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リフォーム・リノベーション会社の広告運用戦略

リフォーム・リノベーション業界は、住宅の老朽化、ライフスタイルの変化、中古住宅市場の活性化などを背景に、安定した需要が続いています。しかし、大手ハウスメーカーから地域密着の工務店まで、競合が多い市場でもあります。

「良い仕事をすれば口コミで広がる」という時代は終わりつつあります。消費者はまずインターネットで情報収集し、複数の会社を比較検討してから問い合わせを行います。この消費者行動に対応するためには、Web広告を活用した積極的な集客活動が不可欠です。

本記事では、リフォーム・リノベーション会社がWeb広告を活用して見積もり依頼や現地調査予約を増やし、成約につなげるための具体的な戦略と実践ノウハウを詳しく解説していきます。

リフォーム・リノベーション業界の現状と広告活用の重要性

市場の現状と成長要因

リフォーム・リノベーション市場は、以下の要因から安定した需要があります。

  • 住宅ストックの老朽化:築30年以上の住宅が増加し、リフォーム需要が拡大
  • 中古住宅市場の活性化:中古住宅購入+リノベーションという選択肢の一般化
  • ライフスタイルの変化:在宅勤務の増加でホームオフィス需要、バリアフリー改修など
  • 省エネ・断熱リフォームへの関心:光熱費高騰、環境意識の高まり
  • 相続・実家のリフォーム:団塊世代の高齢化に伴う需要

競争環境の変化

リフォーム・リノベーション市場には、多様なプレイヤーが参入しています。

  • 大手ハウスメーカー系:ブランド力と資金力で広告を大量投下
  • 専業リフォーム会社:リフォーム専門の中堅・大手企業
  • 地域密着の工務店:地元での信頼と実績を強みに
  • 設備メーカー系:キッチン、バス、トイレなど設備交換に強み
  • 一括見積もりサイト:複数社への見積もり依頼を仲介

この競争環境の中で、自社の強みを活かして効率的に集客するためには、Web広告の戦略的な活用が求められます。

消費者の情報収集行動

リフォームを検討する消費者の多くは、以下のような行動パターンをたどります。

  1. きっかけ:設備の故障、老朽化、ライフスタイルの変化など
  2. 情報収集:Google検索、Instagram、施工事例サイトなどで情報収集
  3. 比較検討:複数の会社のサイトを閲覧、口コミを確認
  4. 問い合わせ:気になる会社に見積もり依頼、資料請求
  5. 現地調査・商談:実際に現地を見てもらい、詳細な見積もりを取得
  6. 契約:最終的に1社を選んで契約

広告は主に「情報収集」から「問い合わせ」の段階で接点を持ち、自社を選択肢に入れてもらうことが目的です。

リフォーム・リノベーション広告の特有の課題と対策

課題1:高単価・長い検討期間

リフォーム・リノベーションは、数十万円から数百万円、フルリノベーションでは1,000万円を超えることもある高額な買い物です。そのため、消費者は慎重に検討し、即決することはほとんどありません。

対策:

  • いきなり契約を求めるのではなく、まずは「無料見積もり」「無料相談」「資料請求」などのハードルの低いアクションを促す
  • 長い検討期間に対応するため、リマーケティング広告で継続的にアプローチ
  • 施工事例、お客様の声など、信頼を醸成するコンテンツを充実させる

課題2:地域限定のビジネス

リフォーム・リノベーションは、現地調査や施工のため、対応エリアが限定されます。全国を対象にした広告は無駄が多くなります。

対策:

  • 広告の地域ターゲティングを対応エリアに限定
  • キーワードに地域名を含める(「〇〇市 リフォーム」など)
  • ローカル検索広告の活用
  • MEO対策との連携

課題3:「悪徳業者」への警戒心

リフォーム業界は、残念ながら悪質な業者によるトラブルが報道されることがあります。消費者は「騙されたくない」という警戒心を持っています。

対策:

  • 施工事例を詳細に公開し、実績を証明
  • お客様の声、レビューを掲載(顔写真付きだとより効果的)
  • 会社情報、代表者の顔、スタッフ紹介で透明性を確保
  • 資格、許認可、加盟団体などの信頼性を明示
  • 明確な料金体系、追加費用の有無を説明

リフォーム・塗装業のホームページ集客でも解説しているように、悪徳業者との差別化は非常に重要です。

課題4:工事内容の多様性

リフォーム・リノベーションの工事内容は非常に多岐にわたります。

  • キッチンリフォーム
  • 浴室・バスリフォーム
  • トイレリフォーム
  • 洗面所リフォーム
  • 外壁塗装・屋根塗装
  • 内装リフォーム(床、壁紙、天井)
  • 間取り変更
  • バリアフリーリフォーム
  • 断熱・省エネリフォーム
  • フルリノベーション

すべてを一つの広告でカバーするのは難しいため、工事内容ごとにキャンペーンや広告グループを分けて運用することが効果的です。

課題5:季節性への対応

リフォーム需要には一定の季節性があります。

需要が高まる時期:

  • 春(3月〜5月):年度替わり、新生活に向けた改修
  • 秋(9月〜11月):涼しくなり工事がしやすい、年末に向けた準備
  • ボーナス時期(6月〜7月、12月):資金的な余裕

需要が低くなる時期:

  • 真夏(7月〜8月):暑さで工事が困難
  • 真冬(1月〜2月):寒さ、年始の休み

ただし、緊急性の高い修繕(水漏れ、給湯器故障など)は季節を問わず発生します。

Google広告の活用戦略

Google広告は、リフォーム・リノベーション会社にとって最も効果的な広告チャネルの一つです。「今まさにリフォームを検討している」ユーザーに直接アプローチできます。

検索広告のキーワード戦略

検索広告では、以下のようなキーワード戦略が効果的です。

【地域×工事内容キーワード】(最重要)

  • 「〇〇市 リフォーム」「〇〇区 リノベーション」
  • 「〇〇市 キッチンリフォーム」「〇〇市 浴室リフォーム」
  • 「〇〇市 外壁塗装」「〇〇市 屋根塗装」
  • 「〇〇市 トイレ交換」「〇〇市 給湯器交換」

【工事内容キーワード】

  • 「キッチンリフォーム 費用」「浴室リフォーム 相場」
  • 「マンション リノベーション」「戸建て リフォーム」
  • 「水回り リフォーム」「間取り変更 リフォーム」
  • 「バリアフリー リフォーム」「断熱 リフォーム」

【設備メーカー・ブランドキーワード】

  • 「LIXIL キッチン リフォーム」「TOTO トイレ 交換」
  • 「タカラスタンダード 浴室」「クリナップ キッチン」

【ニーズ・課題系キーワード】

  • 「古い家 リフォーム」「築40年 リノベーション」
  • 「中古マンション リノベーション」「実家 リフォーム」
  • 「水漏れ 修理」「給湯器 故障」(緊急系)

【比較・検討系キーワード】

  • 「リフォーム 見積もり」「リフォーム会社 選び方」
  • 「リフォーム 比較」「リフォーム おすすめ」

キーワード選定のポイント

Google広告のキーワード選定では、以下の点を意識しましょう。

地域名の組み合わせを網羅:

  • 市区町村名(〇〇市、〇〇区)
  • 駅名(〇〇駅 リフォーム)
  • 地域の通称(〇〇エリア)

購買意欲の高いキーワードを優先:

  • 「見積もり」「費用」「相場」を含むキーワードは購入意欲が高い
  • 「DIY」「自分で」を含むキーワードは業者依頼の意欲が低い

除外キーワードの設定

除外キーワードを設定し、無駄なクリックを防ぎましょう。

  • DIY関連:「DIY」「自分で」「セルフ」
  • 求人関連:「求人」「採用」「バイト」「転職」
  • 対応外エリア:対応していない地域名
  • 対応外工事:自社で対応していない工事種別
  • 情報収集系:「とは」「意味」(購入意欲が低い)
  • 競合ブランド名:(指名検索を除外したい場合)

広告文の書き方

Google広告の広告文では、リフォーム・リノベーションならではの訴求ポイントを盛り込みましょう。

【見出しの書き方パターン】

パターン1:地域×工事内容

「〇〇市のキッチンリフォーム」「〇〇区で外壁塗装なら」「〇〇エリア対応のリノベーション」

パターン2:信頼性訴求

「創業30年の実績」「施工実績1,000件以上」「地域密着20年」

パターン3:安心訴求

「無料見積もり・相談」「追加費用なしの明朗会計」「アフター保証付き」

パターン4:特典訴求

「今なら10%OFF」「Web限定特典あり」「見積もりでQUOカード進呈」

パターン5:緊急対応(緊急系キーワード向け)

「最短即日対応」「24時間受付」「緊急の水漏れもOK」

【説明文の例】

例1:キッチンリフォーム

「〇〇市で30年の実績。LIXIL・タカラスタンダードなど主要メーカー対応。ショールーム見学から施工まで一貫サポート。無料見積もり・現地調査受付中。」

例2:外壁塗装

「外壁診断無料。一級塗装技能士による高品質施工。10年保証付きで安心。〇〇市・〇〇市エリア対応。まずは無料見積もりからどうぞ。」

例3:フルリノベーション

「中古マンション・戸建てのフルリノベーション。デザインから施工までワンストップ。施工事例多数公開中。無料相談会開催中。」

広告表示オプションの活用

広告表示オプション(アセット)を活用することで、広告の情報量と視認性を高められます。

【サイトリンク】

  • 施工事例
  • 料金・費用の目安
  • お客様の声
  • 無料見積もり
  • 会社概要
  • 対応エリア

【コールアウト】

  • 無料見積もり
  • 現地調査無料
  • 10年保証
  • 自社施工
  • 〇〇市対応

【構造化スニペット】

  • サービス:キッチン、浴室、トイレ、外壁塗装、内装
  • 対応エリア:〇〇市、〇〇市、〇〇区

【電話番号表示】

電話での問い合わせも重要な導線です。必ず設定しましょう。

【住所表示】

Googleビジネスプロフィールと連携し、住所を表示することで信頼性が向上します。

ローカル検索広告の活用

ローカル検索広告は、Googleマップの検索結果に広告を表示できる機能です。地域密着型のリフォーム会社には非常に効果的です。

Googleビジネスプロフィールとの連携が必要なため、Googleビジネスプロフィールの登録を先に済ませておきましょう。

リマーケティング広告の活用

リマーケティング広告は、リフォーム・リノベーション会社にとって非常に重要です。検討期間が長いため、一度サイトを訪問しただけでは問い合わせに至らないケースが多いからです。

効果的なリマーケティングシナリオ:

シナリオ1:サイト訪問者全般

サイトを訪問したが問い合わせしなかったユーザーに、「無料見積もり受付中」「施工事例を見る」などを訴求。

シナリオ2:特定ページ閲覧者

キッチンリフォームのページを見た人にはキッチンの広告を、浴室のページを見た人には浴室の広告を配信。

シナリオ3:見積もりフォーム離脱者

見積もりフォームまで到達したが送信しなかったユーザーに、「まずは無料相談から」「電話でも受付中」と訴求。

シナリオ4:長期検討者

30日〜90日前にサイトを訪問したユーザーに、「お見積もりはお済みですか?」「今月のキャンペーン」を訴求。

リマーケティングの期間設定:

  • 見積もりフォーム離脱者:7〜14日(緊急性を持って)
  • サイト訪問者:30〜90日(長い検討期間に対応)
  • 過去の見積もり依頼者(未成約):90〜180日

P-MAXキャンペーンの活用

P-MAXキャンペーンは、検索、ディスプレイ、YouTube、Discover、Gmailなど複数の配信面に自動で広告を出稿できます。

リフォーム・リノベーション会社では、以下のような活用が効果的です。

  • 潜在層への認知拡大
  • リマーケティングの自動化
  • 地域ターゲティングとの組み合わせ

ただし、地域ビジネスの場合はエリア設定を厳密に行い、対応外地域への配信を防ぐことが重要です。

SNS広告の活用戦略

SNS広告は、リフォーム・リノベーションの認知拡大や潜在顧客へのアプローチに効果的です。

Instagram広告の活用

Instagram広告は、施工事例のビジュアルを活かした訴求に適しています。

Instagram広告のメリット:

  • ビフォーアフターの施工写真が映える
  • 「#リノベーション」「#リフォーム」などのハッシュタグ文化
  • 住宅・インテリアに関心の高いユーザー層
  • 30代〜50代の住宅オーナー層にリーチ可能

効果的なクリエイティブ:

  • ビフォーアフターの比較画像
  • 施工事例のスライドショー
  • 施工中の様子(職人の仕事ぶり)
  • お客様インタビュー動画
  • ルームツアー動画

【フィード広告】

  • 高品質な施工事例写真
  • ビフォーアフターの2枚組
  • ブランドの世界観を感じさせるトーン

【ストーリーズ広告】

  • 施工事例の動画
  • 「無料見積もり」への誘導
  • キャンペーン情報の告知

【リール広告】

  • ビフォーアフター変身動画
  • 施工のタイムラプス
  • お客様の声・インタビュー

Meta広告のターゲティング

Meta広告のターゲティングでは、以下の設定が効果的です。

【基本ターゲティング】

  • 年齢:30代〜60代(住宅オーナー層)
  • 地域:対応エリアに限定

【興味関心ターゲティング】

  • 住宅改善、リフォーム、インテリアデザイン
  • 住宅所有者
  • DIY、ホームセンター
  • 住宅ローン、不動産

【行動ターゲティング】

  • 住宅所有者
  • 最近引っ越した人(中古住宅購入者の可能性)

【カスタムオーディエンス】

  • サイト訪問者(リマーケティング)
  • 過去の問い合わせ者リスト
  • Instagramアカウントにエンゲージしたユーザー

【類似オーディエンス】

  • 過去の成約顧客に似たユーザー
  • 問い合わせ者に似たユーザー

Facebook広告の活用

Meta広告のうち、Facebookは40代〜60代の利用率が高く、住宅オーナー層へのリーチに効果的です。

  • 施工事例の投稿を広告として配信
  • お客様の声、インタビュー動画
  • イベント広告(相談会、ショールーム見学会)

YouTube広告の活用

YouTube広告は、リフォーム・リノベーションの魅力を動画で詳しく伝えるのに適しています。

効果的なYouTube広告コンテンツ:

  • 施工事例のルームツアー
  • ビフォーアフター紹介
  • お客様インタビュー
  • 職人の仕事ぶり、こだわり
  • リフォームの流れ解説

動画広告の制作についても参考にしてください。

LINE広告の活用

LINE広告は、幅広い年齢層にリーチでき、地域ターゲティングも可能です。

LINE広告の友だち追加広告を活用し、LINE公式アカウントの友だちを増やすことで、以下のようなコミュニケーションが可能になります。

  • キャンペーン情報の配信
  • 相談会・イベントの案内
  • 施工事例の紹介
  • リフォームのお役立ち情報

MEOとの連携

リフォーム・リノベーション会社にとって、MEO対策は広告と並んで重要な集客施策です。

MEOの重要性

「〇〇市 リフォーム」などの地域名を含む検索では、Googleマップの検索結果(ローカルパック)が表示されます。ここに上位表示されることで、広告費をかけずに集客できます。

建設・リフォーム業のMEOでは、施工事例写真の位置情報(ジオタグ)の活用など、業界特有のノウハウを解説しています。

外壁塗装・屋根修理のMEOでは、「悪徳業者」と思われないための誠実なプロフィール作りについて解説しています。

広告とMEOの相乗効果

広告とSEO・MEOの使い分けを理解し、相乗効果を狙いましょう。

  • 広告:即効性がある、予算でコントロール可能
  • MEO:中長期的な効果、無料で継続的に集客

両方を組み合わせることで、検索結果の複数箇所に露出でき、クリック率が向上します。

ランディングページ(LP)の設計

広告の効果を最大化するためには、誘導先となるランディングページの設計が重要です。広告用LPの作り方と構成の基本を踏まえつつ、リフォーム・リノベーション特有のポイントを解説します。

LPの基本構成

【ファーストビュー】

  • 印象的な施工事例のビジュアル(ビフォーアフター)
  • キャッチコピー(地域名、強み、安心感)
  • CTA(「無料見積もりはこちら」「まずは無料相談」)
  • 電話番号(電話問い合わせも重要)
  • 社会的証明(施工実績〇〇件、創業〇〇年)

【お悩み・課題への共感】

  • 「こんなお悩みありませんか?」形式
  • キッチンが古くなった、お風呂が寒い、外壁が色あせてきた、など
  • ターゲットの悩みに共感し、解決策としてのリフォームを提示

【選ばれる理由・強み】

  • 地域密着〇〇年の実績
  • 自社施工で中間マージンなし
  • 一級建築士・一級施工管理技士在籍
  • アフター保証〇〇年
  • 明朗会計・追加費用なし

【施工事例】

  • ビフォーアフターの写真
  • 施工内容、費用(目安)、工期
  • お客様の課題と解決策
  • 地域名を入れると地域検索でも効果的

【料金・費用の目安】

  • 工事内容ごとの費用目安を明示
  • 「〇〇万円〜」という表記
  • 「詳細は現地調査後にお見積もり」と補足
  • 透明性を確保し、「追加費用は発生しません」と明示

【お客様の声】

  • 実際のお客様の声(顔写真付きがベスト)
  • 地域名、施工内容、満足ポイントを含める
  • 動画インタビューがあるとより効果的

【施工の流れ】

  • 問い合わせ→現地調査→見積もり→契約→施工→完成→アフターフォロー
  • 各ステップを図解で分かりやすく
  • 「現地調査・見積もりは無料」を強調

【会社紹介】

  • 会社概要(所在地、設立年、資格・許認可)
  • 代表者の挨拶、顔写真
  • スタッフ紹介
  • 対応エリアの明示

【よくある質問(FAQ)】

  • 見積もりは無料ですか?
  • 工事中は住み続けられますか?
  • 保証はありますか?
  • 支払い方法は?(ローン対応など)

【CTA・問い合わせフォーム】

  • フォームはシンプルに(名前、電話番号、メール、工事内容、住所)
  • 電話番号も大きく表示
  • 「無料見積もり」「無料相談」「資料請求」など選択肢を用意

工事種別ごとのLP作成

リフォーム・リノベーション会社では、工事内容ごとに専用のLPを作成することが効果的です。

  • キッチンリフォーム専用LP
  • 浴室リフォーム専用LP
  • 外壁塗装専用LP
  • フルリノベーション専用LP

各LPでは、その工事に特化した施工事例、費用目安、お客様の声を掲載し、専門性をアピールします。

LPの改善

LPのCVR改善を継続的に行うことで、広告効果を最大化できます。

フォーム最適化(EFO)も重要です。フォームの項目数を減らし、入力の手間を最小限にすることで、離脱を防ぎます。

広告効果測定とKPI設定

追うべきKPI

広告効果測定の基本指標を理解したうえで、リフォーム・リノベーション会社特有のKPIを設定しましょう。

【問い合わせ系KPI】

  • 問い合わせ数(CV数):フォーム送信、電話問い合わせの合計
  • 問い合わせ単価(CPA):1件の問い合わせを獲得するためのコスト
  • 問い合わせ率(CVR):クリック数に対する問い合わせ数の割合

【成約系KPI】

  • 現地調査実施率:問い合わせのうち、現地調査に至った割合
  • 見積もり提出率:現地調査後に見積もりを提出した割合
  • 成約率:見積もり提出後に成約した割合
  • 成約単価(最終CPA):1件の成約を獲得するためのコスト

【売上系KPI】

  • 売上高:広告経由の成約による売上
  • ROAS:広告費に対する売上の比率
  • 平均受注単価:1件あたりの平均受注金額

【工事種別ごとのKPI】

キッチン、浴室、外壁塗装など、工事種別ごとにKPIを追跡することで、どの工事の広告効果が高いかを把握できます。

コンバージョントラッキングの設定

コンバージョン設定を正しく行い、広告効果を正確に測定しましょう。

設定すべきコンバージョン:

  • 見積もり依頼フォーム送信
  • 資料請求フォーム送信
  • 電話タップ(モバイル)
  • 電話発信(コールトラッキング導入の場合)
  • LINE友だち追加
  • チャット問い合わせ

電話コンバージョンの計測:

リフォーム・リノベーションでは電話問い合わせも多いため、電話コンバージョンの計測が重要です。コールトラッキングサービスの導入を検討しましょう。

オフラインコンバージョンの追跡

広告から問い合わせ→現地調査→成約という流れを追跡するために、オフラインコンバージョンのインポートが効果的です。

CRMやスプレッドシートで管理している成約データをGoogle広告にインポートすることで、どの広告が最終的な成約につながっているかを分析できます。

長い検討期間を考慮した分析

リフォーム・リノベーションは検討期間が長いため、アトリビューション分析が重要です。最初の接点(広告クリック)から成約まで数ヶ月かかることもあるため、短期的な数値だけで判断しないよう注意が必要です。

広告予算の決め方

予算の目安

Web広告の費用相場は業種によって異なりますが、リフォーム・リノベーション会社では以下が目安となります。

主要キーワードのクリック単価目安:

  • 「〇〇市 リフォーム」:300円〜800円
  • 「キッチンリフォーム 費用」:200円〜500円
  • 「外壁塗装 〇〇市」:400円〜1,000円
  • 「マンション リノベーション」:300円〜700円

※競合状況、地域によって大きく変動します

月間予算の目安:

  • 小規模(テスト運用):10万円〜30万円/月
  • 中規模:30万円〜100万円/月
  • 大規模:100万円〜数百万円/月

CPAベースの予算設計

リフォーム・リノベーションは高単価のため、広告投資のリターンが大きくなりやすい特徴があります。

計算例:

平均受注単価:200万円

粗利率:30%

粗利益:60万円

問い合わせ→成約率:20%

1件成約に必要な問い合わせ数:5件

許容問い合わせ単価(CPA):60万円 × 目標利益率50% ÷ 5件 = 6万円

この場合、問い合わせ1件あたり6万円までの広告費は許容範囲となります。

チャネル別予算配分

広告予算の配分について、リフォーム・リノベーション会社の例を紹介します。

例:月間予算50万円の場合

  • Google検索広告:30万円(60%)
  • リマーケティング(Google・Meta):10万円(20%)
  • Instagram/Facebook広告:7万円(14%)
  • ローカル検索広告:3万円(6%)

検索広告を中心に、「今まさにリフォームを検討している」ユーザーを確実に獲得することを優先します。

関連業種との違いと参考情報

注文住宅・ハウスメーカーとの違い

注文住宅・ハウスメーカーの広告運用と比較すると、以下の違いがあります。

  • 単価:注文住宅は数千万円、リフォームは数十万円〜数百万円
  • 検討期間:注文住宅はより長い(1〜2年も)
  • 顧客層:注文住宅は新規購入者、リフォームは既存住宅所有者
  • 緊急性:リフォームは設備故障など緊急ニーズがある

不動産業との違い

不動産業界の広告運用不動産仲介(売買)の広告運用と比較すると、以下の違いがあります。

  • 商品:不動産は物件(モノ)、リフォームはサービス
  • 継続性:不動産は一回の取引、リフォームはリピートの可能性
  • 競合:リフォームは地域の工務店、大手、専門業者など多様

建築士・設計事務所との違い

建築士・設計事務所の広告運用と比較すると、以下の違いがあります。

  • サービス内容:設計事務所はデザイン重視、リフォーム会社は施工まで一貫
  • 顧客層:設計事務所は注文住宅やこだわりのリノベ、リフォーム会社は幅広いニーズ
  • 単価:設計事務所案件はより高単価の傾向

成功事例と失敗事例

成功事例1:地域キーワードの徹底で問い合わせ3倍を達成したA社

背景:

地域密着のリフォーム会社。広告を出稿していたが、対応エリア外からの問い合わせも多く、効率が悪かった。

実施した施策:

  • キーワードに地域名を徹底的に組み合わせ
  • 地域ターゲティングを対応エリアのみに限定
  • 対応エリア外の地域名を除外キーワードに設定
  • 広告文にも地域名を明記
  • LPに「〇〇市・〇〇市・〇〇区対応」と明示

結果:

  • 対応エリアからの問い合わせが3倍に増加
  • 問い合わせ→現地調査の実施率が向上
  • CPAが40%改善
  • 無駄なクリックが大幅に減少

成功のポイント:

地域ビジネスとしての特性を理解し、対応エリアに集中した広告運用を行った。広い範囲に広告を出すより、狭いエリアで確実に上位表示することが効果的だった。

成功事例2:施工事例LP強化でCVR2倍を達成したB社

背景:

外壁塗装専門会社。広告のクリック数は多いが、問い合わせに至らないことが課題だった。

実施した施策:

  • LPに施工事例を大幅に追加(20件→50件)
  • ビフォーアフター写真を高品質に差し替え
  • 各事例に「〇〇市〇〇様邸」「築〇〇年」「施工費用〇〇万円」を明記
  • お客様の声を動画で掲載
  • 「悪徳業者との違い」セクションを追加し、信頼性を訴求
  • 料金体系を明確に提示

結果:

  • CVR(問い合わせ率)が2倍に向上
  • 「他社と比較して信頼できると思った」という声が増加
  • 成約率も向上

成功のポイント:

「悪徳業者」への警戒心を持つ消費者に対して、豊富な施工事例と透明な料金体系で信頼を獲得。実際のお客様の声が強力な社会的証明になった。

成功事例3:リマーケティング強化で成約率を向上させたC社

背景:

リノベーション会社。問い合わせは獲得できるが、長い検討期間中に他社に流れてしまうことが課題だった。

実施した施策:

  • リマーケティング広告を強化(予算の25%を配分)
  • 問い合わせ後〜成約までの期間もリマーケティングで接触
  • 施工事例、お客様の声を定期的に配信
  • 「ショールーム見学会」「相談会」のイベント告知
  • LINE公式アカウントでの継続的なコミュニケーション

結果:

  • 問い合わせ→成約率が20%→35%に向上
  • 「検討中ずっと御社の情報を見ていた」という声が増加
  • リマーケティング経由の問い合わせも増加

成功のポイント:

長い検討期間中も継続的に接触し、「第一想起」を維持。単なる広告ではなく、有益な情報提供(施工事例、イベント)で関係性を構築した。

失敗事例:幅広いキーワードで無駄なクリックが発生したD社

背景:

総合リフォーム会社。「リフォーム」「リノベーション」などの広いキーワードで広告を出稿。

問題点:

  • 地域名を含まないキーワードで全国から流入
  • 対応エリア外からの問い合わせが多発
  • 「リフォーム 求人」「リフォーム DIY」などの無関係なキーワードでもクリック
  • 除外キーワードの設定が不十分

結果:

  • クリック数は多いがCVRが極めて低い
  • 対応エリア外の問い合わせ対応に時間を取られる
  • 広告費の大半が無駄に
  • ROIがマイナス

学び:

地域ビジネスでは、地域ターゲティングとキーワードの地域名組み合わせが必須。除外キーワードの設定も徹底し、無駄なクリックを防ぐことが重要。

よくある質問(FAQ)

Q1. リフォーム会社にとって最も効果的な広告は何ですか?

Google検索広告が最も効果的です。「〇〇市 リフォーム」「キッチンリフォーム 費用」など、具体的なニーズを持ったユーザーに直接アプローチできます。検索広告を中心に、リマーケティングで検討中のユーザーを追跡し、SNS広告で認知拡大を図るという組み合わせがおすすめです。

Q2. 問い合わせ単価(CPA)の目安はどのくらいですか?

地域や競合状況によりますが、一般的には1件あたり1万円〜5万円程度が目安です。ただし、受注単価が高い工事(フルリノベーション、大規模リフォームなど)ではより高いCPAでも採算が合います。成約率と受注単価を考慮して、許容CPAを設定しましょう。

Q3. 一括見積もりサイトへの登録と自社広告、どちらがよいですか?

両方を併用することをおすすめします。

  • 一括見積もりサイト:手軽に問い合わせを獲得できるが、競合と比較されやすい、手数料がかかる
  • 自社広告:ブランド構築ができる、競合との直接比較を避けられる、自社でコントロール可能

自社広告で指名検索(ブランド検索)を増やしつつ、一括見積もりサイトからの問い合わせも取りこぼさない戦略が効果的です。

Q4. 季節によって広告費を変えるべきですか?

はい、季節性を考慮した予算配分が効果的です。

  • 春・秋:需要が高まる時期、予算を増やす
  • 真夏・真冬:需要が落ちる時期、予算を抑える(ただし緊急系は継続)
  • ボーナス時期:大型リフォームの検討が増える、予算を増やす

Q5. 電話問い合わせとフォーム問い合わせ、どちらを重視すべきですか?

両方とも重要です。リフォーム・リノベーションでは電話問い合わせも多いため、電話コンバージョンの計測を忘れずに行いましょう。ユーザーによって好みの連絡手段が異なるため、両方の導線を用意することが重要です。緊急性の高い修繕(水漏れなど)は電話が多く、じっくり検討するリノベーションはフォームが多い傾向があります。

Q6. 広告代理店を使うべきですか?

以下の場合は代理店の活用を検討しましょう。

  • 広告運用に充てるリソース(時間・人員)がない
  • 専門知識を持ったスタッフがいない
  • 月間予算が30万円以上ある
  • 工事種別ごとのキャンペーン管理が複雑

広告代理店の選び方を参考に、建築・リフォーム業界の運用実績がある代理店を選びましょう。

まとめ

リフォーム・リノベーション会社のWeb広告運用について、業界特有の特性を踏まえて詳しく解説してきました。

本記事のポイント:

  • 地域ターゲティングの徹底:対応エリアに限定した広告配信で、無駄なクリックを防ぎ効率を最大化。キーワードにも地域名を組み合わせる。
  • 信頼性の訴求が最重要:「悪徳業者」への警戒心を持つ消費者に対して、施工事例、お客様の声、明朗な料金体系で信頼を獲得。
  • リマーケティングで長い検討期間に対応:高額な買い物のため検討期間が長い。継続的なアプローチで「第一想起」を維持。
  • 工事種別ごとの広告設計:キッチン、浴室、外壁塗装など、工事内容ごとにキャンペーン・LPを分けて専門性をアピール。
  • MEOとの連携:Google広告とMEOを併用し、検索結果の複数箇所に露出。地域密着ビジネスならではの戦略。
  • 電話コンバージョンの計測:電話問い合わせも重要な導線。コールトラッキングで効果を正確に測定。
  • 成約までの追跡:問い合わせだけでなく、現地調査→見積もり→成約までを追跡し、真のROIを把握。

リフォーム・リノベーション市場は競争が激しいですが、地域に根ざした信頼性と、Web広告を活用した効率的な集客を組み合わせることで、大きな成果を上げることができます。

広告運用に関するご相談や、リフォーム・塗装業のホームページ制作についてお悩みの方は、ぜひオムニウェブにお問い合わせください。建築・リフォーム業界の特性を理解した専門スタッフが、最適なWeb戦略をご提案いたします。

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