Google広告の運用において、自動化機能の活用は今や避けて通れないテーマとなっています。かつては手動での入札調整やキーワード管理が主流でしたが、GoogleのAI技術の進化により、スマート自動入札や自動作成アセットなど、様々な自動化機能が登場しました。
この記事では、Google広告の自動化機能を徹底解説し、特に重要な「スマート自動入札」と「自動作成アセット」について、仕組みから設定方法、効果的な活用法まで詳しくご紹介します。自動化機能を使いこなすことで、運用工数を削減しながら広告効果を最大化する方法をマスターしましょう。
Google広告の自動化機能とは?全体像を把握する

Google広告の自動化機能とは、Google AIを活用して広告運用の様々な作業を自動的に行う機能の総称です。入札、ターゲティング、広告クリエイティブの作成など、従来は人間が手動で行っていた作業を機械学習によって最適化します。
自動化機能が重要になった背景
Google広告における自動化機能の重要性が増した背景には、以下のような要因があります。
まず、Googleの検索エンジンには1日に何十億回もの検索が行われており、その一つひとつのオークションで最適な入札単価を手動で設定することは現実的に不可能です。ユーザーの検索意図や行動パターンは非常に多様であり、デバイス、時間帯、地域、過去の行動履歴など、無数の要素を考慮した入札調整が求められます。
また、広告運用者のリソースには限りがあります。複数のキャンペーンを同時に運用しながら、キーワードごとの入札単価を定期的に調整し、広告文のA/Bテストを実施し、レポーティングを行うといった作業すべてを高精度で実行するには、膨大な時間と労力が必要です。
自動化機能を活用することで、これらの課題を解決し、より効率的かつ効果的な広告運用が可能になります。
Google広告で利用できる主な自動化機能
Google広告には様々な自動化機能が用意されています。主なものを挙げると次のとおりです。
入札の自動化では、スマート自動入札(目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化)、クリック数の最大化、目標インプレッションシェアなどがあります。
広告クリエイティブの自動化として、自動作成アセット(旧:自動生成アセット)、レスポンシブ検索広告、レスポンシブディスプレイ広告などが利用できます。
ターゲティングの自動化には、最適化されたターゲティング、オーディエンス拡張などの機能があります。
キャンペーン全体の自動化としては、P-MAXキャンペーンが代表的で、入札からターゲティング、クリエイティブの組み合わせまでをすべてAIが最適化します。
これらの機能は単独で使うこともできますし、組み合わせて活用することも可能です。自社のビジネス目標や運用リソースに合わせて、最適な自動化戦略を構築することが重要です。
Google広告全般の基礎知識については、Google広告とは?仕組みと始め方完全ガイドで詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
スマート自動入札とは?基本を理解する
スマート自動入札とは、Google AIを使用する自動入札戦略で、オークションごとにコンバージョン数またはコンバージョン値の最適化を行う機能です。「オークションごとの自動入札機能」とも呼ばれ、従来の自動入札よりもさらに高度な最適化が可能です。
自動入札とスマート自動入札の違い
Google広告の入札戦略を理解する上で、「自動入札」と「スマート自動入札」の違いを把握しておくことが重要です。
自動入札は、特定のビジネス目標を達成するために、クリックやコンバージョンにつながる可能性に基づいて広告の入札単価が自動的に設定される入札戦略の総称です。クリック数の最大化、目標インプレッションシェアなどが含まれます。
スマート自動入札は、自動入札の一種であり、特にコンバージョン数やコンバージョン値を重視して最適化を行う入札戦略を指します。目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化の4種類がこれに該当します。
つまり、スマート自動入札は自動入札の中でも、コンバージョンに特化した高度な入札戦略と言えます。社内や代理店とのコミュニケーションにおいて、この違いを正確に理解しておくと認識のズレを防げます。
スマート自動入札の仕組み:オークションごとの最適化
スマート自動入札の最大の特徴は、オークションごと(検索クエリごと)に入札単価を自動調整する点です。従来の手動入札では、1日に数回程度の入札単価の見直しが限界でしたが、スマート自動入札では文字通り「すべてのオークション」で最適な入札が行われます。
この最適化を実現するために、Google AIは様々な「シグナル」を分析します。シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定できる属性のことで、以下のような要素が含まれます。
デバイス:ユーザーがモバイル、パソコン、タブレットのいずれを使用しているかに基づき、入札単価が最適化されます。例えば、ある自動車販売店の場合、ユーザーがモバイルデバイスで検索していて、近くの店舗に来店予約をする可能性が高い場合に、入札単価が引き上げられます。
所在地:ユーザーの所在地(都市レベル)に基づいて入札単価が最適化されます。広告主のターゲット地域が都道府県レベルで設定されていても、より詳細な地域データを活用して調整が行われます。
地域に関するインテント:ユーザーの所在地だけでなく、検索内容から推測される地域への関心も考慮されます。例えば、旅行会社の場合、店舗付近にいないユーザーでも「沖縄旅行 8月」のように特定の旅行先を検索していれば、入札単価の調整が行われます。
時間帯・曜日:過去のデータから、コンバージョンが発生しやすい時間帯や曜日を学習し、入札単価を調整します。
リマーケティングリスト:ユーザーが登録されているリマーケティングリストに基づいて入札単価が最適化されます。さらに、そのリストに登録されてからの経過時間も考慮されます。例えば、サイト訪問者がショッピングカートに商品を追加したのが先週であれば、先月だった場合よりも購入に至る可能性が高いと判断され、入札単価が調整されます。
言語・ブラウザ・OS:ユーザーが使用している言語設定、ブラウザの種類、オペレーティングシステムなども最適化のシグナルとして活用されます。
検索語句:ユーザーが入力した具体的な検索語句も重要なシグナルです。同じキーワードグループでも、検索語句によってコンバージョン率が異なることがあり、AIはこれを学習して入札単価を調整します。
このように、スマート自動入札は人間では処理しきれない膨大なシグナルを瞬時に分析し、各オークションで最適な入札単価を算出します。これにより、手動入札では実現が難しい高精度な入札が可能になります。
スマート自動入札の4つの戦略を徹底解説

スマート自動入札には4つの戦略があり、それぞれビジネス目標や予算状況に応じて使い分けることが重要です。ここでは各戦略の特徴と活用シーンを詳しく解説します。
コンバージョン数の最大化
「コンバージョン数の最大化」は、設定した予算内でコンバージョン数を最大化することを目標とする入札戦略です。
特徴と仕組み
この戦略では、指定した1日の予算を使い切りながら、できるだけ多くのコンバージョンを獲得できるよう入札単価が自動調整されます。コンバージョンが発生しやすいユーザーには高い入札単価を設定し、そうでないユーザーには低い入札単価を設定することで、予算効率を最大化します。
活用が適しているケース
コンバージョン数の最大化は、以下のような状況で特に効果を発揮します。
まず、とにかくコンバージョン数を増やしたい場合に適しています。新規顧客の獲得数を重視するビジネスや、リード獲得数がKPIとなっている場合などです。
また、CPAの厳密なコントロールよりも、予算内でのコンバージョン数を優先したい場合にも有効です。
さらに、目標コンバージョン単価を設定するほどのコンバージョンデータが蓄積されていない初期段階でも利用できます。
注意点
予算を使い切る方向で最適化されるため、CPAが想定より高くなる可能性があります。予算管理とCPAの監視を怠らないようにしましょう。
目標コンバージョン単価(tCPA)
「目標コンバージョン単価」は、設定したコンバージョン単価(CPA)を維持しながらコンバージョン数を最大化する入札戦略です。
特徴と仕組み
広告主が目標とするCPAを設定すると、Google AIがその目標値を達成できるよう入札単価を自動調整します。例えば、目標CPAを5,000円に設定した場合、平均して5,000円でコンバージョンが獲得できるように入札が最適化されます。
活用が適しているケース
目標コンバージョン単価は、以下のような状況で効果的です。
明確なCPA目標がある場合に最適です。「1件のリード獲得に〇〇円までなら投資できる」という基準がある広告主に向いています。
また、過去30日間に30件以上のコンバージョンが発生している場合、十分なデータに基づいた精度の高い最適化が期待できます。
収益性を維持しながら拡大を目指したい場合にも有効な選択肢です。
目標値の設定方法
目標CPAは、過去のコンバージョンデータを参考に設定します。いきなり大幅に低い目標を設定すると、配信量が極端に減少する可能性があるため、現状の実績値から10〜20%程度の改善を目指す設定から始めることをおすすめします。
コンバージョン値の最大化
「コンバージョン値の最大化」は、設定した予算内でコンバージョン値(売上など)を最大化することを目標とする入札戦略です。
特徴と仕組み
コンバージョン数ではなく、コンバージョン値(金額)の最大化を目指します。例えば、ECサイトで商品の購入金額をコンバージョン値として設定している場合、高額商品を購入する可能性の高いユーザーに対して積極的に入札するといった最適化が行われます。
活用が適しているケース
コンバージョン値の最大化は、以下のような状況で特に有効です。
ECサイトなど、コンバージョンごとに異なる価値(売上金額)がある場合に適しています。
また、1件あたりの取引金額の差が大きいビジネス(例:数千円の商品から数十万円の商品まで扱うECサイト)でも効果を発揮します。
売上の最大化を最優先としたい場合にも有効な選択肢です。
設定の前提条件
この戦略を使用するには、コンバージョントラッキングでコンバージョン値(購入金額など)を正確に計測できる設定が必要です。動的なコンバージョン値の設定方法については、Google広告とGA4の連携と分析方法で詳しく解説しています。
目標広告費用対効果(tROAS)
「目標広告費用対効果」は、設定したROAS(広告費用対効果)を維持しながらコンバージョン値を最大化する入札戦略です。
特徴と仕組み
ROASとは「売上 ÷ 広告費 × 100」で算出される指標です。目標ROASを300%に設定した場合、広告費1万円に対して3万円の売上が得られるよう入札が最適化されます。
活用が適しているケース
目標広告費用対効果は、以下のような状況で効果的です。
広告投資に対する明確なリターン目標がある場合に最適です。
また、コンバージョン値(売上)のデータが十分に蓄積されている場合、精度の高い最適化が期待できます。Googleは過去30日間に50件以上のコンバージョンを推奨しています。
利益率を維持しながら売上拡大を目指したいビジネスにも適しています。
目標値設定のポイント
目標ROASを高く設定しすぎると配信量が減少し、低く設定すると利益率が悪化します。過去の実績値を基準に、段階的に目標を調整していくアプローチが効果的です。
Googleのデータによると、目標コンバージョン単価から目標広告費用対効果に入札戦略を切り替えたケースでは、以前と同程度の広告費用対効果でコンバージョン値が平均14%伸びるという結果が報告されています。
広告効果測定の基本については、広告効果測定の基本指標(ROAS・CPA・CTR・CVRなど)を徹底解説もご参照ください。
スマート自動入札のメリット・デメリット
スマート自動入札を導入する前に、そのメリットとデメリットを正確に把握しておくことが重要です。
スマート自動入札のメリット
1. 運用工数の大幅削減
手動入札では、各広告グループやキーワードごとに定期的に入札価格を確認・調整する必要がありました。スマート自動入札を使用すると、この作業が自動化されるため、運用者は入札調整に費やす時間を大幅に削減できます。空いた時間を、クリエイティブの改善やLP最適化など、より戦略的な業務に充てることが可能になります。
2. 高度なシグナル分析による精度向上
スマート自動入札では、デバイス、地域、時間帯、リマーケティングリスト、言語、OSなど、人間では処理しきれない膨大なシグナルをリアルタイムで分析します。これにより、個々のユーザーの状況に合わせたきめ細かい入札調整が実現します。手動入札では不可能だった精度での最適化が可能です。
3. オークションごとの最適化
従来の入札調整が1日数回程度だったのに対し、スマート自動入札はすべてのオークションで入札単価を最適化します。これにより、コンバージョンの可能性が高いユーザーには積極的に入札し、そうでないユーザーには抑制するといった、きめ細かい対応が自動で行われます。
4. 柔軟な目標設定
入札の成果目標を柔軟に設定でき、ビジネス目標に合わせた最適化が可能です。また、選択したアトリビューションモデルに合わせた検索広告の入札単価の最適化も行えます。
5. 透明性の高いレポート機能
入札戦略のステータスや、スマート自動入札の成果をテストするための機能が提供されており、パフォーマンスを客観的に評価できます。
スマート自動入札のデメリット・注意点
1. 学習期間が必要
スマート自動入札は、コンバージョンデータを基に学習を行います。導入直後は十分なデータがないため、最適化の精度が低い状態が続きます。一般的に、学習期間は2〜4週間程度とされており、この間はパフォーマンスが安定しない可能性があります。
2. 一定のコンバージョン数が必要
精度の高い最適化を実現するには、十分なコンバージョンデータが必要です。目標コンバージョン単価であれば過去30日間に30件以上、目標広告費用対効果であれば50件以上のコンバージョンが推奨されています。コンバージョン数が少ないアカウントでは、十分な効果が得られない可能性があります。
3. 頻繁な変更は避けるべき
キーワードや予算を頻繁に変更すると、学習がリセットされてしまうことがあります。スマート自動入札を導入後は、大きな変更を控え、AIが安定して学習できる環境を維持することが重要です。
4. すべてのケースで最適とは限らない
コンバージョン数が極端に少ない場合や、短期間のキャンペーン、非常にニッチな市場では、手動入札のほうがパフォーマンスを高められる可能性もあります。自社の状況に合わせて、自動入札と手動入札を適切に使い分けることが大切です。
5. ブラックボックス化のリスク
入札単価の調整がAIによって自動で行われるため、なぜその入札単価になったのかの詳細な理由を把握しにくい面があります。運用者は、結果の数値を見ながら傾向を把握し、目標値や予算を調整するというアプローチが求められます。
スマート自動入札の設定方法【実践ガイド】
ここからは、実際にスマート自動入札を設定する方法を解説します。
事前準備:コンバージョントラッキングの設定
スマート自動入札を使用するには、まずコンバージョントラッキングを有効にする必要があります。コンバージョンデータがなければ、AIは何を最適化すべきか判断できません。
コンバージョントラッキングの設定手順は以下のとおりです。
- Google広告の管理画面で「ツールと設定」>「測定」>「コンバージョン」を選択
- 「+コンバージョンアクション」をクリック
- 計測したいコンバージョンの種類(ウェブサイト、アプリ、電話など)を選択
- 必要な情報を入力し、コンバージョンタグを発行
- ウェブサイトにタグを設置(GTMの使用を推奨)
コンバージョンの設定が正しく行われているか、テストを実施して確認しましょう。
新しいキャンペーンでスマート自動入札を設定する
新規キャンペーン作成時にスマート自動入札を設定する手順は以下のとおりです。
- Google広告管理画面で「キャンペーン」>「+」ボタンをクリック
- キャンペーンの目標を選択(「販売促進」「見込み顧客の獲得」など)
- キャンペーンタイプを選択(検索、ディスプレイなど)
- 「単価設定」セクションで重視する要素を選択
- 「コンバージョン」を選択するとコンバージョン系の戦略
- 「コンバージョン値」を選択すると価値ベースの戦略
- 必要に応じて目標値(目標CPA、目標ROASなど)を入力
- その他の設定を完了してキャンペーンを作成
既存のキャンペーンの入札戦略を変更する
既存のキャンペーンでスマート自動入札に切り替える手順は以下のとおりです。
- Google広告管理画面で対象のキャンペーンを選択
- 「設定」タブをクリック
- 「単価設定」セクションを展開
- 「入札戦略を変更」をクリック
- 使用したいスマート自動入札戦略を選択
- 目標値を設定(該当する場合)
- 「保存」をクリック
ポートフォリオ入札戦略の活用
複数のキャンペーンを運用している場合は、ポートフォリオ入札戦略の活用がおすすめです。ポートフォリオ入札戦略とは、複数のキャンペーンに同一の入札戦略を適用し、全体で最適化を行う機能です。
設定手順は以下のとおりです。
- Google広告管理画面で「ツールと設定」アイコンをクリック
- 「予算と入札単価」プルダウンから「入札戦略」を選択
- 「+」ボタンをクリックして新しいポートフォリオ戦略を作成
- 入札戦略の種類を選択
- 含めるキャンペーンを選択
- 目標値を設定して保存
ポートフォリオ入札戦略のメリットは、複数のキャンペーンのデータを統合して学習できるため、個別のキャンペーンでは十分なコンバージョン数がない場合でも、精度の高い最適化が期待できる点です。
スマート自動入札の効果を最大化する運用テクニック

スマート自動入札を導入しただけでは、期待する成果が得られないこともあります。ここでは、効果を最大化するための運用テクニックを紹介します。
適切な目標値の設定
目標コンバージョン単価や目標ROASを設定する際は、現実的な数値から始めることが重要です。
初期設定のポイント
過去30日間の実績値を確認し、それを基準に目標を設定します。いきなり大幅な改善を求めるのではなく、10〜20%程度の改善から始めるのがおすすめです。
例えば、現在のCPAが10,000円の場合、最初の目標CPAは8,000〜9,000円程度に設定します。その後、パフォーマンスを見ながら段階的に目標を引き下げていきます。
目標値が高すぎる/低すぎる場合の影響
目標CPAを低く設定しすぎると、AIは条件を満たすユーザーにしか広告を表示しなくなり、配信量が大幅に減少します。逆に、高く設定しすぎるとCPAが悪化します。適切なバランスを見つけることが重要です。
学習期間中の対応
スマート自動入札を導入後、学習期間中は以下の点に注意しましょう。
大きな変更を避ける
学習期間中にキーワードの大幅な追加・削除、予算の大きな変更、目標値の変更などを行うと、学習がリセットされる可能性があります。最低2〜4週間は大きな変更を控えましょう。
パフォーマンスの変動に一喜一憂しない
学習期間中はパフォーマンスが不安定になることがあります。一時的なCPAの上昇や、配信量の変動に過剰反応せず、一定期間経過後に総合的に評価しましょう。
十分な予算を確保する
学習を促進するためには、十分な予算が必要です。予算による制限が頻繁に発生すると、学習の妨げになります。
季節性の調整機能の活用
セール期間など、コンバージョン率が一時的に変化することが予想される場合は、「季節性の調整」機能を活用しましょう。
この機能を使うと、7日以内の短期イベントで見込まれるコンバージョン率の変化を事前にAIに伝えることができます。例えば、セール期間中はコンバージョン率が50%向上すると設定すると、その情報を踏まえた入札調整が行われます。
設定手順は以下のとおりです。
- 「ツールと設定」>「予算と入札単価」>「入札戦略」を選択
- 対象の入札戦略を選択
- 「詳細設定」>「季節性の調整」を選択
- 期間とコンバージョン率の変化を入力
データ除外機能の活用
サイト改修などによりコンバージョン計測に不具合が生じた期間がある場合は、「データ除外」機能を使用しましょう。不正確なデータに基づいて学習が行われると、最適化の精度が低下します。
データ除外機能を使うと、指定した期間のデータを自動入札の学習から除外できます。
広告のPDCAサイクルとの連携
スマート自動入札を導入しても、広告運用のPDCAサイクルは継続する必要があります。入札は自動化されても、以下の領域では人間の判断が重要です。
クリエイティブの改善
広告文、画像、動画などのクリエイティブは、引き続き人間が改善していく必要があります。CTRの高い広告文を作成することで、より多くのクリックを獲得し、結果としてコンバージョンの機会を増やすことができます。
ランディングページの最適化
せっかくクリックを獲得しても、ランディングページでコンバージョンが発生しなければ意味がありません。LPのA/Bテストや改善は継続的に行いましょう。
キーワードの精査
検索語句レポートを確認し、意図しない検索語句での表示があれば除外キーワードを追加するなど、キーワード戦略の精査は継続的に行います。
広告運用のPDCAサイクルについては、広告運用のPDCAサイクルと改善の進め方で詳しく解説しています。
自動作成アセットとは?AI活用の広告文生成機能
続いて、Google広告のもう一つの重要な自動化機能である「自動作成アセット」について解説します。
自動作成アセットの基本概念
自動作成アセット(Automatically Created Assets)とは、レスポンシブ検索広告において、広告見出しや説明文をGoogle AIが自動で生成する機能です。ランディングページのコンテンツ、既存の広告、広告グループのキーワードなどを基に、追加のアセットが自動的に作成されます。
この機能は以前「自動生成アセット」とも呼ばれていましたが、2025年5月以降は「テキストのカスタマイズ」という名称に変更され、検索キャンペーン向けAI最大化設定の一部として提供されています。
自動作成アセットと自動生成アセットの違い
名前が似ているため混同しやすいですが、「自動作成アセット」と「自動生成アセット」は異なる機能です。
自動作成アセットは、レスポンシブ検索広告の広告見出しと説明文を自動で作成する機能です。キャンペーン単位で設定が可能です。
自動生成アセットは、広告表示オプション(サイトリンク、コールアウト、構造化スニペットなど)を自動で作成する機能です。アカウント単位で設定を行います。
本記事では主に前者の「自動作成アセット」について解説します。
自動作成アセットの仕組み
自動作成アセットは、以下の情報を基にアセットを生成します。
1. ランディングページのコンテンツ
広告の遷移先となるランディングページのテキスト内容を分析し、関連性の高い広告見出しや説明文を生成します。
2. 既存の広告
すでに作成されている広告のアセット(見出し、説明文)を参考に、類似または補完的なアセットを生成します。
3. 広告グループのキーワード
設定されているキーワードを参考に、それらの検索意図に合致するアセットを生成します。
4. ユーザーの検索語句(生成AI活用の場合)
英語のアセットでは、生成AIを活用してユーザーの検索語句との関連性がより高いアセットを動的に生成することも可能です。日本語でもこの機能の適用が進められています。
生成されたアセットは、手動で作成したアセットと組み合わせて使用され、様々な組み合わせがテストされます。その中でパフォーマンスの高い組み合わせが優先的に表示されるようになります。
2024年末〜2025年の進化
自動作成アセットは、2023年から2024年にかけて大きく進化しました。当初は英語のみ対応でしたが、2024年末から日本語を含む7言語に対応が拡大されました。
さらに2025年には、生成AIを活用した高度なコピー生成も実用化され、文脈に沿ったより自然な広告文が高精度で出力されるようになっています。
これにより、日本の広告主も自動作成アセットの恩恵を十分に受けられるようになりました。
自動作成アセットのメリット・デメリット
自動作成アセットを導入するかどうか判断するために、メリットとデメリットを整理しておきましょう。
自動作成アセットのメリット
1. パフォーマンス改善の可能性
運用担当者が気付かなかった広告見出しや説明文を自動で追加してくれるため、より効果的なアセットが見つかる可能性があります。Googleのデータによると、自動作成アセットを利用した広告グループでは、同程度のコンバージョン単価でコンバージョン数が2%増加した事例が報告されています。
2. 広告の関連性向上
ランディングページ、既存の広告、キーワードの3つの情報を基にアセットが生成されるため、検索語句と広告、ランディングページの一貫性が高まります。これにより、広告の関連性が向上し、品質スコアの改善にもつながる可能性があります。
3. 作業工数の削減
広告見出しや説明文の作成には時間がかかりますが、自動作成アセットを活用すれば、この作業の一部を自動化できます。空いた時間を他の重要な業務に充てることができます。
4. 上限数を超えたアセット登録
レスポンシブ検索広告には、広告見出し15個、説明文4個という上限がありますが、自動作成アセットを有効にすると、この上限を超えて追加のアセットを活用できます。これにより、より多くの検索意図をカバーすることが可能になります。
自動作成アセットのデメリット・注意点
1. 意図しない広告文が生成される可能性
自動生成されるアセットは、常に広告主の意図に沿ったものとは限りません。ブランドイメージに合わない表現や、伝えたいメッセージとは異なる内容が生成される可能性があります。
2. コントロールの難しさ
生成されるアセットを事前に完全にコントロールすることは困難です。承認制ではないため、意図しないアセットが配信されるリスクがあります。
3. すべての広告主に適しているわけではない
ブランドガイドラインが厳格な企業や、広告表現に法的な制約がある業種(医療、金融など)では、自動生成されたアセットがポリシーに違反する可能性があります。このような場合は、慎重に導入を検討する必要があります。
4. モニタリングが必要
自動作成アセットを有効にした後も、定期的にアセットの詳細レポートを確認し、意図しないアセットが使われていないか、パフォーマンスが適切かをチェックする必要があります。
自動作成アセットの設定方法と確認手順
自動作成アセットの設定方法と、生成されたアセットの確認方法を解説します。
自動作成アセットの有効化手順
自動作成アセットをキャンペーンで有効にする手順は以下のとおりです。
- Google広告の管理画面で「キャンペーン」アイコンをクリック
- 「キャンペーン」プルダウンメニューから「キャンペーン」をクリック
- 上部の「設定」タブをクリックし、編集するキャンペーンを選択
- 「自動作成アセット」セクション(または「テキストのカスタマイズ」セクション)をクリックして展開
- 「動的な広告見出し」と「動的な説明文」をオンに設定
- 「保存」をクリック
※2025年5月27日以降の注意点
2025年5月27日以降、自動作成アセットは「検索キャンペーン向けAI最大化設定」の「テキストのカスタマイズ」機能にアップグレードされています。新規で設定する場合は、AI最大化設定をキャンペーンレベルで有効にすることで、テキストのカスタマイズがデフォルトで有効になります。
生成されたアセットの確認方法
自動作成されたアセットは、以下の手順で確認できます。
- Google広告管理画面で「広告とアセット」を選択
- 「広告」をクリック
- 確認したい広告名の下にある「アセットの詳細を表示」をクリック
- アセット一覧の画面でソースを「自動作成」でフィルタリング
これにより、自動で生成された広告見出しや説明文の一覧と、それぞれのパフォーマンス指標を確認できます。
特定の自動作成アセットを停止する方法
意図しない内容や、パフォーマンスの悪いアセットを使用停止にしたい場合は、以下の手順で削除できます。
- アセットの詳細レポートを表示
- 停止したいアセットを選択
- 「削除」または「一時停止」をクリック
削除されたアセットは、広告の配信で使用されなくなります。
組み合わせレポートの活用
レスポンシブ検索広告では、どの見出しと説明文の組み合わせが実際に表示されたかを確認できる「組み合わせレポート」が用意されています。
- 「広告とアセット」>「広告」を選択
- 確認したい広告の「アセットの詳細を表示」をクリック
- 「組み合わせ」タブを選択
ここで、実際に表示された見出しと説明文の組み合わせと、その表示回数を確認できます。自動作成アセットがどのように使われているかを把握するのに役立ちます。
自動生成アセット(広告表示オプションの自動化)について
先述の「自動作成アセット」とは別に、「自動生成アセット」という機能もあります。混同を避けるため、こちらについても簡単に解説します。
自動生成アセットとは
自動生成アセット(旧名称:広告表示オプション(自動))は、サイトリンクやコールアウト、構造化スニペットなどの広告表示オプションを自動で作成・表示する機能です。アカウント単位で設定を行います。
広告の掲載向上につながると予測される場合に、Googleが自動的に広告表示オプションを作成し、広告の下に表示します。
自動生成アセットの種類
自動生成アセットには、以下の種類があります。
- 動的サイトリンク
- 動的コールアウト
- 動的構造化スニペット
- 動的画像アセット
- 販売者の評価
- 住所アセット
- 通話アセット
- モバイルアプリアセット
設定方法
自動生成アセットの設定は、以下の手順で行います。
- Google広告管理画面で「広告とアセット」>「アセット」を選択
- 右上の「その他オプション」をクリック
- 「アカウント単位の自動生成アセット」を選択
- 有効/無効を設定して保存
注意点
自動生成アセットを有効にすると、手動で作成したアセットと自動生成されたアセットが混在して表示されることがあります。例えば、4つのサイトリンク枠のうち、2つは手動で作成したサイトリンク、2つはGoogle AIが生成したサイトリンクが表示されるといったケースです。
ブランドの一貫性を重視する場合や、特定のメッセージのみを表示したい場合は、自動生成アセットを無効にするか、定期的に生成内容を確認してコントロールする必要があります。
P-MAXキャンペーンと自動化機能の関係
Google広告の自動化機能を語る上で欠かせないのが、P-MAXキャンペーンです。P-MAXは、Google広告の自動化機能を最大限に活用したキャンペーンタイプと言えます。
P-MAXキャンペーンとは
P-MAX(Performance Max)キャンペーンは、Googleが2021年11月に導入した目標ベースのキャンペーンタイプです。1つのキャンペーンで、YouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、マップなど、Google広告のすべての広告枠に配信できます。
P-MAXの最大の特徴は、入札、予算の最適化、オーディエンス、クリエイティブ、アトリビューションなど、あらゆる要素でGoogle AIが活用されている点です。広告主は目標とクリエイティブアセットを提供し、その後の最適化はAIに委ねるという運用スタイルになります。
P-MAXで活用される自動化機能
P-MAXでは、以下の自動化機能が統合的に活用されています。
スマート自動入札
チャネル全体のパフォーマンスをリアルタイムで最適化し、コンバージョン数とコンバージョン値を最大化するためにスマート自動入札が使用されています。
自動化されたターゲティング
オーディエンスシグナルを基に、コンバージョンの可能性が高いユーザーを自動的にターゲティングします。
クリエイティブの自動組み合わせ
提供された画像、動画、テキストなどのアセットを、配信先のチャネルに合わせて最適に組み合わせて表示します。
チャネル横断の最適化
検索、ディスプレイ、YouTubeなど、複数のチャネルのデータを統合して学習し、全体としてのパフォーマンスを最大化します。
P-MAXと他の自動化機能の使い分け
P-MAXは非常に強力な自動化機能を持っていますが、すべてのケースで最適とは限りません。
P-MAXが適しているケース
- 複数のチャネルで広告を配信したい場合
- 十分なコンバージョンデータがある場合
- 運用工数を削減したい場合
- 新規顧客の開拓を重視する場合
検索キャンペーン+スマート自動入札が適しているケース
- 特定のキーワードでの露出をコントロールしたい場合
- 検索面に特化した配信を行いたい場合
- きめ細かいキーワード戦略が必要な場合
P-MAXは検索キャンペーンを補完するものとして位置付けられており、両者を併用することで最大の効果が期待できます。
P-MAXキャンペーンの詳細については、P-MAXキャンペーンの特徴と活用法【自動化時代の広告運用】で詳しく解説しています。
自動化機能導入時の注意点とベストプラクティス
最後に、Google広告の自動化機能を導入する際の注意点とベストプラクティスをまとめます。
自動化機能導入前のチェックポイント
自動化機能を導入する前に、以下の点を確認しましょう。
1. コンバージョントラッキングの正確性
自動化機能はコンバージョンデータを基に最適化を行います。コンバージョンが正しく計測されていないと、間違った方向に最適化が進んでしまいます。導入前に、コンバージョントラッキングが正確に設定されているか必ず確認しましょう。
2. 十分なコンバージョンデータの有無
スマート自動入札が効果を発揮するには、一定量のコンバージョンデータが必要です。目標コンバージョン単価なら30件以上、目標広告費用対効果なら50件以上のコンバージョンが過去30日間にあることが推奨されています。
3. 予算の妥当性
予算が少なすぎると、学習に必要なデータが集まらず、最適化が進みません。十分な予算を確保してから自動化機能を導入しましょう。
4. 目標の明確化
何を最適化したいのか(コンバージョン数なのか、コンバージョン値なのか、CPAなのか、ROASなのか)を明確にしてから、適切な入札戦略を選択しましょう。
導入後のモニタリングポイント
自動化機能を導入した後も、以下の点を定期的にモニタリングしましょう。
1. 入札戦略のステータス
管理画面で入札戦略のステータスを確認し、「学習中」「制限付き」などのステータスがないかチェックします。問題がある場合は原因を特定して対処します。
2. コンバージョン数とCPA/ROASの推移
日次または週次でパフォーマンス指標を確認し、期待通りの結果が出ているか確認します。ただし、学習期間中は一時的な変動があることを踏まえ、短期的な数値に一喜一憂しないようにしましょう。
3. 予算の消化状況
予算による制限が頻繁に発生していないか確認します。予算制限があると、最適化の妨げになる可能性があります。
4. 検索語句レポート
自動化しても検索語句レポートの確認は重要です。意図しない検索語句での表示がないか、定期的にチェックして必要に応じて除外キーワードを追加します。
5. 自動作成アセットの内容
自動作成アセットを有効にしている場合は、生成されたアセットの内容が適切かどうか、定期的に確認しましょう。
自動化と手動運用のバランス
自動化機能を導入しても、すべてをAIに任せきりにするのは適切ではありません。機械学習ではカバーしきれない部分を人間が補完することで、最大の効果が得られます。
自動化に任せる領域
- 入札単価の調整(スマート自動入札)
- アセットの組み合わせ最適化(レスポンシブ検索広告)
- 配信面・タイミングの最適化(P-MAX)
人間が担当する領域
- ビジネス目標の設定
- クリエイティブの企画・制作
- ランディングページの改善
- キーワード戦略の立案
- 広告ポリシーの遵守確認
- 競合分析とマーケティング戦略
このように役割分担を明確にすることで、自動化のメリットを享受しながら、人間ならではの創造性や戦略的思考を活かした運用が可能になります。
まとめ:Google広告の自動化機能を使いこなすために

本記事では、Google広告の自動化機能、特にスマート自動入札と自動作成アセットについて詳しく解説しました。
スマート自動入札のポイント
- オークションごとに入札単価を最適化する高度な機能
- 4つの戦略(コンバージョン数の最大化、目標コンバージョン単価、コンバージョン値の最大化、目標広告費用対効果)から目標に合ったものを選択
- 十分なコンバージョンデータと学習期間が必要
- 適切な目標値設定と継続的なモニタリングが重要
自動作成アセットのポイント
- レスポンシブ検索広告の見出し・説明文を自動生成
- 2024年末から日本語にも対応
- パフォーマンス改善と工数削減に効果的
- 生成内容の定期的な確認が必要
自動化機能活用の心構え
- 導入前のコンバージョントラッキング設定確認は必須
- 学習期間中の大きな変更は避ける
- 自動化と手動運用のバランスを取る
- 継続的なモニタリングと改善を怠らない
自動化機能を正しく理解し、適切に活用することで、広告運用の効率化と成果向上を両立させることができます。まずは自社のアカウント状況を確認し、小規模なテストから始めてみることをおすすめします。
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