「あと少しだけ寄りたかった……」
「このカット、もう少し長く撮っておけば……」
「ピントが合ってない素材しかない……」
動画編集中、こんな後悔をしたことはありませんか?
編集で困る原因の多くは、撮影の段階で決まっています。逆に言えば、撮影時に少し意識を変えるだけで、編集作業が劇的に楽になるのです。
特に効果的なのが、「4Kで撮影しておく」というテクニック。4Kで撮っておけば、編集時に後からズームやトリミングができ、撮影時にはできなかった構図の調整が可能になります。
この記事では、編集を楽にするための撮影術を解説します。4K撮影のメリットから、編集を意識したカメラワーク、素材整理のコツまで、「撮影段階で編集の8割が決まる」と言われる理由を具体的にお伝えします。
なぜ「撮影」が編集を左右するのか

編集では「ない素材」は作れない
動画編集でできることは、「撮影された素材の範囲内」に限られます。
編集でできること:
- カットの順番を入れ替える
- 不要な部分を削除する
- 色味を調整する
- テロップやBGMを追加する
- トランジションをつける
編集でできないこと:
- 撮影されていないアングルを作る
- ピンボケを直す
- 画角の外にあるものを映す
- 暗すぎる映像を明るくする(限界がある)
- 録音されていない音声を復元する
どんなに編集スキルが高くても、「素材がなければ作れない」のです。
「撮影8割、編集2割」の法則
プロの映像制作者の間では、「撮影8割、編集2割」という言葉があります。
これは、動画のクオリティは撮影の段階でほぼ決まるという意味です。
撮影段階で決まること:
- 映像の画質、解像度
- 構図、アングル
- 照明、色味のベース
- 音声のクオリティ
- 素材の量と種類
編集は、これらの素材を「活かす」作業です。素材が良ければ編集は楽になり、素材が悪ければ編集でカバーするのは困難です。
撮影時の「ちょっとした工夫」が大きな差に
良いニュースは、撮影時の小さな工夫で、編集が劇的に楽になることです。
例えば:
- 4Kで撮っておく → 後からズームできる
- 少し長めに撮っておく → カットの自由度が上がる
- 複数アングルで撮っておく → 編集の選択肢が増える
- 音声を別録りしておく → 音質を確保できる
これらは、特別な機材や技術がなくてもできることばかりです。
4K撮影のメリット:後からズームできる
4Kとは
まず、4Kについて簡単に説明します。
解像度の比較:
| 規格 | 解像度 | 画素数 |
|---|---|---|
| フルHD(1080p) | 1920×1080 | 約207万画素 |
| 4K(2160p) | 3840×2160 | 約829万画素 |
| 8K(4320p) | 7680×4320 | 約3318万画素 |
4Kは、フルHDの4倍の画素数を持っています。つまり、4倍の情報量が記録されているのです。
フルHD納品なら「2倍ズーム」が可能
多くの動画は、最終的にフルHD(1920×1080)で書き出されます。YouTube、SNS、Webサイトへの埋め込み——ほとんどの用途でフルHDが標準です。
ここで、4Kで撮影しておく大きなメリットが生まれます。
4K(3840×2160)の映像をフルHD(1920×1080)で書き出す場合、縦横それぞれ2倍の余裕があります。
つまり:
- 2倍までズームしても、フルHD画質を維持できる
- 上下左右にトリミング(位置調整)しても、画質が劣化しない
- 傾き補正をしても、余白が出ない
これが、「後からズームできる」という意味です。
具体的な活用シーン
4K撮影が活きる具体的なシーンを見ていきましょう。
シーン1:インタビュー撮影
インタビューを1カメラで撮影する場合、4Kで撮っておけば、編集時に「引き」と「寄り」の2サイズを作れます。
- 全体を映した「引き」のカット
- 2倍にズームした「寄り」のカット(顔のアップ)
カメラは1台なのに、まるで2カメラで撮ったような編集が可能になります。
シーン2:製品撮影
製品を広めに撮っておき、編集時に特定の部分をズームして見せることができます。
- 製品全体のショット
- ロゴ部分をズーム
- 細部のディテールをズーム
撮影後に「ここを強調したい」と気づいても対応できます。
シーン3:イベント撮影
ステージ全体を撮影し、編集時に登壇者をズームしたり、スライドをズームしたりできます。
シーン4:構図の微調整
撮影時に「もう少し右に寄せたかった」と思っても、4Kなら編集時にトリミングで調整できます。
シーン5:手ブレ補正
編集ソフトの手ブレ補正機能を使うと、映像が少しズームされます。4Kで撮っていれば、補正後も画質を維持できます。
4K撮影の注意点
4K撮影には、いくつかの注意点もあります。
1. ファイルサイズが大きい
4Kはフルの約4倍の情報量があるため、ファイルサイズも大きくなります。ストレージ容量に注意が必要です。
目安:
- フルHD:1時間で約10〜20GB
- 4K:1時間で約40〜80GB
2. 編集PCのスペックが必要
4K素材の編集は、PCに負荷がかかります。スペックが低いと、プレビューがカクカクしたり、書き出しに時間がかかったりします。
対策:
- プロキシ編集を活用する(軽量ファイルで編集し、書き出し時に4Kに切り替え)
- 編集ソフトの最適化設定を確認する
3. 撮影機材の確認
お使いのカメラが4K撮影に対応しているか確認しましょう。最近のスマートフォンやミラーレスカメラは、多くが4K対応です。
4. 記録メディアの速度
4K撮影には、書き込み速度の速いSDカードが必要です。速度が不足すると、撮影中に録画が止まることがあります。
推奨:UHS-I U3以上、またはV30以上のSDカード
4Kでズームする編集方法
実際の編集方法を簡単に説明します。
Premiere Proの場合:
- シーケンス設定を1920×1080(フルHD)に
- 4K素材をタイムラインに配置
- 素材を選択し、「スケール」を200%まで拡大可能
- 「位置」を調整してフレーミング
DaVinci Resolveの場合:
- プロジェクト設定でタイムライン解像度を1920×1080に
- 4K素材を配置
- インスペクタで「ズーム」を調整
- 「位置」でフレーミング調整
どちらも、基本的な操作で簡単にズームできます。
編集を意識したカメラワーク
「少し長めに」撮る
編集で最もよく起きる問題の一つが、「カットが短すぎる」ことです。
問題:
- トランジションを入れる余裕がない
- 前後のカットとうまくつながらない
- 「もう少し続きが欲しかった」と後悔
解決策:
アクションの前後5秒を余分に撮影しましょう。
例:
- 人が歩いてくるシーン → 歩き始める5秒前からREC、通り過ぎて5秒後にSTOP
- 製品を手に取るシーン → 手を伸ばす前からREC、手を戻した後もしばらく撮る
余分に撮った部分は、編集で簡単にカットできます。足りない部分は、どうやっても増やせません。
「複数テイク」を撮る
大事なシーンは、複数テイク撮影しておきましょう。
メリット:
- ベストなテイクを選べる
- NG箇所を他のテイクで補える
- 異なるアングルで撮り直せる
撮り方:
- まず全体を通して撮影
- うまくいかなかった部分を撮り直し
- 可能なら、別アングルでも撮影
「1回でOK」と思っても、念のためもう1テイク撮っておくと安心です。
「インサート」を撮る
インサートカットとは、メインの映像の間に挿入する補足的なカットのことです。
インサートの例:
- 手元のアップ
- 製品のディテール
- 会場の様子
- 聞いている人のリアクション
- 風景、背景
インサートが重要な理由:
- ジャンプカットを隠せる:メイン映像のカット部分をインサートで隠す
- 視覚的な変化:同じ画が続くのを防ぐ
- 情報の補足:言葉で説明していることを映像で見せる
- 時間経過の表現:場面転換を自然に
インタビューや解説動画を撮る際は、話の内容に関連するインサートを別途撮影しておきましょう。
「引き」と「寄り」を撮る
同じ被写体でも、「引き」(全体)と「寄り」(アップ)の両方を撮影しておきます。
引き(ワイドショット):
- 場所や状況の説明
- 全体の雰囲気を伝える
- 被写体と周囲の関係を見せる
寄り(クローズアップ):
- 表情や感情を伝える
- ディテールを見せる
- 注目させたい部分を強調
編集時に、引きと寄りを交互に使うことで、映像に変化とリズムが生まれます。
4K撮影なら「引き」だけ撮っておいて、編集で「寄り」を作ることも可能です。しかし、最初から両方撮っておく方が、より自然で高品質な映像になります。
「動きのあるカット」と「静止カット」を撮る
映像には、動きのあるカットと静止カットの両方が必要です。
動きのあるカット:
- パン(横に振る)
- ティルト(縦に振る)
- ズームイン/アウト
- ドリー(カメラ自体が移動)
- 被写体の動き
静止カット:
- 三脚に固定した安定したショット
- 動きのない被写体
バランスが大切:
動きのあるカットばかりだと落ち着かず、静止カットばかりだと退屈。両方をバランスよく撮影しておきましょう。
「アクションのつながり」を意識する
複数のカットを編集でつなげるとき、「アクションのつながり」が重要です。
悪い例:
カット1:ドアに手をかける
カット2:すでにドアが開いている(手をかける動作がない)
良い例:
カット1:ドアに手をかける
カット2:手がドアノブを回している途中から始まる
撮影時のポイント:
- アクションの前後を重複して撮る
- 別アングルで撮る場合も、同じアクションを繰り返す
- 編集時に自然につながるポイントを作る
音声を意識した撮影
音声の重要性
動画の品質において、音声は映像と同じくらい重要です。
多くの人は、映像の品質よりも音声の品質に敏感です。少し画質が悪くても見続けられますが、音声が聞き取りにくいとすぐに離脱されます。
音声の問題:
- 声が小さい、聞き取りにくい
- ノイズが多い(エアコン、車の音など)
- 反響が強い(部屋の残響)
- 音割れしている
これらの問題は、編集で完全に直すのは困難です。撮影段階で対策しましょう。
外部マイクを使う
カメラ内蔵マイクは、音質が良くありません。可能であれば、外部マイクを使いましょう。
マイクの種類:
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ピンマイク(ラベリア) | 襟元に付ける小型マイク | インタビュー、トーク |
| ショットガンマイク | 指向性が高い、遠くの音を拾う | 撮影現場全般 |
| USBマイク | PCに直接接続 | ナレーション収録 |
音声だけで印象は激変!「ナレーション」を最大限生かす録音・編集の基本も参考にしてください。
音声を別録りする
音声を映像とは別に録音しておくと、編集の自由度が上がります。
メリット:
- 音質を最優先で録音できる
- カメラ位置に関係なく、マイクを最適な位置に配置
- 映像と音声を別々に編集できる
方法:
- 外部レコーダー(ZoomやTASCAMなど)で音声を録音
- 同時に、カメラでも音声を録音(バックアップ + 同期用)
- 編集時に、外部レコーダーの音声をメインで使用
同期のコツ:
撮影開始時に「カチン」と手を叩く(いわゆる「クラップ」)。編集時に、この音の波形を合わせて同期します。多くの編集ソフトには自動同期機能もあります。
環境音に注意する
撮影場所の環境音に注意しましょう。
よくある問題:
- エアコンの音
- 冷蔵庫の音
- 外の車や工事の音
- 時計の音
- PCのファンの音
対策:
- 撮影前に室内の機器をオフにする(可能なら)
- 静かな時間帯に撮影する
- 窓を閉める、防音対策をする
- 撮影前にテスト録音して確認
「部屋鳴り」を抑える
壁や天井に音が反響する「部屋鳴り」は、音声のクオリティを大きく下げます。
対策:
- マイクを口に近づける(反響より直接音を拾う)
- 布やカーテンを活用する(反響を吸収)
- 狭い空間で録音する(クローゼットなど)
- 吸音材を使用する
照明を意識した撮影
照明の基本
照明は、映像の印象を大きく左右します。
照明が良いと:
- 被写体がきれいに映る
- 立体感が出る
- 雰囲気が良くなる
- 色が正確に再現される
照明が悪いと:
- 暗くて見えにくい
- 顔に影ができる
- のっぺりと平坦に見える
- 色味がおかしくなる
編集で明るさを調整することは可能ですが、暗すぎる映像を明るくすると、ノイズが目立ちます。撮影段階で適切な明るさを確保しましょう。
自然光を活かす
最も手軽で美しい光源は、自然光(太陽光)です。
自然光を活かすポイント:
- 窓際で撮影する
- 曇りの日は柔らかい光が得られる
- 直射日光は影が強くなるので、レースカーテン等で和らげる
- 逆光に注意(顔が暗くなる)
おすすめの配置:
被写体の斜め前から光が当たるように配置。真正面からだとのっぺりし、真横からだと影が強くなりすぎます。
照明機材を使う
より本格的な撮影には、照明機材を使用します。
基本の3点照明:
- キーライト:メインの光源、斜め前から
- フィルライト:キーライトの反対側、影を和らげる
- バックライト:後ろから、被写体と背景を分離
手軽な照明機材:
- LEDパネルライト:明るさ、色温度を調整可能
- リングライト:顔を均一に照らす、配信者に人気
- レフ板:光を反射して影を和らげる
色温度に注意する
光源には「色温度」があります。
色温度の単位:ケルビン(K)
- 2700K〜3000K:暖色(電球色)、オレンジ寄り
- 5000K〜5500K:自然光に近い、ニュートラル
- 6500K以上:寒色、青寄り
問題:
異なる色温度の光源が混在すると、色味がおかしくなります。例えば、窓からの自然光(青寄り)と室内の電球(オレンジ寄り)が混ざると、ホワイトバランスが合わなくなります。
対策:
- 光源の色温度を統一する
- 自然光を使う場合は、室内照明をオフにする
- 照明機材の色温度を調整する
- カメラのホワイトバランスを適切に設定
カラーグレーディング:ホワイトバランスと「色温度」の調整で映像の印象をコントロールするも参考にしてください。
素材管理を意識した撮影
ファイル名・フォルダ名のルール
撮影後の素材管理を意識しておくと、編集がスムーズになります。
ファイル名のルール例:
[日付]_[プロジェクト名]_[内容]_[番号]
例:20250120_ProductA_Interview_001.mp4
フォルダ構成の例:
プロジェクト名/
├── 撮影素材/
│ ├── 2025-01-20_インタビュー/
│ └── 2025-01-21_製品撮影/
├── 音声/
├── 画像/
└── 編集/
撮影現場ですぐにフォルダ分けしておくと、後が楽です。
バックアップを取る
撮影素材は「取り直しがきかない」貴重なデータです。
バックアップのルール:
- 撮影後、できるだけ早くバックアップを取る
- 2箇所以上に保存(PCのHDD + 外付けHDD、クラウドなど)
- SDカードのデータは、バックアップ完了まで消さない
撮影ログを付ける
撮影ログ(記録)を付けておくと、編集時に素材を探しやすくなります。
記録すべき情報:
- ファイル名 / クリップ番号
- 撮影内容(何を撮ったか)
- OK / NG / 検討の評価
- メモ(気になった点など)
記録方法:
- スマートフォンのメモアプリ
- スプレッドシート
- 紙のメモ
特に大量の素材を撮影する場合は、ログがあると編集効率が大幅に上がります。
「捨てカット」を作らない意識
「後で使わないだろう」と思っても、とりあえず撮っておく習慣をつけましょう。
後から必要になることが多いカット:
- 会場の全景
- 入り口、看板
- 参加者の様子
- 準備中の風景
- ちょっとした空き時間の風景
ストレージの容量が許す限り、「念のため撮っておく」姿勢が大切です。
機材選びのポイント
カメラの選び方
編集を楽にするためのカメラ選びのポイントです。
チェックポイント:
1. 4K撮影対応
後からズームするために、4K撮影ができるカメラを選びましょう。
2. フレームレート
スローモーションを使いたい場合は、60fpsや120fpsで撮影できるカメラが便利です。
3. Log撮影対応
色の調整(カラーグレーディング)を本格的にしたい場合は、Log撮影ができるカメラが有利です。
4. 外部マイク入力
音声品質を重視するなら、外部マイクを接続できるカメラを選びましょう。
5. 手ブレ補正
ボディ内手ブレ補正があると、手持ち撮影でも安定した映像が撮れます。
スマートフォンでも十分
最近のスマートフォンは、動画撮影の性能が非常に高いです。
iPhone / Androidの最新機種:
- 4K 60fps撮影対応
- 優秀な手ブレ補正
- シネマティックモード
- Log撮影(一部機種)
企業の動画コンテンツでも、スマートフォンで撮影されたものは少なくありません。
スマートフォン撮影のコツ:
- 横向きで撮影(Webサイト、YouTube用)
- 三脚やジンバルを使う
- 外部マイクを接続する
- 設定を確認する(4K、60fpsなど)
三脚・ジンバル
安定した映像を撮るためのサポート機材も重要です。
三脚:
- 固定ショットに必須
- パン(横振り)、ティルト(縦振り)がスムーズにできるもの
- 軽量で持ち運びやすいものがおすすめ
ジンバル(スタビライザー):
- 歩きながらの撮影でも滑らかな映像
- スマートフォン用、カメラ用がある
- 最近は手頃な価格のものも多い
録音機材
音声品質を上げるための録音機材です。
ピンマイク:
- 有線タイプ:安価、信頼性が高い
- ワイヤレスタイプ:自由度が高いが高価
- スマートフォン対応のものもある
外部レコーダー:
- Zoom H1n、H4n、H6など
- TASCAM DR-40X、DR-07Xなど
- 高品質な音声を別途録音
撮影チェックリスト
撮影前のチェック
機材の準備
□ カメラのバッテリーは充電されているか
□ 予備バッテリーを用意したか
□ SDカードの容量は十分か
□ SDカードをフォーマットしたか
□ レンズは汚れていないか
□ 三脚、ジンバルは動作するか
□ マイクは用意したか
□ 照明機材は用意したか
設定の確認
□ 解像度は4Kに設定したか
□ フレームレートは適切か
□ ホワイトバランスは設定したか
□ 音声入力は正しいか(外部マイク)
□ 音声レベルは適切か
環境の確認
□ 撮影場所の照明は十分か
□ 環境音は問題ないか
□ 背景に不要なものはないか
撮影中のチェック
□ RECボタンを押したか(意外と忘れる)
□ 音声が録音されているか(レベルメーターを確認)
□ ピントは合っているか
□ フレーミングは適切か
□ 各カットの前後5秒を撮っているか
□ インサートカットを撮っているか
□ 複数テイクを撮っているか
□ 「引き」と「寄り」を撮っているか
撮影後のチェック
□ 素材をPCに取り込んだか
□ バックアップを取ったか(2箇所以上)
□ ファイル名・フォルダを整理したか
□ 撮影ログを記録したか
□ バッテリーを充電したか(次回に向けて)
□ SDカードの状態を確認したか
よくある質問(FAQ)

Q1:4Kで撮影したらPCが重くなりませんか?
A1:確かに負荷は上がりますが、対策があります。
対策1:プロキシ編集
4K素材から軽量なプロキシファイル(低解像度のコピー)を作成し、編集時はプロキシで作業。書き出し時に元の4Kに切り替えます。Premiere Pro、DaVinci Resolveなど主要な編集ソフトには、この機能があります。
対策2:部分的な4K使用
ズームが必要なシーンだけ4Kで撮影し、それ以外はフルHDで撮影する方法もあります。
Q2:スマートフォンでも4K撮影できますか?
A2:最近のスマートフォンなら、ほとんどが4K対応です。
iPhone 6s以降、多くのAndroid機種が4K撮影に対応しています。設定で解像度を確認して、4Kに設定しておきましょう。
注意点:
- ストレージ容量の消費が激しい
- バッテリー消費も増える
- 長時間撮影すると発熱することも
Q3:撮影時のフレームレートは何fpsがいいですか?
A3:用途によって使い分けます。
- 24fps:映画のような雰囲気、シネマティック
- 30fps:一般的な動画、Web用、YouTube
- 60fps:滑らかな動き、スポーツ、ゲーム実況
- 120fps以上:スローモーション用
迷ったら30fpsが無難です。スローモーションを使いたい場面は、60fps以上で撮っておきましょう。
Q4:撮影と編集、どちらを先に学ぶべきですか?
A4:両方を少しずつ並行して学ぶのがおすすめです。
編集を経験すると、「こういう素材があれば良かった」という気づきが生まれます。撮影を経験すると、「編集でこうすれば活かせる」と分かります。
両方を行き来することで、理解が深まります。
Q5:インサートカットは何秒くらい撮ればいいですか?
A5:最低5〜10秒は撮っておきましょう。
編集で使う長さは数秒でも、前後の余裕や選択肢のために、長めに撮っておく方が安心です。特に動きのあるカットは、良い瞬間を選べるよう、長めに撮影しましょう。
Q6:音声を別録りしたら、編集で合わせるのが大変ではないですか?
A6:最近の編集ソフトは自動同期機能があり、簡単です。
Premiere Proの「オーディオをマージ」、DaVinci Resolveの「オーディオの自動同期」など、波形を分析して自動で合わせてくれる機能があります。手動でも、クラップ(手を叩く音)を目印に合わせれば、それほど難しくありません。
Q7:Log撮影は必要ですか?
A7:本格的なカラーグレーディングをするなら有効ですが、必須ではありません。
Log撮影は、ダイナミックレンジを広く記録し、編集時に色の調整幅を広げるための撮影方式です。ただし、適切に処理しないと、眠たい映像になってしまいます。
初心者のうちは、カメラの標準設定で撮影し、編集での色調整に慣れてからLog撮影に挑戦するのがおすすめです。
Q8:外注に素材を渡す場合、何を渡せばいいですか?
A8:素材一式と、整理された構成を渡しましょう。
渡すべきもの:
- 撮影素材(整理済み、フォルダ分け済み)
- 音声素材
- ロゴ、画像素材
- 参考動画、トンマナ資料
- 構成案、台本
- 撮影ログ(あれば)
素材が整理されていると、外注先の作業効率も上がり、クオリティアップにつながります。
まとめ:撮影を制する者は編集を制す
この記事のポイントを振り返り
編集を楽にする撮影術について、詳しく解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。
1. 撮影が編集を左右する
編集では「ない素材」は作れません。撮影段階で編集の8割が決まります。
2. 4K撮影のメリット
4Kで撮影しておけば、フルHD納品時に2倍までズーム可能。構図の調整、インタビューの「引き」「寄り」作成など、編集の自由度が大幅に上がります。
3. 編集を意識したカメラワーク
- 少し長めに撮る(前後5秒)
- 複数テイクを撮る
- インサートカットを撮る
- 「引き」と「寄り」を撮る
- 動きのあるカットと静止カットを撮る
4. 音声の重要性
音声は映像と同じくらい重要。外部マイク、別録り、環境音対策で品質を確保。
5. 照明の基本
自然光を活かす、色温度を統一する、暗すぎる映像は編集で直しにくい。
6. 素材管理
ファイル名・フォルダのルール化、バックアップ、撮影ログで効率アップ。
撮影前チェックリスト(簡易版)
□ 4K設定になっているか
□ バッテリー、SDカードは十分か
□ 外部マイクは接続したか
□ 照明は適切か
□ 環境音は問題ないか
□ テスト撮影で画質・音質を確認したか
さらなるスキルアップのために
撮影と編集のスキルを高めるために、以下の関連記事もぜひ参考にしてください。
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今日から始める第一歩
撮影の質が上がれば、編集は驚くほど楽になります。
まずは、次の撮影から4K設定にしてみてください。そして、「少し長めに撮る」「インサートカットを撮る」を意識してみましょう。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、編集段階で「撮っておいて良かった!」と思う瞬間が必ず来ます。
撮影を制する者は、編集を制す——この意識を持って、より良い動画制作を目指してください。