「求人広告を出しても応募が来ない…」「採用サイトを作ったけど、誰も見てくれない…」
採用に悩む企業から、こんな声をよく聞きます。求人広告に費用をかけ、採用サイトも立ち上げた。それでも思うように応募が集まらない。何が問題なのか分からない。そんな袋小路に陥っている経営者・採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
実は、問題は「導線」にあることが多いのです。どんなに良い採用サイトを作っても、そこに人が来なければ意味がありません。求人広告から直接採用サイトに誘導するだけでは、「比較検討」の段階で離脱されてしまうことが多いのです。
そこで注目したいのが、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)を「採用導線のハブ」にするという考え方です。求職者は、求人広告を見た後に必ずと言っていいほど「どんな会社か」「どんな店舗か」を調べます。その時に検索されるのが、Googleマップです。
Googleマップで良い印象を持ってもらい、そこから公式の採用ページへ誘導する。この流れを作ることで、採用サイトへの訪問者の「質」が大きく変わります。すでに店舗の雰囲気や働く人の様子を見て「良さそう」と思っている状態で採用サイトを訪れるため、応募率が格段に上がるのです。
この記事では、Googleマップを採用オウンドメディアの「ハブ」として活用し、公式採用ページへの導線を構築する具体的な方法を詳しく解説します。採用に悩むすべての企業・店舗の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
なぜ「採用導線のハブ」が必要なのか
求人広告だけでは「選ばれない」時代
かつては、求人広告を出せば応募が来る時代がありました。しかし、今は違います。求職者は、応募前に徹底的に調べます。
求人広告で気になる会社を見つけた求職者は、以下のような行動を取ります。
- 会社名・店舗名で検索する
- Googleマップで店舗の写真や口コミを確認する
- SNS(Instagram、Twitter、TikTok)をチェックする
- 口コミサイト(転職会議、OpenWorkなど)を見る
- 公式サイト・採用サイトを訪問する
つまり、求人広告は「きっかけ」に過ぎません。応募を決めるのは、その後の「調査」の結果です。調査の結果、「なんか違うな」と思われてしまえば、応募には至りません。
この「調査」の過程で、良い印象を与え続けることが採用成功の鍵なのです。
採用サイトへの「直接誘導」の限界
多くの企業は、求人広告から直接採用サイトへ誘導しようとします。しかし、これには限界があります。
直接誘導の問題点
- 求職者は「まだ信用していない」状態で採用サイトを見る
- 採用サイトの情報だけでは「リアルな姿」が見えない
- 「良いことしか書いていないのでは」という疑念が残る
- 比較対象(他社の求人)がある中で、決め手に欠ける
採用サイトは、いわば「公式発表」です。企業側が伝えたいことが書いてあります。しかし、求職者が知りたいのは「公式発表の裏側」、つまりリアルな姿なのです。
採用サイトだけでは、そのリアルな姿を伝えることができません。だからこそ、「中間地点」としてGoogleマップを活用する価値があるのです。
Googleマップが「中間地点」として最適な理由
なぜGoogleマップを「採用導線の中間地点」として活用すべきなのでしょうか。いくつかの理由があります。
理由1:求職者が必ず見る場所
店舗ビジネスに応募を考えている求職者の大半は、Googleマップをチェックします。「どんな店か」「雰囲気は良さそうか」「口コミはどうか」…。これらを確認するためです。つまり、Googleマップは「必ず通る場所」なのです。
理由2:第三者の声(口コミ)がある
Googleマップには、お客様からの口コミがあります。これは、企業が発信する情報とは異なり、「第三者の声」です。求職者は、この第三者の声を参考にして、店舗の信頼性を判断します。
理由3:リアルな写真がある
Googleマップには、店舗の写真が掲載されています。オーナーが投稿した写真だけでなく、お客様が投稿した写真もあります。「加工されていないリアルな姿」を確認できる場所です。
理由4:投稿機能で最新情報を発信できる
Googleビジネスプロフィールの投稿機能を使えば、採用に関する最新情報を発信できます。スタッフインタビュー、職場の様子、待遇の紹介…。採用サイトとは異なる切り口で情報を伝えられます。
理由5:無料で運用できる
Googleビジネスプロフィールは、無料で利用できます。求人広告のように掲載費用がかかりません。採用サイトのように制作費用もかかりません。コストをかけずに、採用導線を強化できるのです。
「オウンドメディア」という発想
「オウンドメディア」とは、自社で所有・運営するメディアのことです。公式サイト、ブログ、SNSアカウントなどがこれにあたります。
採用においてオウンドメディアを活用する企業が増えています。採用ブログ、社員インタビュー記事、職場紹介動画…。これらを通じて、「自社の魅力を継続的に発信する」取り組みです。
Googleビジネスプロフィールも、「採用オウンドメディア」の一つとして捉えることができます。しかも、検索結果の目立つ位置に表示されるため、他のオウンドメディアよりも「見つけてもらいやすい」という特徴があります。
Googleマップを「ハブ」として、採用サイト、SNS、求人広告を連携させる。これが、これからの採用戦略の基本形です。
MEO対策の基本を理解した上で、採用視点での活用を進めていきましょう。
採用導線の全体像を設計する
求職者の「カスタマージャーニー」を理解する
採用導線を設計するためには、まず求職者がどのような経路をたどって応募に至るかを理解する必要があります。これを「カスタマージャーニー」と呼びます。
求職者のカスタマージャーニー例
- 認知:求人広告、SNS、紹介などで会社・店舗の存在を知る
- 興味:「ちょっと気になる」と思い、詳しく調べ始める
- 調査:Googleマップ、口コミサイト、SNSで情報を収集する
- 検討:採用サイトを見て、応募するかどうかを考える
- 応募:応募フォームから応募する、または電話・メールで問い合わせる
- 選考:面接、適性検査などの選考を受ける
- 入社:内定を承諾し、入社する
このジャーニーの中で、「調査」の段階が非常に重要です。ここで得た印象が、「検討」「応募」に大きく影響するからです。
Googleマップは、この「調査」段階で最も見られるメディアの一つです。だからこそ、ここでの印象形成が重要なのです。
導線の全体設計図
Googleマップを「ハブ」とした採用導線の全体設計図を描いてみましょう。
採用導線の全体像
【入口】
・求人広告(Indeed、タウンワーク、バイトルなど)
・SNS(Instagram、Twitter、TikTok)
・紹介・口コミ
・通りがかり(店舗を見て)
↓
【調査・中間地点】
・Googleマップ(ハブ)
- 写真・動画
- 口コミ・返信
- 投稿(スタッフ紹介、待遇紹介など)
- 基本情報
↓
【詳細情報】
・公式採用ページ
- 募集要項
- 会社紹介
- スタッフインタビュー
- 応募フォーム
↓
【応募・選考】
・応募
・面接
・内定
・入社
この流れの中で、Googleマップが「ハブ」として機能することがポイントです。求人広告やSNSで興味を持った人が、Googleマップで調査し、良い印象を持った上で採用ページに進む。この流れを作ることが目標です。
各メディアの役割を明確にする
採用導線を構築する際は、各メディアの役割を明確にすることが重要です。すべてのメディアで同じ内容を発信するのではなく、役割分担をしましょう。
各メディアの役割
- 求人広告:認知を獲得する。基本的な募集情報を伝える
- SNS:認知を拡大する。カジュアルな情報発信で興味を喚起する
- Googleマップ:信頼を構築する。第三者の声、リアルな写真で安心感を与える
- 採用サイト:詳細情報を提供する。募集要項、会社紹介、応募フォーム
Googleマップの役割は、「信頼の構築」です。求人広告やSNSで興味を持った人に対して、「この会社・店舗は信頼できる」と思ってもらうこと。そのための情報発信を行います。

Googleビジネスプロフィールを採用仕様に最適化する
基本情報の最適化
まずは、Googleビジネスプロフィールの基本情報を、採用視点で最適化しましょう。
確認すべき基本情報
- 店舗名・会社名:正式名称で登録されているか
- 住所:正確か、求職者が来やすいか(アクセス情報も)
- 電話番号:採用専用の番号があれば、そちらを優先
- 営業時間:正確か(求職者の来店時間の参考になる)
- ウェブサイト:採用ページのURLを設定できるか確認
- ビジネスの説明:採用視点での魅力も盛り込む
「ビジネスの説明」には、お客様向けの情報だけでなく、「働く人への魅力」も含めることをおすすめします。例えば、「地域のお客様に愛されるお店を目指しています。スタッフ一同、楽しく働いています」のように、職場の雰囲気が伝わる一文を入れましょう。
写真の最適化
写真は、求職者の印象を大きく左右します。採用視点での写真最適化を行いましょう。
採用に効く写真の例
- スタッフの写真:笑顔で働いている様子、集合写真
- 職場環境の写真:作業場、休憩室、バックヤード
- 研修の様子:新人教育、勉強会
- 社内イベント:懇親会、忘年会、表彰式
- まかない・福利厚生:まかない料理、休憩スペース
MEOで差がつく写真術を参考に、魅力的な写真を撮影しましょう。
研修風景やバックヤードの写真をあえて載せる「信頼の採用MEO」で解説しているように、「裏側」を見せることで信頼感が生まれます。
スタッフの顔出し写真は必要?信頼感を生む「人」を感じさせるビジュアル戦略も参考にしてください。
投稿機能の活用
Googleビジネスプロフィールの投稿機能を、採用情報の発信に活用しましょう。
採用に使える投稿の種類
- スタッフインタビュー:「こんな人が働いています」を紹介
- 待遇紹介:まかない、交通費、シフトの柔軟性など
- 職場の日常:「今日の一コマ」的な投稿
- 研修・成長機会:「こんなスキルが身につきます」
- 募集告知:「スタッフ募集中!」の定期投稿
Googleビジネスプロフィールの「投稿」活用法を参考に、定期的な投稿を心がけましょう。
「どんな人と働くか」が分かるスタッフインタビュー投稿の勧めでは、インタビュー投稿の具体的なやり方を解説しています。
待遇(まかない、交通費)を属性や投稿でアピールするも参考にしてください。
口コミへの対応
お客様からの口コミは、求職者も必ずチェックします。口コミへの返信も、採用視点で意識しましょう。
採用を意識した口コミ返信のポイント
- スタッフを褒める口コミには、感謝とともに「スタッフの成長をサポートしている」姿勢を示す
- ネガティブな口コミには、誠実に対応する姿勢を見せる(これも求職者は見ている)
- 「働きやすい環境づくりに力を入れています」などの一文を自然に盛り込む
口コミ返信から透けて見える「店長の性格」:求職者のチェックポイントで詳しく解説しています。口コミ返信は、経営者・店長の人柄が表れる場所です。求職者は「この人の下で働きたいか」を判断しています。
良質な口コミを増やす秘策も参考に、口コミ対策を進めましょう。

Q&A機能の活用
Googleビジネスプロフィールには、「質問と回答」(Q&A)機能があります。これを採用情報の発信に活用することもできます。
採用に使えるQ&Aの例
- Q:アルバイトは募集していますか?
A:はい、随時募集しています。詳しくは当店の採用ページ(URL)をご覧ください。 - Q:未経験でも応募できますか?
A:はい、未経験の方も大歓迎です。研修制度が充実していますので、安心してご応募ください。 - Q:シフトの融通は利きますか?
A:はい、週1日〜、1日3時間〜OKです。学生さん、主婦の方も多数活躍中です。
Q&Aは、自分で質問を投稿し、自分で回答することも可能です。よくある質問を事前に用意しておくことで、求職者の疑問を先回りして解消できます。
公式採用ページの作り方
採用ページに必要な要素
Googleマップから誘導する先となる公式採用ページには、以下の要素を含めましょう。
必須要素
- 募集要項:職種、雇用形態、勤務時間、給与、待遇など
- 仕事内容:具体的な業務内容、1日の流れ
- 会社・店舗紹介:理念、特徴、強み
- スタッフの声:インタビュー、メッセージ
- 職場の写真:雰囲気が伝わるビジュアル
- 応募方法:応募フォーム、電話番号、メールアドレス
あると良い要素
- 動画:職場紹介動画、スタッフインタビュー動画
- キャリアパス:入社後の成長イメージ
- よくある質問:応募前の疑問を解消
- 選考フロー:応募から入社までの流れ
- アクセス:店舗の場所、最寄り駅からの道順
Googleマップとの連携を意識した設計
採用ページは、Googleマップとの連携を意識して設計しましょう。
連携のポイント
- Googleマップの埋め込み:採用ページに店舗の位置を示すGoogleマップを埋め込む
- 情報の一貫性:Googleビジネスプロフィールと採用ページで、情報に矛盾がないようにする
- 相互リンク:Googleビジネスプロフィールの投稿から採用ページへリンク。採用ページからもGoogleマップの口コミを参照できるように
- 写真の使い回し:Googleビジネスプロフィールに投稿した写真を、採用ページでも活用
求職者がGoogleマップと採用ページを行き来することを想定し、「つながりのある体験」を設計しましょう。
応募のハードルを下げる工夫
採用ページを訪れた人に実際に応募してもらうためには、応募のハードルを下げる工夫が必要です。
応募ハードルを下げる方法
- 応募フォームをシンプルに:必須項目を最小限に。名前、連絡先、希望職種程度で十分
- 複数の応募方法:フォーム、電話、メール、LINEなど、選べるように
- 「見学だけでもOK」の明記:「まずは見学だけでも歓迎です」と書くことで、ハードルを下げる
- レスポンシブ対応:スマートフォンでも応募しやすいデザインに
- 即時返信:応募後すぐに自動返信メールを送り、安心感を与える
特に重要なのは、「見学だけでもOK」という選択肢です。「応募」はハードルが高くても、「見学」なら気軽に来てもらえます。見学に来てもらえれば、職場の雰囲気を直接伝えることができ、応募につながりやすくなります。
採用ページの更新頻度
採用ページは、定期的に更新することが重要です。古い情報のまま放置されていると、「本当に募集しているのか」「この会社は大丈夫か」と不安を与えてしまいます。
更新すべきタイミング
- 募集条件が変わった時(給与、勤務時間など)
- 新しいスタッフが入社した時(インタビューを追加)
- 季節のイベントがあった時(写真を追加)
- 最低でも3ヶ月に1回は何かしらの更新を
「最終更新日」を表示するのも一つの方法です。最近更新されていることが分かれば、「今も積極的に採用している」という印象を与えられます。
Googleマップから採用ページへの導線の作り方
投稿に採用ページへのリンクを含める
最も基本的な導線は、投稿に採用ページへのリンクを含めることです。
投稿文の例
【スタッフ募集中】一緒に働きませんか?
当店では、アルバイトスタッフを募集しています。
・未経験OK
・週1日〜、1日3時間〜OK
・まかない無料
・交通費支給
詳しい募集要項、応募方法は、当店の採用ページをご覧ください。
▼採用情報はこちら
(採用ページのURL)
見学だけでも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
TEL:000-0000-0000
投稿機能には「ボタン」を追加する機能があります。「詳細」「今すぐ電話」などのボタンを設定し、採用ページへの導線を強化しましょう。
「ウェブサイト」欄の活用
Googleビジネスプロフィールには、「ウェブサイト」を登録する欄があります。通常はお店の公式サイトを登録しますが、採用強化期間中は採用ページのURLを登録するという方法もあります。
ただし、この方法はお客様向けの情報提供を優先する場合は適切ではありません。お客様向けの公式サイトと採用ページの両方を持っている場合は、公式サイトを登録した上で、投稿やQ&Aで採用ページへ誘導する方が良いでしょう。
Q&Aでの誘導
Q&A機能を使って、採用ページへの誘導を行うこともできます。
Q&Aの例
Q:求人に応募したいのですが、どこから応募できますか?
A:ご興味をお持ちいただきありがとうございます。当店の採用情報は、以下のページで詳しくご案内しています。
▼採用情報ページ
(採用ページのURL)
見学も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
口コミ返信での誘導
お客様からの口コミに返信する際に、さりげなく採用情報に触れることもできます。ただし、あからさまな宣伝は避け、自然な流れで触れることが重要です。
口コミ返信の例
お客様の口コミ:「スタッフの対応がとても良かったです。また来ます!」
返信:「ありがとうございます。スタッフにとって、お客様からのお褒めの言葉が何よりの励みです。これからもお客様に喜んでいただけるよう、スタッフ一同精進してまいります。ぜひまたお越しください。なお、当店ではスタッフを募集しています。ご興味のある方はお気軽にお声がけください。」
店頭でのQRコード設置
オフラインでの導線も重要です。店頭にQRコードを設置し、Googleマップの投稿や採用ページに誘導しましょう。
QRコード設置場所の例
- 店頭のポスター、看板
- レジ横、カウンター
- トイレ(意外と見られます)
- ショップカード、名刺
- レシート(印刷できる場合)
QRコードは、Googleマップの店舗ページに直接リンクするものと、採用ページに直接リンクするものの両方を用意すると良いでしょう。
SNSとの連携
Instagram・Twitterとの連携
SNS(Instagram、Twitter)も、採用導線の重要な要素です。Googleマップと連携させることで、相乗効果を生み出しましょう。
連携のポイント
- Googleビジネスプロフィールに投稿した内容を、SNSでもシェア
- SNSのプロフィールに、Googleマップへのリンクを設置
- SNSからGoogleマップの口コミを見るよう誘導
- Instagramの「地図検索」を意識した投稿(位置情報を付ける)
InstagramとMEOの親和性|ハッシュタグと地図検索を連動させる運用も参考にしてください。
TikTok・YouTubeとの連携
若年層をターゲットにする場合、動画プラットフォーム(TikTok、YouTube)も有効です。
動画コンテンツのアイデア
- 職場紹介動画(30秒〜1分程度のショート動画)
- スタッフインタビュー動画
- 1日の仕事の流れ(Vlog風)
- まかない紹介動画
- 「あるある」ネタ(業界・職種の共感ネタ)
動画の概要欄やコメントで、Googleマップや採用ページへのリンクを案内しましょう。
求人広告との連携
求人広告(Indeed、タウンワーク、バイトルなど)を出稿している場合は、Googleマップとの連携を意識しましょう。
連携のポイント
- 求人広告に「Googleマップで当店の雰囲気をチェック!」と記載
- 求人広告とGoogleビジネスプロフィールで、情報に一貫性を持たせる
- 求人広告には書ききれない詳細を、Googleマップの投稿で補足
求職者は、求人広告を見た後に必ずGoogleマップを確認します。「求人広告以上の情報」がGoogleマップにあれば、応募の後押しになります。
多店舗展開企業の場合の考え方
各店舗のGoogleビジネスプロフィールを最適化する
多店舗展開している企業の場合、各店舗のGoogleビジネスプロフィールを個別に最適化する必要があります。
店舗ごとの最適化ポイント
- その店舗ならではの写真を掲載(スタッフ、内観など)
- その店舗の募集状況に合わせた投稿
- 各店舗の店長・責任者による口コミ返信
本部一括で管理する情報と、店舗ごとに発信する情報を切り分けましょう。
本部の採用サイトと店舗ページの連携
多店舗展開企業の場合、本部の採用サイトと各店舗のページの連携が重要です。
連携の構造例
- 本部の採用サイト:会社全体の紹介、企業理念、全店舗の募集一覧
- 各店舗のページ:その店舗の紹介、スタッフ、募集要項
- 各店舗のGoogleビジネスプロフィール:各店舗のページへリンク
求職者が「この店舗で働きたい」と思った場合、その店舗の詳細情報にスムーズにたどり着けるようにしましょう。
店舗間での差の見せ方
チェーン店の場合、店舗によって雰囲気が異なることがあります。これを「個性」として見せることで、求職者の選択肢を増やすことができます。
店舗の個性を見せるポイント
- 各店舗のスタッフ写真を掲載し、「人」の違いを見せる
- 各店舗の店長からのメッセージを掲載
- 店舗ごとの「自慢」を投稿(まかないが美味しい、チームワークが良いなど)
「チェーン店だからどこも同じ」ではなく、「この店舗で働きたい」と思わせることが目標です。
効果測定と改善
測定すべき指標
採用導線の効果を測定するために、以下の指標を確認しましょう。
Googleビジネスプロフィールの指標
- プロフィールの閲覧数
- 投稿の閲覧数
- ウェブサイトへのクリック数
- 電話のクリック数
- ルート検索数
採用ページの指標
- ページビュー数
- 流入元(Googleマップ経由の割合)
- 滞在時間
- 応募フォームの送信数
- 応募率(訪問者数に対する応募数の割合)
採用活動の指標
- 応募数
- 応募経路の内訳(Googleマップ経由、求人広告経由など)
- 面接設定率
- 内定承諾率
- 入社後の定着率
これらの指標を定期的に確認し、改善のヒントを見つけましょう。
改善のPDCAサイクル
効果測定の結果を踏まえて、PDCAサイクルを回しましょう。
Plan(計画)
- 今月の投稿計画を立てる
- 強化するポイントを決める(写真、投稿内容、導線など)
- 目標数値を設定する
Do(実行)
- 計画に沿って投稿する
- 写真を追加する
- 口コミに返信する
Check(評価)
- 指標を確認する
- 目標との差を分析する
- うまくいった点、いかなかった点を振り返る
Action(改善)
- 反応の良かった施策を継続する
- 反応の悪かった施策は改善または中止する
- 新しいアイデアを試す
応募者へのヒアリング
最も貴重な情報源は、実際に応募してきた人の声です。面接時や入社後に、以下のことをヒアリングしましょう。
ヒアリング項目
- 当社のことは何で知りましたか?
- 応募前にGoogleマップは見ましたか?
- Googleマップで印象に残ったことはありますか?
- 採用ページは見ましたか?
- 応募の決め手は何でしたか?
この情報を蓄積することで、「どの施策が効いているか」が見えてきます。

よくある失敗と対策
失敗1:Googleマップと採用ページの情報が矛盾している
Googleマップと採用ページで、情報に矛盾があると、求職者は不信感を抱きます。
矛盾の例
- Googleマップには「週1日〜OK」と書いてあるのに、採用ページには「週3日以上」と書いてある
- Googleマップの写真は古く、採用ページの写真は新しい(または逆)
- Googleマップでは「まかない無料」とアピールしているのに、採用ページには記載がない
対策
- 定期的に両方の情報を確認し、一貫性を保つ
- 情報を更新する際は、両方を同時に更新する
- 担当者を決め、情報の管理を一元化する
失敗2:投稿が一方通行で反応がない
投稿しても、求職者からの反応(問い合わせ、応募)がない場合があります。
原因の例
- 投稿内容が求職者のニーズと合っていない
- 導線が不明確(どこから応募すればいいか分からない)
- 投稿頻度が低く、目に留まらない
対策
- 求職者が知りたい情報(待遇、職場の雰囲気、人間関係)を発信する
- すべての投稿に、応募方法(電話番号、採用ページURL)を明記する
- 投稿頻度を上げる(最低週1回)
失敗3:採用ページが見つからない・使いにくい
Googleマップで興味を持っても、採用ページが見つからない・使いにくいと、応募につながりません。
問題の例
- 公式サイトのどこに採用情報があるか分からない
- 採用ページがスマートフォンに対応していない
- 応募フォームの入力項目が多すぎる
対策
- 公式サイトのトップページに「採用情報」へのリンクを目立つように設置
- 採用ページをスマートフォン対応(レスポンシブ)にする
- 応募フォームはシンプルに(名前、連絡先、希望職種程度)
失敗4:更新が止まっている
Googleビジネスプロフィールも採用ページも、更新が止まっていると、「本当に募集しているのか」と不安を与えます。
対策
- 投稿は最低週1回を目標に
- 採用ページは最低3ヶ月に1回は更新
- 更新を担当する人を明確にし、スケジュールを決める
- 「更新日」を表示して、最新であることを示す
まとめ:Googleマップを「採用のハブ」に
ここまで、Googleマップを採用オウンドメディアの「ハブ」として活用し、公式採用ページへの導線を構築する方法を詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
求職者は必ずGoogleマップを見ている
店舗ビジネスに応募を考えている求職者の大半は、Googleマップをチェックしています。お客様からの口コミ、店舗の写真、投稿…。これらを見て、「ここで働きたいか」を判断しています。
Googleマップは、求職者が「必ず通る場所」です。ここでの印象が、応募を左右します。
Googleマップは「信頼の構築」の場
採用導線の中で、Googleマップの役割は「信頼の構築」です。求人広告やSNSで興味を持った人に対して、「この会社・店舗は信頼できる」と思ってもらう。そのための情報発信を行う場所です。
第三者の声(口コミ)、リアルな写真、継続的な投稿…。これらを通じて、信頼を積み重ねましょう。
採用ページへの導線を明確に
Googleマップで信頼を構築した後は、公式採用ページへ誘導します。投稿に採用ページへのリンクを含める、Q&Aで案内する、口コミ返信でさりげなく触れる…。複数の導線を用意しましょう。
採用ページでは、詳細な募集要項、会社紹介、スタッフの声を提供し、応募のハードルを下げる工夫を行います。
継続的な運用が成功の鍵
採用導線は、一度作って終わりではありません。継続的な運用が成功の鍵です。定期的に投稿し、口コミに返信し、採用ページを更新する。この積み重ねが、採用力を高めていきます。
PDCAサイクルを回し、効果測定と改善を繰り返しましょう。
今日からできること
「やることが多くて大変そう」と感じた方は、以下の3ステップから始めてみてください。
- Googleビジネスプロフィールの現状を確認:写真、投稿、口コミの状況をチェック
- 採用に関する投稿を1つ作成:スタッフ紹介、待遇紹介など、何でもOK
- 投稿に採用ページ(または問い合わせ先)へのリンクを含める:導線を作る
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは1つ、採用に関する投稿を出すことから始めましょう。
Googleマップは「無料の採用資産」
Googleビジネスプロフィールは、無料で利用できる採用ツールです。求人広告のように掲載費用がかかりません。しかも、検索結果の目立つ位置に表示されるため、多くの求職者の目に留まります。
この「無料の採用資産」を活用しない手はありません。MEO対策の基本と組み合わせて、集客にも採用にも効くGoogleビジネスプロフィールの運用を目指しましょう。
Googleマップを「ハブ」にした採用オウンドメディア戦略で、「選ばれる企業・店舗」を目指してください。良い人材との出会いは、良いビジネスの土台です。今日から、採用導線の構築を始めましょう。