SEO/MEO対策

商品・サービス機能の登録:キーワード検索にヒットさせる裏技的設定

はじめに:そこは「メニュー表」ではない。「SEOの弾薬庫」だ

Googleビジネスプロフィール(GBP)の管理画面にある「商品(プロダクト)」と「サービス」の編集項目。
あなたはここを、単なる「デジタル版のメニュー表」だと思って、適当に入力(あるいは放置)していませんか?

はっきり言います。それは非常にもったいない機会損失です。

このセクションは、Googleの検索アルゴリズムに対して「当店は具体的に〇〇という商品(キーワード)を扱っています」と直接アピールできる、数少ない「SEOの弾薬庫」です。
ここを正しくハック(攻略)することで、「地域名+業種」のようなビッグワードだけでなく、「商品名」や「悩み」などのニッチな検索キーワードで、あなたの店をマップ上に表示させることが可能になります。

本記事では、多くのビジネスオーナーが見落としている、検索順位を上げるための「商品・サービス」登録の裏技的テクニックを公開します。


第1章:「商品」と「サービス」の決定的な違い

まず最初に理解すべきは、GBPには「商品」と「サービス」という似て非なる2つの項目があることです。
この使い分けを間違えると、せっかくの入力作業が無駄になります。

1. マップ上での「見え方」が全く違う

項目 商品(プロダクト) サービス
表示形式 画像付きカード(カルーセル)
トップページの一等地に大きく表示される。
テキストリスト
「サービス」タブをタップしないと表示されないことが多い。
訴求力 極めて高い
視覚的にアピールでき、クリック率が高い。
低い(SEO用)
ユーザーの目には留まりにくいが、検索エンジン対策として機能する。

【裏技】サービス業でも「商品」機能を使い倒せ

「うちは整体院だから『商品』はない。すべて『サービス』だ」
そう考えているなら、今すぐ考えを改めてください。

【MEOの鉄則】

形のないサービス業であっても、可能な限り「商品(プロダクト)」として登録してください。

Googleのシステム上、整体のコース、美容室のカットメニュー、コンサルタントの相談プランなども「商品」として登録可能です。
「商品」枠を使えば、トップページに画像付きでメニューを表示でき、スマホ画面の占有率(ファーストビュー)を一気に高めることができます。

競合他社が「サービス」タブに隠してしまっているメニューを、あなたは「商品」タブで堂々とトップページに露出させる。
これだけで、クリック率に雲泥の差が生まれます。


第2章:検索にヒットさせる「商品(プロダクト)」登録術

では、具体的にどのように登録すればSEO(MEO)効果が出るのでしょうか。
ただメニュー名をコピペするだけでは不十分です。

商品名ハック:単なる「Aコース」はNG

商品名(タイトル)は、Googleが最も重要視するキーワードエリアです。
店内のメニュー表と同じ名前である必要はありません。検索されることを意識した名前に変換します。

  • 悪い例:「ランチA」
  • 良い例:「【一番人気】黒毛和牛のハンバーグランチ(スープ・サラダ付)」
  • 悪い例:「骨盤矯正」
  • 良い例:「産後の骨盤矯正コース【腰痛・体型戻し】」

このように、「具体的な素材名」「悩み」「ターゲット」「特徴」を商品名に含めることで、それらのキーワードで検索された時にヒットする確率が格段に上がります。

カテゴリ設定の妙:検索語句をカテゴリ名にする

商品を登録する際、「カテゴリ」を作成できます。
ここも「フード」「ドリンク」といった大雑把な分類ではなく、検索キーワードを意識したカテゴリ名にします。

【検索に強いカテゴリ名の例】

  • 美容室:「カット」ではなく → 「髪質改善・トリートメント」
  • 居酒屋:「料理」ではなく → 「名古屋めし・手羽先」
  • 歯科:「診療案内」ではなく → 「インプラント・ホワイトニング」

こうすることで、カテゴリ単位でのSEO効果が期待でき、ユーザーにとっても「何が得意な店か」が一目で伝わります。

価格表記の心理戦:「〜」をつけるか否か

商品登録には価格設定が必須(一部省略可)ですが、ここにもテクニックがあります。

  • 固定価格の場合: 明確に入力することで、ユーザーの信頼を得られます。
  • 変動がある場合: 最低価格を入力し、説明文に「※状態により変動します」と書くか、「10,000円〜」という表記機能(カテゴリによっては不可)を活用します。

重要なのは、「空白にしない」ことです。
Googleショッピングなどと同様、価格情報が入っている商品はリッチリザルト(詳細な検索結果)に表示されやすくなる傾向があります。

第3章:説明文(詳細)は「ロングテールキーワード」の隠し場所

商品名(タイトル)には文字数制限があり、キーワードを詰め込みすぎると不自然になります。
そこで活躍するのが、最大1,000文字まで入力可能な「商品説明文」です。

1,000文字のスペースをどう使うか

ここは、メインキーワードだけでなく、関連する「悩み」「症状」「利用シーン」「素材」などのロングテールキーワード(複合語)を散りばめるのに最適な場所です。

【整体院の「骨盤矯正」の例】
「産後の腰痛股関節の痛みにお悩みの方へ。当院の骨盤矯正はボキボキしないソフトな施術です。キッズスペース完備赤ちゃんと一緒でも安心して通えます。体型戻しダイエット効果も期待できます。」

このように文章化することで、「産後 腰痛」「整体 赤ちゃん連れ」「整体 ボキボキしない」といった、様々な検索クエリに対してヒットする可能性の種を蒔くことができます。

Googleレンズ対策:写真とキーワードの一致

Googleは現在、画像検索(Googleレンズ)の強化を進めています。
登録した商品写真に写っているものと、説明文の内容が一致していると、GoogleのAIはその商品の信頼性を高く評価します。

例えば「和牛ステーキ」の写真なら、説明文にも「A5ランク」「サシの入り方」「ミディアムレア」といった、視覚情報を補完するキーワードを入れてください。
これにより、ユーザーが画像検索をした際にもあなたの商品が表示されやすくなります。

リンク先(ボタン)はトップページにしてはいけない

商品登録には、任意のURLを設定できるボタン(「詳細」「注文」「予約」など)を設置できます。
ここで多くの人が、全ての商品のリンク先を「公式サイトのトップページ」にしてしまっています。

【CV率を上げる鉄則】

リンク先は、必ず「その商品について詳しく書かれたページ(LP)」または「そのメニューの予約画面」に直接飛ばしてください。

ユーザーは「その商品」に興味を持ってクリックしています。トップページに飛ばされ、そこからまた該当メニューを探させるのはストレス以外の何物でもありません。


第4章:「サービス」機能は音声検索とジャスティフィケーション用

第1章で「商品機能をメインに使え」と言いましたが、「サービス」機能が不要なわけではありません。
こちらは「Googleのデータベース(構造化データ)」として非常に重要な役割を果たします。

「サービス」項目はスマホ検索の「強調表示」に影響する

スマホで検索した際、検索結果のリストに「✔︎ 〇〇を提供」「✔︎ 〇〇あり」といった小さなテキストが表示されることがあります。
これを「ジャスティフィケーション(正当化の根拠)」と呼びます。

サービス欄に登録されたキーワードは、このジャスティフィケーションとして表示される可能性が高く、クリック率を押し上げる要因になります。

メニュー表には載らない「細かい対応」も登録する裏技

サービス欄には、料金が発生するメニューだけでなく、店舗の「機能」や「対応」も登録することをお勧めします。

  • 「ベビーカー入店可」
  • 「車椅子対応」
  • 「英語メニューあり」
  • 「持ち帰り(テイクアウト)対応」
  • 「無料Wi-Fi」

これらを「サービス」として登録しておくと、「近くの 車椅子 カフェ」「近くの Wi-Fi カフェ」といった音声検索(SiriやGoogleアシスタント)が行われた際に、Googleがあなたの店を「回答」として選びやすくなります。


第5章:業種別・登録テンプレート

すぐに使える「商品・サービス」登録のアイデアを業種別にまとめました。

飲食・レストラン

項目 登録例
商品名 【接待・会食】完全個室で楽しむ季節の懐石コース
カテゴリ 接待・記念日コース
説明文KW 顔合わせ、結納、のどぐろ、日本酒ペアリング、静かな個室、喫煙可(専用室)

美容室・サロン

項目 登録例
商品名 【白髪ぼかし】ハイライトで明るく見せるグレイカラー
カテゴリ エイジングケア・白髪染め
説明文KW 脱白髪染め、髪質改善、40代、50代、ダメージレス、ショートカットが得意

歯科・クリニック

項目 登録例
商品名 目立たないマウスピース矯正(インビザライン)
カテゴリ 矯正歯科・歯列矯正
説明文KW 出っ歯、すきっ歯、分割払い可、無料相談、iTero(スキャナー)、子供の矯正

終章:更新頻度が「生きている店」の証明になる

最後に、一つだけ覚えておいてください。
商品・サービス情報は「一度登録したら終わり」ではありません。

季節限定メニューが出たらすぐに追加し、終わったら削除する。
新しい機材を入れたら「サービス」に追加する。

このように情報を頻繁に更新しているビジネスを、Googleは「現在も活発に営業しており、ユーザーに最新情報を提供している優良な店」と判断し、検索順位を優遇します。

今日から、Googleビジネスプロフィールの「商品」タブを、あなたの店の最高のショーウィンドウに育て上げてください。
その細やかな設定の積み重ねが、地域のライバルを出し抜く「最強のSEO対策」となります。

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