SEO代理店との付き合い方|成果を最大化するためのコミュニケーション術
SEO代理店(SEO会社)に依頼したのに、思ったほど成果が出ない。 あるいは、成果は出ている気がするが「何をしているのか分からない」。 こうした悩みの多くは、SEOの知識不足よりも、コミュニケーション設計の失敗から起きます。
SEOは「一度設定すれば終わり」の施策ではありません。 分析→仮説→実行→検証→改善を回す運用であり、代理店と社内が同じ方向を向けているかどうかで、 成果スピードも再現性も大きく変わります。
本記事では、SEO代理店と“揉めずに”成果を最大化するための、 実務ベースのコミュニケーション術を解説します。 依頼の出し方、定例の設計、レポートの読み方、フィードバックの伝え方、 そして契約やスコープの炎上を防ぐルールまで、社内担当者がそのまま使える形に落とし込みます。
なお、SEOの前提(検索順位が決まる仕組み・何を改善すると評価されるのか)を先に押さえておくと、 代理店との会話が一気に噛み合いやすくなります。 必要に応じて SEO対策の基本|「ホームページ」で検索上位表示させるために必要な3つのこと も参照してください。
最初に結論:SEO代理店と成果が出る会社は「会話の型」を持っている
SEO代理店との付き合い方で重要なのは、相性や人柄ではなく、 合意形成の型です。 成果が出る会社ほど、次の3点が徹底されています。
- 目的(何のためのSEOか)が言語化され、社内外で揃っている
- KPIが「順位」だけでなく、事業成果に接続している
- 依頼・レビュー・改善が回る運用設計(定例/タスク/資料)がある
逆に、成果が出にくい会社は 「月次レポートをもらって終わり」「記事を納品されて終わり」になりがちです。 それだと、改善の打ち手がズレても修正が遅れ、半年後に大きく後悔します。
代理店に依頼する前に決めるべき3つの前提(ここが曖昧だと必ず揉める)
1)目的を「順位」ではなく「成果」に置く
代理店と揉める典型パターンは、 代理店側は順位を追い、社内側は問い合わせや売上を求める、というズレです。 このズレは、途中で修正しようとしても難しく、ストレスが溜まります。
したがって最初に、「何が増えたら成功か」を一文で定義してください。 例としては次のような形が現実的です。
- 自然検索からの問い合わせ(フォーム/電話)を月◯件にする
- 指名検索(社名/サービス名)を◯%増やす
- 特定カテゴリの自然検索流入を◯%伸ばす
「SEOで上位表示」は手段です。手段の合意ではなく、目的の合意がスタートです。
2)期待値を「短期」と「中長期」に分ける
SEOは中長期で効く一方、経営側は短期の成果を求めがちです。 このギャップを埋めるには、SEOと広告を分けて考えるのが現実的です。 短期成果は広告で補い、SEOは中長期資産として積み上げる、という設計です。
この考え方は、 リスティング広告とSEOどっちをやるべき?短期集客と長期資産のバランス戦略 にも通じます。代理店との会話でも、最初にこの前提を共有できると、提案の質が上がります。
3)スコープ(やること/やらないこと)を線引きする
「SEOは全部やってくれると思っていた」が、揉める最大要因です。 SEOには、コンテンツ、内部構造、表示速度、タグ設計、分析、改善提案など複数領域があります。 どこまでが代理店で、どこからが社内(または制作会社)なのかを、契約前に線引きしてください。
例えば、ホームページの契約形態がリースなど特殊な場合、権限や改修範囲で詰むケースがあります。 そうしたリスクは ホームページのリース契約は危険?契約前に絶対確認すべき5つの注意点 の観点がそのまま当てはまります。
成果が出る「情報共有」の作り方:代理店に渡すべき素材リスト
代理店の提案が浅いと感じる場合、代理店側の力量だけでなく、 社内から出ている情報が不足しているケースも多いです。 SEOは顧客理解が命なので、次の素材を最初に渡せると、打ち手が現実的になります。
必ず渡すべき情報
- 主力商品/サービスの粗利・優先順位(全部同列にしない)
- よくある問い合わせ内容・よくある不安・購入を迷う理由
- 競合(比較されやすい会社/サービス)と、勝てるポイント
- 営業/CSが現場で使っているトーク・事例(一次情報)
- 既存サイトの制約(CMS、改修可能範囲、公開フロー)
SEOは「キーワード」ではなく「悩み」を取りにいく施策です。 そのため一次情報(現場の声)があるほど強いコンテンツが作れます。 記事制作を伴う場合は、 ブログ更新はSEOに効果あり?集客できる記事の書き方と更新頻度の目安 のように「読者が知りたい順番」で設計できるかが成果の分かれ目です。
権限・アクセスの共有(ここが遅れると改善が止まる)
最低限、次のアクセス権限の取り扱いを決めてください。 権限が曖昧だと「確認します」「来月対応します」が増え、改善が遅延します。
- Search Console(閲覧/管理)
- GA4(閲覧/編集)
- CMS(投稿/編集/公開の範囲)
- サーバー・DNS・タグ管理(触る/触らないの線引き)
特にサイト構造や回遊の改善をする場合、内部リンクやサイトマップ整備は避けて通れません。 その判断材料として 内部リンクの貼り方完全ガイド|回遊率を高めてSEO評価を底上げするテクニック と サイトマップ(XML/HTML)とは?Googleにページを正しく認識させるSEO設定 の観点を、社内側も最低限共有しておくとスムーズです。
Part1まとめ:代理店は「管理」するのではなく「共同運用」する
SEO代理店との付き合い方は、監督と委託の関係ではなく、共同運用です。 目的・期待値・スコープを揃え、必要情報を出し、改善が回る状態を作る。 この土台ができると、代理店の提案も精度が上がり、社内の納得感も高まります。
次のPart2では、成果を最大化するための「定例」「レポート」「依頼の出し方」を、 そのまま社内で使える型として整理します。
成果を出す定例会の作り方:頻度・議題・資料を固定する
SEO代理店との定例会は、やり方次第で「成果の加速装置」にも「時間の浪費」にもなります。 成果が出る会社は、定例会を“雑談”にしません。 毎回、議題とアウトプットを固定し、改善サイクルを前に進めます。
おすすめ頻度:初期は隔週、安定後は月1(ただし例外あり)
立ち上げ期(0〜3ヶ月)は改善点が多く、隔週が理想です。 3ヶ月以降で改善が型化してきたら月1でも回ります。 ただし、コンテンツを大量に増やすフェーズや大規模改修がある場合は、隔週の方が事故が減ります。
定例の黄金フォーマット(これを固定するとブレない)
- 前回アクションの進捗確認(未完了の理由を短く共有)
- 主要KPIの変化(増減の“理由”に絞る)
- 伸びたページ/落ちたページの要因仮説(2〜3本で十分)
- 次の打ち手(優先順位つきで3〜5件)
- 社内依頼事項(制作/承認/素材提供など)
重要なのは、レポートの数字を読み上げることではなく、 「なぜ増減したか」「次に何をするか」を決めることです。 代理店に“報告係”になってもらうのではなく、“改善係”として動ける設計にします。
レポートの読み方:見るべき数字を「順位」から切り替える
SEOレポートが分かりにくい理由は、数字が多すぎるからではありません。 見るべき順番が決まっていないからです。 ここでは、担当者が最短で判断できる読み方を提示します。
最初に見るべき3つ(この順番が重要)
- 検索クエリの意図:狙っている悩みで表示されているか
- CTR:表示されてもクリックされていないなら、タイトル/訴求がズレている
- 流入後の行動:回遊・問い合わせ導線が弱いなら、ページ内設計がズレている
順位はもちろん重要ですが、順位だけ見ても次の打ち手が決まりません。 CTRや回遊を見て「何を直すか」が決まるようになると、改善が速くなります。
回遊設計で最も効きやすいのが内部リンクです。 記事を増やす前に、既存資産の繋ぎ方を変えるだけで伸びるケースは多いです。 代理店が内部リンクをどう設計しているかを見るときは、 内部リンクの貼り方完全ガイド の考え方がそのまま判断基準になります。
代理店に必ず確認すべき“説明の型”
レポートの数字に対して、代理店が次の3点を説明できるかを見てください。 これができない場合、施策が“作業”になっている可能性が高いです。
- 増減の原因仮説(なぜその変化が起きたか)
- 検証計画(次に何を変えて、何を見るか)
- 優先順位(今月やるべきこと/やらないこと)
SEOは、同時に色々やるほど原因が分からなくなります。 変数を絞って検証する姿勢がある代理店は信頼できます。
依頼の出し方:曖昧な依頼が、曖昧な成果を生む
代理店とのコミュニケーションで、最も成果に直結するのが「依頼の出し方」です。 社内からの依頼が曖昧だと、代理店の提案も曖昧になります。 ここでは、依頼を“仕様”として渡すための型を紹介します。
依頼テンプレ(この5点を揃える)
- 目的:何を改善したいか(例:問い合わせを増やしたい)
- 対象:URL/ページ/カテゴリ(例:このサービスページ)
- 背景:困っている状況(例:流入はあるがCVが弱い)
- 判断基準:成功条件(例:CTR◯%、CVR◯%)
- 制約:社内事情(例:改修は月2回まで、承認に1週間)
これだけで、提案の精度が上がります。 逆に「順位を上げてください」「なんか伸びないです」といった依頼は、 代理店にとっても打ち手が散り、時間も費用も増えます。
制作が絡む依頼は、コスト感も一緒に握る
SEOの改善は、サイト改修やコンテンツ制作が絡みます。 その際、社内の予算感が不明だと、代理店は“無難な提案”に寄りがちです。 目安として、Web全体の費用感(制作費・維持費)を把握しておくと、会話が現実的になります。 例えば ホームページ制作費用の相場【2025年版】 や ホームページ維持費の平均はいくら? の視点は、そのまま「どこまでやるべきか」の判断材料になります。
良いフィードバックの出し方:否定ではなく「観点」を渡す
代理店との関係が悪くなる瞬間は、フィードバックの出し方にあります。 「この内容は微妙です」「もっと良くしてください」だけだと、 代理店側は何を直せばいいか分からず、防衛的になります。
代わりに、次のように“観点”を渡すと、改善が速くなります。
- 読者の不安がまだ解消されていない(例:費用・失敗・比較)
- 一次情報が薄い(例:事例、判断基準、数字がない)
- 導線が弱い(例:次に読むページが自然に繋がっていない)
- 専門用語が多く、初心者に伝わりにくい
コンテンツSEOを回す場合、「読者目線」の共通基準があるほど成果が出ます。 その基準づくりに、社内で ブログ更新はSEOに効果あり? を参考にしておくと、レビューがぶれにくくなります。
Part2まとめ:定例・レポート・依頼の型で“改善速度”が決まる
SEO代理店と成果を出すには、腕の良い代理店を探すだけでは不十分です。 改善サイクルが回る「型」を作り、代理店が改善に集中できる環境を用意する。 これが社内担当者の最重要ミッションです。
次のPart3では、関係を悪化させずに成果を伸ばすための、 トラブル予防(炎上回避)・契約/スコープ管理・NGコミュニケーション・改善加速の実践テクニックを解説し、 最後に内部リンク一覧(番号順)もまとめます。
炎上を防ぐスコープ管理:追加依頼を「善意」で流さない
SEO代理店とのトラブルで多いのが、スコープの曖昧さです。 「ちょっとこれもお願いできますか?」が積み重なると、 代理店側は工数が溢れ、社内側は“やってくれて当たり前”になり、関係が悪化します。
これを防ぐために、追加依頼は必ず次の3点で扱ってください。
- 優先順位:今やるべきか、後でいいかを決める
- 代替:何かをやるなら、何かをやめる(工数は無限ではない)
- 見積:追加が続くなら、月額内か別途かを明確にする
とくにWeb制作が絡む場合、契約形態や権限が原因で改修できないケースもあります。 そうした“後から詰む”リスクは、 ホームページのリース契約は危険? の考え方をSEO運用にも当てはめておくと安全です。
やってはいけないNGコミュニケーション(成果も関係も壊れる)
NG1:数字だけを詰める(改善の会話にならない)
「なぜ順位が上がらないのか」「いつ上がるのか」だけを詰めると、 代理店は守りに入り、説明が抽象的になります。 重要なのは「次に何を変えるか」「何をもって検証するか」です。
NG2:現場情報を出さない(コンテンツの質が上がらない)
顧客が何で悩んでいるか、何で迷うか、何が決め手か。 この情報がないと、記事は“それっぽい一般論”になります。 SEOは一般論の競争になりやすく、差別化ができません。 社内の一次情報を出すことが、最もコスパの良い改善です。
NG3:修正依頼が抽象的(代理店が迷走する)
「もっと良い感じに」「読みにくい」だけでは改善できません。 フィードバックは必ず観点で渡してください。 例:比較軸がない、根拠が弱い、導線が弱い、読者の不安が解消されていない。
NG4:内部リンクや構造を軽視する(積み上げが効かない)
記事を増やしているのに伸びない場合、内部構造が弱いことがよくあります。 特に内部リンクは、評価集約と回遊の両方に効きます。 代理店が内部リンクを“適当に貼る”運用になっていないかは必ず確認してください。 判断基準は 内部リンクの貼り方完全ガイド の観点がそのまま使えます。
成果が伸びる“共同運用”の実践テクニック
1)「勝ち筋のテーマ」を先に決め、横展開する
SEOは、勝ち筋が見えた瞬間に伸びます。 例えば特定の悩みテーマで上位化できたなら、 同じ悩みの周辺(比較、費用、失敗、手順、チェックリスト)へ横展開すると、面で強くなります。 この運用を回すと、代理店の提案もブレにくくなります。
2)内部リンクは「記事同士」ではなく「意思決定の導線」で貼る
読者は、いきなり購入や問い合わせをしません。 不安を潰し、比較し、納得して決めます。 だから内部リンクも、その意思決定の順番に合わせる必要があります。 例えば、SEOの全体像を押さえたい読者には SEO対策の基本 へ自然に誘導し、運用の具体に入りたい読者には ブログ更新の考え方 へ繋ぐ、といった設計です。
3)サイトマップとパンくずは“地味だが効く”土台として扱う
記事が増えるほど、Googleに正しく認識させる土台が重要です。 代理店任せにせず、社内担当者も「何が整っていれば安心か」を押さえておくと、 改修の優先順位がブレません。 その際は パンくずリストとは? と サイトマップ(XML/HTML)とは? を最低限の共通言語にしてください。
4)アクセシビリティ・読みやすさを“SEOの一部”として運用に組み込む
SEOは検索エンジン対策である以前に、ユーザー体験の改善です。 読みやすさ、理解しやすさ、使いやすさが上がると、結果として評価も上がりやすくなります。 この文脈は アクセシビリティ対応の重要性|誰にでも使いやすいウェブサイトがSEOに強い理由 にも整理されています。 代理店に記事制作を依頼する場合も、ここを品質基準として共有すると成果が安定します。
社内担当者が“楽になる”運用ルール(最小セット)
代理店と成果を出しながら、社内担当者の負荷を爆増させないために、 最小限の運用ルールを決めておくと安定します。 以下は、導入のハードルが低く効果が大きいセットです。
- 定例は「前回アクション→要因→次アクション」だけに絞る
- タスクは3〜5件に絞り、優先順位と期限をセットで持つ
- 依頼は「目的/対象/背景/判断基準/制約」の5点で出す
- フィードバックは「観点」で返す(読者の不安、根拠、導線など)
- 追加依頼は優先順位を決め、必要なら見積扱いにする
これだけで、代理店の動き方が変わり、成果の出方も安定します。
まとめ|SEO代理店は“依頼先”ではなく“共同運用のパートナー”にする
SEO代理店との付き合い方で成果が決まる、と言っても過言ではありません。 目的を揃え、期待値を揃え、スコープを揃え、改善サイクルが回る型を作る。 そして社内の一次情報を出し、代理店の提案を“検証できる形”にする。 この積み重ねが、SEOを事業の資産に変えていきます。
今日からできる最初の一歩は、 「次の定例で、増減の理由と次アクションを3つに絞って決める」ことです。 小さく回し、改善速度を上げていきましょう。