「動画編集を外注したいけど、制作会社に頼むほどの予算はない」
「クラウドソーシングで探したいけど、どうやって良いクリエイターを見つければいいのか分からない」
「格安で依頼できるのは魅力的だけど、品質やトラブルが心配」
企業の動画活用が当たり前になった今、こうした悩みを抱える担当者が増えています。YouTube運用、SNS投稿、採用動画、商品紹介動画など、動画を活用したい場面は数多くありますが、すべてを制作会社に依頼すると費用がかさんでしまいます。
そこで注目されているのが、ランサーズ、クラウドワークス、ココナラといったクラウドソーシングサービスです。これらのプラットフォームを活用すれば、制作会社に依頼するよりも大幅にコストを抑えて動画編集を外注できます。
しかし、クラウドソーシングには特有のリスクや注意点があるのも事実です。クリエイターの質にばらつきがあり、契約トラブルや納品遅延、著作権問題などに巻き込まれるケースも少なくありません。
本記事では、クラウドソーシングで動画編集を依頼する際の注意点と、良いクリエイターを見極めるためのポイントを徹底解説します。初めてクラウドソーシングを利用する方も、過去に失敗経験がある方も、ぜひ最後までお読みください。
クラウドソーシングで動画編集を依頼するメリット・デメリット

まずは、クラウドソーシングで動画編集を依頼することのメリットとデメリットを整理しておきましょう。これらを理解したうえで、自社に合った依頼方法を選ぶことが重要です。
クラウドソーシングのメリット
1. コストを大幅に抑えられる
クラウドソーシング最大のメリットは、制作会社に依頼するよりも大幅にコストを抑えられることです。
動画編集の費用相場【2026年版】1本あたりの単価から月額制まで比較でも解説していますが、一般的な相場感は以下の通りです。
・制作会社に依頼:5万円〜50万円以上
・クラウドソーシング:5,000円〜3万円程度
同じ内容の編集作業でも、クラウドソーシングを利用すれば1/3〜1/10程度のコストで依頼できることがあります。特に、定期的に動画を制作する必要がある場合、このコスト差は非常に大きなインパクトになります。
2. クリエイターの選択肢が豊富
クラウドソーシングプラットフォームには、数万人規模のクリエイターが登録しています。これだけの選択肢があれば、自社のニーズに合ったクリエイターを見つけやすくなります。
・特定のジャンル(YouTube、TikTok、企業VPなど)に特化したクリエイター
・特定の業界(飲食、美容、不動産など)の経験が豊富なクリエイター
・特定の編集スタイル(シネマティック、ポップ、ミニマルなど)を得意とするクリエイター
制作会社の場合、その会社の得意分野や作風に合わせる必要がありますが、クラウドソーシングであれば、案件ごとに最適なクリエイターを選ぶことができます。
3. 対応のスピードが早いことが多い
フリーランスのクリエイターは、制作会社と比べて意思決定が早い傾向にあります。問い合わせへの返信も早く、急ぎの案件にも柔軟に対応してもらえることが多いです。
また、複数のクリエイターに同時に相談できるため、スケジュールが合うクリエイターを素早く見つけることも可能です。
4. 小規模な案件でも依頼しやすい
制作会社の場合、「1本5万円以上」「最低発注金額あり」といった条件が設定されていることがあります。しかし、クラウドソーシングであれば、数千円からの小規模な案件でも依頼可能です。
「試しに1本だけ作ってみたい」「SNS用の短い動画を気軽に依頼したい」といったニーズにも対応しやすいのが特徴です。
クラウドソーシングのデメリット
1. クリエイターの質にばらつきがある
クラウドソーシング最大のリスクは、クリエイターの質にばらつきがあることです。プロとして長年活動しているベテランから、副業で始めたばかりの初心者まで、さまざまなレベルのクリエイターが混在しています。
ポートフォリオを見て「良さそう」と思っても、実際に依頼してみると期待通りの品質が得られないケースがあります。
2. コミュニケーションコストがかかる
制作会社には、ディレクターやプロデューサーといった「クライアントの意図を汲み取る」専門の人材がいます。しかし、フリーランスのクリエイターは編集作業には長けていても、コミュニケーション面では経験が浅いことがあります。
・指示の意図を正しく理解してもらえない
・確認や質問への回答が遅い
・報告・連絡・相談が不十分
こうした問題が発生すると、想定以上のコミュニケーションコストがかかり、結果的に時間と労力が増えてしまいます。
3. トラブル発生時のリスク
クラウドソーシングでは、以下のようなトラブルが発生することがあります。
・納期が守られない
・連絡が取れなくなる(いわゆる「飛ばれる」)
・著作権フリーでない素材を使用される
・納品物の著作権をめぐるトラブル
・契約内容に関する認識のズレ
実際にあった「動画編集の外注トラブル」5選|契約書で防ぐべき著作権と秘密保持では、具体的なトラブル事例と対策を紹介しています。
4. 長期的な関係構築が難しい
クラウドソーシングで見つけたクリエイターは、いつ活動を辞めてしまうか分かりません。良いクリエイターを見つけても、継続的に依頼できる保証はありません。
また、フリーランスは個人で活動しているため、急病やプライベートの事情で対応できなくなるリスクもあります。
クラウドソーシングが向いているケース・向いていないケース
メリット・デメリットを踏まえ、クラウドソーシングが向いているケースと向いていないケースを整理します。
クラウドソーシングが向いているケース
・予算を抑えたい場合
・シンプルな編集(カット、テロップ、BGM追加程度)で十分な場合
・YouTube投稿用やSNS投稿用など、カジュアルな動画の場合
・試しに1〜2本作ってみたい場合
・複数のクリエイターを試して、相性の良い人を見つけたい場合
クラウドソーシングが向いていないケース
・高品質な動画(会社紹介、採用動画、ブランドムービーなど)が必要な場合
・撮影も含めた大規模なプロジェクトの場合
・機密性の高い情報を扱う場合
・長期的な継続依頼を前提としている場合
・コミュニケーションに手間をかけたくない場合
失敗しない動画編集会社の選び方|実績・納期・修正回数のチェックポイントでは、制作会社を選ぶ際のポイントを解説していますので、クラウドソーシングと比較検討する際の参考にしてください。
主要なクラウドソーシングプラットフォームの特徴と比較
動画編集を依頼できるクラウドソーシングプラットフォームは複数あります。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合ったプラットフォームを選びましょう。
ランサーズ
ランサーズは、日本最大級のクラウドソーシングプラットフォームの一つです。
特徴
・登録クリエイター数が多い
・「認定ランサー」制度があり、一定の実績があるクリエイターを見分けやすい
・コンペ形式で複数のクリエイターから提案を受けられる
・エスクロー(仮払い)システムで、報酬の支払いが保証される
動画編集の相場感
・簡単な編集(5分程度):5,000円〜15,000円
・標準的な編集(5分程度):15,000円〜30,000円
・高品質な編集:30,000円〜
向いているケース
・幅広い選択肢の中からクリエイターを選びたい場合
・コンペ形式で複数の提案を比較したい場合
・ある程度の品質を担保したい場合(認定ランサーを選べる)
クラウドワークス
クラウドワークスも、ランサーズと並ぶ国内最大級のクラウドソーシングプラットフォームです。
特徴
・案件の掲載数が多い
・「プロクラウドワーカー」認定制度がある
・タスク形式、プロジェクト形式、コンペ形式など、複数の依頼方式を選べる
・法人向けの「クラウドワークス エンタープライズ」もある
動画編集の相場感
・簡単な編集(5分程度):5,000円〜15,000円
・標準的な編集(5分程度):15,000円〜30,000円
・高品質な編集:30,000円〜
向いているケース
・多くのクリエイターにアプローチしたい場合
・法人としてしっかり契約管理したい場合
・継続的な依頼を前提としている場合
ココナラ
ココナラは、「スキルのフリマ」をコンセプトとしたプラットフォームです。他のサービスとは異なり、クリエイター側が自分のサービス(出品)を掲載し、依頼者がそれを購入する形式です。
特徴
・クリエイターのサービス内容と料金が明確
・購入者のレビュー・評価が見やすい
・比較的低価格なサービスが多い
・気軽に依頼しやすい
動画編集の相場感
・簡単な編集(5分程度):3,000円〜10,000円
・標準的な編集(5分程度):10,000円〜20,000円
・高品質な編集:20,000円〜
向いているケース
・とにかく低コストで依頼したい場合
・サービス内容と料金を事前に明確にしたい場合
・小規模な案件(SNS用の短い動画など)を依頼したい場合
VideoWorks(ビデオワークス)
VideoWorksは、動画制作に特化したクラウドソーシングプラットフォームです。
特徴
・動画制作に特化しているため、専門性の高いクリエイターが多い
・運営側がクリエイターの審査を行っている
・企業向けの案件管理機能が充実
・ディレクターのアサインも可能
動画編集の相場感
・一般的なクラウドソーシングよりやや高め
・編集のみ:20,000円〜
・撮影+編集:50,000円〜
向いているケース
・動画制作の専門性を求める場合
・品質を重視したい場合
・ある程度の予算を確保できる場合
プラットフォーム選びのポイント
どのプラットフォームを選ぶかは、以下の観点で検討しましょう。
予算重視の場合
ココナラ、クラウドワークス、ランサーズの順で低価格なサービスが見つかりやすい傾向にあります。
品質重視の場合
VideoWorks、またはランサーズ・クラウドワークスの認定クリエイターを選ぶことをおすすめします。
手軽さ重視の場合
ココナラは、サービス内容と料金が明確で、気軽に依頼しやすい設計になっています。
動画編集の外注プラットフォーム比較|ランサーズ・クラウドワークス・ココナラの特徴では、各プラットフォームの詳細な比較を行っていますので、併せて参考にしてください。
良いクリエイターを見極めるための7つのチェックポイント
クラウドソーシングで動画編集を依頼する際、最も重要なのは「良いクリエイターを見極めること」です。以下の7つのチェックポイントを押さえておけば、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
チェックポイント1:ポートフォリオの質と量
クリエイターを選ぶ際、最初に確認すべきはポートフォリオ(過去の制作実績)です。
確認すべきポイント
1. 作品の質
・映像のクオリティは高いか
・テロップやエフェクトは見やすいか
・BGMや効果音の使い方は適切か
・全体的な構成は分かりやすいか
2. 作品の量
・十分な数の作品が公開されているか
・最近の作品はあるか(更新頻度)
3. 自社のニーズとの適合性
・自社が作りたいジャンルの動画はあるか
・自社が好む編集スタイルに近いか
・自社の業界に近い実績はあるか
ポートフォリオがない、または極端に少ないクリエイターは、経験が浅い可能性があります。最低でも5〜10本程度の作品を確認できるクリエイターを選ぶことをおすすめします。
チェックポイント2:評価・レビューの内容
クラウドソーシングプラットフォームでは、過去の取引に対する評価・レビューが公開されています。これは、クリエイターの実力やコミュニケーション力を判断する重要な材料です。
確認すべきポイント
1. 総合評価
・平均評価は4.5以上が望ましい
・評価件数が一定数(10件以上)あるか
2. レビューの内容
・「丁寧な対応だった」「コミュニケーションがスムーズだった」といったポジティブな記載
・「納期が遅れた」「連絡が遅い」といったネガティブな記載がないか
・具体的なエピソードが書かれているか(定型文ばかりでないか)
3. 低評価の内容
・低評価がある場合、その理由を確認
・クリエイターの責任による問題か、依頼者側の問題か
・クリエイターがどのように対応したか(返信内容を確認)
評価が高いだけでなく、レビューの内容をしっかり読むことで、そのクリエイターの傾向を把握できます。
チェックポイント3:プロフィールの充実度
クリエイターのプロフィールは、その人の姿勢や専門性を判断する材料になります。
確認すべきポイント
1. 自己紹介の内容
・経歴や実績が具体的に書かれているか
・得意分野や専門領域が明確か
・対応可能な範囲が明記されているか
2. スキル・使用ツール
・使用している編集ソフト(Premiere Pro、Final Cut Pro、DaVinci Resolveなど)
・対応可能なフォーマット(YouTube、TikTok、Instagram、企業VPなど)
・その他のスキル(撮影、アニメーション、ナレーションなど)
3. 対応条件
・稼働時間、レスポンス速度
・修正対応の方針
・納品までの標準的な期間
プロフィールが充実しているクリエイターは、仕事に対する姿勢が真剣であることが多いです。逆に、プロフィールがほとんど空白のクリエイターは、経験が浅いか、仕事に対する意識が低い可能性があります。
チェックポイント4:コミュニケーションの質
依頼前のやり取りを通じて、そのクリエイターのコミュニケーション力を確認しましょう。
確認すべきポイント
1. レスポンスの速度
・問い合わせに対して、どのくらいの速度で返信があるか
・24時間以内に返信がない場合は要注意
2. 返信の内容
・質問に対して的確に回答しているか
・こちらの意図を正しく理解しているか
・不明点があれば確認してくれるか
3. 提案力
・こちらの要望に対して、より良い提案をしてくれるか
・専門家としての知見を共有してくれるか
良い編集者は「質問」で分かる!優秀なクリエイターを見極めるための逆質問リストでは、クリエイターの質を見極めるための質問テクニックを紹介しています。
チェックポイント5:料金設定の妥当性
料金が安すぎる場合も高すぎる場合も、注意が必要です。
確認すべきポイント
1. 相場との比較
・相場と比較して極端に安い場合は、品質やサービスに問題がある可能性
・相場と比較して高い場合は、その理由を確認(スキル、実績、付加価値など)
2. 料金に含まれる内容
・何が基本料金に含まれているか
・修正回数は何回までか
・BGMや効果音は含まれるか
・サムネイル作成は含まれるか
3. 追加料金の条件
・どのような場合に追加料金が発生するか
・追加料金の金額は明確か
動画編集の「見積もり」で見るべき項目|追加料金が発生しやすいケースでは、見積もりの確認ポイントを詳しく解説しています。
チェックポイント6:対応可能な範囲
クリエイターによって、対応可能な範囲は異なります。自社のニーズに対応できるかどうかを確認しましょう。
確認すべきポイント
1. 対応可能なフォーマット
・YouTube(横型16:9)
・TikTok、Instagram Reels、YouTubeショート(縦型9:16)
・Instagram投稿(正方形1:1)
・企業VP、広告動画
2. 対応可能な編集内容
・カット編集
・テロップ・字幕
・BGM・効果音
・カラーグレーディング
・アニメーション・モーショングラフィックス
・サムネイル作成
3. 対応可能な納期
・標準的な納期
・特急対応の可否
4. その他の対応
・機密保持契約(NDA)への対応
・請求書払い対応
・Zoomなどでの打ち合わせ対応
チェックポイント7:長期的な関係構築の可能性
継続的に動画制作を行う予定がある場合は、長期的な関係を構築できるかどうかも重要なポイントです。
確認すべきポイント
1. 活動の継続性
・フリーランスとしての活動歴はどのくらいか
・本業としてやっているか、副業か
・今後も活動を続ける予定か
2. キャパシティ
・月にどのくらいの案件を受けられるか
・繁忙期でも対応可能か
3. 成長意欲
・新しいスキルの習得に積極的か
・トレンドをキャッチアップしているか
外注クリエイターの育て方:長く付き合える「パートナー」を見極めるための最初の発注法では、長期的な関係を構築するためのポイントを解説しています。
依頼前に準備すべきこと
良いクリエイターを見つけても、依頼の仕方が悪ければ、期待通りの成果は得られません。スムーズな制作進行のために、依頼前にしっかりと準備を行いましょう。
動画の目的と活用場所を明確にする
最も重要なのは、動画の目的と活用場所を明確にすることです。
明確にすべき項目
1. 動画の目的
・認知拡大・ブランディング
・集客・リード獲得
・採用・人材獲得
・教育・研修
・社内コミュニケーション
2. 活用場所
・YouTube
・TikTok、Instagram Reels、YouTubeショート
・自社Webサイト
・SNS広告(Instagram、Facebook、Twitter)
・展示会、セミナー
・社内共有
3. ターゲット視聴者
・年齢層
・性別
・職業・業種
・興味・関心
これらが明確になっていれば、クリエイターも編集の方向性を理解しやすくなります。ビジネス動画の「構成」の作り方|編集前に決めておくべき5つのポイントも参考にしてください。
参考動画を用意する
「こんな感じの動画を作りたい」というイメージを伝えるために、参考動画を用意しておくことをおすすめします。
参考動画を探す方法
・YouTube、TikTok、Instagramで自社の業界や競合他社の動画を検索
・依頼予定のクリエイターのポートフォリオから気に入った作品を選ぶ
・Vimeoなどでプロのクリエイターの作品を探す
伝えるべきポイント
・「この動画のテロップのデザインが好き」
・「このBGMの雰囲気が良い」
・「このテンポ感で編集してほしい」
・「このカラーグレーディングが好み」
参考動画を具体的に示すことで、言葉だけでは伝えにくいニュアンスを共有できます。
素材を整理しておく
編集に必要な素材は、事前に整理しておきましょう。素材の準備が不十分だと、編集作業の遅延や追加料金の発生につながります。
準備すべき素材
・撮影データ(動画ファイル)
・使用したい画像・写真
・会社ロゴ(高解像度、背景透過版)
・テロップ原稿(話している内容の文字起こしなど)
・BGMの指定(使いたい曲があれば)
・参考資料(商品情報、会社情報など)
素材を渡す際のポイント
・ファイル名を分かりやすく(「インタビュー_社長.mp4」など)
・使ってほしいカットと使わなくていいカットを明示
・フォルダ構成を整理してから送付
・大容量データはギガファイル便やGoogleドライブを活用
動画編集の外注コストを「1/3」にするための、上手な素材提供と指示書の書き方では、素材の準備について詳しく解説しています。
指示書(ディレクションシート)を作成する
クリエイターに依頼する際は、指示書を作成することをおすすめします。指示書があることで、認識のズレを防ぎ、修正回数を減らすことができます。
指示書に含めるべき内容
・動画の目的
・ターゲット視聴者
・活用場所とフォーマット(縦型/横型、尺など)
・参考動画とその理由
・必ず入れてほしい要素
・避けてほしい要素
・テロップの雰囲気(フォント、色など)
・BGMの雰囲気
・納期
修正回数をゼロにする!動画編集の「絵コンテ」と「指示書」の正しい書き方では、効果的な指示書の作成方法を解説しています。
予算と納期の余裕を確保する
予算と納期には、ある程度の余裕を持たせておくことをおすすめします。
予算の余裕
・修正対応や追加作業が発生した場合に備え、見積もり金額の10〜20%程度の予備費を確保
・追加料金が発生しそうな項目を事前に確認し、予算に含める
納期の余裕
・最終的に必要な日から逆算して、1週間程度の余裕を持つ
・社内確認や修正対応の時間を考慮する
契約・発注時の注意点
クラウドソーシングでは、契約や発注に関するトラブルが発生しやすい傾向にあります。以下のポイントに注意して、トラブルを未然に防ぎましょう。
契約内容を明確にする
口頭やチャットでのやり取りだけでなく、契約内容を明確に文書化しておくことが重要です。
明確にすべき契約内容
1. 作業範囲
・具体的にどのような編集作業を行うか
・含まれる作業と含まれない作業の境界
2. 成果物
・納品物のフォーマット(mp4、mov、解像度など)
・納品方法(ファイル転送サービス、クラウドストレージなど)
3. 料金
・基本料金の金額
・支払い条件(前払い、後払い、分割など)
・追加料金の条件と金額
4. 納期
・初稿の提出日
・最終納品日
・遅延時の対応
5. 修正対応
・修正回数の上限
・修正の範囲(軽微な修正と大幅な変更の定義)
・修正超過時の追加料金
著作権の帰属を確認する
動画編集において、著作権は非常に重要な問題です。トラブルを防ぐために、以下の点を事前に確認・合意しておきましょう。
確認すべき著作権関連事項
1. 納品物の著作権
・著作権は発注者に譲渡されるか
・著作者人格権の不行使に同意してもらえるか
2. クリエイターのポートフォリオ使用
・クリエイターが納品物を自身のポートフォリオとして使用することを許可するか
・使用を許可する場合の条件(匿名化、一部のみなど)
3. 使用素材の著作権
・BGM、画像、フォントなど、動画に使用する素材はすべて商用利用可能か
・フリー素材を使用する場合、クレジット表記は必要か
動画編集の著作権ガイド|BGM・画像・フォントの商用利用トラブルを防ぐでは、著作権に関する注意点を詳しく解説しています。
また、動画編集の「著作権譲渡」と「使用許諾」の違い|トラブルを未然に防ぐ契約の知識も参考にしてください。
秘密保持(NDA)について確認する
企業が動画編集を依頼する場合、機密情報(未発表の商品情報、社員の顔写真、社内の様子など)をクリエイターに渡すことになります。
確認すべき事項
・秘密保持契約(NDA)の締結は可能か
・具体的にどの情報を機密として扱うか
・プロジェクト終了後、素材データは削除してもらえるか
クラウドソーシングプラットフォームによっては、標準的なNDAテンプレートが用意されている場合もあります。機密性の高い情報を扱う場合は、必ず秘密保持について合意を取っておきましょう。
支払い条件を確認する
支払い条件についても、事前に明確にしておくことが重要です。
一般的な支払いパターン
・前払い:契約時に全額支払い
・後払い:納品後に全額支払い
・分割払い:着手金(50%程度)+納品後に残金
クラウドソーシングプラットフォームでは、エスクロー(仮払い)システムが導入されていることが多いです。これは、発注者が先に料金を仮払いし、作業完了後にクリエイターに支払われる仕組みです。これにより、「作業したのに支払われない」「支払ったのに納品されない」といったリスクを軽減できます。
コミュニケーション手段を決める
プロジェクト中のコミュニケーション手段を事前に決めておきましょう。
主なコミュニケーション手段
・プラットフォーム内のメッセージ機能
・メール
・チャットツール(Slack、Chatworkなど)
・LINE
・Zoom、Google Meetなどのビデオ会議
重要なやり取り(契約内容の確認、修正指示など)は、記録が残る形式で行うことをおすすめします。口頭でのやり取りは「言った言わない」のトラブルにつながりやすいため、注意が必要です。
プロジェクト進行中の注意点
契約・発注が完了したら、いよいよプロジェクトがスタートします。スムーズな進行のために、以下のポイントに注意しましょう。
素材は早めに、整理して渡す
編集作業に必要な素材は、できるだけ早く、整理した状態で渡しましょう。素材の提供が遅れると、納期にも影響します。
素材提供のポイント
・契約成立後、可能な限り早く提供する
・ファイル名を分かりやすく整理する
・使用するカットと使用しないカットを明示する
・大容量データは、ギガファイル便やGoogleドライブを活用する
大容量動画の送信方法|ギガファイル便だけじゃない!クライアントへのスマートな納品法では、大容量データの送信方法について解説しています。
中間確認を必ず行う
最終納品前に、必ず中間確認(ラフ編集の確認)を行いましょう。
中間確認のポイント
・編集の方向性が合っているかを確認する
・大きな修正があれば、この段階で指摘する
・細かい修正は最終確認時にまとめて指摘する
中間確認を省略すると、最終納品時に「思っていたものと違う」となるリスクが高まります。多少の手間がかかっても、中間確認は必ず行うことをおすすめします。
修正指示を減らす!クライアントワークでの動画編集「プレビュー・確認」のコツも参考にしてください。
フィードバックは具体的に
修正依頼や フィードバックを出す際は、できるだけ具体的に伝えましょう。
良いフィードバックの例
・「0:30〜0:35のテロップを、〇〇という文言に変更してください」
・「BGMの雰囲気が明るすぎるので、もう少し落ち着いたものに変更してほしいです」
・「全体的にテンポが遅く感じるので、間を詰めてもらえますか?」
避けるべきフィードバックの例
・「なんか違う」
・「もっとかっこよくして」
・「イメージと違う」(何がどう違うのか具体的でない)
曖昧なフィードバックは、クリエイターを困らせるだけでなく、修正が的外れになるリスクも高まります。
フィードバック術:修正指示で角が立たない!「Frame.io」などを使った効率的な添削方法では、効果的なフィードバックの方法を解説しています。
確認依頼には速やかに対応する
クリエイターから確認依頼が来たら、できるだけ速やかに対応しましょう。確認が遅れると、その分だけ納期も後ろ倒しになります。
対応のポイント
・確認依頼が来たら、24時間以内に対応する
・社内で複数人の確認が必要な場合は、事前にスケジュールを確保しておく
・すぐに対応できない場合は、いつまでに回答できるかを伝える
追加依頼は事前に相談する
プロジェクト進行中に追加の依頼が発生した場合は、勝手に追加せず、事前にクリエイターに相談しましょう。
追加依頼の例
・動画の尺を伸ばしたい
・新たな素材を追加したい
・当初の予定にはなかったアニメーションを入れたい
・別フォーマット(縦型版など)も作ってほしい
追加依頼は、追加料金の発生や納期の延長につながる可能性があります。事前に相談し、条件を確認してから進めましょう。
納品後の注意点
動画が納品されたら、プロジェクト完了です。しかし、納品後にもいくつかの注意点があります。
納品物をしっかり確認する
納品されたら、以下の点を確認しましょう。
確認すべきポイント
・指示通りの内容になっているか
・テロップに誤字脱字がないか
・音声に問題がないか(ノイズ、音量バランスなど)
・指定したフォーマット(解像度、アスペクト比)で書き出されているか
・著作権フリーでない素材が使われていないか
問題があれば、修正回数の上限内であれば修正依頼を出しましょう。
評価・レビューを投稿する
プロジェクトが完了したら、クリエイターに対する評価・レビューを投稿しましょう。これは、他の発注者の参考になるだけでなく、クリエイターへのフィードバックにもなります。
評価・レビューのポイント
・良かった点を具体的に記載する
・改善してほしい点があれば、建設的に記載する
・今後依頼を検討している人の参考になるような内容を書く
継続依頼を検討する
良いクリエイターに出会えたら、継続的な関係を構築することを検討しましょう。
継続依頼のメリット
・コミュニケーションコストが下がる
・品質が安定する
・料金交渉がしやすくなる
・優先対応してもらえることがある
継続的に依頼することで、そのクリエイターも自社のことを深く理解してくれるようになり、より良い動画を作れるようになります。
素材とプロジェクトファイルの管理
納品後、素材やプロジェクトファイルをどう管理するかも重要です。
確認すべき事項
・プロジェクトファイル(編集ソフトのファイル)は受け取れるか
・クリエイター側で素材を保管してもらえる期間はあるか
・将来的に修正や再編集が必要になった場合の対応
特に、プロジェクトファイルの受け取りについては、事前に確認しておくことをおすすめします。プロジェクトファイルがあれば、将来的に別のクリエイターに修正を依頼することも可能です。
よくあるトラブルと対処法
クラウドソーシングでの動画編集依頼では、さまざまなトラブルが発生することがあります。代表的なトラブルと対処法を紹介します。
トラブル1:納期が守られない
「約束した納期に納品されない」は、最も多いトラブルの一つです。
原因
・クリエイターのスケジュール管理が甘い
・他の案件との兼ね合いで遅れる
・素材の提供遅延(発注者側の原因)
・想定以上に作業量が多かった
予防策
・評価・レビューで「納期を守る」と評判のクリエイターを選ぶ
・余裕を持ったスケジュールを設定する
・中間確認の日程を設定し、進捗を把握する
・遅延時の対応を契約時に明確にしておく
対処法
・まずはクリエイターに状況を確認する
・新しい納期を設定し、書面で合意する
・プラットフォームのサポートに相談する
・最終手段として、キャンセルを検討する
トラブル2:品質が期待を下回る
「納品された動画の品質が、ポートフォリオで見た作品と全然違う」というトラブルもあります。
原因
・ポートフォリオが他人の作品、またはチームで制作した作品だった
・素材の質が悪かった(発注者側の原因)
・指示が曖昧で、期待と異なる方向に編集された
・クリエイターのスキル不足
予防策
・ポートフォリオの作品について、どの部分を担当したか確認する
・最初は小規模な案件で試してみる
・指示書を詳細に作成する
・参考動画を提示してイメージを共有する
対処法
・具体的に何が問題かを明確にして修正依頼を出す
・修正対応で改善されない場合は、プラットフォームに相談する
・次回以降は別のクリエイターを探す
トラブル3:連絡が取れなくなる
「プロジェクト進行中にクリエイターと連絡が取れなくなった」というトラブルも発生します。
原因
・クリエイターの急病やプライベートの事情
・案件を放棄した(いわゆる「飛ばれた」)
・単に返信が遅いだけ
予防策
・評価・レビューで「連絡がスムーズ」と評判のクリエイターを選ぶ
・連絡が途絶えた場合の対応を契約時に明確にしておく
・前払いは避け、エスクローを活用する
対処法
・複数の連絡手段で連絡を試みる
・プラットフォームのサポートに相談する
・一定期間連絡がない場合、キャンセル手続きを行う
トラブル4:追加料金を請求される
「見積もりにはなかった追加料金を請求された」というトラブルもあります。
原因
・契約内容が曖昧だった
・発注者側の要望変更や追加依頼
・素材の追加提供による作業量増加
・クリエイターの見積もり漏れ
予防策
・見積もりの内訳を詳細に確認する
・追加料金が発生する条件を事前に明確にする
・契約内容を書面で残す
対処法
・追加料金の根拠を確認する
・契約内容と照らし合わせて妥当性を判断する
・納得できない場合は、プラットフォームに相談する
トラブル5:著作権に関する問題
「納品された動画に著作権フリーでない素材が使われていた」「納品物の著作権をめぐってトラブルになった」といった問題も発生します。
原因
・クリエイターの著作権に関する知識不足
・契約時に著作権の扱いを明確にしなかった
・フリー素材の利用条件を誤解していた
予防策
・著作権の扱いを契約時に明確にする
・使用素材の出典を確認する
・フリー素材を使用する場合、商用利用可能か確認する
対処法
・問題のある素材を差し替えてもらう
・著作権者から使用許諾を得る(可能な場合)
・弁護士に相談する(深刻な場合)
無料素材の落とし穴!「商用利用可」でもクレジット表記が必要なケースでは、フリー素材の利用に関する注意点を解説しています。
クラウドソーシングをより効果的に活用するためのコツ
最後に、クラウドソーシングをより効果的に活用するためのコツを紹介します。
複数のクリエイターを試してみる
最初から一人のクリエイターに絞り込まず、複数のクリエイターを試してみることをおすすめします。
試す際のポイント
・最初は小規模な案件で依頼する
・2〜3人のクリエイターに同じ条件で依頼して比較する
・品質、コミュニケーション、納期遵守などを総合的に評価する
複数のクリエイターを試すことで、自社に最適なパートナーを見つけやすくなります。
良いクリエイターとは長期的な関係を構築する
良いクリエイターを見つけたら、単発ではなく、長期的な関係を構築することを目指しましょう。
長期的な関係構築のメリット
・自社のことを深く理解してもらえる
・コミュニケーションコストが下がる
・品質が安定する
・料金交渉がしやすくなる
・優先対応してもらえる
関係構築のコツ
・定期的に依頼を出す
・良い仕事には感謝を伝える
・無理な要求をしない
・適正な報酬を支払う
フィードバックを活かして品質を向上させる
同じクリエイターに継続的に依頼する場合、毎回のフィードバックを活かして品質を向上させていきましょう。
フィードバックのポイント
・良かった点は具体的に伝える(次回も同じようにしてもらえる)
・改善点は建設的に伝える(次回は改善してもらえる)
・過去の動画を参考資料として共有する
自社でもある程度の知識を持つ
動画編集を外注する場合でも、発注者側がある程度の知識を持っていると、やり取りがスムーズになります。
持っておくと良い知識
・動画のフォーマット(解像度、アスペクト比など)
・基本的な編集用語(カット、テロップ、BGM、SEなど)
・プラットフォームごとの推奨仕様
・著作権の基礎知識
以下の記事も参考にしてください。
・動画編集の書き出し設定(エンコード)完全ガイド|YouTubeに最適な解像度とビットレート
・動画の「書き出し」で失敗しない!SNS別・推奨解像度とアスペクト比一覧
・動画編集の著作権ガイド|BGM・画像・フォントの商用利用トラブルを防ぐ
内製化も視野に入れる
継続的に動画を制作する場合、将来的には内製化も選択肢の一つです。
クラウドソーシングで外注しながら、徐々に社内にノウハウを蓄積していくことで、スムーズに内製化へ移行できます。
・企業が動画編集を内製化すべきか?外注すべきか?判断基準を徹底解説
・編集の内製化マニュアル:非専門の社員でも1週間で「会社公式動画」が作れる教育ステップ
・企業の動画内製化を成功させる「編集マニュアル」の作り方|誰でも同じ品質で作るコツ
クラウドソーシング利用時のチェックリスト

本記事で解説した内容をチェックリストとしてまとめます。クラウドソーシングで動画編集を依頼する際の参考にしてください。
クリエイター選びのチェックリスト
□ ポートフォリオの質と量を確認した
□ 評価・レビューの内容を確認した
□ プロフィールの充実度を確認した
□ 依頼前にコミュニケーションを取り、対応の質を確認した
□ 料金設定の妥当性を確認した
□ 対応可能な範囲を確認した
□ 長期的な関係構築の可能性を検討した
依頼前準備のチェックリスト
□ 動画の目的と活用場所を明確にした
□ 参考動画を用意した
□ 素材を整理した
□ 指示書(ディレクションシート)を作成した
□ 予算と納期に余裕を確保した
契約時のチェックリスト
□ 作業範囲を明確にした
□ 成果物の仕様を明確にした
□ 料金と支払い条件を確認した
□ 納期を明確にした
□ 修正対応の条件を確認した
□ 著作権の帰属を確認した
□ 秘密保持について確認した
□ コミュニケーション手段を決めた
プロジェクト進行中のチェックリスト
□ 素材を早めに、整理して渡した
□ 中間確認を行った
□ フィードバックは具体的に伝えた
□ 確認依頼には速やかに対応した
□ 追加依頼は事前に相談した
納品後のチェックリスト
□ 納品物をしっかり確認した
□ 評価・レビューを投稿した
□ 継続依頼を検討した
□ 素材とプロジェクトファイルを管理した
まとめ
クラウドソーシングで動画編集を依頼する際は、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
クリエイター選びのポイント
・ポートフォリオの質と量を確認する
・評価・レビューの内容を読み込む
・依頼前のコミュニケーションで対応の質を見極める
・料金設定の妥当性を確認する
依頼時のポイント
・動画の目的と活用場所を明確にする
・参考動画と指示書を用意する
・契約内容を明確にする
・著作権と秘密保持について合意する
プロジェクト進行のポイント
・素材は早めに、整理して渡す
・中間確認を必ず行う
・フィードバックは具体的に伝える
・確認依頼には速やかに対応する
クラウドソーシングは、コストを抑えて動画編集を外注できる便利な手段です。しかし、クリエイターの質にばらつきがあり、トラブルのリスクも存在します。本記事で紹介したポイントを押さえて、失敗のリスクを最小限に抑えながら、クラウドソーシングを上手に活用してください。
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OMNIWEBでは、クラウドソーシングよりも安心して依頼できる、中小企業向けの動画編集サービスを提供しています。品質とコストのバランスを重視したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。