「広告を出しているのに、資料請求が増えない」「来場予約のCPAが高すぎて採算が合わない」——注文住宅・ハウスメーカーの広告担当者から、こうした悩みを頻繁に耳にします。
住宅は人生最大の買い物と言われるほど高額な商品です。だからこそ、ユーザーの検討期間は長く、一般的な商品・サービスとは全く異なるアプローチが求められます。「とりあえずGoogle広告を出してみる」「なんとなくインスタ広告を始める」といった安易な方法では、広告費を垂れ流すだけで終わってしまいます。
この記事では、注文住宅・ハウスメーカーに特化した広告運用戦略を、「資料請求」と「来場予約」という2つの重要なコンバージョンポイントに焦点を当てながら徹底解説します。Google広告、SNS広告の具体的な設定方法から、成果を最大化するランディングページの作り方、効果測定と改善サイクルまで、実践的なノウハウをお伝えします。
注文住宅業界の広告特性を正しく理解する

効果的な広告戦略を立てるためには、まず注文住宅業界特有の購買行動を深く理解する必要があります。この業界には、他業種とは異なる3つの大きな特徴があります。
高額商品ゆえの長い検討期間
注文住宅の平均価格は3,000万円〜5,000万円程度。35年ローンを組むことも珍しくありません。これほど高額な買い物を、衝動的に決める人はほとんどいません。
一般的に、注文住宅の検討期間は6ヶ月〜2年程度と言われています。最初は「いつかはマイホームを建てたいな」という漠然とした憧れから始まり、ネット検索で情報収集し、複数のハウスメーカーに資料請求を行い、モデルハウスを見学し、何度も打ち合わせを重ねて、ようやく契約に至ります。
この長い検討期間において、ユーザーは以下のような段階を経ます。
- 認知段階:「そろそろ家を建てたい」と考え始め、なんとなく情報を見始める
- 情報収集段階:ハウスメーカーの比較、住宅ローンの調査、土地探しなどを並行して行う
- 比較検討段階:3〜5社程度に絞り込み、資料請求や展示場訪問を行う
- 最終決定段階:具体的な見積もりを取り、契約先を決める
広告運用においては、「どの段階のユーザーにアプローチするか」を明確に意識することが重要です。認知段階のユーザーにいきなり「今すぐ来場予約」を求めても、コンバージョンしにくいのは当然のことです。
複数のコンバージョンポイントが存在する
注文住宅業界の広告において、コンバージョン設計は非常に重要です。一般的に、主なコンバージョンポイントは以下の通りです。
- 資料請求:カタログや会社案内の郵送を希望する(ハードルが低い)
- 来場予約:モデルハウスや展示場への来場を予約する(ハードルが高い)
- オンライン相談予約:Zoomなどでの相談を予約する(中間的なハードル)
- イベント申込:完成見学会、セミナーなどへの参加申込(時期限定)
資料請求は心理的ハードルが低いため獲得しやすい一方、契約までの距離が遠くなります。来場予約は獲得しにくい反面、契約に近い見込み客を獲得できます。どちらをメインのコンバージョンに設定するかで、広告戦略は大きく変わります。
この点については、後述の「コンバージョン戦略の設計」で詳しく解説します。コンバージョン設定の基本と正しい計測方法も併せてご確認ください。
商圏が限定されている
注文住宅は、商圏が明確に限定されている商品です。全国どこでも建築できるわけではなく、各ハウスメーカー・工務店には対応可能エリアがあります。
そのため、広告のターゲティング設定において、地域設定は最重要項目の一つです。対応エリア外からの資料請求や来場予約を獲得しても意味がありません。むしろ、対応できない旨を伝えるコミュニケーションコストがかかり、顧客体験も悪化します。
Google広告やSNS広告では、都道府県・市区町村単位、あるいは特定地点からの半径○km以内といった細かい地域設定が可能です。この機能を最大限に活用することで、無駄な広告費を削減できます。
コンバージョン戦略の設計——資料請求と来場予約、どちらを優先すべきか

広告運用を始める前に、必ず決めておかなければならないのが「何をコンバージョンとして設定するか」です。注文住宅業界では、資料請求と来場予約のどちらを重視するかで、戦略が大きく変わります。
資料請求優先型のメリット・デメリット
資料請求をメインコンバージョンに設定する場合のメリットは、以下の通りです。
- コンバージョン数を稼ぎやすい:心理的ハードルが低いため、獲得単価(CPA)を抑えやすい
- 潜在層にもアプローチできる:「まだ本格的に検討していないが、興味はある」層を取り込める
- リードナーチャリングの起点になる:メールや電話でフォローし、来場につなげられる
一方、デメリットもあります。
- 質の低いリードが混ざりやすい:「とりあえず」で請求する人が多い
- 営業リソースがかかる:大量のリードに対してフォローが必要
- 契約までの歩留まりが低い:資料請求→来場→契約の転換率を追う必要がある
来場予約優先型のメリット・デメリット
来場予約をメインコンバージョンに設定する場合のメリットは、以下の通りです。
- 契約に近い見込み客を獲得できる:わざわざ来場する意思がある=本気度が高い
- 営業効率が良い:対面で直接提案できるため、契約率が高い
- 来場後の展開がしやすい:具体的なプランニング、見積もりに進みやすい
一方、デメリットもあります。
- 獲得単価が高い:心理的ハードルが高いため、CPAが上がりやすい
- コンバージョン数が少ない:広告の最適化に必要なデータが貯まりにくい
- 潜在層を取りこぼす:「まだ来場するほどではないが、興味はある」層を逃す
最適なアプローチ:階層型コンバージョン設計
結論として、資料請求と来場予約は「どちらか一方」ではなく、「両方を階層的に設計する」のがベストプラクティスです。
具体的には、以下のような設計を推奨します。
メインコンバージョン:来場予約
広告の最終目標は来場予約とし、クリエイティブやLPも来場予約に誘導する設計にします。来場予約を獲得できれば、最も契約に近い見込み客を得られます。
セカンダリコンバージョン:資料請求
来場予約のハードルが高いユーザーのために、資料請求という選択肢も必ず用意しておきます。「今すぐ来場はできないが、情報は欲しい」というユーザーを取りこぼさないためです。
マイクロコンバージョン:電話タップ、フォーム到達など
最終コンバージョンに至らなかったユーザーの行動データも計測しておきます。これにより、広告の最適化に必要なシグナルを増やせます。
Google広告では、「コンバージョンアクションの設定」でこれらを階層的に設計できます。詳細はコンバージョン設定の基本と正しい計測方法をご参照ください。
コンバージョン単価(CPA)の目安
注文住宅業界のコンバージョン単価は、一般的な業界と比較して高くなる傾向があります。目安として、以下の数値を参考にしてください(地域や競合状況により大きく変動します)。
- 資料請求:5,000円〜20,000円/件
- 来場予約:15,000円〜50,000円/件
- オンライン相談予約:10,000円〜30,000円/件
ただし、これらの数値だけで広告の良し悪しを判断してはいけません。重要なのは「最終的な契約につながっているか」です。CPAが高くても、契約率が高ければ採算は合います。逆に、CPAが安くても契約につながらないリードばかりでは意味がありません。
広告効果を正しく評価するためには、広告効果測定の基本指標(ROAS・CPA・CTR・CVRなど)を正しく理解しておく必要があります。
Google広告の運用戦略——検索広告とディスプレイ広告の使い分け

注文住宅・ハウスメーカーの広告運用において、Google広告は最も重要なチャネルの一つです。検索広告、ディスプレイ広告、P-MAXキャンペーンなど、複数の配信手法を組み合わせることで、認知から獲得まで一貫したアプローチが可能です。
まずGoogle広告の基本を押さえたい方は、Google広告とは?仕組みと始め方完全ガイドをご確認ください。
検索広告(リスティング広告)——顕在層を確実に獲得する
検索広告は、「今まさに情報を探している」顕在層にアプローチできる最も効果的な手法です。ユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示されるため、ニーズが明確な見込み客を獲得できます。
詳しい設定方法は検索広告(リスティング広告)の設定と運用方法で解説していますが、ここでは注文住宅業界に特化したポイントを紹介します。
キーワード設計の考え方
注文住宅関連のキーワードは、大きく以下のカテゴリに分類できます。
①ブランド指名キーワード
自社のブランド名、会社名で検索してくるユーザーを取りこぼさないために、必ず出稿すべきキーワードです。競合他社が自社名で出稿している場合もあるため、防衛的な意味でも重要です。
例:「○○ハウス」「○○工務店 評判」「○○ハウス モデルハウス」
②一般キーワード(ビッグワード)
検索ボリュームが大きく、多くの見込み客にリーチできるキーワードです。ただし、競合も多いため、クリック単価は高くなりがちです。
例:「注文住宅」「ハウスメーカー おすすめ」「新築一戸建て」
③エリアキーワード
地域名を含むキーワードです。注文住宅は商圏が限定されるため、エリアキーワードは非常に重要です。
例:「注文住宅 ○○市」「○○県 ハウスメーカー」「○○市 工務店 おすすめ」
④ニーズ・特徴キーワード
ユーザーの具体的なニーズや、住宅の特徴に関連するキーワードです。コンバージョン率が高い傾向があります。
例:「二世帯住宅 費用」「平屋 注文住宅」「高気密高断熱 ハウスメーカー」「耐震等級3 工務店」
⑤比較・検討キーワード
複数のハウスメーカーを比較検討している段階のユーザーが検索するキーワードです。
例:「○○ハウス vs △△ハウス」「ハウスメーカー 比較」「工務店とハウスメーカー どっち」
キーワード選定の詳細はGoogle広告のキーワード選定と設定方法をご参照ください。
マッチタイプと除外キーワードの設定
注文住宅関連のキーワードは、意図しない検索クエリに広告が表示されることが多い分野です。例えば、「注文住宅」というキーワードで出稿していると、「注文住宅 失敗談」「注文住宅 後悔」といったネガティブなクエリにも広告が表示される可能性があります。
そのため、マッチタイプの使い分けと除外キーワードの設定が非常に重要です。詳しくはマッチタイプの使い分けと除外キーワード設定をご確認ください。
除外キーワードの例
- 「後悔」「失敗」「トラブル」「クレーム」などネガティブワード
- 「賃貸」「中古」「建売」など対象外の住宅タイプ
- 「DIY」「セルフビルド」など自社サービスと関係のないもの
- 対応エリア外の地域名
広告文の作成ポイント
注文住宅の広告文では、以下の要素を盛り込むことが重要です。
- 信頼性:創業年数、施工実績、受賞歴など
- 差別化ポイント:自社ならではの強み(デザイン、性能、価格帯など)
- 具体的なベネフィット:「○○坪から対応」「土地探しからサポート」など
- 行動喚起:「今すぐ資料請求」「来場予約で○○プレゼント」など
広告文の書き方については、Google広告の広告文の書き方とABテスト実践方法で詳しく解説しています。
ディスプレイ広告(GDN)——認知拡大と再訪問促進
ディスプレイ広告は、Googleの提携サイトやアプリにバナー広告を表示する手法です。検索広告と異なり、ユーザーが能動的に検索していない状態でも広告を届けられるため、認知拡大に効果的です。
詳しい設定方法はディスプレイ広告(GDN)の設定と運用方法をご参照ください。
注文住宅業界でディスプレイ広告を活用する際の主なアプローチは、以下の2つです。
①オーディエンスターゲティング
Googleが分類した「購買意向の高いオーディエンス」を活用します。注文住宅に関連するオーディエンスとしては、以下のようなものがあります。
- 「住宅」>「住宅リフォーム」「不動産業者」「住宅購入者」
- 「不動産」>「住宅(売買)」
- 「ライフイベント」>「マイホーム購入」「転居」「結婚」
また、カスタムオーディエンスを作成し、競合サイトのURLや関連キーワードを指定することで、より精度の高いターゲティングも可能です。
②リマーケティング
一度自社サイトを訪問したユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。注文住宅は検討期間が長いため、リマーケティングは必須と言えます。
サイト訪問後、1週間〜2週間程度は集中的にリマーケティング広告を配信し、その後は頻度を落としながら長期間(1〜3ヶ月程度)追いかけるのが効果的です。
リマーケティングの詳細設定はリマーケティング広告の設定と活用法をご参照ください。
P-MAXキャンペーン——機械学習による自動最適化
P-MAX(パフォーマンスマックス)は、Google広告の全ての広告枠(検索、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Discover、マップなど)に自動で配信されるキャンペーンタイプです。機械学習によってコンバージョン獲得を最大化するよう、自動で最適化されます。
詳しくはP-MAXキャンペーンの特徴と活用法をご参照ください。
注文住宅業界でP-MAXを活用する際のポイントは、以下の通りです。
- 十分なコンバージョンデータが必要:月間30件以上のコンバージョンがないと、機械学習の精度が上がりにくい
- アセット(素材)の品質が重要:様々な広告枠に最適化して表示されるため、高品質な画像・動画・テキストを複数用意する
- 検索広告との併用推奨:ブランド指名キーワードなど、確実に獲得したいキーワードは検索広告で別途出稿する
ローカル検索広告——Googleマップ経由の集客
Googleマップで「注文住宅」「ハウスメーカー」などと検索した際に表示される広告です。モデルハウスや展示場への来場を促す際に効果的です。
詳しくはローカル検索広告で店舗集客を強化する方法をご参照ください。
なお、ローカル検索広告を活用するためには、Googleビジネスプロフィールの登録・最適化が前提となります。Googleビジネスプロフィール(旧マイビジネス)の登録方法も併せてご確認ください。
SNS広告の活用法——Instagram・YouTube・LINEを使いこなす

注文住宅業界において、SNS広告は「認知段階」のユーザーにアプローチするのに非常に効果的です。特に、ビジュアルで訴求できるInstagramや、長尺の動画で詳しく伝えられるYouTubeは相性が良いと言えます。
SNS広告の種類と選び方については、SNS広告の種類と選び方をご参照ください。
Instagram広告——「憧れ」を刺激して認知を広げる
Instagramは視覚的なコンテンツが中心のSNSです。注文住宅との相性は非常に良く、美しい外観写真やインテリア写真でユーザーの「憧れ」を刺激できます。
Instagram広告の基本的な始め方はMeta広告(Facebook・Instagram広告)の始め方と設定方法をご参照ください。
効果的なクリエイティブの作り方
注文住宅のInstagram広告で成果を出すためのクリエイティブのポイントは、以下の通りです。
①施工事例の写真を最大限活用する
実際に建てた住宅の写真が最も説得力があります。外観、リビング、キッチン、寝室、子供部屋など、様々なカットを用意しましょう。自然光を活かした明るい写真が好まれます。
②カルーセル広告で複数の写真を見せる
1つの広告で最大10枚の画像・動画をスワイプして見せられる「カルーセル広告」は、注文住宅との相性が抜群です。1枚目で外観、2枚目以降で各部屋を見せていくストーリー構成が効果的です。
③リール動画でルームツアーを見せる
60秒以内の短尺動画「リール」は、現在のInstagramで最もリーチが伸びやすいフォーマットです。モデルハウスのルームツアー動画は視聴完了率が高く、認知拡大に効果的です。
④生活感のあるシーンを見せる
家具が何もないモデルルームの写真より、実際に家族が暮らしているイメージを想起させる写真の方が反応が良い傾向があります。家具やインテリア、観葉植物などを配置した「生活感のある」写真を用意しましょう。
クリエイティブ制作の詳細はInstagram広告のクリエイティブ作成術をご参照ください。
ターゲティング設定のポイント
Instagram広告のターゲティングは、Meta(Facebook)広告と共通のプラットフォームで設定します。注文住宅向けのターゲティング設定としては、以下が効果的です。
- 年齢:25歳〜50歳(住宅購入のボリュームゾーン)
- 地域:対応可能エリアのみに限定
- 興味・関心:「インテリアデザイン」「ホームデコレーション」「不動産」「住宅ローン」など
- ライフイベント:「新婚」「婚約中」「最近引っ越した」など
- 類似オーディエンス:過去のコンバージョンユーザーに類似したユーザー層
ターゲティングの詳細設定はMeta広告のターゲティング設定を極めるをご参照ください。
YouTube広告——動画で詳しく伝え、理解を深める
YouTube広告は、長尺の動画コンテンツでユーザーの理解を深められる点が強みです。モデルハウスのルームツアー、施主インタビュー、住宅性能の解説など、テキストや静止画では伝えきれない情報を届けられます。
YouTube広告の種類と活用法はYouTube広告の種類と活用法をご参照ください。
効果的な動画コンテンツ
注文住宅業界でYouTube広告に使う動画としては、以下のようなものが効果的です。
- ルームツアー動画:モデルハウスや完成物件の内覧動画。ナレーションで各部屋の特徴を解説
- 施主インタビュー動画:実際に家を建てたお客様の声。信頼感と共感を得られる
- 設計士・スタッフ紹介動画:どんな人が家づくりを担当するのかを見せて、安心感を与える
- 家づくりの流れ解説動画:初めての方向けに、相談から引き渡しまでの流れを解説
- 性能・技術紹介動画:高気密高断熱、耐震構造など、自社の技術的な強みをアピール
動画広告の制作ポイントは動画広告の制作ポイントとフォーマットをご参照ください。
YouTube広告のフォーマット選び
YouTube広告にはいくつかのフォーマットがありますが、注文住宅業界では以下の2つが主に活用されます。
①スキップ可能なインストリーム広告
動画本編の前後や途中に再生される広告です。5秒経過後にスキップできます。長尺のルームツアー動画などに適しています。視聴単価で課金されるため、興味のないユーザーにスキップされても費用がかからない点がメリットです。
②インフィード動画広告(旧ディスカバリー広告)
YouTube検索結果や関連動画欄に表示されるサムネイル広告です。クリックされた場合のみ課金されます。「注文住宅」「ハウスメーカー 比較」などのキーワードで情報収集しているユーザーにアプローチできます。
LINE広告——国内最大級のリーチを活かす
LINEは国内で9,500万人以上が利用する巨大プラットフォームです。幅広い年齢層にリーチでき、特に30代〜50代の住宅購入ボリュームゾーンにも強いのが特徴です。
LINE広告の基本はLINE広告の特徴と始め方をご参照ください。
友だち追加広告との連携
LINE広告の大きな特徴の一つが「友だち追加広告」です。広告から直接LINE公式アカウントの友だち追加を促せます。
注文住宅業界では、友だち追加をしてもらい、その後LINE公式アカウントから以下のような情報を配信することで、長期的な関係構築が可能です。
- 新しい施工事例の紹介
- 完成見学会・イベントのお知らせ
- 住宅ローンや土地探しのお役立ち情報
- キャンペーン情報
詳しくはLINE広告の友だち追加広告で顧客リストを構築する方法をご参照ください。
また、LINE公式アカウントとホームページの連携については、LINE公式アカウントとホームページの連携メリットも併せてご確認ください。
ランディングページ(LP)の最適化——コンバージョン率を最大化する

どれだけ広告運用が上手くいっても、ランディングページの品質が低ければ、ユーザーはコンバージョンせずに離脱してしまいます。注文住宅業界のLPには、他業界とは異なる独自のポイントがあります。
ランディングページの基本的な作り方は広告用LPの作り方と構成の基本をご参照ください。
資料請求LPと来場予約LP、構成は変えるべきか
結論から言うと、資料請求と来場予約で別々のLPを用意することを推奨します。ユーザーの心理状態が異なるため、最適なコンテンツ構成も変わってくるからです。
資料請求LPのポイント
資料請求は比較的ハードルが低いため、LPもシンプルな構成で問題ありません。
- ファーストビュー:キャッチコピー+資料の画像(カタログ表紙など)
- 資料の内容紹介:何が載っている資料なのかを具体的に説明
- 会社の簡単な紹介:信頼感を与える程度の情報
- 入力フォーム:項目数は最小限に(名前、住所、電話番号程度)
資料請求LPでは、「無料」「3分で届く」「しつこい営業なし」といった、請求のハードルを下げるコピーが効果的です。
来場予約LPのポイント
来場予約は心理的ハードルが高いため、LPでしっかりと魅力を伝え、不安を解消する必要があります。
- ファーストビュー:展示場・モデルハウスの魅力的な写真+キャッチコピー
- 来場するメリットの訴求:「実際のサイズ感がわかる」「プロに相談できる」など
- 施工事例・実績:どんな家が建てられるのかを具体的にイメージさせる
- 来場者の声:実際に来場したお客様の感想(不安が解消されたエピソードなど)
- 来場特典:QUOカード、限定資料プレゼントなど
- アクセス情報:地図、駐車場の有無、所要時間など
- 予約フォーム:希望日時の選択を含む
来場予約LPでは、「しつこい営業はしません」「その日に契約を迫ることはありません」といった、ユーザーの不安を解消するコピーも重要です。
施工事例の見せ方——コンバージョン率を左右する重要コンテンツ
注文住宅のLPにおいて、施工事例は最も重要なコンテンツの一つです。ユーザーは「この会社に頼んだら、どんな家が建つのか」を最も知りたがっています。
効果的な施工事例の見せ方
- 高品質な写真を使う:スマホで撮った写真ではなく、プロが撮影した写真を使う。自然光を活かした明るい写真が好まれる
- 複数のカットを見せる:外観だけでなく、リビング、キッチン、寝室、浴室など、各部屋の写真を用意する
- 施主様のストーリーを添える:「なぜこの家を建てたのか」「どんなこだわりがあったのか」というストーリーがあると、共感を得やすい
- 坪数・間取り・おおよその価格帯を記載:ユーザーが自分に当てはめて考えやすくなる
- 多様なパターンを用意する:若い夫婦向け、二世帯住宅、平屋など、様々なパターンを見せることで、幅広いニーズに対応できることをアピール
施工事例の見せ方については、リフォーム・塗装業のホームページ集客|悪徳業者と差別化するための「施工事例」の見せ方も参考になります。
フォーム最適化(EFO)——入力完了率を高める
LPに訪問したユーザーを、確実にコンバージョンにつなげるためには、入力フォームの最適化(EFO:Entry Form Optimization)が欠かせません。
詳しくはフォーム最適化(EFO)で離脱を防ぐ、およびお問い合わせフォームの最適化(EFO)をご参照ください。
注文住宅業界のフォームで特に注意すべきポイントは、以下の通りです。
- 項目数を最小限に:資料請求なら「名前」「住所」「メールアドレス」「電話番号」程度で十分。来場予約でも「希望日時」「来場人数」を追加する程度に抑える
- 必須項目と任意項目を明確に:どうしても複数項目が必要な場合は、必須と任意を明確に分ける
- 入力補助を活用:郵便番号から住所自動入力、日付ピッカーなど、入力の手間を減らす工夫を
- エラー表示をリアルタイムに:送信ボタンを押した後ではなく、入力中にエラーを表示する
- プライバシーポリシーへのリンク:個人情報の取り扱いに関する安心感を与える
LP改善のためのABテスト
LPは一度作って終わりではありません。継続的にABテストを行い、コンバージョン率を改善していくことが重要です。
ABテストの詳しいやり方はABテストの設計と実践方法をご参照ください。
注文住宅業界のLPで特にABテストすべき要素としては、以下があります。
- ファーストビューの画像:外観写真 vs リビング写真 vs 家族の笑顔写真
- キャッチコピー:ベネフィット訴求 vs 不安解消訴求 vs 特典訴求
- CTAボタンの色とコピー:「資料請求する」vs「無料カタログをもらう」など
- 施工事例の見せ方:カルーセル vs 一覧表示 vs 動画
- フォームの項目数:最小限 vs やや多め(住宅への要望なども聞く)
ヒートマップツールを活用したLP分析については、ヒートマップを活用したLP改善も参考になります。
広告と連携すべきその他のマーケティング施策
広告は単独で運用するよりも、他のマーケティング施策と連携させることで、より大きな効果を発揮します。ここでは、注文住宅業界で広告と組み合わせるべき施策を紹介します。
SEO・MEOとの使い分け
広告とSEO・MEOは、それぞれ異なる特性を持っています。うまく使い分け、組み合わせることで、効果を最大化できます。
- 広告:即効性がある、予算に応じてコントロール可能、費用がかかり続ける
- SEO:効果が出るまで時間がかかる、継続的な流入を獲得できる、長期的な資産になる
- MEO:地域検索で強い、Googleマップ経由の来店につながる、口コミが重要
詳しくは広告とSEO・MEOの使い分け戦略、リスティング広告とSEOどっちをやるべき?をご参照ください。
注文住宅業界における理想的なアプローチは以下の通りです。
- 短期:広告で認知拡大と資料請求・来場予約を獲得
- 中長期:SEOで「注文住宅 ○○市」「二世帯住宅 費用」といったキーワードで上位表示を狙う
- 並行して:MEOでGoogleマップ上での存在感を高め、展示場への来場を促す
SNSオーガニック投稿との連携
SNS広告だけでなく、日常的なオーガニック投稿も重要です。広告で認知したユーザーが、アカウントを訪問した際に、魅力的なコンテンツが揃っていれば、フォロー→ファン化につながります。
SNSとホームページの連携については、ホームページとSNS(インスタ・X)の使い分けをご参照ください。
リードナーチャリング——資料請求から来場・契約へ
広告で獲得したリード(資料請求者)を、来場予約、そして契約へとつなげていく「リードナーチャリング」も重要な施策です。
具体的には、以下のような施策が効果的です。
- メールマガジン:施工事例、イベント情報、住宅ローンのお役立ち情報などを定期配信
- LINE公式アカウント:開封率の高いLINEで情報を届ける
- 電話フォロー:資料請求後1〜2日以内に電話し、来場予約を促す
- DM(ダイレクトメール):カタログとともに、イベント案内のチラシを同封
これらの施策と広告を組み合わせることで、検討期間の長い注文住宅でも、継続的にアプローチを続けられます。
季節・タイミング戦略——いつ広告を強化すべきか
注文住宅業界には、特有の繁忙期と閑散期があります。広告予算を効率的に使うためには、このタイミングを意識した運用が重要です。
繁忙期(広告を強化すべき時期)
- 1月〜3月:新年を迎え「今年こそ家を建てよう」と考える人が増える。また、年度末までに引き渡しを希望するケースも多い
- 8月〜10月:秋に行動を開始し、年内に契約したいと考える人が増える。気候も良く、展示場への来場意欲が高まる
- 住宅展示場イベント時期:GW、お盆、シルバーウィークなど、大型連休にはイベントが開催されることが多い
閑散期(効率的にリード獲得できる時期)
- 6月〜7月:梅雨時期は来場者が減る傾向。一方、競合の広告出稿も減るため、クリック単価が下がりやすい
- 11月〜12月:年末は何かと忙しく、展示場訪問が後回しになりがち。ただし、この時期に情報収集を始める潜在層もいる
季節に応じた広告戦略
- 繁忙期:予算を増額し、来場予約を積極的に獲得。イベント連動の広告も展開
- 閑散期:予算を抑えつつ、資料請求やLINE友だち追加など、軽いコンバージョンを狙う。来場まではいかないが、情報収集中の潜在層をリスト化しておく
効果測定と改善——データドリブンな広告運用へ
広告運用の成否を分けるのは、効果測定と改善のサイクルです。「なんとなく広告を出している」状態から脱却し、データに基づいた意思決定を行いましょう。
見るべき指標(KPI)
広告効果測定の基本的な指標については、広告効果測定の基本指標(ROAS・CPA・CTR・CVRなど)で詳しく解説していますが、ここでは注文住宅業界で特に重視すべき指標を紹介します。
広告プラットフォーム上で見る指標
- CPA(獲得単価):資料請求1件あたり、来場予約1件あたりにかかった費用
- CVR(コンバージョン率):クリックした人のうち、コンバージョンした人の割合
- CTR(クリック率):広告が表示された回数のうち、クリックされた割合
- CPC(クリック単価):1クリックあたりの費用
- IMP(インプレッション数):広告が表示された回数
ビジネス成果につなげて見る指標
広告プラットフォーム上の数値だけでなく、最終的なビジネス成果との紐付けが重要です。
- 資料請求→来場 転換率:資料請求者のうち、何%が来場予約したか
- 来場→商談 転換率:来場者のうち、何%が商談(設計相談)に進んだか
- 商談→契約 転換率:商談者のうち、何%が契約に至ったか
- 最終的なROAS:広告費に対して、どれだけの契約金額を獲得できたか
これらの指標を追うためには、広告経由のリードにタグ付けを行い、CRMやSFA上で追跡できる仕組みを整えることが必要です。
GA4との連携
Google広告の効果を詳しく分析するためには、Googleアナリティクス4(GA4)との連携が不可欠です。GA4では、以下のような分析が可能です。
- 広告経由ユーザーのサイト内行動分析
- コンバージョンに至るまでの経路分析
- オーディエンスの詳細な分析
GA4の導入方法はGoogleアナリティクス4(GA4)の導入方法、Google広告との連携方法はGoogle広告とGA4の連携と分析方法をご参照ください。
PDCAサイクルの回し方
効果測定の結果をもとに、継続的に改善を行っていくことが重要です。広告運用のPDCAサイクルについては、広告運用のPDCAサイクルと改善の進め方で詳しく解説しています。
注文住宅業界での改善サイクルの例は、以下の通りです。
週次で確認すべきこと
- 各キャンペーンのCPA、CVR、CTRの推移
- 異常値(急激な悪化など)がないか
- 予算消化ペース
月次で確認・改善すべきこと
- キーワードごとのパフォーマンス分析(検索広告)
- クリエイティブごとのパフォーマンス分析(SNS広告)
- 成果の悪いキーワード・クリエイティブの停止または改善
- 新しいキーワード・クリエイティブのテスト追加
- LP改善のABテスト結果確認と次のテスト設計
四半期で確認すべきこと
- 広告経由リードの最終成果(契約率)分析
- チャネルミックスの見直し(Google広告、SNS広告、SEO、MEOの予算配分)
- 全体戦略の見直し
広告代理店に依頼すべきか、自社運用すべきか

広告運用を自社で行うか、代理店に委託するかは、多くの企業が悩むポイントです。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自社に合った選択をしましょう。
詳しくはインハウス運用vs代理店委託、どちらを選ぶべき?をご参照ください。
自社運用(インハウス)のメリット・デメリット
メリット
- 代理店手数料(通常は広告費の20%程度)が不要
- 自社のビジネスを深く理解した上での運用が可能
- スピーディーな対応、細かい調整がしやすい
- ノウハウが社内に蓄積される
デメリット
- 専門知識・スキルを持った人材が必要
- 運用工数がかかる(片手間では難しい)
- 最新情報のキャッチアップが大変
- 客観的な視点が入りにくい
代理店委託のメリット・デメリット
メリット
- 専門家の知見を活用できる
- 複数クライアントの運用経験から得たノウハウを適用してもらえる
- 運用工数を削減できる
- 最新のアップデート情報をキャッチアップしてもらえる
デメリット
- 手数料がかかる
- 自社ビジネスの理解度に限界がある
- コミュニケーションコストがかかる
- 代理店の担当者の力量に左右される
広告代理店の選び方については、広告代理店の選び方と失敗しない付き合い方をご参照ください。
注文住宅業界での判断基準
注文住宅業界の場合、以下のような判断基準が考えられます。
自社運用が向いているケース
- 広告運用に専念できる担当者がいる
- 月間広告費が少額(30万円以下など)で、代理店手数料の負担が大きい
- 地域密着型の小規模工務店で、地元のことをよく知っている
- 自社でPDCAを高速で回したい
代理店委託が向いているケース
- 社内に専門人材がいない、または片手間になってしまう
- 月間広告費が一定規模以上(100万円以上など)
- 複数エリア、複数商品で広告を展開している
- 専門家の視点でクリエイティブ改善などを進めたい
なお、「最初は代理店に任せて、ノウハウを学んでから自社運用に切り替える」というアプローチも有効です。
関連業種の広告運用も参考に
注文住宅・ハウスメーカーと近い業種の広告運用戦略も、参考になる点が多いです。以下の記事も併せてご覧ください。
- 建築士・設計事務所の広告運用戦略【注文住宅・リフォーム集客】
- 不動産仲介(売買)の広告運用戦略【物件反響を増やす方法】
- 不動産仲介(賃貸)の広告運用戦略【繁忙期と閑散期の対策】
- リフォーム・リノベーション会社の広告運用戦略
まとめ——注文住宅・ハウスメーカーの広告運用で成果を出すために
この記事では、注文住宅・ハウスメーカー向けの広告運用戦略を、「資料請求」と「来場予約」という2つのコンバージョンに焦点を当てながら解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
1. 業界特性を理解する
注文住宅は高額商品のため、検討期間が長い。ユーザーの検討段階に合わせたアプローチが必要。商圏が限定されているため、地域設定は最重要。
2. コンバージョン戦略を設計する
来場予約をメイン、資料請求をセカンダリとした階層型コンバージョン設計がベスト。マイクロコンバージョンも設定し、最適化に必要なデータを確保。
3. Google広告を使いこなす
検索広告で顕在層を獲得し、ディスプレイ広告・リマーケティングで認知拡大と再訪問促進。P-MAXはコンバージョンデータが十分に貯まってから活用。
4. SNS広告で認知を広げる
Instagram広告で「憧れ」を刺激。YouTube広告で動画を使った詳しい訴求。LINE広告で長期的な関係構築。
5. LPを最適化する
資料請求LPと来場予約LPは分けて設計。施工事例の見せ方が重要。フォーム最適化で離脱を防ぐ。ABテストで継続的に改善。
6. 効果測定と改善を続ける
CPA、CVRだけでなく、最終的な契約率まで追跡。GA4との連携でデータドリブンな運用へ。PDCAサイクルを週次・月次・四半期で回す。
注文住宅の広告運用は、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、正しい戦略と継続的な改善によって、確実に成果を積み上げていくことができます。
まずは自社の現状を分析し、足りないところから一つずつ改善を始めてみてください。この記事が、皆さまの広告運用の一助となれば幸いです。
Web広告全般の基礎知識については、Web広告とは?種類と特徴を徹底比較【初心者向け完全ガイド】やWeb広告の費用相場と予算の決め方も参考になります。