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YouTubeの「異議申し立て」:フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法

YouTubeの「異議申し立て」:フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法 - omniweb.jp

「フリー素材を使ったのに、著作権侵害の通知が来た……」

「ライセンスを購入したBGMなのに、収益化が停止された……」

「異議申し立てって、どうやればいいの?」

YouTubeで動画を公開していると、突然の著作権侵害通知に驚くことがあります。

特に困るのが、正当にライセンスを取得した素材や、フリー素材を使っているのに通知が来るケース。「何も悪いことはしていないのに、なぜ?」と混乱しますよね。

実は、YouTubeの著作権管理システム(Content ID)は完璧ではありません。誤検出や、素材の権利関係の複雑さから、正当な使用でも通知が来ることがあります。

この記事では、フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法を解説します。Content IDの仕組みから、異議申し立ての具体的な手順、証拠の準備方法まで、クリエイターが知っておくべき対応マニュアルをお伝えします。

YouTubeの著作権管理システム

Content IDとは

Content IDは、YouTubeが導入している自動著作権管理システムです。

仕組み:

  1. 著作権者が、自分のコンテンツ(音楽、映像など)をYouTubeに登録
  2. YouTubeがアップロードされた動画を自動スキャン
  3. 登録されたコンテンツと一致するものを検出
  4. 一致が見つかると、著作権の申し立て(Content IDの申し立て)が発生

Content IDの目的:

  • 著作権者が自分のコンテンツの使用を把握・管理できる
  • 無断使用から著作権者を保護する
  • 著作権者に収益を分配する(広告収益の分配など)

Content IDの限界

Content IDは便利なシステムですが、完璧ではありません。

誤検出が起きる理由:

1. 類似した音源の誤認識

  • 似たようなメロディ、ビートの楽曲を誤って検出
  • 同じ音源ライブラリを使った別の楽曲との混同

2. フリー素材の不正登録

  • フリー素材を第三者が勝手にContent IDに登録
  • 正当な権利者ではない人が権利を主張

3. ライセンス情報の未反映

  • ライセンスを購入したが、システムに反映されていない
  • 音楽配信サービスとYouTubeの情報が同期していない

4. 複数の権利者

  • 作曲者、演奏者、レーベルなど複数の権利者が存在
  • 一部の権利者からライセンスを得ても、他の権利者から申し立てが来る

5. パブリックドメインの誤登録

  • 著作権が切れた作品(パブリックドメイン)を誰かが登録
  • 本来自由に使えるはずの作品で申し立てが発生

著作権侵害通知の種類

YouTubeの著作権関連の通知には、主に2種類あります。混同しやすいので、違いを理解しておきましょう。名称はYouTube公式ヘルプの日本語の表記に合わせています。

1. 著作権の申し立て(Content IDの申し立て/Content ID Claim)

  • Content IDシステムによる自動検出(権利者が手動で申し立てる場合もあります)
  • 通常はチャンネルやアカウントに影響しない
  • 権利者の設定により、動画は「ブロック」「収益化」「トラッキング」のいずれかの扱いになる
  • 異議申し立てで対応可能

2. 著作権侵害の警告(Copyright Strike)

  • 著作権者からの法的な削除通知(著作権侵害による削除通知)によって発生する
  • 動画は削除され、チャンネルに警告が付く
  • コピーライトスクールを修了すると、警告は90日で期限切れになる
  • 90日以内に3回の警告を受けると、チャンネルが停止される
  • 異議申し立て通知(Counter Notification)の提出、または申立人への撤回の依頼で対応

重要:

この記事では主にContent IDの申し立てへの対処法を解説します。著作権侵害の警告はより深刻です。警告への異議申し立て通知は法的な要請にあたり、通知に書いた氏名や住所は申立人に共有されます。判断に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。

なお、1〜3分のショート動画は、申し立てを受けたときの扱いが通常の動画と異なります。扱いの変更が続いているため、YouTubeヘルプの「著作権の申し立てについて」で最新の内容を確認してください。

申し立てを受けるとどうなるか

Content IDの申し立てを受けると、以下のような影響が出ます。

収益への影響:

  • 収益化が停止される
  • 収益が権利主張者に渡る
  • 収益が保留される(異議申し立て中)

動画の公開状況:

  • そのまま公開(最も多いケース)
  • 一部の国でブロックされる
  • 全世界でブロックされる(まれ)

視聴への影響:

  • 広告が表示される(権利者の設定による)
  • 一部のプラットフォームで視聴できない

なぜフリー素材なのに通知が来るのか

ケース1:第三者による不正登録

最も厄介なケースです。

フリー素材を第三者が勝手にContent IDに登録し、本来の使用者に申し立てを行うケースがあります。

なぜ起きるか:

  • フリー素材を使って楽曲を作り、それを自分のオリジナルとして登録
  • フリー素材を収録したコンピレーションアルバムを、レーベルがContent IDに登録
  • 悪意を持ってフリー素材を占有しようとする

対処法:

異議申し立てを行い、正当なライセンスを証明します。

ケース2:同じ音源ライブラリの使用

ロイヤリティフリーの音楽は、同じ音源ライブラリを複数のサービスで販売していることがあります。

例:

  • Aさんがサービス①で購入して使用
  • Bさんがサービス②で購入して、Content IDに登録
  • AさんがBさんから申し立てを受ける

対処法:

自分がライセンスを取得した証拠を提出して異議申し立て。

ケース3:フリー素材の条件を満たしていない

「フリー素材」でも、使用条件がある場合があります。

よくある条件:

  • クレジット表記が必要
  • 非商用利用のみ許可
  • 改変禁止
  • 特定の用途での使用禁止

これらの条件を満たしていないと、正当な申し立てが来ることがあります。

対処法:

ライセンス条件を確認し、条件を満たしていれば異議申し立て。満たしていなければ、条件を満たすように動画を修正するか、素材を差し替え。

ケース4:音楽配信サービス経由の申し立て

音楽配信サービス(DistroKid、TuneCore、CD Babyなど)を通じて楽曲を配信すると、自動的にContent IDに登録されることがあります。

問題:

  • フリー素材を使った自作曲を配信 → フリー素材部分で申し立て
  • ライセンス済みの素材を使った楽曲 → 素材提供元から申し立て

対処法:

配信サービスのContent ID設定を確認。必要に応じてContent IDをオフにする、または特定の素材を除外する。

ケース5:パブリックドメインの誤登録

著作権が切れた作品(パブリックドメイン)でも、特定の演奏や録音には著作隣接権が発生します。

例:

  • ベートーベンの楽曲 → 作曲の著作権は消滅
  • ○○交響楽団の演奏 → 演奏の権利は存続

パブリックドメインの楽曲でも、録音物を使う場合は注意が必要です。

対処法:

使用した録音物の権利を確認。演奏の著作隣接権も切れているか、またはフリーの録音物を使用しているか確認。

ケース6:誤検出(False Positive)

Content IDは完璧ではなく、似たような音を誤って検出することがあります。

例:

  • ドラムパターンが似ている
  • コード進行が似ている
  • 環境音が似ている

対処法:

使用した素材のライセンスを確認し、申し立てられた楽曲とは別物である証拠を持って異議申し立て。

異議申し立ての準備

YouTubeの「異議申し立て」:フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法の解説画像1

まず確認すべきこと

異議申し立てを行う前に、以下を確認しましょう。

1. 申し立ての内容を確認

  • YouTube Studioでどの部分が申し立てられているか確認
  • 誰からの申し立てか確認
  • どの楽曲/コンテンツとの一致が検出されたか確認

2. 自分が使用した素材を確認

  • 動画のその部分で何を使っていたか確認
  • 使用した素材のライセンス条件を確認
  • 申し立てられた楽曲と本当に同じものか確認

3. ライセンスの証拠を確認

  • 購入履歴、ダウンロード履歴
  • ライセンス証明書、利用規約
  • メールのやり取りなど

証拠の準備

異議申し立てを成功させるには、十分な証拠が必要です。

準備すべき証拠:

1. ライセンスの証明

  • 購入時の領収書(メール、PDFなど)
  • ライセンス証明書(発行されている場合)
  • サブスクリプションの契約情報
  • ダウンロード履歴のスクリーンショット

2. 素材の情報

  • 素材の正式名称、ID
  • 素材提供サイトのURL
  • 素材の利用規約(商用利用可、YouTubeでの使用可など)

3. 素材提供元の情報

  • 素材提供サイトのFAQやサポートページ
  • 「Content IDの申し立てがあった場合」の対応方法
  • サポートへの問い合わせ結果

異議申し立ての文面の準備

異議申し立てでは、理由を説明する文章を記入します。

含めるべき内容:

  • 使用した素材の名前と入手先
  • ライセンスを取得していること
  • そのライセンスがYouTube での使用を許可していること
  • 申し立ては誤りであるという主張

例文(英語):

I have a valid license to use this music.

Music: [楽曲名]
Source: [素材サイト名]([URL])
License: [ライセンス名](例:Standard License, Commercial License)

The license permits use in YouTube videos, including monetized content. 
I can provide proof of purchase / license certificate upon request.

This Content ID claim appears to be a false match or the claimant does not hold valid rights to this content.

例文(日本語で書く場合):

この音楽は正当なライセンスを取得して使用しています。

楽曲名:[楽曲名]
入手先:[素材サイト名]([URL])
ライセンス:[ライセンス名]

このライセンスはYouTube動画(収益化を含む)での使用を許可しています。
購入証明・ライセンス証明書は、求めに応じて提示できます。

この申し立ては誤検出、または申し立て者が正当な権利を持っていないと考えられます。

異議申し立ての手順

YouTube Studioでの手順

Content IDの申し立てに対する異議申し立ての手順です。画面の表記は、YouTube公式ヘルプ(パソコン版・2026年9月30日確認)に合わせています。

ステップ1:YouTube Studioにアクセス

  1. studio.youtube.com にアクセス
  2. 該当するチャンネルでログイン

ステップ2:申し立てを受けた動画を探す

  1. 左側のメニューから「コンテンツ」を選択
  2. 「動画」タブで、フィルタバーの「申し立て」をクリック
  3. 対象の動画を探す

ステップ3:申し立ての詳細を確認

  1. 「制限」列の「申し立て」にカーソルを合わせる
  2. 「詳細を表示」をクリック
  3. 「使用されたコンテンツ」で、どの部分が、誰から申し立てられているか確認

ステップ4:異議申し立てを開始

  1. 対象の申し立ての「対応する」をクリック
  2. 「異議申し立て」を選択

ステップ5:異議申し立ての理由を選択

画面に表示される選択肢から、該当するものを選びます。YouTubeが異議申し立ての正当な理由として挙げているのは、次の3つです。

  • 動画でコンテンツを使用するために必要な権利をすべて所有している
  • 著作権の例外(フェアユースなど)に該当する方法でコンテンツを使用している
  • 動画が誤認識された、またはエラーが発生したと思われる

一方、次の3つは正当な理由に該当しないと明記されています。

  • 著作権者の情報(クレジット)を明示している
  • 動画または曲のコピーを所有している
  • 動画の収益化を無効にしている

ステップ6:詳細を記入

  1. 異議申し立ての理由を詳しく説明
  2. ライセンス名、購入日、素材の入手先など、権利を確認できる情報を記載

ステップ7:送信

  1. 内容を確認して送信
  2. 一度提出した異議申し立ては取り消せないため、送信前に内容を見直す

異議申し立て後の流れ

異議申し立てを送信した後の流れです。

1. 申し立て者への通知

YouTubeが、権利を主張している側(申し立て者)に異議申し立てがあったことを通知します。

2. 申し立て者の対応期間(30日間)

申し立て者は30日以内に以下のいずれかを選択します:

  • 申し立てを取りやめる → 問題解決。収益化していた動画は、収益化の設定が自動的に元に戻る
  • 申し立てを復活させる(異議申し立ての却下) → 次のステップへ
  • 著作権侵害による削除通知を送信する → 通知が妥当と判断されると、動画は削除され、チャンネルは著作権侵害の警告を受ける
  • 何もしない → 30日後に申し立てが期限切れになり、取り下げられる

3. 申し立てが復活した場合(再審査請求)

異議申し立てが却下された場合、その決定に対して再審査を請求できます。再審査請求では、申し立て者の対応期限は7日間です。再審査請求の資格は、YouTube Studioの「機能の利用資格」で確認できます。資格がない場合は、本人確認(ワンタイム認証)が必要です。

申し立て者が再審査請求も認めない場合、申し立て者は著作権侵害による削除通知を送信できます。通知が妥当と判断されると、動画は削除され、チャンネルは著作権侵害の警告を受けます。再審査請求は、必要な権利をすべて持っていると確信できる場合だけ行ってください。

YouTubeは、どちらに権利があるかを判断しません。最初の異議申し立ても再審査請求も、審査するのは申し立て者です。

4. 30日間経過しても対応がない場合

申し立てが期限切れになり、動画への制限が解除されます。

異議申し立ての注意点

異議申し立てを行う際の注意点です。

1. 虚偽の異議申し立ては禁止

異議申し立てを繰り返し行ったり、不正に行ったりすると、動画やチャンネルにペナルティが科される場合があります。また、正当な理由のない異議申し立てに対して、申し立て者が著作権侵害による削除通知を提出することもあります。必要な権利をすべて持っていると確信できる場合のみ行いましょう。

2. 証拠を用意してから

「たぶんフリー素材だったはず」ではなく、明確な証拠を用意してから異議申し立てを行いましょう。

3. 丁寧に説明する

申し立て者も人間(または自動システム)です。感情的にならず、事実に基づいて丁寧に説明しましょう。

4. 時間がかかることを覚悟

異議申し立ての解決には数日〜1ヶ月以上かかることがあります。その間、収益は保留されます。申し立てを受けてから5日以内に異議申し立てを行うと、申し立ての初日にさかのぼって収益が保留されます。5日を過ぎると、保留されるのは異議申し立てを行った日以降の収益です(YouTubeヘルプ)。

5. 何度も申し立てが来る場合

同じ素材で繰り返し申し立てが来る場合は、素材の使用を見直すか、素材提供元に相談することを検討しましょう。

素材提供サービス別の対応

Epidemic Sound

Epidemic Soundの楽曲で申し立てを受けた場合。

Epidemic Soundの特徴:

  • サブスクリプション契約中は、収録楽曲を自由に使用可能
  • YouTubeチャンネルをアカウントに連携する仕組み(セーフリスト登録/Safelisting)がある
  • 契約中に公開し、連携したチャンネルの動画は、申し立ての対象から外れる

対処法:

  1. YouTubeチャンネルとEpidemic Soundアカウントを連携しているか、動画の公開時に契約が有効だったかを確認
  2. 連携していれば、自動的に申し立てが解除されるのを待つ(数時間〜数日)
  3. 解除されない場合、Epidemic Soundのサポートに連絡
  4. サポートがYouTubeに対して申し立てを取り下げ

注意:

  • 契約中に公開した動画は、解約後も申し立ての対象にならない(公式ヘルプの説明)
  • 解約後に公開する動画で楽曲を使うと、申し立ての対象になる
  • ライセンスの有効期間を確認

Artlist

Artlistの楽曲で申し立てを受けた場合。

Artlistの特徴:

  • 契約中に完成・公開した作品では、契約終了後も素材を使い続けられる。契約終了後に新しい作品で使うことはできない(公式ヘルプの説明)
  • YouTubeチャンネルや動画を登録する仕組み(Clearlist)がある

対処法:

  1. Artlistのダッシュボードでダウンロード履歴を確認
  2. ライセンス証明をダウンロード
  3. ArtlistのClearlistに、チャンネルまたは動画のURLを登録
  4. 解決しない場合、Artlistのサポートに連絡

Audiojungle / Envato Elements

AudiojungleやEnvato Elementsの楽曲で申し立てを受けた場合。

対処法:

  1. 購入履歴からライセンス証明書をダウンロード
  2. ライセンス証明書には、購入日、楽曲名、ライセンス種類が記載
  3. YouTubeの異議申し立てで、ライセンス証明書の内容を説明
  4. Envatoのサポートページで、Content ID対応の説明を確認

注意:

  • Audiojungleの楽曲は、作曲者がContent IDに登録している場合がある
  • ライセンスを購入していても、自動的には申し立てが解除されない
  • 異議申し立てが必要になることが多い

YouTubeオーディオライブラリ

YouTubeオーディオライブラリの楽曲で申し立てを受けた場合。

これは本来起こるべきではないケースです。

対処法:

  1. 本当にYouTubeオーディオライブラリの楽曲か確認
  2. 楽曲名と、ライブラリでの条件(帰属表示の要否など)を確認
  3. 異議申し立てで、YouTubeオーディオライブラリからダウンロードしたことを説明
  4. 解決しない場合、YouTubeのサポートに報告

フリー素材サイト(DOVA-SYNDROME、甘茶の音楽工房など)

無料のフリー素材サイトからダウンロードした楽曲で申し立てを受けた場合。

対処法:

  1. 素材サイトの利用規約を再確認
  2. 商用利用可、YouTubeでの使用可かを確認
  3. 利用規約をスクリーンショットで保存
  4. 異議申し立てで、素材サイトの情報と利用規約を説明
  5. 素材サイトにContent ID関連のFAQがないか確認

注意:

  • 無料のフリー素材は、権利関係が曖昧な場合がある
  • 作曲者が後からライセンス条件を変更する場合がある
  • 第三者が勝手にContent IDに登録しているケースが多い

AI生成音楽(Suno、Soundrawなど)

AI生成音楽で申し立てを受けた場合。

考えられる原因:

  • AIが既存の楽曲に類似した音楽を生成した
  • 他のユーザーが同様の音楽を生成してContent IDに登録した

対処法:

  1. AI音楽サービスの利用規約を確認
  2. 生成日時や生成履歴を保存
  3. 異議申し立てで、AIで生成した音楽であることを説明
  4. サービスのサポートに連絡(対応してくれる場合)

よくあるトラブルと解決策

YouTubeの「異議申し立て」:フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法の解説画像2

トラブル1:異議申し立てが却下された

状況:異議申し立てを行ったが、申し立て者が却下した。

対処法:

  • 再審査を請求できる(申し立て者の対応期限は7日間。認められないと、削除通知と著作権侵害の警告につながる可能性がある)
  • 素材提供元に連絡し、サポートを求める
  • 申し立て者に直接連絡を試みる(連絡先が分かる場合)
  • 最終手段として、該当部分の音声を差し替え

注意:

申し立て者が大手レーベルやアグリゲーターの場合、個別対応してもらえないことも多いです。

トラブル2:複数の申し立てが同時に来た

状況:同じ楽曲に対して、複数の権利者から申し立てが来た。

原因:

  • 楽曲に複数の権利者がいる(作曲者、レーベル、配信者など)
  • 重複登録されている

対処法:

  • すべての申し立てに対して異議申し立てを行う
  • それぞれの申し立て者に対して、同様の証拠を提出

トラブル3:申し立てが繰り返し来る

状況:異議申し立てが認められたのに、また同じ申し立てが来る。

原因:

  • Content IDシステムの再スキャン
  • 申し立て者が再度登録した
  • 別の権利者からの申し立て

対処法:

  • 再度異議申し立てを行う
  • 素材提供元に状況を報告し、根本的な解決を求める
  • 継続する場合は、素材の使用を諦めることも検討

トラブル4:自分のオリジナル曲に申し立てが来た

状況:完全に自分で作曲・演奏した楽曲なのに、申し立てが来た。

原因:

  • 類似した楽曲がContent IDに登録されている
  • 使用したサンプル音源が登録されている
  • 誤検出

対処法:

  • 異議申し立てで、オリジナル作品であることを主張
  • 作曲のプロジェクトファイル、制作過程の証拠を用意
  • サンプル音源を使用した場合は、そのライセンスも確認

トラブル5:収益が権利者に渡ってしまった

状況:異議申し立て中に収益が権利主張者に渡った。

対処法:

  • 異議申し立て中の収益は保留され、解決後に適切な当事者へ支払われる
  • 申し立てを受けてから5日以内に異議申し立てを行うと、申し立ての初日にさかのぼって収益が保留される
  • 5日を過ぎてから異議申し立てを行うと、それまでの収益は申し立て者に支払われる

事前に防ぐための対策

信頼できる素材サービスを使う

Content IDの問題を最小限に抑えるための素材選びです。

推奨される素材サービスの特徴:

  • YouTubeとの連携(クリアランス機能)がある
  • ライセンス証明書を発行してくれる
  • Content ID対応についてFAQがある
  • サポート体制が充実している
  • 実績と信頼性がある

具体的なサービス例:

  • Epidemic Sound:チャンネル連携(セーフリスト登録)
  • Artlist:Clearlistへの登録、ライセンス証明
  • YouTubeオーディオライブラリ:YouTube公式、無料
  • Musicbed:映像制作向け、クリアランスサポート

ライセンス証拠を保存する習慣

ライセンスの証拠を保存する習慣をつけましょう。

保存すべきもの:

  • 購入時のメール(領収書、確認メール)
  • ライセンス証明書(PDFなど)
  • ダウンロード履歴のスクリーンショット
  • 利用規約のスクリーンショット(変更される可能性があるため)
  • サブスクリプションの契約情報

整理方法の例:

音楽素材/
├── Epidemic Sound/
│   ├── 契約情報.pdf
│   └── 使用楽曲リスト.xlsx
├── Artlist/
│   ├── ライセンス証明書/
│   │   ├── [楽曲名1].pdf
│   │   └── [楽曲名2].pdf
│   └── 購入履歴.pdf
└── フリー素材/
    ├── [サイト名]/
    │   ├── 利用規約_20240101.png
    │   └── ダウンロード履歴.png

動画ごとに使用素材を記録

どの動画でどの素材を使ったかを記録しておきましょう。

記録すべき情報:

  • 動画のタイトル/ID
  • 使用した楽曲名
  • 楽曲の入手先
  • 使用した時間帯(0:30〜1:45など)
  • ライセンスの種類

表形式の例:

動画タイトル 楽曲名 入手先 使用箇所 ライセンス
商品紹介A Happy Days Epidemic Sound 0:00-2:30 サブスク
商品紹介A 効果音1 効果音ラボ 1:15 フリー
インタビューB Calm Piano Artlist 全編 契約中に公開

アップロード前のチェック

動画をアップロードする前にチェックしましょう。

チェックリスト:

□ 使用したすべての素材のライセンスを確認した

□ 商用利用/YouTube利用が許可されているか確認した

□ クレジット表記が必要な場合、記載した

□ ライセンス証拠を保存した

□ 使用素材を記録した

YouTubeの「チェック」機能:

YouTube Studioの動画アップロード画面には、「チェック」機能があります。アップロード前に著作権の問題がないかスキャンできます。

  1. 動画をアップロード
  2. 「チェック」タブを確認
  3. 著作権の問題が検出されれば表示される
  4. 問題があれば、公開前に対処できる

チェックの結果は最終的なものではありません。公開したあとに申し立てを受ける場合もあります。

よくある質問(FAQ)

YouTubeの「異議申し立て」:フリー素材なのに著作権侵害通知が来た時の対処法の解説画像3

Q1:異議申し立てをするとチャンネルにペナルティはありますか?

A1:必要な権利を持っている場合の異議申し立ては、正当な手続きです。

Content IDの申し立てに対する異議申し立ては、正当な権利を主張する手段です。ただし、異議申し立てを繰り返し行ったり、不正に行ったりすると、動画やチャンネルにペナルティが科される場合があります。また、異議申し立ての途中で、申し立て者が著作権侵害による削除通知を送信することがあります。通知が妥当と判断されると、動画は削除され、チャンネルは著作権侵害の警告を受けます。必要な権利をすべて持っていると確信できる場合のみ行いましょう。

Q2:異議申し立てにはどのくらい時間がかかりますか?

A2:通常、数日〜30日程度です。

申し立て者には30日間の対応期間があります。その間に取り下げられれば早く解決しますが、対応がなければ30日待つ必要があります。異議申し立てが却下されて再審査を請求する場合は、申し立て者にさらに7日間の対応期限が与えられます。

Q3:異議申し立て中も動画は公開されますか?

A3:通常は公開されたままです。

Content IDの申し立ての場合、多くは動画は公開されたままで、収益の扱いだけが変わります。ただし、申し立て者の設定によっては、一部地域でブロックされることもあります。

Q4:収益化していない動画でも申し立ては来ますか?

A4:はい、来ます。

Content IDは、収益化の有無に関係なく動画をスキャンします。収益化していない動画でも、著作権の申し立てが来ることがあります。その場合、権利者が広告を表示して収益を得ることがあります。

Q5:複数のチャンネルで同じ楽曲を使う場合、ライセンスは1つでいいですか?

A5:ライセンスの条件によります。

多くのライセンスは1つのプロジェクト/チャンネルに対して有効です。複数のチャンネルで使用する場合、追加のライセンスが必要なことがあります。利用規約を確認してください。

Q6:過去の動画に突然申し立てが来るのはなぜですか?

A6:いくつかの理由が考えられます。

  • 楽曲が新しくContent IDに登録された
  • Content IDシステムが再スキャンを行った
  • 楽曲の権利が移転した
  • 元の権利者がライセンス条件を変更した

Q7:素材サイトがなくなったら、ライセンスはどうなりますか?

A7:ライセンスの証拠を保存しておくことが重要です。

素材サイトがなくなっても、取得したライセンスは通常有効です。ただし、証拠がないと証明が難しくなります。購入時にライセンス証明書やメールを保存しておきましょう。

Q8:Content ID Claimと Copyright Strike の違いは何ですか?

A8:重大性と対処法が異なります。

Content ID Claim:

  • 自動検出システムによる申し立て
  • 通常はチャンネルに影響しない
  • 動画は通常公開されたまま
  • 異議申し立てで対応

Copyright Strike:

  • 著作権者からの法的な削除通知によって発生
  • チャンネルにペナルティ
  • 動画は削除される
  • コピーライトスクールを修了すると、警告は90日で期限切れ
  • 90日以内に3回でチャンネル停止
  • 異議申し立て通知(Counter Notification)などで対応

参照した公式情報

いずれも2026年9月30日に確認しました。YouTubeの手続きや画面の表記、各サービスのライセンスの条件は変更されることがあります。手続きの前に、公式ページの最新の内容を確認してください。本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的な助言ではありません。YouTubeも、異議申し立てをすべきかどうかは判断できないとしています。個別の判断に迷う場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

まとめ:冷静に対処し、証拠を武器に

この記事のポイントを振り返り

YouTubeの著作権侵害通知への対処法について、詳しく解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。

1. フリー素材でも申し立てが来る理由

  • 第三者による不正登録
  • 同じ音源ライブラリの使用
  • ライセンス条件の未達
  • 誤検出

2. 異議申し立ての準備

  • 申し立ての内容を確認
  • ライセンスの証拠を用意
  • 丁寧に説明する文面を準備

3. 異議申し立ての流れ

  • YouTube Studioから異議申し立て
  • 申し立て者に30日間の対応期間
  • 取り下げまたは失効で解決

4. 事前の対策

  • 信頼できる素材サービスを使う
  • ライセンス証拠を保存する
  • 使用素材を記録する

対処のチェックリスト

申し立てを受けた時

□ 申し立ての内容を確認した

□ 使用した素材を特定した

□ ライセンスの証拠を確認した

□ 素材サイトの利用規約を確認した

異議申し立て前

□ 正当な権利があることを確認した

□ 証拠を整理した

□ 説明文を準備した

異議申し立て後

□ 結果を待つ(最大30日)

□ 却下された場合の対応を検討

□ 再発防止策を講じる

さらなる情報収集のために

YouTubeの著作権について、さらに情報を得るためのリソースです。

公式リソース:

  • YouTubeヘルプセンター:著作権に関する公式ガイド
  • YouTube Creators(公式チャンネル):クリエイター向けの情報。以前の「Creator Academy」のURLは、このチャンネルに転送されます
  • 各素材サービスのFAQ:Content ID対応について

関連記事:

最後に

フリー素材を使っていても著作権侵害通知が来ることは、珍しいことではありません。Content IDシステムは完璧ではなく、誤検出や不正登録は日常的に発生しています。

大切なのは、慌てずに冷静に対処することです。

  • 正当なライセンスがあれば、堂々と異議申し立てを行いましょう
  • 証拠を整理して、論理的に説明しましょう
  • 事前の対策で、将来の問題を防ぎましょう

YouTubeでの活動を続けるために、著作権管理の知識は必須です。この記事を参考に、トラブルに強いクリエイターを目指してください。

何か不明点があれば、YouTubeのヘルプセンターや、素材サービスのサポートに問い合わせることをおすすめします。

関連記事: 動画編集の外注費用と相場一覧|依頼先別の料金比較とコスト削減のコツ

関連記事: 動画の音声トラブル対策|こもり・ノイズを編集で解決する方法


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