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ユーザビリティテスト実践入門:低コストで効果的な改善点を見つける手法

Webサイトやアプリの制作者は、自分たちが作ったものが最も使いやすいと感じがちです。しかし、ユーザーは私たちとは異なる視点や経験を持っています。ユーザーが「迷う」「イライラする」「目的が達成できない」といった問題は、開発者自身が気づかない部分に潜んでいることがほとんどです。

この問題を客観的に発見し、改善するために不可欠なプロセスが**「ユーザビリティテスト」**です。ユーザビリティテストは、実際のユーザーにWebサイトやアプリを操作してもらい、その過程を観察することで、**低コストで致命的な欠陥**を発見できる最も効果的な手法です。

**この記事では、専門的な設備や高額な費用をかけなくても実施できる、低コストで効果的なユーザビリティテストの手法(ヒューリスティック評価、思考発話法)**を解説します。テストの計画から実施、改善点の発見までを学び、Webサイトの成果を劇的に高めましょう。

この記事のハイライト

  • ✅ **テストの黄金律:** ユーザーは**5人**いれば、**85%**のユーザビリティ問題を発見できる。
  • ✅ **低コスト手法:** **思考発話法**(ユーザーに操作を声に出してもらう)が最も効果的。
  • ✅ **設計の鉄則:** テストはプロトタイプの段階から、**開発初期**に実施する。
  • ✅ **改善点の優先順位:** 発生頻度と影響度から**致命的な問題**を最優先で改善する。

🔄 ユーザビリティテストの基本プロセス(計画〜改善)

ユーザビリティテストは以下のシンプルなステップで構成されます。重要なのは、**完璧なテスト**ではなく、**継続的な改善**を目指すことです。

ステップ1:目標設定とタスク設計

「何をテストしたいのか」を明確にします。例えば、「新規顧客がお問い合わせフォームにたどり着き、入力完了できるか」など、具体的なゴールを設定します。その後、そのゴールを達成するための**具体的なタスク**(例:「トップページから資料請求を完了してください」)を設計します。

ステップ2:被験者の選定と準備

テスト対象となるユーザー像(ペルソナ)に近い人を数人選びます。**ヤコブ・ニールセンの法則**によれば、**5人のユーザーでテストすれば、85%のユーザビリティ問題**が発見できるとされています。多くの人数を集めるより、少ない人数でテストを**頻繁に**行う方が効果的です。

ステップ3:テストの実施と観察

被験者にタスクを実行してもらい、その過程を静かに観察・記録します。テスト中に重要なのは、**被験者を助けず、発言を促す**ことです。

ステップ4:問題の分析と改善

発見された問題点を**発生頻度**と**影響度(致命度)**で分類し、改善の優先順位を決定します。致命的な問題(例:予約が完了できない、ログインできない)から、すぐに修正に着手します。

💰 低コストで効果的な改善点を見つけるテスト手法2選

専門知識がないチームでも、すぐに実施できる、費用対効果の高いテスト手法です。

手法1:思考発話法(Thinking Aloud Protocol)

被験者にタスクを実行してもらいながら、**頭の中で考えていること、感じていること**をすべて声に出して話してもらう手法です。最もシンプルかつ強力なユーザビリティテストの手法です。

  • **メリット:** ユーザーが**「なぜそこで立ち止まったのか」「何に期待したのか」**といった、行動の背後にある心理を深く理解できます。
  • **準備:** 特別な設備は不要で、画面録画と音声録音(PCやスマホで十分)ができれば実施可能です。

手法2:ヒューリスティック評価(専門家による評価)

ヤコブ・ニールセンが提唱した**10のユーザビリティ原則**(例:システムの状態の視認性、エラーの防止など)に基づき、**ユーザビリティに詳しい専門家**(社内のデザイナー、経験豊富なエンジニアなど)がWebサイトを評価する手法です。

  • **メリット:** 実際のユーザーを集める手間がなく、**短時間**で多くの問題点を網羅的に洗い出せます。
  • **注意点:** 専門家の視点に偏りがちで、実際のユーザーの「素朴な」問題点を見逃す可能性があるため、思考発話法と併用が推奨されます。

⚠️ テスト実施時の注意点とモデレーターの役割

テストを成功させるためには、モデレーター(テスト進行役)の立ち振る舞いが非常に重要です。

注意点1:誘導尋問や助言をしない

テスト中、ユーザーが困っている様子を見ると、思わず助言したり、答えを誘導するような質問をしてしまいがちです。「ここをクリックすればいいんですよ」といった助言は、**ユーザーの自然な行動を妨げ**、テストの価値を損ないます。困っているときは「何かお話しいただけることはありますか?」と**発話を促す**質問に留めましょう。

注意点2:Webサイトの「テスト」であることを強調する

テスト開始時に、これは**「被験者の能力をテストするものではなく、Webサイトの使いやすさをテストするものだ」**と明確に伝えましょう。これにより、ユーザーは安心して、失敗や迷いを隠さずに話せるようになります。

注意点3:プロトタイプ(未完成品)の段階からテストする

Webサイトが完成してからテストを行うと、デザインや構造上の大きな問題が発見された場合、**手戻りコストが莫大**になります。ワイヤーフレームやプロトタイピングツールで作った**未完成な段階**からテストを始めましょう。開発初期の段階ほど、修正が容易です。

💖 まとめ:ユーザビリティ改善がWebサイトの成果を上げる

ユーザビリティテストは、Webサイトの「使いやすさ」を客観的に測り、集客や売上に直結する改善点を見つけるための最も確実な手法です。低コストな手法でも十分に効果を発揮します。

OMNIWEBは、初期費用を抑えた月額制でありながら、ユーザビリティとコンバージョン率の最大化を設計思想としています。**「使いやすい」**Webサイトの制作にご興味のある方は、ぜひご相談ください。

成果の出るWebサイト制作は、ぜひ私たちにご相談ください。**準備の時間を「愛する時間」に変える**ための賢い選択を始めましょう。

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