はじめに:検索順位の急落、その原因は「背後」にあるかもしれない
「先月まで1ページ目にいたのに、突然圏外に飛ばされた」
「高品質な記事を毎日更新しているのに、ドメインパワーが全く上がらない」
SEO(検索エンジン最適化)に真剣に取り組むWeb担当者にとって、これほど恐ろしい事態はありません。コンテンツの質に自信があるにもかかわらず、Googleからの評価が得られない場合、その原因はサイトの「内側」ではなく「外側」、つまり「被リンク(バックリンク)」にある可能性が極めて高いです。
被リンクは、本来であればGoogleがサイトを評価するための「信頼の投票」です。しかし、世の中にはその仕組みを悪用したり、あるいは競合サイトを攻撃するために作られたりした「悪質なスパムリンク」が存在します。
これらを放置することは、検索エンジンに対して「私は怪しいサイトと繋がりがあります」と宣言しているようなもの。最悪の場合、Googleから厳しいペナルティを受け、あなたのビジネスの生命線であるWebサイトが検索結果から姿を消してしまうこともあります。
本記事では、全5回にわたり、この「スパムリンク」という見えざる敵と戦い、サイトの健全性を取り戻すための完全マニュアルをお届けします。第1回となる今回は、まず敵の正体と、Googleがどのようにそれらを監視しているのか、そのメカニズムを深く理解しましょう。
1章:スパムリンク(低品質リンク)とは何か?
スパムリンクとは、Googleのガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する、不自然または低品質な被リンクの総称です。
具体的には、以下のようなリンクが該当します。
- 購入したリンク:SEO業者にお金を払って設置してもらったリンク(リンク購入のリスクについては別記事で詳述)。
- 相互リンク集:関連性のないサイト同士で過剰にリンクし合う、いわゆる「リンクファーム」。
- 自動生成コンテンツ:AIやプログラムで作られた、意味不明な文章(ワードサラダ)からのリンク。
- 海外の不正サイト:アダルト、ギャンブル、違法薬物などを扱うサイトからの脈絡のないリンク。
- 隠しリンク:ユーザーには見えない(文字色が背景と同じなど)状態で設置されたリンク。
これらは全て、検索エンジンのランキングを「不正に操作」しようとする意図があるとみなされ、SEOにおいてマイナス評価(毒)となります。
2章:Googleアルゴリズムの進化|ペンギンからSpamBrainへ
適切な対策を行うためには、Googleがどのような歴史を経てスパム対策を行ってきたかを知る必要があります。この歴史を知ることは、今後のSEO対策の方向性を決める羅針盤となります。
2012年:ペンギンアップデート(Penguin Update)の衝撃
SEOの歴史において最大の転換点と言えるのが、2012年4月に導入された「ペンギンアップデート」です。
それ以前のGoogleは、被リンクの「数」を単純に評価していました。そのため、「リンクを1万本買えば1位になれる」というブラックハットSEOが横行していました。
ペンギンアップデートは、こうした不正リンクを徹底的に検知し、関与しているサイトの順位を劇的に下げるアルゴリズムです。これにより、多くのサイトが壊滅的な被害を受け、SEO業界は健全化へと舵を切りました。
2016年:ペンギン4.0による「無効化」へのシフト
2016年秋、ペンギンアップデートはコアアルゴリズム(Googleの基本システム)の一部となり、リアルタイムで動作するようになりました。これを「ペンギン4.0」と呼びます。
ここでの大きな変更点は、「サイト全体を罰する(順位を下げる)」方式から、「悪いリンクを無効化する(評価しない)」方式へ変わったことです。
つまり、少々のスパムリンクがついた程度では、順位は下がらなくなりました(もちろん上がりもしません)。これは、競合他社が嫌がらせでスパムリンクを送る「ネガティブSEO」への対策でもあります。
2022年〜現在:AIによる検知「SpamBrain」
そして現在、Googleは「SpamBrain」と呼ばれるAIベースのスパム防止システムを導入しています。
SpamBrainは非常に賢く、以下のことができます。
- リンクを「売っているサイト」と「買っているサイト」の両方を特定する。
- 新しく発生したスパムのパターンを自律的に学習する。
- 文脈を理解し、一見自然に見える記事の中に埋め込まれた不自然なリンクを見抜く。
このように、Googleの監視の目は年々厳しく、かつ精巧になっています。もはや小手先のテクニックで欺くことは不可能です。
3章:「手動による対策」と「アルゴリズム自動評価」の違い
スパムリンクによる順位下落には、大きく分けて2つのパターンがあります。対処法が異なるため、自分のサイトがどちらの状態にあるかを見極めることが重要です。
パターンA:アルゴリズムによる自動評価(大半がこれ)
Googleのプログラム(SpamBrainなど)が自動的に「このサイトのリンクは質が低い」と判断している状態です。
- 症状:特定のキーワードでじわじわ順位が下がる、ドメインパワーが上がらない。
- 通知:Googleからの通知は来ません。
- 対策:低品質なリンクを否認ツールで無効化し、良質なコンテンツ(信頼感のあるWebサイト)を増やして評価を上書きする。
パターンB:手動による対策(Manual Actions)
Googleの担当者(人間)が直接目視でチェックし、「ガイドライン違反」と認定してペナルティボタンを押した状態です。
- 症状:ある日突然、サイト名で検索しても表示されなくなる(インデックス削除)、または順位が大幅に下落する。
- 通知:Google Search Consoleに「貴サイトへの不自然なリンク」という警告メッセージが届きます。
- 対策:問題のリンクを徹底的に削除・否認した後、Googleに対して「反省文と改善報告書(再審査リクエスト)」を提出し、許してもらう必要があります。
「自分はリンクなんて買っていないから大丈夫」と思っていても、過去に依頼したSEO業者が勝手に行っていたり、無料ブログのテンプレートに隠しリンクが含まれていたりするケースもあります。
まずは現状を知ることが第一歩です。次回の【第2部】では、実際にツールを使って「あなたのサイトに潜むスパムリンク」を炙り出す、精密検査の方法を解説します。
4章:まずは基本から|Google Search Consoleでの「予兆」検知
スパムリンクの調査は、まずGoogle公式の無料ツール「Search Console(サーチコンソール)」から始めます。
これはGoogleが認識しているリンクデータの「一次情報」ですので、ここで大きな異常値がないかを確認することが最初のステップです。
1. 「リンク」レポートの確認
Search Consoleの左メニューから「リンク」をクリックし、「外部リンク」セクションの「詳細」を開きます。
ここで、以下のポイントをチェックしてください。
- リンク数の急増:グラフを見て、特定の日に数千単位でリンクが増えていませんか?
- 見知らぬドメイン:「上位のリンク元サイト」の上位に、意味不明な英数字のドメインや、全く取引のない海外サイト(
.xyz,.cn,.ruなど)がランクインしていませんか? - 不自然なアンカーテキスト:「上位のリンク元テキスト」に、自社と無関係な「バイアグラ」「カジノ」「即日融資」などの単語が含まれていませんか?
もしこれらに該当する場合、すでに大規模なスパム攻撃を受けている可能性があります。データを「CSVでダウンロード」し、後述する分析に備えてリスト化しておきましょう。
Search Consoleは正確ですが、「全てのリンクを表示してくれるわけではない(サンプル抽出)」という特性があります。また、そのリンクが良いか悪いかの「判定」はしてくれません。
そのため、深刻な被害が疑われる場合は、次章で紹介するサードパーティ製ツールの併用が強く推奨されます。
5章:プロレベルの精密検査|有料ツールで「隠れスパム」を特定する
SEOのプロフェッショナルは、Googleの目線だけでなく、第三者の目線(外部ツール)を使ってサイトの健康状態をダブルチェックしています。
特に以下の3大ツールは、Googleが見せてくれない「ドメインの品質」を数値化してくれるため、スパム判定において強力な武器となります。
1. Ahrefs(エイチレフス)での分析テクニック
世界最大級のリンクデータベースを持つAhrefsは、無料ツールでは検知できないリンクも見つけ出します。
DR(ドメインランク)の分布を見る
管理画面で「Referring domains」を開き、DR(0〜100の評価値)が「0〜5」のサイトで絞り込みます。
- 異常パターンの例:被リンクの90%以上がDR0〜5の低品質サイトで占められている。
- アクション:それらのドメインを目視確認し、コンテンツが存在しない、または自動生成テキストのみのサイトであれば、迷わず「黒」と認定します。
アンカーテキストの「クラウド表示」
「Anchors」レポートでは、リンクに使われている言葉がタグクラウド形式で表示されます。
ここで、自社ブランド名よりも大きく「激安」「Adult」などの単語が表示されていた場合、その単語を含むリンク元を一括で抽出・否認リストに追加します。
2. Semrush(セムラッシュ)の「毒性スコア」
Semrushには「Backlink Audit」という、まさにスパム検知のための専用機能があります。
このツールは、AIが各リンクを分析し、危険度を「Toxic Score(毒性スコア)」として0〜100で算出します。
- 60〜100(Toxic):極めて危険。ほぼ確実に否認対象。
- 45〜59(Potentially Toxic):危険な可能性あり。要確認。
- 0〜44(Non Toxic):安全。
数万件のリンクがあっても、まずは「Toxic」判定されたものだけを処理すれば良いため、作業時間を大幅に短縮できます。
3. Mozの「Spam Score」
ドメインパワーの概念を作ったMoz社が提供する「Spam Score」は、そのサイトがペナルティを受ける確率をパーセンテージで示します。
もし、あなたのサイトへリンクしているサイトのSpam Scoreが「60%以上」であれば、そのサイト自体がGoogleから危険視されている可能性が高いです。巻き添えを食らう前に、関係を断つ(否認する)のが賢明です。
6章:【保存版】スパム判定チェックリスト
ツールで怪しいリンクを抽出したら、最終的には人間の目で「否認するかどうか」を決断しなければなりません。
判断に迷ったときは、以下のチェックリストを活用してください。1つでも当てはまれば「要注意」、2つ以上なら「否認」を推奨します。
🚫 スパムリンク判定基準リスト
-
言語の不一致
日本語サイトなのに、ロシア語、中国語、アラビア語などのサイトから大量にリンクされている(多言語対応していない場合)。 -
コンテンツの欠如
ページを開いても記事がなく、リンク集だけ、または「404 Not Found」エラー画面からリンクされている。 -
隠しリンク
ソースコード上にはリンクがあるのに、ブラウザで見ると背景と同化して見えない、または極小フォントで配置されている。 -
文脈の崩壊(ワードサラダ)
「SEO対策 ラーメン 激安 金融」のように、文法が破綻した文章の中にリンクが埋め込まれている。 -
ドメインの羅列
site1.xyz,site2.xyz,site3.xyzのように、連番や類似したドメインから一斉にリンクされている。 -
アダルト・違法コンテンツ
ポルノ、カジノ、違法薬物、コピー商品販売サイトからのリンク。
これらの特徴を持つリンクは、SEO対策としての価値がゼロであるどころか、GoogleのSpamBrainによって「悪意ある操作」とみなされるリスク要因です。
次回の第3部では、ここで特定した「黒リスト」を、実際にGoogleへ提出するための「否認ファイル」として作成する手順を、記述ルールを含めて詳細に解説します。
7章:否認ファイル作成の「3大ルール」
ツールや目視確認で「否認すべきリンクのリスト」ができたら、それをGoogleが読み取れる形式のファイル(.txt)に変換する必要があります。
このファイル作成には厳格なルールがあり、1つでも間違えるとGoogle Search Consoleでエラーになり、受け付けてもらえません。
まずは以下の3つの基本ルールを厳守してください。
- ファイル形式は必ず「テキストファイル(拡張子 .txt)」にする。(WordやExcelは不可)
- 文字コード(エンコード)は「UTF-8」または「7-bit ASCII」で保存する。
- 「1行につき1つのURLまたはドメイン」を記述する。
なぜ「UTF-8」なのか?
Windowsのメモ帳などで普通に保存すると、以前は「Shift_JIS」という日本語用の文字コードになることがありました。これだとGoogleのシステムがファイルを正しく読み込めず、エラーになります。
現在のメモ帳はデフォルトでUTF-8になっていますが、保存時に念のため「エンコード:UTF-8」になっているか確認しましょう。
8章:【コピペOK】記述パターンの徹底解説
否認の指定方法には、「特定のページだけを否認する(URL単位)」と「サイト全体を否認する(ドメイン単位)」の2種類があります。
パターンA:特定のページのみ否認する(URL単位)
「このブログ記事からのリンクは嫌だが、同じサイトの他の記事からのリンクは残したい」という場合に使います。
# 特定のページを否認する例(URLをそのまま貼る) http://spam-example.com/bad-article.html https://spam-example.com/category/junk-links/
しかし、スパムサイトは得てしてサイト全体が低品質であることが多いため、この方法を使う機会は限定的です。
パターンB:サイトごと丸ごと否認する(ドメイン単位) ★推奨
スパム対策では、基本的にこちらを使います。domain: という接頭辞(プレフィックス)を付けることで、そのドメイン配下の全てのページからのリンクを一括で無効化できます。
# サイト全体を否認する例(domain:を付ける) domain:spam-example.com domain:bad-site.net
⚠️ 注意点:
http://やhttps://は付けないでください。wwwも基本的には不要です(domain:example.comと書けば、www.example.comも含まれます)。- サブドメインもまとめて否認したい場合は、ルートドメイン(親ドメイン)を指定すればOKです。
パターンC:コメントを残す(メモ書き)
行の先頭に #(シャープ)を付けると、その行はコメントとして扱われ、Googleの処理からは無視されます。
「いつ、なぜ否認したのか」を未来の自分のためにメモしておくと便利です。
9章:完成ファイルのサンプル
実際に作成するファイルの中身は、以下のようになります。これをコピーして、自分の否認したいドメインに書き換えて使用してください。
# 2026年1月15日作成:Search Consoleで発見したスパム
domain:spamsite-a.com
domain:spamsite-b.net
# アダルト・違法サイト群(Ahrefsで検知)
domain:adult-link-farm.org
domain:casino-affiliate.xyz
# 特定のスパムページ(URL指定)
http://suspicious-blog.info/spam-entry/
# ロシア語の自動生成サイト
domain:fake-news.ru
サブドメインごとの細かい指定が必要な場合
例えば、無料ブログサービス(ameblo.jp や fc2.com)上の、特定のスパムブログだけを否認したい場合はどうすれば良いでしょうか?
domain:ameblo.jp と書いてしまうと、アメブロ全体(良質なブログ含む)からのリンクを全て拒否してしまいます。
この場合は、そのスパムブログのサブドメイン部分を指定します。
# アメブロ全体ではなく、特定のスパムブログだけを否認 domain:spam-user.amebaownd.com
このように記述することで、サービスの他のユーザーからのリンクには影響を与えず、対象のブログだけをピンポイントで排除できます。
ここまでで、Googleに提出する「弾丸(否認ファイル)」の準備は整いました。
次回の第4部では、いよいよこのファイルをSearch Consoleの奥深くに隠された「否認ツール」へアップロードし、ペナルティ解除への引き金を引く手順を解説します。
10章:【実践】Google否認ツールへのアップロード手順
準備した「弾丸(否認リスト)」を、いよいよGoogleに撃ち込みます。
実はこの「リンク否認ツール」、Search Consoleの通常のメニュー画面をいくら探しても見つかりません。初心者の方が迷いやすいポイントですので、以下の手順通りに進めてください。
ステップ1:隠された「否認ツール」にアクセスする
Googleにログインした状態で、以下の公式URLに直接アクセスしてください。
🔗 Google公式:サイトへのリンクを否認する
https://search.google.com/search-console/disavow-links
ステップ2:プロパティ(対象サイト)を選択する
ドロップダウンメニューから、今回対策を行いたいWebサイトを選択します。
「ドメインプロパティ(例:sc-domain:example.com)」と「URLプレフィックス(例:https://example.com)」の両方を登録している場合は、サイト全体をカバーできる「ドメインプロパティ」を選択することを強く推奨します。
ステップ3:リストをアップロードする
- 「否認リストをアップロード」というボタンをクリックします。
- 「この機能は高度な機能であり、慎重に使用する必要があります」という警告が出ますが、そのまま進みます。
- 作成したテキストファイル(例:disavow_2026.txt)を選択し、アップロードします。
アップロードが完了すると、画面に「○個のドメインと、○個のURLを否認しました」という結果が表示されます。
エラーが出た場合は、前章で解説した「文字コード(UTF-8)」や「記述形式(domain:)」に間違いがないか再確認してください。
☠️ 警告:絶対に覚えておくべき「上書き仕様」
リンク否認ツールは「追記」ではありません。「完全上書き」です。
例えば、過去に100件のドメインを否認していて、今回新たに10件追加したいとします。
この時、新規の10件だけを書いたファイルをアップロードすると、過去の100件の否認設定はすべて消滅し、復活してしまいます。
必ず「過去のリスト + 新規リスト」を合体させた完全版ファイルを作成してアップロードしてください。過去のリストはツール画面からダウンロード可能です。
11章:手動ペナルティ解除!「再審査リクエスト」の書き方
もしあなたのサイトが、アルゴリズムによる自動評価ではなく、Google社員による「手動による対策(Manual Action)」を受けている場合、否認リストを提出しただけでは不十分です。
Googleに対して「悪いところは直しました。もう一度見てください」とお願いする「再審査リクエスト」を送る必要があります。
再審査リクエストを送るタイミング
必ず「否認リストのアップロード完了後」に行います。問題のリンクを処理する前にリクエストを送っても、「まだ改善されていません」と門前払いされるだけです。
審査に通るリクエスト文の構成(テンプレート)
Search Consoleの「手動による対策」画面にある「審査をリクエスト」ボタンを押し、以下の要素を盛り込んで文章を作成します。感情的にならず、事実を淡々と伝えるのがコツです。
件名:不自然なリンクに対する改善報告と再審査のお願い
Google検索品質チーム 御中
いつもお世話になっております。
サイト「https://example.com」の運営責任者の○○です。
この度、ガイドライン違反のご指摘を受け、以下の通り対策を行いました。
1. 現状の調査
Search ConsoleおよびAhrefsを使用し、当サイトへの全被リンクを調査しました。
2. 具体的な対応策
ガイドラインに違反すると判断した低品質なリンク元に対し、削除依頼のメールを送りましたが、回答が得られなかったものについては「リンク否認ツール」を使用して無効化措置を行いました。
(否認リストファイル名:disavow_list.txt)
3. 今後の再発防止策
今後はSEO業者への依頼基準を見直し、ガイドラインを遵守したコンテンツ制作体制(SEO対策の基本の徹底)を強化いたします。
以上、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
送信後、通常は数日〜2週間程度でGoogleからメールで返答が来ます。「手動による対策を取り消しました」という連絡が来れば、見事ペナルティ解除です。
次回の最終回(第5部)では、そもそもこうした面倒な事態に陥らないための「防衛策(ネガティブSEO対策)」と、サイトの資産を守るためのセキュリティ設定について解説し、本連載を締めくくります。
12章:競合からの攻撃「ネガティブSEO」とは?
ここまで解説してきたスパムリンクの中には、自然発生的なものではなく、「誰かが悪意を持ってあなたのサイトに送りつけたもの」が含まれている可能性があります。これを「ネガティブSEO(逆SEO)」と呼びます。
競合他社などが、あなたのサイトの順位を落とすために、質の低いリンクを大量に購入して貼り付けるのです。「そんなドラマみたいな話があるの?」と思うかもしれませんが、検索順位が売上に直結するジャンル(金融、美容、不動産など)では、悲しいことに現実に起こり得ます。
ネガティブSEOの兆候と対策
ネガティブSEOは「早期発見」が全てです。サジェスト汚染対策と同様に、日々の監視が必要です。
- 兆候:特定のキーワードで順位が急落したタイミングで、海外からのリンクが急増している。
- 対策:第2部で紹介したAhrefsやSemrushの「アラート機能」を使い、被リンクが急増したら即座にメール通知が来るように設定しておきましょう。早期に否認すれば被害は最小限に抑えられます。
13章:ハッキングによる「踏み台」被害を防ぐ
外部からの攻撃だけでなく、あなたのサイト自体がハッキングされ、勝手にスパムリンクの発信源(踏み台)にされてしまうケースも多発しています。
こうなると、被害者であるはずのあなたが、Googleからは「加害者(スパムサイト)」として認識され、一発でペナルティを受けます。
最低限やっておくべきセキュリティ対策
サイトの防衛力を高めるために、以下の対策は必ず実施してください。
- 常時SSL化(HTTPS)
通信を暗号化し、盗聴や改ざんを防ぎます。SEOの基本中の基本です。
(参考:SSL化(https)は必須?「保護されていない通信」のリスクと対策) - WordPress本体とプラグインの更新
古いバージョンを使い続けることは、泥棒に鍵を渡しているようなものです。常に最新版に保ちましょう。
(参考:WordPressの保守管理は大変?プラグイン更新とセキュリティ対策の真実) - WAF(Web Application Firewall)の導入
サーバー側で攻撃をブロックする強力な盾です。多くのレンタルサーバーで無料で利用可能です。 - reCAPTCHAの設置
お問い合わせフォームからのスパム投稿を防ぎます。
(参考:スパムメールが大量に来る!問い合わせフォームへのreCAPTCHA設定)
14章:まとめ|SEOは「攻め」と「守り」の両輪で
全5回にわたり、スパムリンクの否認方法について解説してきました。
SEOというと、どうしても「キーワード選定」や「記事作成」といった「攻め」の施策に目が向きがちです。しかし、どんなに良い記事を書いても、足元(ドメインの健全性)が崩れていては成果は出ません。
「否認」という武器を持ち、定期的にサイトの健康状態をチェックする(守り)。
この習慣があって初めて、あなたのコンテンツは正当に評価され、検索順位という結果に結びつきます。
ぜひ今回のマニュアルをブックマークし、半年に一度は「健康診断」として読み返してみてください。
あなたのサイトが、悪質なリンクに邪魔されることなく、本来の実力を発揮できることを願っています。