
問題4:切り替えが不自然
症状:切り替えのタイミングが気持ち悪い、違和感がある
原因と対策:
- タイミングが遅い → 発言の直前に切り替える
- 頻度が多すぎ/少なすぎ → バランスを調整(10〜20秒に1回程度)
- 意味のない切り替え → 理由のある切り替えだけにする
- 似た画角への切り替え → サイズを変える(アップ→全体など)
問題5:スイッチングに時間がかかりすぎる
症状:切り替え作業が膨大で、編集が終わらない
対策:
- リアルタイムでスイッチング:再生しながらクリックで切り替え、一気に決める
- 完璧を求めすぎない:細かい調整は後から
- ルールを決める:「話者が変わったら切り替え」など、シンプルなルールに従う
- ショートカットキーを活用:1、2、3キーでカメラ切り替え
よくある質問(FAQ)

Q1:2台のカメラでもマルチカメラ編集はできますか?
A1:はい、2台でも十分効果的です。
2台の場合は、「話者Aのアップ」と「話者Bのアップ」、または「全体」と「話者のアップ」という構成が一般的です。3台あるとより選択肢が増えますが、2台でもマルチカメラのメリットは得られます。
Q2:スマートフォンでもマルチカメラ撮影できますか?
A2:はい、可能です。
最近のスマートフォンは高画質で撮影できるので、マルチカメラ撮影に十分使えます。
注意点:
- 設定を統一する(解像度、フレームレート)
- 三脚やスタンドで固定する
- 外部マイクを使う(内蔵マイクは音質が限られる)
- ストレージ容量に注意(長時間撮影は容量を消費)
Q3:カメラの機種が違っても大丈夫ですか?
A3:大丈夫ですが、いくつか注意点があります。
- 解像度とフレームレートを統一する
- ホワイトバランスを手動で統一する
- 色味の違いは編集で調整する
- 画質差が大きいと、切り替え時に違和感が出ることも
同じ機種で揃えるのが理想ですが、編集で調整すれば異なるカメラでもOKです。
Q4:音声はどのカメラのものを使えばいいですか?
A4:最も音質の良い1つの音声を全編で使用するのが基本です。
外部マイク(ピンマイクやガンマイクなど)で録音した音声をメインで使い、カメラの内蔵マイクの音声は同期用に使います。切り替えても音声は切り替えないのがポイントです。
Q5:ライブ配信でもマルチカメラは使えますか?
A5:はい、使えます。ただし、機材が必要です。
ライブ配信でマルチカメラを使うには、スイッチャー(ATEMなど)が必要です。スイッチャーで複数のカメラ入力をリアルタイムで切り替え、その出力を配信ソフトに送ります。
録画の場合と違い、リアルタイムで判断して切り替える必要があるため、スイッチング担当者が必要になることもあります。
Q6:1人で撮影と出演を両立できますか?
A6:可能ですが、準備が必要です。
対策:
- カメラを事前にセッティングして、録画開始
- フレーミングを確認してから本番開始
- 途中でカメラ調整はできないので、余裕を持った構図に
- 長時間の場合は休憩を入れて確認
Q7:切り替えポイントを後から変更できますか?
A7:はい、自由に変更できます。
マルチカメラ編集の大きなメリットは、後からいくらでも切り替えポイントを調整できることです。タイムライン上で切り替えポイントをドラッグしたり、別のカメラに変更したりできます。
Q8:何分くらいの対談動画が適切ですか?
A8:内容によりますが、YouTube用なら10〜30分程度が一般的です。
目安:
- 短め(10〜15分):1つのテーマを深堀り
- 標準(20〜30分):複数のテーマ、ゆったり対談
- 長め(1時間以上):ポッドキャスト形式、コアファン向け
長すぎると視聴者が離脱しやすくなるので、内容を絞って適度な長さにするのがポイントです。
まとめ:マルチカメラで対談動画をレベルアップ
この記事のポイントを振り返り
マルチカメラ編集について、詳しく解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。
1. マルチカメラのメリット
視覚的な変化で飽きさせない、話者にフォーカス、リアクションを映せる、ミスをカバーできる、プロフェッショナルな印象。
2. 撮影の準備
- カメラ配置:3台なら三角形配置(Aアップ、Bアップ、全体)
- 設定の統一:解像度、フレームレート、ホワイトバランス
- 同期の準備:クラップ、または音声で同期
3. スイッチングの基本ルール
- 話者が変わったら切り替える
- リアクションを見せる
- 10〜20秒に1回程度の頻度
- 意味のある切り替えをする
4. 避けるべきこと
- 似たサイズへの切り替え
- 動きの途中での切り替え
- 頻繁すぎる切り替え
マルチカメラ編集チェックリスト
撮影前
□ カメラを必要台数用意した
□ 三脚を用意した
□ 音声機材を用意した(外部マイク)
□ カメラの設定を統一した(解像度、フレームレート、WB)
□ カメラ配置を決めた
撮影中
□ 全カメラで録画を開始した
□ クラップ(同期用)を入れた
□ 音声レベルを確認した
□ 各カメラのフレーミングを確認した
編集
□ 素材を整理した
□ マルチカメラシーケンスを作成した
□ 同期を確認した
□ スイッチングを行った
□ 色合わせをした
□ 音声を統一した
□ テロップ、BGMを追加した
さらなるスキルアップのために
マルチカメラ編集と動画制作のスキルを高めるために、以下の関連記事もぜひ参考にしてください。
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今日から始める第一歩
マルチカメラ編集は、対談動画の質を劇的に向上させるテクニックです。
「難しそう」と思われがちですが、最近の編集ソフトには自動同期機能があり、設定さえすれば、再生しながらクリックするだけでスイッチングができます。
まずは、次の対談撮影で2台のカメラを試してみてください。スマートフォン2台でもOKです。
- 1台は全体(2人を映す)
- もう1台は話者のアップ
この2台だけでも、今までとは全く違う動画が作れます。
慣れてきたら3台に増やし、スイッチングのタイミングを工夫してみてください。テレビ番組のような、見やすく飽きない対談動画が完成するはずです。
マルチカメラ編集をマスターして、あなたの対談動画をレベルアップさせましょう。