「サイトをリニューアルしたら検索順位が急落した」「デザインを一新したのに、アクセスが激減してしまった」——このような失敗談は、Web業界では決して珍しくありません。
サイトリニューアルは、ビジネスの成長や時代の変化に対応するために必要不可欠な施策です。しかし、SEOの観点からの配慮なしにリニューアルを進めると、長年かけて築いてきた検索順位やオーガニック流入を一瞬で失ってしまうリスクがあります。
この記事では、サイトリニューアル時に検索順位を落とさないための具体的な対策を、計画段階から実行、リニューアル後のモニタリングまで徹底的に解説します。検索エンジンの仕組みを理解した上で、SEO評価を維持しながらリニューアルを成功させましょう。
サイトリニューアルでSEO評価が下がる理由
リニューアルによる順位下落の実態
サイトリニューアル後に検索順位が下落するケースは非常に多く発生しています。その原因は、デザインの変更そのものではなく、リニューアルに伴う技術的な変更がSEOに悪影響を与えることにあります。
よくある失敗パターン
| 失敗パターン | SEOへの影響 | 深刻度 |
|---|---|---|
| URL構造の変更(リダイレクトなし) | 被リンク評価の喪失、インデックス消失 | 致命的 |
| コンテンツの大幅削減 | ページ評価の低下、キーワード順位下落 | 高 |
| 内部リンク構造の崩壊 | クローラビリティ低下、評価分散 | 高 |
| ページ表示速度の悪化 | Core Web Vitals悪化、UX低下 | 中〜高 |
| メタタグの欠落・変更 | CTR低下、ランキング信号の消失 | 中 |
| robots.txt・noindexの誤設定 | インデックス削除 | 致命的 |
Googleがサイト変更を認識する仕組み
検索エンジンの仕組みで解説しているように、Googleは「クロール → インデックス → ランキング」というプロセスでウェブページを評価しています。
サイトリニューアルで以下の変更が発生すると、Googleは「別のページ」として認識する可能性があります。
- URLの変更:同じコンテンツでもURLが変われば別ページ扱い
- コンテンツの大幅な変更:元のページと関連性が低いと判断される
- サイト構造の変更:内部リンクの関係性が変わる
リニューアルの種類とSEOリスク
デザインのみの変更(低リスク)
URL、コンテンツ、サイト構造を維持し、見た目(CSS、レイアウト)のみを変更する場合、SEOリスクは比較的低いです。ただし、以下の点に注意が必要です。
- ページ表示速度の変化
- モバイル対応の維持
- 内部リンクの維持
CMSの変更(中リスク)
WordPressから別のCMSに移行する、あるいはその逆の場合、URL構造が変わりやすく注意が必要です。
- パーマリンク構造の違い
- メタタグの出力方法の違い
- 構造化データの実装方法の違い
フルリニューアル(高リスク)
デザイン、CMS、URL構造、コンテンツすべてを変更する場合、最もSEOリスクが高くなります。サイト移転と同等の慎重な対応が必要です。
リニューアル前の準備
現状のSEOパフォーマンスを記録
リニューアル前に現状を詳細に記録しておくことで、リニューアル後の比較・検証が可能になります。
記録すべき項目
| 項目 | ツール | 記録方法 |
|---|---|---|
| 検索順位 | GRC、順位計測ツール | 主要キーワード(50〜100個)の順位をエクスポート |
| オーガニック流入 | GA4 | 過去12ヶ月のオーガニックセッション数をエクスポート |
| インデックス数 | site:検索 | site:ドメイン でインデックス数を記録 |
| 被リンク数 | Ahrefs、被リンクチェックツール | 被リンク数、参照ドメイン数を記録 |
| サーチコンソールデータ | サーチコンソール | クリック数、表示回数、CTR、掲載順位をエクスポート |
| ページ表示速度 | PageSpeed Insights | 主要ページのスコアをスクリーンショット |
| Core Web Vitals | サーチコンソール | LCP、FID、CLSの値を記録 |
ページ別のパフォーマンス記録
特に重要なのは、ページ別のパフォーマンスを記録することです。
- サーチコンソールで「検索パフォーマンス」→「ページ」を選択
- 各ページのクリック数、表示回数、CTR、掲載順位をエクスポート
- 上位流入ページ(トップ50〜100)をリストアップ
全URLのクロールと一覧作成
Screaming Frogなどのツールを使用して、現在のサイト全体をクロールします。
クロールで収集すべき情報
- 全URLの一覧
- 各ページのタイトルタグ
- メタディスクリプション
- h1タグ
- canonicalタグ
- 内部リンク・外部リンク
- HTTPステータスコード
URLマッピング表の作成
URL構造を変更する場合は、旧URLと新URLの対応表を作成します。
| 旧URL | 新URL | ステータス | リダイレクト |
|---|---|---|---|
| /about.html | /about/ | 移行 | 301 |
| /service.html | /service/ | 移行 | 301 |
| /blog/post-1.html | /blog/post-1/ | 移行 | 301 |
| /old-page.html | (削除) | 削除 | 類似ページへ301 |
コンテンツの棚卸し
リニューアルは、コンテンツを整理する良い機会です。ただし、SEOの観点から慎重に判断する必要があります。
コンテンツ評価の基準
| 評価 | 基準 | 対応 |
|---|---|---|
| 高価値 | 流入あり、被リンクあり | 必ず移行、URLは可能な限り維持 |
| 中価値 | 流入少ないが、被リンクあり | 移行、必要に応じてリライト |
| 低価値 | 流入なし、被リンクなし、情報が古い | 削除またはnoindex、類似ページへリダイレクト |
| 重複 | 他ページと内容が重複 | 統合、canonicalで正規化 |
削除するページの注意点
- 被リンクがあるページは安易に削除しない:被リンクの評価が失われる
- 削除する場合は関連ページにリダイレクト:評価を引き継ぐ
- 404にする場合は慎重に:被リンク評価は完全に失われる
バックアップの取得
リニューアル前に完全なバックアップを取得します。
バックアップ対象
- データベース(コンテンツ、設定情報)
- ファイル(画像、CSS、JS、テーマ等)
- .htaccess、robots.txt等の設定ファイル
- サーチコンソール、アナリティクスのデータ
URL構造の維持とリダイレクト設定
URL構造を変更しないことが最善
URL最適化の観点から言えば、リニューアル時にURL構造を変更しないことが最もSEOリスクが低い選択です。
URL維持のメリット
- 被リンク評価をそのまま維持
- インデックスの再構築が不要
- リダイレクト設定の手間が省ける
- 順位下落のリスクを最小化
URL維持の方法
- パーマリンク設定を同一に:CMSを変更する場合も、旧サイトと同じパーマリンク構造を設定
- ファイル拡張子の維持:.htmlを使用していた場合は継続するか、リダイレクト設定
- カテゴリ構造の維持:/category/post/ 形式を維持
URL変更が必要な場合の301リダイレクト
やむを得ずURL構造を変更する場合は、301リダイレクトを正しく設定します。
301リダイレクトの重要性
- 被リンク評価の引き継ぎ:旧URLへのリンクパワーを新URLに移行
- ユーザー体験の維持:ブックマークや外部リンクからのアクセスを新ページに誘導
- インデックスの統合:Googleに新URLを正規版として認識させる
.htaccessでの設定例
# 個別ページのリダイレクト
Redirect 301 /old-page.html /new-page/
# パターンマッチによるリダイレクト
RewriteEngine On
RewriteRule ^blog/(.*)\.html$ /blog/$1/ [R=301,L]
# 拡張子.htmlを/に変換
RewriteRule ^(.*)\.html$ /$1/ [R=301,L]
WordPressでの設定
WordPressのSEO設定では、Redirectionプラグインなどを使用してリダイレクトを設定できます。
リダイレクト設定の注意点
1対1のリダイレクトを徹底
可能な限り、旧URL1つに対して新URL1つを対応させます。
良い例:
/old-service/ → /new-service/
/old-blog/post-1/ → /blog/post-1/
悪い例:
/old-service/ → / (トップページにリダイレクト)
/old-blog/post-1/ → /blog/ (カテゴリページにリダイレクト)
リダイレクトチェーンを避ける
クロールバジェットの浪費を防ぐため、リダイレクトは直接最終URLに設定します。
悪い例(チェーン):
/page-a/ → /page-b/ → /page-c/
良い例(直接):
/page-a/ → /page-c/
/page-b/ → /page-c/
302ではなく301を使用
恒久的な移動には必ず301(Moved Permanently)を使用します。302(Found/Temporary Redirect)は一時的な移動を意味し、SEO評価が引き継がれません。
コンテンツの移行と最適化
テキストコンテンツの維持
リニューアルでデザインを変更する際、テキストコンテンツを大幅に削減してしまうケースがよくあります。しかし、これはSEOに悪影響を与える可能性があります。
コンテンツ削減の影響
- キーワードの減少:ターゲットキーワードが含まれなくなる
- コンテンツの網羅性低下:関連キーワード・共起語が減少
- ユーザーの検索意図への対応不足:検索意図を満たせなくなる
- E-E-A-Tの低下:専門性・権威性を示す情報が減少
コンテンツ移行のベストプラクティス
- 主要なテキストコンテンツは維持:デザイン変更に伴う見た目の変化はOKだが、テキスト量は維持
- SEO効果のある要素は保持:キーワードを含む見出し、説明文は残す
- 削除ではなく整理:冗長な部分は削除してもよいが、核となる情報は維持
- リライトの機会として活用:古い記事のリライトで内容を改善
メタタグの移行
リニューアル時に最も見落としやすいのが、メタタグの移行です。
移行すべきメタタグ
- タイトルタグ:タイトルタグは検索順位とCTRに直結
- メタディスクリプション:メタディスクリプションはCTRに影響
- canonicalタグ:canonicalで正規URLを指定
- OGPタグ:SNSシェア時の表示に影響
メタタグ移行の手順
- 旧サイトの全ページのメタタグをエクスポート(Screaming Frog等)
- 新サイトの対応ページにメタタグを設定
- リニューアル後、メタタグが正しく反映されているか確認
見出し構造の維持
見出しタグ(h1〜h6)の構造は、SEOにおいて重要な役割を果たします。
注意点
- h1タグは1ページに1つ:ページのメインタイトルに使用
- 階層構造を維持:h1 → h2 → h3 の順序を守る
- キーワードを含む見出しを維持:リニューアルでデザイン優先にして見出しを削除しない
画像の移行と最適化
画像SEOの観点から、画像の移行時には以下に注意します。
画像移行のチェックポイント
- ファイル名の維持:SEO効果のあるファイル名は変更しない
- alt属性の移行:設定済みのalt属性を新サイトでも反映
- 画像URLの維持:可能であれば画像URLも維持(変更する場合はリダイレクト)
- 画像の最適化:リニューアルを機に画像圧縮を実施
構造化データの移行
構造化データを実装している場合は、新サイトでも同等以上の実装を行います。
確認すべき構造化データ
- Organization(組織情報)
- LocalBusiness(ローカルビジネス)
- Article(記事)
- Product(商品)
- BreadcrumbList(パンくずリスト)
- FAQPage(FAQ)
内部リンク構造の維持
内部リンクの重要性
内部リンクは、クローラビリティとページ間の評価配分に重要な役割を果たします。リニューアルで内部リンク構造が崩れると、以下の問題が発生します。
- 孤立ページの発生:どこからもリンクされないページができる
- クローラビリティの低下:クローラーがページを発見できない
- 評価の分散:重要なページに評価が集まらない
内部リンクの移行手順
ステップ1:現状の内部リンクを把握
- Screaming Frogで現サイトをクロール
- 内部リンクのレポートをエクスポート
- 各ページへの内部リンク数を確認
ステップ2:新サイトで内部リンクを再構築
- リンク先URLを新URLに更新
- リンク切れ(404)が発生しないか確認
- 重要なページへのリンクが維持されているか確認
ステップ3:リンク切れの確認
- リニューアル後、サイト全体をクロール
- 404エラーが発生しているリンクを特定
- リンク先URLの修正またはリダイレクト設定
ナビゲーションの維持
グローバルナビゲーション、フッターナビゲーション、サイドバーなど、サイト全体で共通するリンクは特に重要です。
注意点
- 主要ページへのリンクを維持:サービスページ、お問い合わせページ等
- カテゴリ構造を維持:カテゴリページへのリンク
- パンくずリストの実装:パンくずリストでサイト構造を明示
サイト構造の維持・改善
サイト構造設計の観点から、リニューアルは構造を改善する機会でもあります。
維持すべき点
- 重要なページはトップから2〜3クリック以内
- 論理的なカテゴリ階層
- 関連ページ間の相互リンク
改善の機会
- 深すぎる階層の解消
- 孤立ページの解消
- キーワードカニバリゼーションの解消

テクニカルSEOの確認と維持
robots.txtとnoindexの確認
リニューアル時に最も注意すべきなのが、robots.txtとnoindexの設定です。開発環境の設定が本番に残ってしまい、サイト全体がインデックスから消えるという事故は珍しくありません。
よくある事故パターン
- 開発環境のrobots.txt:「Disallow: /」がそのまま本番に
- WordPressの設定:「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックが入ったまま
- メタタグのnoindex:テンプレートにnoindexが含まれたまま本番公開
確認手順
- robots.txtの確認:https://ドメイン/robots.txt にアクセスして内容を確認
- noindexの確認:主要ページのHTMLソースでnoindexタグがないか確認
- サーチコンソールで確認:URL検査ツールで「インデックス登録可能」と表示されるか確認
正しいrobots.txtの例
User-agent: *
Allow: /
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
XMLサイトマップの更新
リニューアルに合わせてXMLサイトマップを更新します。
更新のポイント
- 新URLへの更新:URL構造が変わった場合、すべてのURLを新URLに更新
- lastmodの更新:リニューアル日時を反映
- 削除ページの除外:削除したページ、noindexにしたページは除外
- リダイレクト元の除外:リダイレクトするURLは含めない
サーチコンソールへの送信
- サーチコンソールにログイン
- 「サイトマップ」メニューを選択
- 新しいサイトマップのURLを送信
- ステータスが「成功」になることを確認
ページ表示速度の維持・改善
リニューアルでデザインを刷新する際、ページ表示速度が悪化するケースが多くあります。
速度悪化の原因
- 大きな画像ファイル:高解像度の画像を最適化せずに使用
- 重いJavaScript:アニメーションやインタラクションの追加
- 外部リソースの増加:フォント、スクリプト、ウィジェットの追加
- CSSの肥大化:新デザインに伴うCSSファイルの増加
速度維持のための対策
- 画像の最適化:サイトの軽量化で解説している圧縮技術を適用
- 遅延読み込み:画像や動画のlazy loading実装
- CSS/JSの最適化:不要なコードの削除、minify化
- CDNの活用:CDN導入で配信を高速化
Core Web Vitalsの確認
Core Web Vitals(LCP、FID、CLS)がリニューアル後も良好な値を維持しているか確認します。
- PageSpeed Insightsで主要ページを測定
- リニューアル前の値と比較
- 悪化している場合は原因を特定し改善
モバイル対応の確認
モバイルフレンドリーは、Googleのランキング要因として非常に重要です。リニューアルでモバイル対応が損なわれていないか確認します。
確認項目
- レスポンシブデザイン:スマートフォンで正しく表示されるか
- タップターゲット:ボタンやリンクが指で押しやすいサイズか
- フォントサイズ:スマートフォンで読みやすいサイズか
- ビューポート設定:viewport metaタグが正しく設定されているか
テスト方法
- Googleの「モバイルフレンドリーテスト」ツール
- Chrome DevToolsのモバイルエミュレーション
- 実機でのテスト(複数デバイス)
HTTPS対応の確認
HTTPSが正しく設定されているか確認します。
確認項目
- SSL証明書:有効期限が切れていないか
- Mixed Content:HTTPSページ内でHTTPリソースを読み込んでいないか
- リダイレクト:HTTPからHTTPSへの301リダイレクトが設定されているか
- canonical:HTTPSのURLがcanonicalに設定されているか
JavaScriptサイトの注意点
リニューアルでReactやVue.jsなどのJavaScriptフレームワークを導入する場合、JavaScriptサイトのSEO対策に特別な注意が必要です。
問題点
- レンダリングの問題:Googlebotがコンテンツを正しく認識できない可能性
- クロールの遅延:JavaScriptのレンダリングに追加のリソースが必要
対策
- SSR(サーバーサイドレンダリング):レンダリング方式を検討
- プリレンダリング:静的HTMLを生成
- ハイブリッドレンダリング:重要なページはSSR、その他はCSR
リニューアル公開時の手順
公開前の最終チェックリスト
URL・リダイレクト
- □ 全ページのURLが正しいか確認
- □ 301リダイレクトが設定されているか確認
- □ リダイレクトが正しく動作するかテスト
- □ リダイレクトチェーンがないか確認
コンテンツ・メタタグ
- □ すべてのコンテンツが移行されているか確認
- □ タイトルタグが設定されているか確認
- □ メタディスクリプションが設定されているか確認
- □ h1タグが各ページに1つあるか確認
- □ 画像のalt属性が設定されているか確認
テクニカルSEO
- □ robots.txtが正しいか確認(Disallow: / がないこと)
- □ noindexタグがないか確認
- □ canonicalタグが正しいか確認
- □ XMLサイトマップが更新されているか確認
- □ 構造化データが実装されているか確認
パフォーマンス
- □ PageSpeed Insightsでスコアを確認
- □ モバイルフレンドリーテストに合格するか確認
- □ HTTPSが正しく設定されているか確認
内部リンク
- □ 内部リンクが正しく機能するか確認
- □ リンク切れ(404)がないか確認
- □ ナビゲーションが正しく機能するか確認
公開のタイミング
避けるべきタイミング
- 繁忙期:ビジネスの繁忙期は避ける
- Googleコアアップデート直後:コアアップデートの影響とリニューアルの影響を切り分けにくい
- 週末・祝日前:問題発生時に対応できない
- 年末年始:サポート体制が手薄な時期
推奨タイミング
- 週の前半(月〜水)の午前中
- 対応スタッフが確保できる日
- モニタリングに十分な時間が取れる時期
公開後の即時確認
公開直後(30分以内)
- サイトが正常に表示されるか:主要ページをブラウザで確認
- HTTPSが機能しているか:証明書エラーがないか確認
- リダイレクトが動作しているか:旧URLにアクセスしてリダイレクトを確認
- フォーム・機能が動作するか:お問い合わせフォーム等をテスト
公開後数時間以内
- サーチコンソールでエラー確認:新たなエラーが発生していないか
- URL検査ツールでインデックス確認:主要ページがインデックス可能か
- アクセス解析の確認:アクセスが正常に計測されているか
リニューアル後のモニタリング
1週間〜1ヶ月のモニタリング
監視項目と頻度
| 項目 | 頻度 | ツール | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 検索順位 | 毎日 | GRC等 | 急激な下落がないか |
| オーガニック流入 | 毎日 | GA4 | 前年同期比・前月同期比で比較 |
| インデックス数 | 週2〜3回 | site:検索 | 急激な減少がないか |
| クロールエラー | 毎日 | サーチコンソール | 404、5xxエラーの増加 |
| Core Web Vitals | 週1回 | サーチコンソール | 悪化していないか |
一時的な順位変動について
リニューアル直後は、一時的に検索順位が変動することがあります。これは正常な現象であり、通常1〜4週間で安定します。
- 許容範囲:10〜20%程度の一時的な変動
- 要注意:30%以上の下落が1週間以上継続
- 緊急対応:主要キーワードが圏外に消失
問題発生時の対処法
問題1:インデックスが激減した
考えられる原因:
- robots.txtでブロックされている
- noindexタグが設定されている
- サーバーエラーが発生している
対処法:
- robots.txtの内容を確認
- 主要ページのHTMLソースでnoindexを確認
- サーチコンソールの「URL検査」でステータスを確認
- 問題を修正後、インデックス登録をリクエスト
問題2:検索順位が大幅に下落した
考えられる原因:
- リダイレクトの設定漏れ
- コンテンツの大幅な変更・削減
- 内部リンク構造の崩壊
- ページ表示速度の悪化
対処法:
- Screaming Frogで旧URLをクロールし、リダイレクトを確認
- コンテンツの変更箇所を特定し、必要に応じて復元
- 内部リンクの状況を確認し、修正
- PageSpeed Insightsで速度を確認し、改善
問題3:404エラーが大量発生
考えられる原因:
- リダイレクト設定漏れ
- 内部リンクの更新漏れ
- 外部からのリンク先が存在しない
対処法:
- サーチコンソールで404ページのURLを確認
- 対応する新URLへの301リダイレクトを設定
- 内部リンクを新URLに更新
問題4:ページ表示速度が悪化した
考えられる原因:
- 画像ファイルサイズの増大
- JavaScript/CSSの増加
- 外部リソースの追加
対処法:
- PageSpeed Insightsで問題点を特定
- 画像圧縮、キャッシュ設定などを実施
- 不要な外部リソースを削除
長期的なモニタリング(1〜3ヶ月)
リニューアル後1〜3ヶ月は、継続的なモニタリングが必要です。
確認項目
- 検索順位がリニューアル前の水準に回復したか
- オーガニック流入が維持または増加しているか
- コンバージョン率に変化がないか
- 新たなSEO課題が発生していないか
改善サイクル
- データを分析し、課題を特定
- 改善施策を実施
- 効果を測定
- 次の改善に活かす
リニューアル時のよくある質問(FAQ)
Q1: リニューアルでデザインだけ変えるなら、SEOに影響はありませんか?
A: デザインのみの変更であれば、SEOへの直接的な影響は少ないです。ただし、以下の点に注意が必要です。①ページ表示速度が悪化していないか、②テキストコンテンツが削減されていないか、③内部リンクが維持されているか、④メタタグが正しく設定されているか。これらを確認し、問題がなければ順位への影響は最小限に抑えられます。
Q2: URL構造を変更したいのですが、SEO評価を維持する方法はありますか?
A: 301リダイレクトを正しく設定することで、SEO評価を引き継ぐことができます。旧URLから新URLへの1対1のリダイレクトを設定し、最低1年間は維持してください。また、サーチコンソールでXMLサイトマップを更新し、主要ページのURL検査を実行することをおすすめします。
Q3: リニューアル後、検索順位が下がりました。いつ頃回復しますか?
A: 正しい対策を行っていれば、通常1〜4週間で順位は安定します。一時的な変動は正常な現象ですが、4週間以上経過しても回復しない場合は、リダイレクト設定、コンテンツの変更、テクニカルな問題などを再確認してください。検索順位が急落した原因と対処法も参考にしてください。
Q4: WordPressから別のCMSに移行したいのですが、注意点は?
A: CMS移行時の最大の注意点はURL構造の維持です。WordPressのパーマリンク構造を新CMSでも再現できるか確認してください。再現できない場合は、すべてのURLに対して301リダイレクトを設定する必要があります。また、メタタグ、構造化データ、XMLサイトマップなど、SEO関連の設定を新CMSでも漏れなく実装してください。
Q5: リニューアルと同時にドメインも変更する場合は?
A: ドメイン変更を伴う場合は、サイト移転・ドメイン変更時のSEOの対策も必要です。サーチコンソールの「アドレス変更」ツールを使用し、旧ドメインから新ドメインへの移転をGoogleに通知してください。可能であれば、リニューアルとドメイン変更は分けて実施することを推奨します。
Q6: 古いページを削除したいのですが、SEOへの影響は?
A: ページを削除する前に、被リンクのチェックを行ってください。被リンクがあるページを削除すると、その評価が失われます。削除する場合は、関連性の高いページに301リダイレクトを設定することで、評価を引き継ぐことができます。被リンクがなく、アクセスもないページであれば、削除またはnoindex化しても影響は少ないです。
Q7: リニューアル時にコンテンツも大幅に見直したいのですが?
A: コンテンツの見直しはリニューアルの良い機会ですが、SEOの観点からは慎重に行う必要があります。検索流入があるページのコンテンツを大幅に変更すると、順位が下落する可能性があります。リライトの形で改善することを推奨します。テキストの核となる部分は維持しつつ、情報の更新、追加を行ってください。
Q8: 制作会社にリニューアルを依頼する際、SEO面で確認すべきことは?
A: 以下の点を制作会社と確認してください。①URL構造の変更有無と、変更する場合の301リダイレクト対応、②メタタグ(タイトル、ディスクリプション)の移行対応、③構造化データの実装、④ページ表示速度への配慮、⑤モバイル対応、⑥公開前のSEOチェックリスト。SEOに精通した制作会社を選ぶか、SEO専門家と連携することを推奨します。
サイトリニューアルのSEOチェックリスト
リニューアル前
現状把握
- □ 検索順位を記録(主要キーワード50〜100個)
- □ オーガニック流入を記録(過去12ヶ月)
- □ インデックス数を記録(site:検索)
- □ 被リンク数・参照ドメイン数を記録
- □ サーチコンソールデータをエクスポート
- □ Core Web Vitalsの値を記録
データ収集
- □ 全URLをクロールしてリスト化
- □ 各ページのメタタグをエクスポート
- □ 内部リンクの状況を把握
- □ 構造化データの実装状況を確認
計画
- □ URLマッピング表を作成
- □ コンテンツの移行・削除計画を策定
- □ 301リダイレクトの設定計画を策定
- □ バックアップを取得
リニューアル実行時
URL・リダイレクト
- □ 301リダイレクトを設定
- □ リダイレクトの動作を確認
- □ リダイレクトチェーンがないことを確認
コンテンツ・メタタグ
- □ 全コンテンツの移行を確認
- □ タイトルタグの設定を確認
- □ メタディスクリプションの設定を確認
- □ h1タグの設定を確認
- □ 画像alt属性の設定を確認
テクニカルSEO
- □ robots.txtを確認(Disallow: / がないこと)
- □ noindexタグがないことを確認
- □ canonicalタグを確認
- □ XMLサイトマップを更新・送信
- □ 構造化データを確認
- □ HTTPSを確認
パフォーマンス・UX
- □ PageSpeed Insightsでスコアを確認
- □ モバイルフレンドリーテストを実施
- □ 内部リンクの動作を確認
- □ リンク切れがないことを確認
リニューアル後
即時確認
- □ サイトの表示を確認
- □ リダイレクトの動作を確認
- □ サーチコンソールでエラーを確認
- □ アクセス解析の動作を確認
1週間〜1ヶ月
- □ 検索順位の推移を監視
- □ オーガニック流入の推移を監視
- □ インデックス数の推移を監視
- □ クロールエラーを監視
- □ Core Web Vitalsを監視
まとめ:計画的なリニューアルでSEO評価を守る
サイトリニューアルは、ビジネスの成長に不可欠な施策ですが、SEOの観点からの配慮なしに進めると、長年築いてきた検索資産を失うリスクがあります。本記事で解説した内容をまとめると、以下のポイントが重要です。
リニューアル成功の5つの原則
- 事前準備を徹底する
- 現状のSEOパフォーマンスを記録
- 全URLのリストとマッピング表を作成
- 完全なバックアップを取得
- URL構造は可能な限り維持する
- URLを変更しないことが最もリスクが低い
- 変更する場合は必ず301リダイレクトを設定
- コンテンツとメタタグを維持・移行する
- テキストコンテンツを安易に削減しない
- タイトル、メタディスクリプション、見出しを移行
- テクニカルSEOを確認する
- robots.txt、noindexの誤設定を防ぐ
- XMLサイトマップを更新
- ページ表示速度、モバイル対応を維持
- リニューアル後のモニタリングを継続する
- 検索順位、流入、インデックス数を監視
- 問題発生時に迅速に対応
今日から始められるアクション
- 現状把握:サーチコンソールとGA4でSEOパフォーマンスを記録
- URL一覧作成:Screaming Frogでサイト全体をクロール
- チェックリスト準備:本記事のチェックリストを活用
- 制作会社との連携:SEO要件を明確に伝え、確認体制を構築
- スケジュール策定:十分な準備期間とモニタリング期間を確保
サイトリニューアルは、テクニカルSEOの知識と、コンテンツSEOの視点の両方が求められる複雑な作業です。SEOとUXを両立させながら、ビジネスの成長につながるリニューアルを実現しましょう。
サイトリニューアルのSEO対策でお困りの方や、リニューアル計画の策定・監修をご希望の方は、ぜひOMNIWEBにご相談ください。豊富なリニューアル支援実績を基に、SEO評価を維持しながらビジネス成果を最大化するリニューアルをサポートいたします。