「複数の広告媒体にどう予算を配分すればいい?」
「Google広告とMeta広告、どちらに多く投資すべき?」
「限られた予算で最大の効果を出すには、どうすればいい?」
Web広告を運用していると、予算配分の判断に悩む場面が多くあります。複数の媒体、複数のキャンペーン、複数の目的がある中で、どこにいくら投資するかは、成果を大きく左右する重要な意思決定です。
結論から言うと、予算配分には「正解」はありません。ビジネスの目標、ターゲット、競合状況、フェーズによって最適な配分は異なります。しかし、考え方のフレームワークを持つことで、より良い判断ができるようになります。
この記事では、広告予算の配分方法とポートフォリオ戦略を徹底解説します。配分の考え方、媒体間・キャンペーン間の配分方法、時期による調整、最適化の進め方まで網羅しています。限られた予算で最大の効果を出したい方は、ぜひ最後までお読みください。
予算配分の重要性

なぜ予算配分が重要なのか
同じ広告予算でも、配分の仕方によって成果は大きく変わります。
例:月間100万円の予算
【配分A】
- Google検索広告:100万円
- 結果:CPA 10,000円、100件獲得
【配分B】
- Google検索広告:60万円
- Meta広告:30万円
- リマーケティング:10万円
- 結果:CPA 7,500円、133件獲得
この例では、配分を変えただけで33%多くのコンバージョンを獲得できています。
予算配分の目的
1. 費用対効果の最大化
効率の良い媒体・キャンペーンに予算を集中させ、同じ予算でより多くの成果を得ることが目的です。
2. リスクの分散
一つの媒体やキャンペーンに依存すると、その媒体が効かなくなったときのリスクが高まります。複数に分散することでリスクを軽減できます。
3. 機会損失の防止
効果のある媒体に予算が足りないと、獲得できるはずだったコンバージョンを逃すことになります。
4. 成長機会の発見
新しい媒体やキャンペーンにテスト予算を配分することで、新たな成長機会を発見できます。
予算配分を考える際の前提
目標が明確であること
何を達成したいのか(売上、リード獲得、認知など)が明確でなければ、配分の判断ができません。
計測ができていること
各媒体・キャンペーンの成果を正確に計測できていなければ、どこに投資すべきか判断できません。
計測については、コンバージョン設定の基本と正しい計測方法を参照してください。
予算配分の基本的な考え方
トップダウンアプローチ
考え方
まず総予算を決め、そこから各媒体・キャンペーンに配分していく方法です。
手順
- 売上目標から逆算して、広告に投資できる総予算を決める
- 媒体ごとに配分割合を決める
- 各媒体内で、キャンペーンごとに配分
メリット
- 予算のコントロールがしやすい
- 事前に計画を立てやすい
- 経営層への説明がしやすい
デメリット
- 効率の良いところに十分な予算が回らない可能性
- 機動的な調整がしにくい
ボトムアップアプローチ
考え方
各媒体・キャンペーンの必要予算を積み上げて、総予算を決める方法です。
手順
- 各媒体・キャンペーンの目標(CV数など)を設定
- 目標達成に必要な予算を算出
- 積み上げて総予算を決定
メリット
- 目標に対して必要な予算が明確
- 各施策の根拠が明確
デメリット
- 総予算が膨らみがち
- 予算制約との調整が必要
ハイブリッドアプローチ(推奨)
考え方
トップダウンとボトムアップを組み合わせる方法です。
手順
- 経営目標から広告の総予算枠を設定(トップダウン)
- 各媒体・キャンペーンの必要予算を積み上げ(ボトムアップ)
- 総予算枠と積み上げ結果を比較
- 優先度をつけて調整
メリット
- 予算制約と目標達成のバランスが取れる
- 優先度に基づいた配分ができる
媒体間の予算配分

主要広告媒体の特徴
予算配分を考える前に、各媒体の特徴を理解しておきましょう。
| 媒体 | 強み | 向いている目的 |
|---|---|---|
| Google検索広告 | 顕在層へのリーチ | コンバージョン獲得 |
| Googleディスプレイ | 広いリーチ、低コスト | 認知拡大、リマーケティング |
| YouTube広告 | 動画による訴求力 | 認知拡大、ブランディング |
| Meta広告 | 詳細なターゲティング | 認知〜獲得まで幅広く |
| LINE広告 | 国内リーチの広さ | 認知拡大、友だち獲得 |
| X広告 | 拡散力、リアルタイム性 | 話題化、キャンペーン |
| TikTok広告 | 若年層へのリーチ | 認知拡大、ブランディング |
各媒体の詳細は、Web広告とは?種類と特徴を徹底比較で解説しています。
配分の基本パターン
パターン1:コンバージョン重視型
コンバージョン獲得を最優先する場合の配分例です。
| 媒体 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Google検索広告 | 50〜60% | メインのCV獲得 |
| リマーケティング | 15〜20% | 離脱ユーザーの呼び戻し |
| Meta広告 | 20〜30% | 新規ユーザーへのアプローチ |
パターン2:認知拡大重視型
ブランド認知や新規ユーザーへのリーチを重視する場合の配分例です。
| 媒体 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| YouTube広告 | 30〜40% | 動画による認知拡大 |
| Meta広告 | 30〜40% | ターゲット層への認知 |
| Google検索広告 | 20〜30% | 興味を持った層の獲得 |
パターン3:バランス型
認知から獲得まで、バランスよく配分する場合の例です。
| 媒体 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Google検索広告 | 40% | 顕在層の獲得 |
| Meta広告 | 30% | 潜在層へのアプローチ |
| ディスプレイ/動画 | 20% | 認知拡大 |
| リマーケティング | 10% | 再アプローチ |
配分を決める際の判断基準
1. 過去の実績データ
各媒体のCPA、ROAS、CV数などの過去実績を基に判断します。
- 効率の良い媒体に多く配分
- ただし、効率が悪い原因が運用にある場合は、改善の余地あり
2. ターゲットユーザーの行動
ターゲットユーザーがどの媒体を使っているかを考慮します。
- BtoBならGoogle検索、LinkedIn
- 若年層向けならInstagram、TikTok
- 主婦層ならLINE、Instagram
3. 競合の状況
競合がどの媒体に注力しているかを確認します。
- 競合が多い媒体は単価が高騰しやすい
- 競合が少ない媒体は機会の可能性
4. 商品・サービスの特性
商品・サービスの特性に合った媒体を選びます。
- 視覚的に訴求しやすい商品 → Instagram、YouTube
- 検索して比較検討する商品 → Google検索
- 衝動買いしやすい商品 → SNS広告
媒体間配分の調整方法
ステップ1:各媒体の限界CPAを確認
予算を増やしていくと、どこかでCPAが悪化し始めるポイントがあります。これを「限界CPA」と呼びます。
ステップ2:限界CPAを比較
媒体Aの限界CPAが10,000円、媒体Bの限界CPAが8,000円なら、媒体Bに優先的に予算を配分します。
ステップ3:定期的に見直し
市場環境や競合状況は変化するため、定期的に配分を見直します。
キャンペーン間の予算配分
キャンペーンの種類と役割
ブランドキャンペーン(指名検索)
- 自社名、商品名などの指名キーワード
- CVRが高く、CPAが低い傾向
- 獲得できる数には限りがある
一般キャンペーン(非指名検索)
- 商品カテゴリ、課題などの一般キーワード
- CVRは低いが、ボリュームが大きい
- 新規ユーザーの獲得に有効
リマーケティングキャンペーン
- サイト訪問者への再アプローチ
- CVRが高く、費用対効果が良い傾向
- リーチには限りがある
認知キャンペーン
- ブランド認知、リーチが目的
- 直接的なCVは少ない
- 長期的なブランド構築に貢献
キャンペーン間配分の考え方
優先度の考え方
- ブランドキャンペーン:最優先で予算確保(需要をすべて取りきる)
- リマーケティング:次に優先(効率が良い)
- 一般キャンペーン:残りの予算で最適化
- 認知キャンペーン:余裕があれば投資
配分例(月100万円の場合)
| キャンペーン | 配分 | 考え方 |
|---|---|---|
| ブランド(指名) | 15万円 | 需要分をすべて獲得 |
| リマーケティング | 15万円 | 効率の良い獲得 |
| 一般(非指名) | 60万円 | メインの新規獲得 |
| 認知・動画 | 10万円 | 将来の種まき |
キャンペーン間配分の最適化
1. インプレッションシェアを確認
各キャンペーンのインプレッションシェア(表示可能だった回数に対する実際の表示回数の割合)を確認します。
- インプレッションシェアが低い → 予算不足の可能性
- インプレッションシェアが高い → 予算は十分
2. 限界効用を比較
「追加で1万円投資したら、どのキャンペーンが最も効果的か」を考えます。
- CPAが目標内で、インプレッションシェアが低いキャンペーン → 増額候補
- CPAが悪化傾向で、インプレッションシェアが高いキャンペーン → 減額候補
3. テストと検証
配分を変更した場合は、一定期間経過後に効果を検証します。
ファネルに基づく予算配分
マーケティングファネルとは
マーケティングファネルとは、ユーザーが認知から購入に至るまでの段階的なプロセスを表したものです。
ファネルの段階
- 認知(Awareness):商品・サービスを知る
- 興味(Interest):興味を持つ
- 検討(Consideration):比較検討する
- 行動(Action):購入・申込する
- 推奨(Advocacy):リピート、口コミ
ファネル段階別の広告施策
| ファネル段階 | 主な広告施策 | KPI |
|---|---|---|
| 認知 | 動画広告、ディスプレイ広告 | リーチ、インプレッション |
| 興味 | SNS広告、コンテンツ連動広告 | クリック、エンゲージメント |
| 検討 | 検索広告、リマーケティング | サイト訪問、比較ページ閲覧 |
| 行動 | 検索広告(指名)、リマーケティング | CV数、CPA |
| 推奨 | リピーター向け広告、LTV向上施策 | リピート率、LTV |
ファネルに基づく配分の考え方
短期成果重視の配分
ファネル下部(検討・行動)に多く配分します。
| ファネル段階 | 配分 |
|---|---|
| 認知 | 10% |
| 興味 | 15% |
| 検討 | 30% |
| 行動 | 45% |
長期成長重視の配分
ファネル上部(認知・興味)にも十分に配分します。
| ファネル段階 | 配分 |
|---|---|
| 認知 | 25% |
| 興味 | 25% |
| 検討 | 25% |
| 行動 | 25% |
バランス型の配分
| ファネル段階 | 配分 |
|---|---|
| 認知 | 15% |
| 興味 | 20% |
| 検討 | 30% |
| 行動 | 35% |
ファネル全体を見る重要性
行動段階(獲得広告)だけに予算を集中すると、長期的にはファネル上部が枯渇します。
- 短期:獲得効率は良いが、リーチに限界
- 中期:新規ユーザーの流入が減少
- 長期:成長が頭打ちに
持続的な成長のためには、ファネル上部への投資も必要です。
時期による予算調整
繁忙期・閑散期の調整
基本的な考え方
- 繁忙期:需要が高まる時期は予算を増額し、機会損失を防ぐ
- 閑散期:需要が低い時期は予算を抑制し、効率を維持
調整の目安
| 時期 | 予算調整 | 考え方 |
|---|---|---|
| 繁忙期 | 通常の120〜200% | 需要を逃さない |
| 通常期 | 100%(基準) | 標準的な運用 |
| 閑散期 | 通常の50〜80% | 効率を維持 |
業種別の繁忙期例
| 業種 | 繁忙期 |
|---|---|
| ECサイト | 年末商戦、セール時期 |
| 旅行 | GW、夏休み、年末年始前 |
| 不動産 | 1〜3月(引越しシーズン) |
| 教育・スクール | 新年度前(1〜3月) |
| 美容室 | 年末、成人式前、卒業式前 |
| 飲食店 | 歓送迎会シーズン、年末年始 |
イベント・キャンペーンに合わせた調整
自社イベント
- セール、キャンペーン開催時は予算を増額
- 新商品発売時は認知拡大に投資
- イベント前後で段階的に調整
外部イベント
- ブラックフライデー、サイバーマンデー
- ボーナス時期
- 業界の展示会、イベント
年間予算計画の立て方
ステップ1:年間の総予算を決める
売上目標、過去実績から年間の広告予算を設定します。
ステップ2:月別の配分を決める
繁忙期・閑散期、イベントを考慮して月別に配分します。
配分例(年間1,200万円の場合)
| 月 | 配分 | 理由 |
|---|---|---|
| 1月 | 80万円 | 年始で需要減 |
| 2月 | 90万円 | 回復期 |
| 3月 | 130万円 | 年度末需要 |
| 4月 | 110万円 | 新年度需要 |
| 5月 | 90万円 | GW後で需要減 |
| 6月 | 100万円 | 通常期 |
| 7月 | 100万円 | 通常期 |
| 8月 | 90万円 | 夏季休暇 |
| 9月 | 100万円 | 回復期 |
| 10月 | 100万円 | 通常期 |
| 11月 | 110万円 | 年末商戦準備 |
| 12月 | 100万円 | 年末商戦 |
ステップ3:実績を見ながら調整
計画はあくまで計画です。実績を見ながら柔軟に調整しましょう。
予算配分の最適化プロセス

ステップ1:現状分析
分析すべき項目
- 媒体別のCV数、CPA、ROAS
- キャンペーン別のCV数、CPA、ROAS
- インプレッションシェア
- 時系列での推移
分析ツール
- 各媒体の管理画面
- Google Analytics(GA4)
- Looker Studio(ダッシュボード)
ステップ2:課題の特定
よくある課題
- 効率の良い媒体に予算が足りない
- 効率の悪い媒体に予算をかけすぎている
- 特定のキャンペーンに依存している
- 新しい媒体・キャンペーンをテストできていない
ステップ3:配分の見直し
見直しの判断基準
| 状況 | アクション |
|---|---|
| CPAが目標内 + インプレッションシェアが低い | 予算増額 |
| CPAが目標内 + インプレッションシェアが高い | 現状維持 |
| CPAが目標を超えている + 改善余地あり | 改善施策を実施 |
| CPAが目標を超えている + 改善困難 | 予算削減 |
ステップ4:実行と検証
配分変更時の注意点
- 一度に大きく変更しない(10〜20%程度ずつ)
- 変更後、一定期間(1〜2週間)は様子を見る
- 自動入札を使用している場合、学習期間を考慮
検証のポイント
- 変更前後でKPIを比較
- 想定通りの効果が出ているか確認
- 意図しない影響がないか確認
ステップ5:継続的な改善
予算配分の最適化は一度で終わりではありません。
- 週次:簡易的なチェック
- 月次:詳細な分析と配分見直し
- 四半期:中期的な戦略の見直し
PDCAサイクルについては、広告運用のPDCAサイクルと改善の進め方で詳しく解説しています。
ポートフォリオ戦略

広告ポートフォリオとは
広告ポートフォリオとは、投資のポートフォリオ理論を広告に応用した考え方です。複数の広告施策を組み合わせて、リスクとリターンを最適化します。
ポートフォリオの構成要素
1. コア施策(60〜70%)
安定的に成果を出す主力の施策です。
- 過去に効果が実証されている
- CPAが安定している
- 予算の大部分を配分
例:指名検索広告、効果実証済みのリスティング広告
2. グロース施策(20〜30%)
成長を加速させる拡大余地のある施策です。
- 効果は出ているが、まだ拡大余地がある
- CPAはやや高めだが許容範囲
- スケールの可能性がある
例:一般キーワードの検索広告、Meta広告
3. テスト施策(5〜15%)
新しい可能性を探る実験的な施策です。
- 効果は未知数
- 成功すれば新たな成長ドライバーに
- 失敗しても全体への影響は限定的
例:新しい媒体(TikTokなど)、新しいターゲティング
ポートフォリオ配分の例
安定重視型
| カテゴリ | 配分 |
|---|---|
| コア施策 | 75% |
| グロース施策 | 20% |
| テスト施策 | 5% |
成長重視型
| カテゴリ | 配分 |
|---|---|
| コア施策 | 55% |
| グロース施策 | 30% |
| テスト施策 | 15% |
バランス型
| カテゴリ | 配分 |
|---|---|
| コア施策 | 65% |
| グロース施策 | 25% |
| テスト施策 | 10% |
ポートフォリオの運用サイクル
- テスト施策で実験:新しい施策を小規模でテスト
- 効果検証:成果を分析
- グロース施策に昇格:効果があればグロース施策として拡大
- コア施策に昇格:安定して成果が出ればコア施策に
- 入れ替え:効果が落ちた施策は縮小・停止
このサイクルを回すことで、常に新しい成長機会を探りながら、安定した成果を維持できます。
予算規模別の配分戦略
少額予算(月10〜30万円)の場合
基本戦略
- 媒体を1〜2つに絞る
- 効率の良い施策に集中
- 分散させすぎない
推奨配分
| 媒体 | 配分 |
|---|---|
| Google検索広告 | 70〜80% |
| リマーケティング | 20〜30% |
ポイント
- まずは検索広告で顕在層を獲得
- リマーケティングで効率良く再アプローチ
- 複数媒体への分散は、予算が増えてから
中規模予算(月30〜100万円)の場合
基本戦略
- 2〜3媒体に分散
- コア施策を確立しつつ、テストも実施
推奨配分
| 媒体 | 配分 |
|---|---|
| Google検索広告 | 50〜60% |
| Meta広告 | 25〜35% |
| テスト・その他 | 10〜15% |
ポイント
- 検索広告を軸にしつつ、SNS広告も活用
- テスト予算を確保し、新しい施策を試す
- 各媒体の効果を比較検証
大規模予算(月100万円以上)の場合
基本戦略
- 複数媒体で本格展開
- ファネル全体をカバー
- ポートフォリオ戦略を本格運用
推奨配分
| 媒体 | 配分 |
|---|---|
| Google広告(検索+ディスプレイ) | 40〜50% |
| Meta広告 | 20〜30% |
| YouTube/動画広告 | 10〜15% |
| LINE/その他SNS | 10〜15% |
| テスト・新規 | 5〜10% |
ポイント
- 認知から獲得まで、ファネル全体をカバー
- 各媒体の専門チームまたは担当者を設置
- 媒体間のアトリビューションを分析
よくある質問(FAQ)

Q:予算配分はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
A:月次での見直しを推奨します。週次で簡易的なチェックを行い、月次で詳細な分析と配分見直しを行うのが一般的です。ただし、大きな変化(キャンペーン開始、市場変化など)があった場合は、随時見直しましょう。
Q:新しい媒体にはどのくらいの予算を配分すべきですか?
A:総予算の5〜15%程度をテスト予算として確保することをおすすめします。新しい媒体は効果が未知数なので、まずは少額でテストし、効果が確認できてから拡大しましょう。
Q:CPAが良い媒体に予算を集中させるべきですか?
A:一概には言えません。CPAが良い媒体でも、予算を増やすとCPAが悪化することがあります(限界逓減)。また、特定媒体への依存はリスクにもなります。バランスを取りながら、段階的に増額することをおすすめします。
Q:認知広告と獲得広告、どちらを優先すべきですか?
A:フェーズによります。短期的な成果を求める場合は獲得広告を優先しますが、長期的な成長を目指す場合は認知広告にも投資が必要です。一般的には、獲得広告で安定した成果を出しつつ、余裕が出てきたら認知広告にも投資するのがおすすめです。
まとめ:データに基づいた最適な配分を
ここまで、広告予算の配分方法とポートフォリオ戦略について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
予算配分の基本原則
- 効率の良いところに優先配分:CPAが良い媒体・キャンペーンを優先
- 分散でリスク軽減:一つの媒体に依存しない
- テスト予算を確保:新しい施策を試す余地を持つ
- データに基づいて判断:感覚ではなく、数値で判断
配分を決める際のステップ
- 現状を分析:各媒体・キャンペーンの成果を把握
- 目標を設定:何を達成したいかを明確に
- 配分を決定:優先度に基づいて配分
- 実行と検証:配分を変更し、効果を検証
- 継続的に改善:定期的に見直し、最適化
今日からできること
- 現在の媒体別・キャンペーン別のCPA、ROASを確認
- インプレッションシェアを確認し、予算不足がないかチェック
- 効率の良いところに予算を再配分できないか検討
- テスト予算を確保し、新しい施策を試す
データに基づいた予算配分で、広告効果を最大化しましょう。
関連記事も参考にしてください。
業種別の予算配分例
ECサイトの予算配分例
特徴
- 直接的な売上計測が可能
- ROASで効果を評価
- リマーケティングの効果が高い
推奨配分(月100万円の場合)
| 施策 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Googleショッピング広告 | 30万円 | 商品検索からの獲得 |
| Google検索広告 | 25万円 | 顕在層の獲得 |
| Meta広告(Instagram含む) | 25万円 | 新規ユーザーへのアプローチ |
| リマーケティング | 15万円 | カート放棄者の呼び戻し |
| テスト(TikTok等) | 5万円 | 新規チャネルの開拓 |
ポイント
- ショッピング広告は商品画像で訴求できるため効果的
- カート放棄者へのリマーケティングはROASが高い
- SNS広告は新規顧客獲得に有効
ECサイトの広告運用については、ECサイトの広告運用戦略で詳しく解説しています。
BtoBビジネスの予算配分例
特徴
- 検討期間が長い
- リード獲得が主な目的
- ターゲットが限定的
推奨配分(月100万円の場合)
| 施策 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Google検索広告 | 45万円 | 顕在層からのリード獲得 |
| Meta広告(Facebook中心) | 25万円 | ビジネス層へのアプローチ |
| リマーケティング | 15万円 | 検討中ユーザーへの再アプローチ |
| ディスプレイ広告 | 10万円 | 認知拡大 |
| LinkedIn広告(テスト) | 5万円 | ビジネスパーソンへの訴求 |
ポイント
- 検索広告は「課題+解決策」系のキーワードが有効
- Facebookはビジネス層へのターゲティングが可能
- リード獲得後のナーチャリングと連携が重要
BtoBの広告運用については、BtoBビジネスの広告運用戦略で詳しく解説しています。
店舗ビジネス(飲食・美容など)の予算配分例
特徴
- 地域限定のターゲティング
- 来店がコンバージョン
- ビジュアル訴求が効果的
推奨配分(月30万円の場合)
| 施策 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Google検索広告(ローカル) | 10万円 | 「地域名+業種」での獲得 |
| ローカル検索広告 | 5万円 | Googleマップでの露出 |
| Instagram広告 | 10万円 | ビジュアルでの訴求 |
| LINE広告 | 5万円 | 友だち獲得、リピート促進 |
ポイント
- 地域を絞ったターゲティングが重要
- ローカル検索広告とMEO対策の連携が効果的
- Instagram広告は料理や施術の写真で訴求
- LINE広告で友だち獲得し、リピートにつなげる
店舗ビジネスの広告運用については、飲食店の広告運用戦略や美容室・サロンの広告運用戦略で詳しく解説しています。
クリニック・医療機関の予算配分例
特徴
- 医療広告ガイドラインの制約
- 信頼性が重要
- 地域密着
推奨配分(月50万円の場合)
| 施策 | 配分 | 役割 |
|---|---|---|
| Google検索広告 | 25万円 | 「症状+地域」での獲得 |
| ローカル検索広告 | 10万円 | Googleマップでの露出 |
| ディスプレイ広告(リマケ) | 10万円 | 検討中ユーザーへの再アプローチ |
| SNS広告 | 5万円 | 認知拡大、情報発信 |
ポイント
- 「症状名+地域名」のキーワードが有効
- 医療広告ガイドラインを遵守した広告文
- 口コミやMEO対策との連携が重要
クリニックの広告運用については、クリニック・医療機関の広告運用で詳しく解説しています。
予算配分の失敗事例と対策

失敗事例1:効率の悪い媒体に予算をかけすぎた
状況
「複数媒体に分散した方が良い」と考え、効果の出ていないTikTok広告に予算の20%を配分し続けた。結果、全体のCPAが悪化。
原因
- 効果検証をせずに予算を配分し続けた
- 「新しい媒体だから効果が出るまで時間がかかる」と思い込んでいた
対策
- 新しい媒体はテスト予算(5〜10%)から始める
- 一定期間(1〜2ヶ月)で効果を検証
- 効果が出なければ、予算を削減または停止
失敗事例2:一つの媒体に依存しすぎた
状況
Google検索広告だけで成果が出ていたため、予算の90%を集中。しかし、競合参入でCPCが高騰し、CPAが急激に悪化。他の媒体のノウハウがなく、対応できなかった。
原因
- 一つの媒体に依存しすぎていた
- 他の媒体のテストを怠っていた
対策
- 一つの媒体への依存度は70%以下に
- 複数媒体のノウハウを蓄積
- 定期的に新しい媒体をテスト
失敗事例3:繁忙期に予算が足りなかった
状況
年間予算を月均等に配分。繁忙期に需要が急増したが、予算が足りず、広告の表示が途中で止まった。競合に顧客を奪われた。
原因
- 季節変動を考慮していなかった
- 月別の予算配分を柔軟に調整しなかった
対策
- 過去データから繁忙期・閑散期を把握
- 繁忙期は予算を増額(通常の120〜200%)
- 閑散期は予算を抑制し、繁忙期に備える
失敗事例4:獲得広告だけに投資し、長期的に成長が頭打ち
状況
CPAが良い検索広告(顕在層向け)だけに予算を集中。短期的には効率が良かったが、1年後には新規ユーザーの流入が減少し、成長が頭打ちに。
原因
- ファネル上部(認知・興味)への投資を怠った
- 短期的な効率だけを追求した
対策
- 予算の15〜25%を認知拡大に配分
- 長期的な視点で投資効果を評価
- ファネル全体を意識した配分
予算配分チェックリスト

配分前のチェック
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 広告の目標(CV数、CPA、ROASなど)が明確になっている | □ |
| 各媒体・キャンペーンの成果を計測できている | □ |
| 過去の実績データを分析した | □ |
| 繁忙期・閑散期を考慮している | □ |
| テスト予算を確保している | □ |
配分時のチェック
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 効率の良い媒体・キャンペーンに優先的に配分している | □ |
| 一つの媒体への依存度が高すぎない(70%以下) | □ |
| ファネルの各段階に適切に配分している | □ |
| インプレッションシェアを考慮している | □ |
| 配分の根拠を説明できる | □ |
配分後のチェック
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 配分変更後の効果を検証している | □ |
| 定期的に配分を見直している(月次) | □ |
| 市場環境の変化に応じて調整している | □ |
| 新しい施策のテストを継続している | □ |
| 成功・失敗事例を記録している | □ |
予算配分に役立つツール
Google広告の予算関連機能
共有予算
複数のキャンペーンで予算を共有し、自動的に最適配分する機能です。
パフォーマンスプランナー
予算変更による成果の予測シミュレーションができるツールです。
- 予算を増やしたらCV数がどのくらい増えるか
- 目標CV数を達成するために必要な予算
分析・レポートツール
Google Analytics(GA4)
媒体横断での成果を統合的に分析できます。
Looker Studio
複数の媒体データを統合したダッシュボードを作成できます。
GA4との連携については、Google広告とGA4の連携と分析方法で詳しく解説しています。