「商品動画を撮ったけど、なんか安っぽく見える……」
「質感や素材感をもっと伝えたい……」
「プロっぽい商品PVってどうやって作るの?」
物撮り動画、思ったより難しいですよね。
写真と違い、動画は「動き」で商品の魅力を伝えるメディアです。ただ撮影するだけでなく、編集で「見せ方」を工夫することで、商品の質感や高級感を何倍も引き出せます。
その中でも特に効果的なのが、「スローモーション」と「スピードランプ」の2つのテクニックです。
スローモーションは、動きをゆっくり見せることでディテールや質感を強調。スピードランプは、速度を変化させることでダイナミックさと緩急を演出します。
この記事では、物撮り動画を魅力的に仕上げるための編集テクニックを解説します。撮影時の準備から、具体的な編集方法、商品タイプ別の使い分けまで、プロ品質の商品動画を作るノウハウをお伝えします。
物撮り動画の重要性
なぜ「動画」で商品を見せるのか
商品を伝えるのに、写真ではなく動画を使うメリットは何でしょうか。
1. 立体感・サイズ感が伝わる
写真は1枚の静止画ですが、動画ならあらゆる角度から見せられます。商品を回転させたり、手に取ったりすることで、実物を見ているような感覚を与えられます。
2. 質感・素材感を表現できる
光の反射、布のしなやかさ、液体の流れ——「動き」でしか伝わらない質感があります。スローモーションを使えば、これらをより印象的に見せられます。
3. 使用シーンをイメージさせる
商品が使われている様子を動画で見せることで、購入後のイメージが湧きやすくなります。
4. 感情に訴えかける
音楽や動きの演出で、感情的な魅力を伝えられます。「欲しい」という気持ちを引き出すのに、動画は非常に効果的です。
5. SNSでの拡散力
Instagram、TikTok、YouTubeなど、動画コンテンツは拡散されやすい傾向があります。
「見せ方」で印象が変わる
同じ商品でも、撮り方・編集の仕方で印象は大きく変わります。
例:高級腕時計の場合
普通に撮った場合:
腕時計が置いてある映像。回転させて全体を見せる。→ 「腕時計だな」という情報は伝わる
スローモーション+スピードランプで撮った場合:
光が文字盤に反射する瞬間をスローで。リューズを回す動きをスピードランプでダイナミックに。→ 「高級感」「精密さ」「所有欲」が伝わる
同じ商品でも、演出次第で「価値」の伝わり方が全く違うのです。
スローモーションとスピードランプの効果
この記事で解説する2つのテクニックを簡単に紹介します。
スローモーション:
- 動きをゆっくり見せる
- ディテール、質感をじっくり見せる
- 高級感、上質さを演出
- 「一瞬の美しさ」を引き延ばす
スピードランプ:
- 速度を変化させる(速い→遅い→速い、など)
- ダイナミックさ、緩急を演出
- 注目させたい瞬間を強調
- 映像にリズムと躍動感を与える
この2つを使いこなすことで、プロ品質の商品動画が作れるようになります。
スローモーションの基本
スローモーションの仕組み
スローモーションは、通常より遅い速度で映像を再生することで、動きを強調するテクニックです。
基本的な仕組み:
- 高フレームレートで撮影(60fps、120fps、240fpsなど)
- 編集で通常のフレームレート(24fps、30fps)に変換
- フレーム数が多いため、再生時間が長くなる=スローモーション
例:
- 120fpsで1秒撮影 → 120フレーム記録
- 30fpsのタイムラインで再生 → 120÷30=4秒
- 結果:4倍のスローモーション
フレームレートとスロー倍率
撮影時のフレームレートと、スローの倍率の関係です。
30fpsのタイムラインで再生する場合:
| 撮影フレームレート | スロー倍率 | 用途 |
|---|---|---|
| 60fps | 2倍スロー | 軽いスローモーション |
| 120fps | 4倍スロー | 一般的なスローモーション |
| 240fps | 8倍スロー | かなりゆっくり |
| 480fps以上 | 16倍以上 | スーパースローモーション |
24fpsのタイムラインで再生する場合:
さらにスローになります(120fps÷24fps=5倍スロー)。
高フレームレート撮影の注意点
スローモーションのために高フレームレートで撮影する際の注意点です。
1. 光量が必要
フレームレートが高いと、1フレームあたりの露光時間が短くなります。そのため、通常より多くの光が必要です。暗い環境では、ノイズが増えたり、露出不足になったりします。
対策:照明を追加する、明るい環境で撮影する
2. シャッタースピードの制限
一般的に、シャッタースピードはフレームレートの2倍が目安(180度シャッター)。
- 120fps → シャッタースピード1/240以上
- 240fps → シャッタースピード1/480以上
3. 解像度の制限
多くのカメラでは、高フレームレートで撮影すると解像度が下がることがあります。
- 4K 30fps → OK
- 4K 60fps → OKなカメラも多い
- 4K 120fps → 高性能カメラが必要
- 1080p 120fps → 多くのカメラで可能
4. ファイルサイズ
フレーム数が多いため、ファイルサイズが大きくなります。ストレージに余裕を持ちましょう。
物撮りでのスローモーション活用シーン
物撮りでスローモーションが効果的なシーンです。
1. 液体の動き
- 化粧水が肌に浸透する様子
- ワインがグラスに注がれる
- 水滴が落ちる
- クリームがとろける
2. 布・素材の動き
- シルクが風になびく
- 革製品のしなやかさ
- 糸の質感
3. 光の反射
- ジュエリーのきらめき
- ガラスの輝き
- 金属の光沢
4. 機械的な動き
- 時計の針の動き
- カメラのシャッター
- 電子機器のギミック
5. 落下・衝撃
- 商品を落として耐久性をアピール
- 素材の弾力を見せる
スピードランプの基本
スピードランプとは
スピードランプ(Speed Ramp)は、映像の再生速度を滑らかに変化させるテクニックです。
「タイムリマップ」「速度変化」とも呼ばれます。
例:
- 通常速度 → 徐々にスロー → 通常速度に戻る
- スロー → 急速に加速 → また減速
- 速い動き → 一瞬止まる → また速く
単純なスローモーションとは違い、速度が「変化」するのがポイントです。
スピードランプの効果
スピードランプを使うことで、以下の効果が得られます。
1. 注目ポイントの強調
速度を落とすことで、「ここを見て!」という強調ができます。重要な瞬間を印象づけられます。
2. ダイナミックな演出
速度の変化が、映像に躍動感とリズムを与えます。単調な映像に緩急が生まれます。
3. 時間の圧縮
長い動作を短時間で見せることができます。早送り部分と通常部分を組み合わせて。
4. 映画的な表現
スピードランプは、映画やMVでよく使われるテクニック。プロフェッショナルな印象を与えます。
5. 音楽との連動
BGMのビートに合わせて速度を変化させると、音楽と映像が一体化した演出ができます。
物撮りでのスピードランプ活用シーン
物撮りでスピードランプが効果的なシーンです。
1. 商品の登場シーン
- 高速で近づいてきて → 商品が見える瞬間でスロー
- 回転しながら登場 → 正面を向いた瞬間で減速
2. 機能のデモンストレーション
- ボタンを押す → 押した瞬間スロー → 結果を通常速度で
- 蓋を開ける → 開く瞬間を強調
3. 素材・質感の強調
- 手が商品に触れる → 触れた瞬間スロー → 離れる時は速く
- 布がはためく → 最も美しい瞬間でスロー
4. 複数商品の紹介
- 1つ目を高速で見せる → 2つ目でスロー → 3つ目は通常
- カット間の緩急でリズムを作る
5. インパクトのある瞬間
- 商品が落ちる → 着地の瞬間でスロー
- パッケージが開く → 中身が見える瞬間
スピードランプに必要な素材
スピードランプを効果的に使うには、適切な素材が必要です。
1. 高フレームレートで撮影
スロー部分で滑らかに見せるため、60fps以上で撮影しておきます。30fpsの素材を極端にスローにすると、カクカクになります。
2. 動きのある映像
速度変化は、動きがあってこそ効果的。静止した映像にスピードランプをかけても意味がありません。
3. 前後に余裕を持たせる
速度を変化させると、再生時間が変わります。前後に余裕を持って撮影しておきましょう。
撮影時の準備
カメラ設定
スローモーションとスピードランプのためのカメラ設定です。
1. フレームレートを高く設定
- 最低でも60fps
- 本格的なスローなら120fps以上
- カメラの対応フレームレートを確認
2. シャッタースピード
- フレームレートの2倍が目安
- 60fps → 1/120、120fps → 1/240
- 動きのブレを抑えるため
3. ISO感度
- 高フレームレートは光量が必要
- ISOを上げすぎるとノイズが増える
- 照明で補う方がベター
4. 解像度
- 可能な限り高解像度で
- 高フレームレートとの兼ね合いを確認
照明のポイント
物撮りでスローモーションを撮影する際の照明のポイントです。
1. 十分な光量
- 高フレームレート撮影は光量が必要
- 通常の撮影より明るめに設定
- LED照明を複数使用するのがおすすめ
2. 光の反射を活かす
- スローモーションでは光の動きが際立つ
- ジュエリーや金属は、光の角度を工夫
- 反射板を使って輝きを強調
3. 影のコントロール
- スローでは影の動きも目立つ
- 不要な影は消す、または活かす
4. ちらつきに注意
- 一部の照明は、高フレームレートでちらつき(フリッカー)が発生
- DC電源のLEDなど、フリッカーフリーの照明を使用
- 撮影前にテストして確認
三脚・スライダー・ジンバル
安定した撮影のための機材です。
三脚
- 固定ショットの基本
- 商品を回転させる場合は、カメラを固定
- スローモーションでは、わずかなブレも目立つ
スライダー
- 滑らかな横移動が可能
- 商品の周りを動く映像に
- 電動スライダーだと速度が一定で安定
ジンバル
- 手持ちでも滑らかな映像
- 商品の周りを自由に動ける
- スローモーションで使う場合は、動きをゆっくりに
回転台(ターンテーブル)
- 商品を回転させる
- カメラは固定、商品が回る
- 電動だと速度が一定
背景の選び方
物撮りの背景選びも重要です。
シンプルな単色背景
- 白、黒、グレーが定番
- 商品を引き立てる
- 編集で背景を差し替えやすい
グラデーション背景
- 単色より立体感が出る
- 高級感を演出
テクスチャ背景
- 大理石、木目、布など
- 商品の世界観に合わせて
シームレス背景
- 背景と床が一体化
- 商品が浮いているような演出
スローモーションの編集テクニック

Premiere Proでのスローモーション
Premiere Proでスローモーションを適用する方法です。
方法1:クリップの速度を変更
- タイムライン上のクリップを右クリック
- 「速度・デュレーション」を選択
- 速度を50%(2倍スロー)、25%(4倍スロー)などに設定
- 「OK」をクリック
方法2:フレームレートを解釈
高フレームレートで撮影した素材を、シーケンスのフレームレートで再生させる方法。
- プロジェクトパネルでクリップを右クリック
- 「変更」→「フッテージを変換」
- 「フレームレートを指定」を選択
- シーケンスのフレームレート(例:30fps)を入力
- タイムラインに配置すると、自動的にスローモーション
「オプティカルフロー」で滑らかに:
素材のフレームレートが足りない場合、フレーム補間で滑らかにできます。
- クリップを右クリック
- 「速度・デュレーション」を選択
- 「補間」を「オプティカルフロー」に設定
AIが中間フレームを生成し、滑らかなスローモーションになります。ただし、完璧ではないので、高フレームレート撮影がベストです。
DaVinci Resolveでのスローモーション
DaVinci Resolveでスローモーションを適用する方法です。
方法1:クリップの速度変更
- タイムライン上のクリップを右クリック
- 「クリップの速度を変更」を選択
- 速度を入力(例:50%で2倍スロー)
- 「変更」をクリック
方法2:インスペクタで調整
- クリップを選択
- インスペクタの「速度変更」を展開
- 「速度」の値を調整
方法3:リタイム コントロール
- クリップを右クリック
- 「リタイム コントロール」を選択
- クリップ上に速度バーが表示される
- ドラッグして速度を調整
オプティカルフロー:
- プロジェクト設定 →「マスター設定」
- 「リタイムとスケーリング」の「リタイム処理」を「オプティカルフロー」に
スローモーションの使い方のコツ
効果的なスローモーションのためのコツです。
1. 全編スローにしない
全部がスローだと、退屈になります。スローはここぞという瞬間に限定して使いましょう。
2. 動きのある場面で使う
止まっている映像をスローにしても意味がありません。動きが美しい瞬間をスローで見せましょう。
3. 質感を見せる
スローモーションは、ディテールを見せるのに最適。素材の質感、光の反射、表面の細かな動きをじっくり見せましょう。
4. 音楽と合わせる
BGMのゆったりした部分でスローモーションを使うと、音と映像がマッチします。
5. トランジションとして使う
カット前にスローになり、次のカットで通常速度に——という使い方も効果的です。
スピードランプの編集テクニック
Premiere Proでのスピードランプ
Premiere Proでスピードランプを作成する方法です。
ステップ1:タイムリマップを有効にする
- クリップを右クリック
- 「クリップキーフレームを表示」→「タイムリマップ」→「速度」
- クリップに速度を示すラインが表示される
ステップ2:キーフレームを追加
- 速度を変えたいポイントで、Ctrl(Cmd)キーを押しながらクリック
- キーフレーム(点)が追加される
- 速度変化の開始点と終了点に、計2つのキーフレームを追加
ステップ3:速度を変更
- キーフレーム間のラインをドラッグ
- 上にドラッグ → 速度アップ(早送り)
- 下にドラッグ → 速度ダウン(スロー)
ステップ4:滑らかにする
- キーフレームを選択
- キーフレームを左右にドラッグして広げる(ベジェハンドルが出る)
- カーブを調整して、滑らかな速度変化に
ポイント:
- 急激な速度変化は不自然になりやすい
- ベジェ曲線で滑らかなイージングをつける
- プレビューで確認しながら調整
DaVinci Resolveでのスピードランプ
DaVinci Resolveでスピードランプを作成する方法です。
ステップ1:リタイム コントロールを表示
- クリップを右クリック
- 「リタイム コントロール」を選択
- クリップの上に速度バーが表示される
ステップ2:スピードポイントを追加
- 速度を変えたい位置に再生ヘッドを移動
- 速度バーの下向き三角をクリック
- 「スピードポイントを追加」を選択
- 開始点と終了点に、計2つ追加
ステップ3:速度を変更
- スピードポイント間のパーセント表示をクリック
- 「速度を変更」を選択して数値を入力
- または、スピードポイントをドラッグして調整
ステップ4:リタイム カーブで滑らかに
- クリップを右クリック
- 「リタイム カーブ」を選択
- カーブエディターが表示される
- キーフレームを選択し、ベジェ補間に変更
- カーブを調整して滑らかな速度変化に
スピードランプのパターン
よく使われるスピードランプのパターンです。
パターン1:通常→スロー→通常
最も基本的なパターン。注目させたい瞬間でスローになり、また通常速度に戻る。
速度: 100% ──→ 25% ──→ 100%
(ここで強調)
パターン2:スロー→加速
スローで始まり、徐々に加速。緊張感から解放される演出。
速度: 25% ──────→ 150%
(じっくり) (勢い)
パターン3:加速→急停止(スロー)
速い動きが、重要な瞬間で急にスローに。インパクト大。
速度: 200% ──→ 25%
(速い) (強調)
パターン4:波打つ速度変化
速い→遅い→速い→遅い……とリズミカルに変化。音楽に合わせて使う。
速度: 100% → 50% → 150% → 50% → 100%
スピードランプと音の連動
スピードランプを音楽やサウンドと連動させると、より効果的です。
ビートに合わせる
- BGMのビート(ドン、ドン)に合わせて速度を変化
- ビートの瞬間にスローのピーク、または加速のピーク
効果音を追加
- スローになる瞬間に「シュイーン」というような効果音
- 加速する瞬間に「ブォン」というような効果音
音量の変化と連動
- スローの間、BGMの音量を下げる
- 通常速度に戻るときに音量も戻す
BGMの入れ方:「音量バランス」と「フェードイン・フェードアウト」で自然に仕上げるも参考にしてください。
商品タイプ別の使い分け
化粧品・スキンケア
化粧品・スキンケア製品の物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- 液体の流れ:化粧水、美容液がとろりと流れる
- テクスチャ:クリームが伸びる、泡立つ様子
- スプレー:ミストが広がる瞬間
- パウダー:粉が舞い散る様子
スピードランプが効果的:
- パッケージを開ける:開ける動作を速く→中身が見える瞬間でスロー
- 手に取る:手が近づく(速い)→触れた瞬間(スロー)
- 複数商品の紹介:リズミカルに切り替え
撮影のコツ:
- 液体は逆光気味で透明感を強調
- テクスチャは接写でディテールを
- パッケージの反射・輝きを活かす
食品・飲料
食品・飲料の物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- 注ぐ:ビール、ワイン、コーヒーを注ぐ
- 切る:ケーキ、肉、野菜を切る断面
- 落とす:トッピングを落とす、ソースをかける
- 湯気:温かい料理から立ち上る湯気
- 水滴:新鮮さを表現する水滴
スピードランプが効果的:
- 調理過程:早送り→完成の瞬間でスロー
- 一口食べる:口に運ぶ(通常)→噛む瞬間(スロー)
- 開封:パッケージを開ける→中身が見える瞬間
撮影のコツ:
- サイドライトでテクスチャを強調
- バックライトで透明感のある飲料を
- 湯気は黒背景だと映える
電子機器・ガジェット
電子機器・ガジェットの物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- 回転:製品を回転させて全体を見せる
- 光の反射:金属やガラスの輝き
- ディテール:ボタン、端子、素材のアップ
スピードランプが効果的:
- 開封:箱を開ける→製品が見える瞬間でスロー
- 電源オン:ボタンを押す→画面が点く瞬間
- 機能デモ:操作中は速め→結果でスロー
- 組み立て:早送り→完成でスロー
撮影のコツ:
- クリーンな照明で先進的なイメージ
- 反射を抑える(または活かす)ライティング
- 画面がある場合、画面の内容も意識
ファッション・アパレル
ファッション・アパレルの物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- 布のなびき:風に揺れる、落ちる
- 素材感:シルク、レザー、デニムの質感
- ディテール:縫製、ボタン、ジッパー
スピードランプが効果的:
- 着用:着る動作を早送り→決まった瞬間でスロー
- 開閉:ジャケットを開く→中が見える瞬間
- 回転:モデルが回る→正面でスロー
撮影のコツ:
- 風を当てると布の動きが美しい
- ハンドモデルを使って素材感を見せる
- ライティングで素材の質感を強調
ジュエリー・アクセサリー
ジュエリー・アクセサリーの物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- きらめき:光が反射する瞬間
- 回転:あらゆる角度からの輝き
- チェーンの動き:しなやかに揺れる
- 装着:指輪をはめる、ネックレスをつける
スピードランプが効果的:
- 登場:高速で近づく→輝く瞬間でスロー
- ケースを開ける:開く動作→宝石が見える瞬間
撮影のコツ:
- ピンポイントの照明で輝きを最大化
- 黒背景で高級感を演出
- マクロ撮影でディテールを
- 動かしながら光の角度を変える
家具・インテリア
家具・インテリアの物撮りでの使い分けです。
スローモーションが効果的:
- 素材感:木目、布地、革の質感
- 座る・触る:クッションが沈む、手で触れる
- 光の移り変わり:自然光が差し込む
スピードランプが効果的:
- 組み立て:早送り→完成でスロー
- 機能紹介:リクライニング、収納などの動作
- 空間の紹介:パンニングしながら緩急をつける
撮影のコツ:
- 自然光を活かした撮影
- スライダーで滑らかな移動
- 人が使っているシーンを入れる
組み合わせとシーケンス
1本の動画の中での使い分け
1本の商品動画の中で、スローモーションとスピードランプを使い分ける例です。
構成例:30秒の商品PV
0:00-0:03 【スピードランプ】商品が高速で登場→正面でスロー
0:03-0:08 【通常速度】商品全体を見せる(回転)
0:08-0:12 【スローモーション】ディテールのアップ(質感)
0:12-0:16 【スピードランプ】機能デモ(操作→結果)
0:16-0:22 【スローモーション】使用シーン(質感強調)
0:22-0:26 【スピードランプ】複数バリエーション紹介
0:26-0:30 【通常速度】ロゴ・エンドカード
ポイント:
- 全部をスロー/スピードランプにしない:メリハリが大切
- インパクトのある開始:スピードランプで注目を集める
- 質感はスロー:じっくり見せたい部分
- 機能・動作はスピードランプ:テンポよく、でも重要な瞬間は強調
BGMとの連動
BGMと速度変化を連動させると、より効果的な映像になります。
連動のポイント:
1. ビートに合わせる
- BGMのドロップ(盛り上がり)でスピードランプ
- 静かな部分でスローモーション
- ビートの瞬間で速度変化のピーク
2. テンポに合わせる
- テンポの速い曲 → スピードランプ多め
- ゆったりした曲 → スローモーション多め
3. 曲の構成に合わせる
- イントロ:商品登場(スピードランプ)
- Aメロ:商品紹介(通常〜スロー)
- サビ:機能・魅力(スピードランプ)
- アウトロ:エンドカード(通常速度)
カット間のつなぎ
スローモーションとスピードランプをカット間のつなぎに活用する方法です。
テクニック1:スローで終わり→次のカット
カットの最後をスローにして、次のカットへの「間」を作る。
テクニック2:マッチカット+スピードランプ
似た動きを持つカットをつなぎ、速度変化でシームレスに移行。
テクニック3:スローからの急加速→次カット
スローモーションから急に加速し、勢いで次のカットに飛ぶ演出。
よくある問題と解決策
問題1:スローにするとカクカクする
症状:スローモーションにすると、映像がカクカクして見える
原因と対策:
- フレームレートが足りない → 高フレームレート(60fps以上)で撮影
- フレーム補間を使う → Premiere Pro/DaVinci Resolveのオプティカルフローを適用
- スローの倍率を下げる → 4倍スローではなく2倍スローに
問題2:スピードランプが不自然
症状:速度変化がぎこちない、急すぎる
原因と対策:
- イージングがない → ベジェ曲線で滑らかなカーブに
- 変化が急すぎる → 速度変化の時間を長くする
- 変化のタイミングが悪い → 動きの区切りで速度変化させる
問題3:明るさが変わる
症状:スロー部分だけ暗い(または明るい)
原因と対策:
- 露出の問題 → 高フレームレート撮影時の露出設定を確認
- 照明のちらつき → フリッカーフリーの照明を使用
- 編集で補正 → カラー補正で明るさを合わせる
問題4:音がおかしくなる
症状:スロー部分で音が低く(または高く)なる、ノイズが出る
原因と対策:
- ピッチが変わる → 「ピッチを維持」オプションをオン、または音声を別トラックで管理
- BGMを使う → 同期音声を使わず、BGMで演出
- 音声を無音に → スロー部分は音声をカット
問題5:ファイルサイズが大きすぎる
症状:高フレームレート素材が重くて、編集が困難
原因と対策:
- プロキシ編集 → 軽量なプロキシで編集し、書き出し時に元素材に
- 必要な部分だけ高フレームレート → スローにしたい部分だけ高fps撮影
- ストレージを増設 → SSDを追加
よくある質問(FAQ)

Q1:スマートフォンでもスローモーション撮影はできますか?
A1:はい、最近のスマートフォンは高フレームレート撮影に対応しています。
iPhoneは240fpsや最大4倍スローに対応。Androidも多くの機種が120fps以上に対応しています。設定でフレームレートを確認し、スローモーション用に高fps設定で撮影しましょう。
Q2:30fpsで撮影した素材をスローにできますか?
A2:可能ですが、品質に限界があります。
30fpsの素材を2倍スロー(15fps相当)にすると、カクカクします。オプティカルフローなどのフレーム補間を使えば、ある程度滑らかになりますが、完璧ではありません。高フレームレートで撮影し直すのがベストです。
Q3:スピードランプはスローモーション素材でないとできませんか?
A3:通常の素材でもできますが、スロー部分を含むなら高fps素材が必要です。
スピードランプで「速く」する部分だけなら、通常素材でもOKです。しかし、「遅く」する部分を滑らかにするには、高フレームレート素材が必要です。スピードランプを多用する予定なら、最初から60fps以上で撮影しておくと安心です。
Q4:どのくらいのスロー倍率がおすすめですか?
A4:内容によりますが、2〜4倍が使いやすいです。
- 2倍スロー(50%速度):軽い演出、自然な印象
- 4倍スロー(25%速度):ディテールをしっかり見せる
- 8倍以上:スーパースロー、特殊な演出向き
極端なスローは「やりすぎ感」が出ることもあるので、控えめから始めるのがおすすめです。
Q5:物撮り以外でもこのテクニックは使えますか?
A5:はい、幅広いジャンルで使えます。
- スポーツ:決定的瞬間のスロー
- MV・PV:ダンスやパフォーマンス
- 結婚式:感動的なシーンのスロー
- 旅行動画:風景の美しさを強調
- 料理動画:調理過程や完成品
基本的な考え方は同じで、「見せたい瞬間を強調する」のがポイントです。
Q6:プラグインは必要ですか?
A6:基本機能だけでも十分ですが、プラグインがあると便利です。
便利なプラグイン:
- Twixtor(REVision Effects):高品質なフレーム補間
- Sapphire(Boris FX):各種エフェクト
- Flow:イージングを簡単に適用
ただし、Premiere ProやDaVinci Resolveの標準機能でも十分なクオリティが出せます。
Q7:BGMはどこで入手できますか?
A7:商用利用可能な音楽素材サイトがあります。
- Epidemic Sound:定額制、高品質
- Artlist:定額制、無制限
- YouTubeオーディオライブラリ:無料
- DOVA-SYNDROME:無料(日本)
ライセンスを確認して使用しましょう。
Q8:物撮り動画は何秒くらいがベストですか?
A8:用途によりますが、15〜60秒が一般的です。
- SNS広告:15〜30秒
- 商品紹介:30〜60秒
- 詳細なPV:60〜90秒
短くてもインパクトのある動画が、視聴者の注目を集めやすいです。
まとめ:速度で商品の魅力を引き出す
この記事のポイントを振り返り
物撮り動画のスローモーションとスピードランプについて、詳しく解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。
1. スローモーションの効果
動きをゆっくり見せることで、ディテール・質感を強調。高級感、上質さを演出。
2. スピードランプの効果
速度を変化させることで、ダイナミックさと緩急を演出。注目ポイントを強調。
3. 撮影の準備
- 高フレームレート(60fps以上)で撮影
- 十分な光量を確保
- 三脚やスライダーで安定した撮影
4. 商品タイプ別の使い分け
- 液体・テクスチャ:スローモーション
- 登場・機能デモ:スピードランプ
- きらめき・質感:スローモーション
- 複数商品・テンポ:スピードランプ
5. 編集のコツ
- 全編をスロー/スピードランプにしない
- BGMと連動させる
- 滑らかなイージングをつける
物撮り編集チェックリスト
撮影前
□ フレームレートを高く設定した(60fps以上)
□ 照明を十分に用意した
□ 三脚/スライダー/回転台を用意した
□ 背景を決めた
撮影中
□ 動きのあるカットを撮影した
□ ディテールのアップを撮影した
□ 余裕を持った長さで撮影した
□ 複数のアングルを撮影した
編集
□ スローにする場面を決めた
□ スピードランプを入れる場面を決めた
□ 滑らかな速度変化にした(イージング)
□ BGMと連動させた
□ 全体のバランスを確認した
さらなるスキルアップのために
物撮り編集と動画制作のスキルを高めるために、以下の関連記事もぜひ参考にしてください。
- カラーグレーディング:ホワイトバランスと「色温度」の調整で映像の印象をコントロールする
- BGMの入れ方:「音量バランス」と「フェードイン・フェードアウト」で自然に仕上げる
- 動画構成の基本:「最初の5秒」で決まる!視聴者を逃がさないオープニングの作り方
- ジャンプカット:テンポを上げて飽きさせない!情報密度を高める「ジャンプカット」の基本
- ブランディング動画の第一歩:トーン&マナーを決める「ムードボード」の作り方
- 動画編集に10万円かける価値はある?投資対効果(ROI)を最大化する構成の作り方
- なぜそのフォント?テロップで「伝わる力」を最大化するフォント選びと視認性の基本
- 音声だけで印象は激変!「ナレーション」を最大限生かす録音・編集の基本
- 意外と難しい!書き出し設定:ビットレート、フレームレート、コーデックの最適解
- 動画の容量を小さくする方法:「軽量化」でYouTubeアップロード&HP埋め込みを快適に
今日から始める第一歩
スローモーションとスピードランプは、商品動画の印象を劇的に変えるテクニックです。
まずは、次の撮影で60fps以上で撮影してみてください。そして、編集で一番見せたい瞬間をスローにしてみましょう。
それだけで、今までとは全く違う商品動画が完成するはずです。
慣れてきたら、スピードランプで緩急をつける練習をしてみてください。BGMに合わせて速度を変化させると、プロ品質の動画に近づきます。
速度の魔法で、商品の魅力を120%引き出しましょう。