「ある日突然、検索順位が大幅に下がった」「アクセス数が急激に減少した」——これはSEO担当者にとって最も恐ろしい事態の一つです。
順位急落の原因は様々で、Googleのアルゴリズム変動、手動ペナルティ、技術的な問題など、原因によって対処法が全く異なります。間違った対応をすると、回復までに余計な時間がかかったり、さらに状況が悪化したりする可能性もあります。
本記事では、検索順位が急落した際に原因を正確に特定する方法と、状況に応じた適切な対処法を詳しく解説します。緊急時のチェックリストとしても活用してください。
検索順位が急落する主な原因
まず、検索順位が急落する原因を大きく分類しましょう。
原因1:Googleアルゴリズムのアップデート
Googleは検索アルゴリズムを常に改良しており、大きな変更(コアアップデートなど)が実施されると、多くのサイトの順位が変動します。
主なアルゴリズムアップデートの種類
- コアアップデート:年に数回実施される大規模な順位変動
- ヘルプフルコンテンツアップデート:低品質なコンテンツを評価下げ
- スパムアップデート:スパム行為を行うサイトを対象
- プロダクトレビューアップデート:レビューサイトの品質評価
- リンクスパムアップデート:不自然なリンクへの対処
特徴
- 多くのサイトが同時期に影響を受ける
- 特定の日(アップデート実施日)に順位が変動
- サーチコンソールに手動対策の通知は来ない
原因2:手動対策(手動ペナルティ)
Googleの検索品質チームが、ガイドライン違反を発見した場合に手動で課すペナルティです。
手動対策の対象となる違反例
- 不自然なリンク:購入したリンク、リンクスキーム
- 薄いコンテンツ:独自性のない、価値の低いコンテンツ
- 隠しテキスト・隠しリンク:ユーザーには見えないがクローラーには見えるテキスト
- クローキング:ユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示
- スパム的な構造化データ:虚偽の構造化マークアップ
特徴
- サーチコンソールに通知が届く
- 特定のページまたはサイト全体が対象
- 再審査リクエストで解除を申請できる
原因3:自動ペナルティ(アルゴリズム的な評価下げ)
Googleのアルゴリズムが自動的に検出し、評価を下げるケースです。手動対策と異なり、サーチコンソールには通知が来ません。
自動的に検出される問題例
- 重複コンテンツ
- 低品質な被リンク
- E-E-A-Tの欠如
- ユーザー体験の悪さ(Core Web Vitalsの問題など)
原因4:技術的な問題
サイトの技術的な問題が原因で、Googleがページを正しく認識できなくなるケースです。
よくある技術的問題
- インデックスの問題:ページがインデックスから削除された
- robots.txtの誤設定:クロールをブロックしてしまった
- noindexタグの誤設定:誤ってnoindexを付けた
- サーバーダウン:長時間のダウンでクロールエラー
- リダイレクトの問題:誤ったリダイレクト設定
- サイト移転時のミス:ドメイン変更やリニューアル時の設定ミス
原因5:競合の台頭
自社サイトに問題がなくても、競合サイトがより良いコンテンツを公開したことで相対的に順位が下がることがあります。
特徴
- 緩やかに順位が下がる傾向
- 特定のキーワードだけが影響を受ける
- 自社サイトには問題が見当たらない
原因6:検索意図の変化
Googleが判断する検索意図が変わることで、順位が変動することがあります。
例
「コロナ」というキーワードは、以前は「ビール」や「車」が上位でしたが、2020年以降は感染症関連のページが上位を占めるようになりました。
順位急落時の初動対応:まずやるべきこと
順位が急落したら、まず以下のステップで原因を特定しましょう。
ステップ1:影響範囲を確認する
順位低下の影響範囲を把握することで、原因の目星をつけられます。
確認ポイント
- 特定のページだけか、サイト全体か
- 特定のページ→そのページ固有の問題の可能性
- サイト全体→サイト全体に影響する問題か、アルゴリズム変動
- 特定のキーワードだけか、多くのキーワードか
- 特定のキーワード→検索意図の変化、競合の台頭
- 多くのキーワード→アルゴリズム変動、ペナルティ、技術的問題
- 急激な変化か、徐々にか
- 急激→アルゴリズム変動、技術的問題、ペナルティ
- 徐々に→競合の台頭、コンテンツの陳腐化
ステップ2:サーチコンソールで手動対策を確認
最初に確認すべきは、手動対策(ペナルティ)の有無です。
確認方法
- Googleサーチコンソールにログイン
- 左メニューから「セキュリティと手動による対策」を選択
- 「手動による対策」をクリック
- 「問題は検出されませんでした」と表示されれば手動対策は受けていない
もし手動対策が表示されていれば、その内容に従って対処し、再審査リクエストを送信する必要があります。
ステップ3:Googleアルゴリズムの更新を確認
順位が変動した時期に、Googleのアルゴリズムアップデートがなかったかを確認します。
確認方法
- Google Search Central Blog(公式)
- Google SearchLiaison(公式Twitter/X)
- SEOニュースサイト:SEMrush Sensor、Mozcast、海外・国内のSEOメディア
順位変動のタイミングがアップデート実施日と一致していれば、アルゴリズム変動が原因の可能性が高いです。
ステップ4:技術的な問題を確認
サーチコンソールで、技術的な問題が発生していないかを確認します。
確認すべきレポート
- インデックスカバレッジレポート:
- 「エラー」の数が急増していないか
- 重要なページが「除外」されていないか
- URLの検査ツール:
- 影響を受けたページがインデックスされているか確認
- 「ページはインデックスに登録されています」と表示されるか
- ページエクスペリエンスレポート:
- Core Web Vitalsに問題がないか
- モバイルユーザビリティに問題がないか
ステップ5:自社サイトの変更履歴を確認
順位が下がった時期に、自社サイトで何か変更を行っていないかを確認します。
確認すべき変更
- サイトのリニューアル
- URL構造の変更
- コンテンツの大幅な削除・変更
- robots.txt、.htaccessの変更
- プラグインやテーマのアップデート
- サーバーの移転
- SSL(HTTPS)化
原因別の対処法
原因が特定できたら、適切な対処を行いましょう。
対処法1:アルゴリズム変動の場合
Googleコアアップデートなどのアルゴリズム変動が原因の場合、「修正すべき特定の問題」があるわけではありません。Googleが評価基準を変更したことにより、相対的に順位が変わったのです。
基本的な考え方
Googleは公式に、コアアップデートで順位が下がった場合について、以下のようにアドバイスしています。
「修正すべきものがあるとは限りません。コンテンツに問題がなくても、他のページがより関連性が高いと判断されることがあります。」
具体的な対処アクション
- すぐに大幅な変更を加えない:
- アップデート直後は順位が安定しないことがある
- 2〜4週間程度様子を見る
- コンテンツの品質を見直す:
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を強化
- ユーザーにとって本当に役立つ情報を提供しているか
- オリジナリティがあるか
- 競合サイトを分析:
- 順位が上がったサイトの特徴を分析
- 自社サイトとの違いを把握
- 長期的な改善に取り組む:
- 古いコンテンツのリライト
- ユーザー体験の向上
- より詳細で正確な情報の提供
Google公式の自己診断質問
Googleは、コンテンツの品質を自己診断するための質問リストを公開しています。以下の観点で自社コンテンツを見直しましょう。
- コンテンツは独自の情報、レポート、調査、分析を提供しているか
- トピックを包括的かつ十分に説明しているか
- 当たり前のことを超えた、洞察に満ちた分析や情報を提供しているか
- 他のソースを参照している場合、単なるコピーではなく、付加価値を提供しているか
- ブックマークしたい、友人と共有したい、おすすめしたいと思えるコンテンツか
対処法2:手動対策(ペナルティ)の場合
手動対策を受けている場合、サーチコンソールに具体的な違反内容が表示されます。
手動対策解除の流れ
- 違反内容を確認:サーチコンソールで具体的な問題を把握
- 問題を修正:違反内容に応じた対処を実施
- 再審査リクエストを送信:修正内容を説明して審査を依頼
- 結果を待つ:通常、数日〜数週間で結果が通知される
違反別の対処法
不自然なリンク(自サイトへのリンク)の場合
薄いコンテンツの場合
- 低品質なページを特定
- 内容を充実させるか、noindexを設定
- または該当ページを削除
隠しテキスト・クローキングの場合
- 問題のある記述を削除
- ユーザーと検索エンジンに同じコンテンツを提供
再審査リクエストのポイント
- 具体的に何を修正したかを説明:曖昧な表現は避ける
- 再発防止策を記載:今後同じ違反を繰り返さないための対策
- 誠実な態度:言い訳せず、問題を認めて対処したことを伝える
対処法3:技術的な問題の場合
技術的な問題は、問題を特定して修正すれば比較的早く回復することが多いです。
よくある技術的問題と対処法
- URLの検査ツールで状態を確認
- robots.txtやnoindexの誤設定がないか確認
- 問題がなければ「インデックス登録をリクエスト」
- インデックス再登録の手順に従って対処
robots.txtの誤設定の場合
- robots.txtの内容を確認
- 重要なページをブロックしていないか確認
- 修正してGoogleに再クロールを依頼
リダイレクトの問題の場合
- リダイレクトチェーン(多重リダイレクト)がないか確認
- 302ではなく301リダイレクトを使用しているか確認
- リダイレクト先が正しいか確認
サーバーダウンの場合
- サーバーを復旧
- サーチコンソールでクロールエラーを確認
- 重要なページのインデックス状況を確認
- 必要に応じてインデックス登録をリクエスト
対処法4:競合の台頭の場合
競合サイトの強化が原因の場合、自社サイトのコンテンツを改善して対抗する必要があります。
対処アクション
- 競合サイトを分析:
- 順位が上がったサイトのコンテンツを確認
- 自社サイトとの違いを把握
- コンテンツを強化:
- より詳細で正確な情報を追加
- 最新の情報にアップデート
- オリジナルの調査・データを追加
- 差別化ポイントを作る:
- 競合にない独自の価値を提供
- 専門家の監修、独自の視点など
順位回復までの期間の目安
順位回復にかかる期間は、原因によって大きく異なります。
アルゴリズム変動の場合
- 次のコアアップデートまで:数ヶ月〜半年程度
- コンテンツを改善しても、すぐには反映されないことが多い
- 地道な改善を続けることが重要
手動対策の場合
- 再審査リクエスト後、数日〜数週間で結果が通知
- 解除されれば、比較的早く順位が回復することが多い
- ただし、解除されても元の順位に戻るとは限らない
技術的問題の場合
- 問題修正後、数日〜数週間で回復することが多い
- インデックス再登録が必要な場合、クロール頻度によって変動
- 大規模サイトの場合はより時間がかかることも
競合の台頭の場合
- コンテンツ改善後、数週間〜数ヶ月
- 競合との差を埋めるために継続的な努力が必要
順位急落を防ぐための予防策
順位急落は完全には防げませんが、リスクを軽減することは可能です。
予防策1:常に高品質なコンテンツを作成
E-E-A-Tを意識した、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを継続的に作成・更新しましょう。
- 専門家の監修を受ける
- 一次情報・独自データを含める
- 定期的に情報を更新する
予防策2:ガイドライン違反を避ける
Googleのウェブマスターガイドラインに違反する行為は避けましょう。
予防策3:技術的な問題を定期チェック
サーチコンソールを定期的に確認し、問題を早期発見しましょう。
- 週1回以上は確認する習慣をつける
- インデックスカバレッジレポートでエラーをチェック
- Core Web Vitalsの状態を監視
予防策4:順位を定期的にモニタリング
検索順位のトラッキングを行い、異常があれば早期に対処できる体制を作りましょう。
- 順位計測ツールを導入
- 主要キーワードの順位を毎日確認
- 急激な変動があればアラートを設定
予防策5:被リンクを定期的にチェック
被リンクを定期的にチェックし、不審なリンクがあれば早期に対処しましょう。
- 急激な被リンク増加がないか確認
- 低品質なスパムリンクを特定
- 必要に応じて否認ツールを使用
予防策6:サイト変更時は慎重に
サイトリニューアルやドメイン移転時は、SEOへの影響を十分考慮しましょう。
- URL変更時は適切な301リダイレクトを設定
- 大規模な変更は段階的に実施
- 変更後はサーチコンソールで影響を確認
よくある質問(FAQ)
Q1. 順位が下がったらすぐに対処すべき?
原因によります。手動対策や技術的問題の場合はすぐに対処すべきですが、アルゴリズム変動の場合は焦って大幅な変更を加えない方が良いことが多いです。まずは原因を特定することを優先しましょう。
Q2. アルゴリズム変動後、コンテンツを変更すべき?
すぐに大幅な変更を加える必要はありません。ただし、長期的な視点でコンテンツの品質を高めることは常に重要です。Googleの自己診断質問を参考に、改善点がないかを検討しましょう。
Q3. ペナルティと自動的な評価下げの違いは?
手動対策(ペナルティ)はサーチコンソールに通知が来るため、明確にわかります。一方、自動的な評価下げは通知が来ないため、原因の特定が難しいです。アルゴリズムアップデートのタイミングと照合して判断しましょう。
Q4. 順位回復にどれくらい時間がかかる?
原因によって大きく異なります。技術的問題なら数日〜数週間、手動対策なら再審査後に比較的早く、アルゴリズム変動なら次のアップデートまで数ヶ月かかることもあります。
Q5. 外部からの攻撃(ネガティブSEO)で順位が下がることはある?
理論上はありえますが、Googleは不自然なリンクを自動的に無効化する能力を持っています。ただし、念のため被リンクを定期的にチェックし、不審なリンクが大量に増えていないか確認しましょう。
順位急落時のチェックリスト
最後に、順位急落時に確認すべき項目をチェックリストとしてまとめます。
初動確認
- □ 影響範囲を確認(特定ページか全体か、特定キーワードか全体か)
- □ サーチコンソールで手動対策の有無を確認
- □ Googleアルゴリズムのアップデート情報を確認
- □ サーチコンソールでインデックス状況を確認
- □ 自社サイトの変更履歴を確認
技術的問題の確認
- □ robots.txtに誤設定がないか
- □ noindexタグが誤って設定されていないか
- □ リダイレクトが正しく設定されているか
- □ サーバーに問題がないか
- □ サイト速度(Core Web Vitals)に問題がないか
コンテンツ・リンクの確認
- □ 重複コンテンツがないか
- □ 低品質なコンテンツがないか
- □ 不自然な被リンクがないか
- □ 競合サイトに大きな変化がないか
まとめ
本記事では、検索順位が急落した際の原因特定と対処法について詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめると
- 原因は大きく5つ:アルゴリズム変動、手動対策、自動ペナルティ、技術的問題、競合の台頭
- まずは原因の特定:サーチコンソールの手動対策、アップデート情報、技術的問題を確認
- 手動対策はサーチコンソールで確認できる:通知がなければ手動対策ではない
- アルゴリズム変動は焦って対処しない:長期的な視点でコンテンツ品質を高める
- 技術的問題は早期に修正:比較的早く回復することが多い
- 予防策を講じる:定期的なモニタリングで問題を早期発見
順位急落は焦りを感じる事態ですが、冷静に原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。本記事のチェックリストを活用して、効率的に問題を解決してください。
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