動画編集/撮影

納期遅延を防ぐ動画編集のスケジュール管理|撮影から納品までの標準フロー

「納期に間に合わない」——動画編集者にとって、これほど恐ろしい言葉はありません。

クライアントの信頼を失い、報酬が減額され、最悪の場合は契約打ち切り。納期遅延は、動画編集者としてのキャリアに致命的なダメージを与えます。しかし、動画制作の現場では予期せぬトラブルが日常茶飯事。撮影の延期、素材の追加、クライアントからの大幅な修正依頼——計画通りに進まないことの方が多いのが現実です。

だからこそ、「スケジュール管理」が重要になります。適切な工程管理と余裕を持った計画があれば、トラブルが発生しても納期を守ることができます。

この記事では、動画編集における撮影から納品までの標準フロー、各工程にかかる時間の目安、納期遅延を引き起こす原因と対策、そして修正対応を効率化するコツまで、プロが実践するスケジュール管理術を徹底解説します。

動画制作の全体フローを理解する

まず、動画制作の全体像を把握しましょう。全工程を理解することで、適切なスケジュール設計が可能になります。

動画制作の基本的な流れ

動画制作は、大きく分けて以下の7つのステップで進行します。

ステップ1:企画・ヒアリングでは、クライアントの要望をヒアリングし、動画の目的、ターゲット、伝えたいメッセージを明確にします。この段階で方向性を間違えると、後工程で大幅な修正が発生するため、最も重要な工程といえます。

ステップ2:構成・絵コンテ作成では、企画をもとに動画の構成を作成します。絵コンテ(シナリオを絵や文字で具体化した設計図)を作成することで、撮影すべきシーンやカット割りが明確になります。

ステップ3:撮影準備では、撮影に必要な準備を行います。ロケハン(撮影場所の下見)、キャスティング(出演者の選定)、機材手配、撮影スケジュールの調整などが含まれます。

ステップ4:撮影では、絵コンテに沿って実際に撮影を行います。実写動画の場合は1日〜数日、インタビュー動画なら半日程度が一般的です。

ステップ5:編集では、撮影した素材をカット、つなぎ合わせ、テロップやBGMを追加します。動画の長さや複雑さによって、数日から数週間かかります。

ステップ6:MA(音入れ・ナレーション)では、ナレーションの収録、BGMの調整、効果音の追加など、音声に関する作業を行います。

ステップ7:試写・修正・納品では、完成した動画をクライアントに確認してもらい、指摘事項を修正した上で最終納品します。

実写動画とアニメーション動画の違い

動画の種類によって、制作フローと所要時間は大きく異なります。

実写動画は、撮影工程があるため、ロケハン、キャスティング、機材手配、撮影当日のスケジュール調整など、多くの準備が必要です。天候や出演者の都合による撮影延期のリスクもあります。一般的に、企画から納品まで1〜3ヶ月程度かかります。

アニメーション動画は、撮影工程がない分、スケジュールを組みやすいのが特徴です。ただし、イラストの描き起こしや3DCGの制作が必要な場合は、実写以上に時間がかかることもあります。シンプルなモーショングラフィックスなら1ヶ月以内、複雑なアニメーションなら2〜3ヶ月程度が目安です。

制作期間の目安

動画制作にかかる一般的な期間は、発注から納品まで1〜3ヶ月程度です。ただし、以下の要因によって大きく変動します。

動画の尺が長いほど、撮影・編集ともに時間がかかります。3分以内のショート動画なら2〜4週間、10分以上の動画なら1〜2ヶ月が目安です。

表現の複雑さも重要な要因です。3DCGやVFX(特殊効果)を多用する場合、編集工程だけで1ヶ月以上かかることもあります。

キャスティングの有無も影響します。タレントやモデルを起用する場合、スケジュール調整やオーディションに時間がかかります。

クライアントの確認フローによっても変わります。社内稟議や複数部署の承認が必要な場合、確認工程だけで数週間かかることもあります。

各工程にかかる時間の目安

スケジュールを立てる際に重要なのは、各工程にかかる時間を正確に見積もることです。ここでは、一般的な企業PR動画(3〜5分程度)を例に、各工程の目安時間を解説します。

企画・構成:1〜2週間

企画・構成の工程では、初回ヒアリングから企画書提出まで3〜5日、クライアントの確認・フィードバックに3〜5日、構成の修正・確定に2〜3日程度かかるのが一般的です。

この工程で重要なのは、クライアントとの認識合わせを徹底することです。「なんとなくのイメージ」で進めてしまうと、後工程で大幅な修正が発生し、スケジュールが崩壊します。

ポイントとして、参考動画を共有してイメージを具体化する、ターゲットや目的を文書化して合意を取る、「後から変更できない部分」を明確に伝えることが挙げられます。

絵コンテ作成:3〜7日

絵コンテ作成では、初稿作成に2〜3日、クライアント確認に2〜3日、修正・確定に1〜2日程度かかります。

絵コンテは「動画の設計図」です。ここでOKが出れば、基本的には大きな変更はできないことをクライアントに理解してもらうことが重要です。

関連記事として、修正回数をゼロにする!動画編集の「絵コンテ」と「指示書」の正しい書き方も参考にしてください。

撮影準備:1〜2週間

撮影準備の工程は、内容によって大きく変動します。ロケハン(撮影場所の下見)に1〜2日、キャスティング(オーディションあり)に1週間程度、機材手配・確認に2〜3日、香盤表(撮影スケジュール)作成に1〜2日かかります。

自社社員のインタビュー動画など、シンプルな内容であれば、撮影準備は数日で完了することもあります。一方、屋外ロケやタレント起用がある場合は、2週間以上かかることもあります。

撮影:半日〜数日

撮影自体は比較的短期間で完了します。インタビュー動画なら半日〜1日、商品紹介動画なら1〜2日、複数ロケーションの企業PR動画なら2〜3日が目安です。

ただし、撮影は「予備日」を設けることが重要です。屋外撮影なら天候による延期リスク、出演者の体調不良や急なスケジュール変更などに備える必要があります。

編集:2〜3週間

編集工程は、動画制作で最も時間がかかる工程のひとつです。

カット編集として、素材の選定、不要部分のカット、つなぎ合わせに1〜3日かかります。

テロップ入力として、字幕、タイトル、注釈の作成に2〜5日かかります。テロップの量によって大きく変動し、フルテロップの場合は1週間以上かかることもあります。

エフェクト・アニメーションとして、トランジション、モーショングラフィックス、カラーグレーディングに2〜5日かかります。

BGM・効果音として、音源選定、音量調整、効果音挿入に1〜2日かかります。

仮完成・内部チェックとして、全体の確認、微調整に1〜2日かかります。

関連記事として、動画編集の書き出し設定(エンコード)完全ガイド|YouTubeに最適な解像度とビットレートも参考にしてください。

試写・修正:1〜2週間

試写・修正の工程は、クライアントとのやり取りが中心となるため、相手のレスポンス速度に大きく左右されます。

初稿提出からクライアント確認まで2〜5日、1回目の修正に1〜3日、修正後の再確認に2〜3日、最終修正・確定に1〜2日程度かかるのが一般的です。

修正回数は一般的に2〜3回が目安です。それ以上になる場合は、企画段階での認識合わせが不十分だった可能性があります。

MA・納品:3〜5日

最終工程として、ナレーション収録(必要な場合)に1〜2日、最終調整・書き出しに1日、納品形式の調整・データ送付に1日程度かかります。

納品形式(MP4、MOV、DVD等)は事前に確認しておきましょう。後から形式変更を求められると、追加の書き出し作業が発生します。

納期遅延を引き起こす原因と対策

納期遅延は、さまざまな原因で発生します。ここでは、よくある遅延原因とその対策を解説します。

原因1:企画段階での認識のズレ

最も多い遅延原因は、企画段階でクライアントとの認識がズレていることです。「思っていたのと違う」と後から大幅な修正を求められると、スケジュールは一気に崩壊します。

対策として、参考動画を必ず共有する、企画書・構成案を文書で合意を取る、「後から変更できない部分」を事前に説明する、絵コンテ確定時に「これ以降の大幅な変更は追加費用・納期延長」と伝えることが有効です。

原因2:素材の遅延・不足

クライアントから提供される素材(ロゴ、写真、資料など)が予定通りに届かない、または品質が不十分で使えないケースがあります。

対策として、素材リストを事前に作成し、提出期限を明確にする、素材の仕様(解像度、形式など)を具体的に指定する、素材提出が遅れた場合の納期への影響を事前に説明する、仮素材で編集を進められる体制を整えておくことが重要です。

原因3:確認・承認の遅延

クライアント側の確認に時間がかかり、次の工程に進めないケースは非常に多いです。特に、複数部署の承認が必要な大企業では顕著です。

対策として、確認期限を事前に設定し、合意を取る、確認が遅れた場合の納期への影響を明文化する、確認フローを事前にヒアリングし、スケジュールに反映する、リマインドのタイミングを決めておくことが効果的です。

原因4:修正の無限ループ

「もう少しこうして」「やっぱり元に戻して」——修正が終わらず、いつまでも納品できないケースがあります。

対策として、修正回数を契約時に明確にする(例:2回まで無料、3回目以降は追加費用)、修正依頼のフォーマットを用意し、具体的に指示してもらう、「修正期限」を設け、期限を過ぎたら追加費用か納期延長とする、修正の影響範囲(他の部分にも影響があるか)を説明することが重要です。

関連記事として、修正指示が「無限ループ」になる原因と対策|お互いに疲弊しないコミュニケーションも参考にしてください。

原因5:撮影トラブル

天候不良、機材トラブル、出演者の急病など、撮影は予期せぬトラブルが発生しやすい工程です。

対策として、撮影予備日を必ず設ける、屋外撮影の場合は雨天時のバックアッププランを用意する、機材は事前に動作確認を行う、出演者が複数いる場合は個別に撮影できる構成にすることが有効です。

原因6:自分自身のキャパオーバー

複数の案件を同時に抱え、処理しきれなくなるケースも少なくありません。

対策として、案件ごとの工数を正確に見積もる、自分のキャパシティを把握し、無理な受注を避ける、スケジュール管理ツールを活用する、緊急時に依頼できる協力者を確保しておくことが重要です。

スケジュール管理の実践テクニック

ここからは、具体的なスケジュール管理のテクニックを紹介します。

バッファ(余裕)を必ず設ける

スケジュールを組む際の鉄則は、「バッファを設ける」ことです。

各工程にバッファを設けるなら、見積もり時間の20〜30%を上乗せします。例えば、編集に10日かかると見積もったら、12〜13日で計画を立てます。

全体にバッファを設けるなら、納品日の3〜5日前を「社内完成日」として設定します。最終チェックや想定外の修正に対応する時間を確保できます。

特にリスクが高い工程として、撮影(天候・体調リスク)、クライアント確認(レスポンス遅延リスク)、修正対応(追加要望リスク)には、より多めのバッファを設けましょう。

マイルストーンを設定する

大きなプロジェクトは、いくつかのマイルストーン(中間目標)に分割して管理します。

例えば、3ヶ月のプロジェクトなら、1週目に企画確定、2週目に絵コンテ確定、4週目に撮影完了、6週目に初稿提出、8週目に修正完了、10週目に最終納品というようにマイルストーンを設定します。

各マイルストーンには「完了条件」を明確にしておくことで、進捗の遅れを早期に発見できます。

ガントチャートで可視化する

複数のタスクを並行して進める場合、ガントチャートでスケジュールを可視化すると効果的です。

おすすめのツールとして、Notion(無料プランあり、カスタマイズ性が高い)、Asana(無料プランあり、チーム利用に最適)、Trello(無料プランあり、シンプルで使いやすい)、Googleスプレッドシート(無料、手軽に始められる)、Microsoft Excel / Project(企業利用に最適)などがあります。

ガントチャートを使うメリットとして、全体の流れが一目でわかる、各タスクの依存関係が明確になる、遅延の影響範囲を把握しやすい、クライアントへの進捗報告に使えるといった点が挙げられます。

日次・週次でレビューを行う

スケジュールは「作って終わり」ではありません。定期的にレビューし、必要に応じて調整することが重要です。

日次レビュー(毎日5分)では、今日完了すべきタスクの確認、昨日の進捗と計画のズレの確認、明日の作業の準備状況の確認を行います。

週次レビュー(毎週30分)では、今週の進捗と計画の比較、来週のタスクの確認と調整、リスク要因の洗い出しと対策、クライアントへの進捗報告の準備を行います。

コミュニケーションの頻度を決める

クライアントとのコミュニケーションは、多すぎても少なすぎても問題です。適切な頻度を事前に決めておきましょう。

定期報告のタイミングとして、週1回の進捗報告(メールまたはチャット)、各マイルストーン完了時の報告、問題発生時の即時報告が一般的です。

確認依頼時には必ず期限を設定し、「◯月◯日までにご確認をお願いします」と明記します。期限を過ぎた場合のリマインド方法も事前に決めておきましょう。

関連記事として、修正指示を減らす!クライアントワークでの動画編集「プレビュー・確認」のコツも参考にしてください。

動画の種類別スケジュール例

ここでは、動画の種類別に具体的なスケジュール例を紹介します。

YouTube動画(10分・定期投稿)の場合

定期投稿のYouTube動画は、効率化が重要です。

企画・構成に1日、撮影に半日〜1日、編集に2〜3日、サムネイル・概要欄作成に半日、確認・修正に1日、公開設定・投稿に半日で、合計5〜7日が標準的なスケジュールです。

効率化のポイントとして、テンプレートを活用してテロップやエフェクトを統一する、BGM・効果音のライブラリを事前に整備する、企画のストックを常に持っておくことが挙げられます。

企業PR動画(3〜5分)の場合

クオリティと承認プロセスを重視した標準的なスケジュールです。

ヒアリング・企画に1週間、構成・絵コンテに1週間、撮影準備に1〜2週間、撮影に1〜2日、編集に2週間、試写・修正に1〜2週間、MA・納品に3〜5日で、合計6〜8週間が目安です。

注意点として、クライアント確認の期間を長めに取る、複数部署の承認が必要な場合はさらに余裕を持つ、社内イベントでの使用など使用日が決まっている場合は逆算してスケジュールを組むことが重要です。

イベント記録動画(当日撮影・短納期)の場合

短納期が求められるイベント動画のスケジュール例です。

事前打ち合わせ・構成確認に2〜3日、撮影(イベント当日)に1日、編集(速報版)に1〜2日、確認・修正に1日、完成版編集に2〜3日、最終確認・納品に1日で、合計7〜10日が目安です。

短納期対応のコツとして、撮影前に編集の方向性を固めておく、イベント中に使えるカットを意識して撮影する、速報版と完成版に分けて納品する、編集テンプレートを事前に準備しておくことが有効です。

納期を守るための心構え

最後に、納期を守るための心構えについてお伝えします。

「余裕を持った見積もり」は甘えではない

「できるだけ早く」という姿勢は、一見プロフェッショナルに見えます。しかし、無理なスケジュールを組んで結果的に遅延してしまうのは、最も避けるべき事態です。

適切なバッファを設けた見積もりは、クライアントに対する誠実さの表れです。「予定より早く完成しました」と言えれば、信頼はさらに高まります。

問題は早めに報告する

スケジュールに遅れが生じそうな場合、早めにクライアントに報告することが重要です。「ギリギリまで頑張って、間に合わなかったら報告する」という姿勢は、最悪の結果を招きます。

遅延が見込まれた時点で、現状の進捗、遅延の原因、対策案(代替案)、新しい納期の見通しを報告しましょう。早めの報告であれば、クライアント側も対応策を検討する時間があります。

「完璧主義」を捨てる

動画編集者にありがちなのが、細部にこだわりすぎて時間を浪費してしまうことです。

もちろん、品質は重要です。しかし、「80点の動画を納期通りに納品する」ことと「100点の動画を納期に遅れて納品する」ことでは、前者の方がプロフェッショナルとして評価されます。

「このクオリティで十分か」を判断する基準を持ち、時間と品質のバランスを取ることが大切です。

断る勇気を持つ

無理なスケジュールや、明らかにキャパオーバーの案件は、断る勇気も必要です。

「この納期では難しいです」と正直に伝えることは、クライアントに対する誠実さです。無理に受けて遅延するより、最初から適切な納期を提示する方が、長期的な信頼関係につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 急な修正依頼で納期に間に合わなくなりそうです。どうすればいいですか?

まず、クライアントに現状を正直に報告しましょう。その上で、選択肢を提示します。例えば「現在の納期で納品する場合は修正Aのみ対応可能」「全ての修正に対応する場合は納期を◯日延長」といった形で、クライアントに判断を委ねます。一方的に遅延を伝えるのではなく、選択肢を示すことで、クライアントも納得しやすくなります。

Q2. クライアントからの確認が遅く、次の工程に進めません。どうすればいいですか?

まず、確認期限を事前に設定しておくことが重要です。それでも遅れる場合は、丁寧にリマインドしつつ、「◯日までにご確認いただけない場合、納期が△日延長になります」と影響を明確に伝えましょう。また、契約時に「確認期限の遅延による納期延長」についてのルールを明文化しておくと、トラブルを防げます。

Q3. 複数の案件を同時に進める場合、どのように管理すればいいですか?

案件ごとに優先順位をつけ、それぞれのスケジュールをガントチャートなどで可視化することが基本です。また、「集中作業の時間帯」と「確認・調整の時間帯」を分けることで、効率的に進められます。キャパオーバーになりそうな場合は、早めに調整するか、協力者に依頼することも検討しましょう。

Q4. 見積もり時点で適切な工数がわかりません。どうすればいいですか?

過去の類似案件の実績を記録しておくことが重要です。「10分のYouTube動画は編集に平均◯時間かかった」というデータがあれば、見積もりの精度が上がります。また、初めての種類の案件では、多めにバッファを取ることをお勧めします。経験を積むにつれて、見積もり精度は向上していきます。

Q5. 修正回数の制限をクライアントに伝えにくいです。どうすればいいですか?

「修正回数に制限がある」というネガティブな伝え方ではなく、「2回までの修正は無料で対応します」というポジティブな伝え方をしましょう。また、修正回数を制限する理由(品質維持のため、スケジュール管理のため)を説明すれば、多くのクライアントは理解してくれます。契約書や見積書に明記しておくことで、後からのトラブルも防げます。

Q6. 納期に間に合わなかった場合、どのような対応をすべきですか?

まず、誠実に謝罪し、新しい納期を明確に提示します。その上で、遅延の原因と再発防止策を説明しましょう。可能であれば、お詫びとして一部料金の減額や追加サービスの提供を検討してもよいでしょう。最も重要なのは、「二度と同じことを繰り返さない」という姿勢を示し、実際に改善することです。

スケジュール管理チェックリスト

プロジェクトの各フェーズで確認すべき項目をチェックリストにまとめました。

プロジェクト開始時のチェック

プロジェクトを始める前に、以下の項目を確認しましょう。

納品日が明確に決まっているか確認します。「なるべく早く」ではなく、具体的な日付を設定することが重要です。

動画の目的・ターゲット・メッセージが文書化されているか確認します。口頭での合意だけでは後からトラブルになりやすいです。

参考動画やイメージが共有されているか確認します。具体的なイメージがないまま進めると、認識のズレが生じます。

必要な素材のリストと提出期限が決まっているか確認します。クライアントから提供される素材がある場合は特に重要です。

確認フロー(誰が確認するか)が把握できているか確認します。複数の承認者がいる場合はスケジュールに影響します。

修正回数と追加費用のルールが合意されているか確認します。トラブル防止のため、契約書や見積書に明記します。

全体スケジュールとマイルストーンが設定されているか確認します。ガントチャートなどで可視化すると効果的です。

企画・構成フェーズのチェック

企画確定前に確認すべき項目です。

構成案がクライアントに承認されているか確認します。口頭ではなく、メールや書面で承認を得ましょう。

「後から変更できない部分」が明確に伝えられているか確認します。撮影後の大幅な変更は困難であることを理解してもらいます。

出演者・ロケ地・スケジュールに問題がないか確認します。関係者全員のスケジュールを押さえておきます。

必要な機材がリストアップされているか確認します。特殊な機材が必要な場合は早めに手配します。

撮影フェーズのチェック

撮影前後で確認すべき項目です。

撮影予備日が確保されているか確認します。天候や体調不良に備えて必ず設けましょう。

香盤表(撮影スケジュール)が全員に共有されているか確認します。撮影当日の混乱を防ぎます。

機材の動作確認が完了しているか確認します。撮影当日のトラブルを防ぐため、事前にテストします。

撮影後、全カットが撮れているか確認します。撮り直しが必要な場合は早めに対応します。

編集フェーズのチェック

編集作業中に確認すべき項目です。

全素材が揃っているか確認します。不足している素材があれば早めにクライアントに依頼します。

編集方針が明確になっているか確認します。迷いながら作業すると時間がかかります。

テロップ・ナレーション原稿が確定しているか確認します。後から変更されると大幅な修正が発生します。

BGM・効果音の使用許諾に問題がないか確認します。著作権トラブルを防ぐため、使用条件を確認します。

定期的にバックアップを取っているか確認します。データ消失に備えて複数箇所に保存します。

試写・修正フェーズのチェック

試写・修正時に確認すべき項目です。

確認期限が明確に伝えられているか確認します。「◯月◯日までにご確認ください」と具体的に記載します。

修正依頼のフォーマットが共有されているか確認します。タイムコードと具体的な内容を記載してもらいます。

修正回数のカウントが正確にされているか確認します。上限を超えた場合の対応を準備します。

修正の影響範囲を確認したか確認します。一箇所の修正が他に影響を与える場合があります。

納品フェーズのチェック

最終納品前に確認すべき項目です。

納品形式(ファイル形式・解像度・コーデック)が確認されているか確認します。後から変更依頼があると手間がかかります。

最終チェックが完了しているか確認します。テロップの誤字脱字、音声のバランスなどを再確認します。

バックアップが取られているか確認します。納品後のデータ保管についてもルールを決めておきます。

請求書・報告書の準備ができているか確認します。納品と同時に提出できるよう準備しておきます。

緊急時の対応マニュアル

どれだけ計画を立てても、予期せぬトラブルは発生します。ここでは、緊急時の対応方法を解説します。

撮影が延期になった場合

天候不良や出演者の体調不良で撮影が延期になった場合の対応です。

即時対応として、関係者全員に延期の連絡をする、予備日への振り替えを調整する、会場・機材のキャンセル手続きを行うことが必要です。

スケジュール調整として、全体スケジュールへの影響を確認する、納期に影響がある場合はクライアントに報告する、編集作業のスケジュールを調整することが求められます。

再発防止として、屋外撮影の場合は天候リスクをより考慮する、複数の撮影候補日を事前に確保することを心がけましょう。

素材が足りない・使えないことが発覚した場合

編集中に素材の不足や品質問題が発覚した場合の対応です。

即時対応として、不足・問題のある素材をリストアップする、追加撮影の必要性を判断する、フリー素材や既存素材での代替を検討することが必要です。

クライアント報告として、問題の内容と影響を説明する、対応案(追加撮影、代替素材使用など)を提示する、スケジュール・費用への影響を明確にすることが重要です。

関連記事として、素材が足りない!撮影し忘れたシーンを「フリー素材」や「静止画」でカバーする編集技も参考にしてください。

クライアントから大幅な修正依頼があった場合

想定外の大幅な修正依頼があった場合の対応です。

冷静に状況を把握として、修正内容を具体的に確認する、修正の背景・理由をヒアリングする、影響範囲(工数・スケジュール・費用)を見積もることが最初のステップです。

選択肢を提示として、「現在の納期で対応可能な範囲」と「全て対応する場合の条件」を明確に示す、追加費用・納期延長の必要性を説明する、代替案があれば提案することがポイントです。

合意形成として、クライアントの意思決定をサポートする、決定事項を文書で確認する、変更後のスケジュールを共有することで、トラブルを防ぎます。

PCトラブル・データ消失が発生した場合

機材トラブルやデータ消失が発生した場合の対応です。

即時対応として、バックアップからの復元を試みる、復元できない場合は影響範囲を確認する、必要に応じて専門業者に相談することが必要です。

クライアント報告として、状況を正直に報告する、復旧の見通しを伝える、スケジュールへの影響と対応策を提示することが重要です。

再発防止として、自動バックアップの設定を見直す、複数箇所へのバックアップを徹底する、機材のメンテナンスを定期的に行うことを心がけましょう。

関連記事として、動画編集プロジェクトの「バックアップ」習慣|編集ソフトがクラッシュした時の復旧ガイドも参考にしてください。

納期に間に合わないことが確実になった場合

どうしても納期に間に合わない場合の対応です。

最優先事項として、できるだけ早くクライアントに報告することが最も重要です。ギリギリまで隠すのは最悪の対応です。

報告内容として、現在の進捗状況、遅延の原因、新しい納期の見通し、再発防止策を伝えます。

誠実な対応として、言い訳ではなく事実を伝える、クライアントの損害を最小限にする方法を提案する、必要に応じて費用の減額を提案することで、信頼関係の維持に努めます。

その後のフォローとして、約束した新納期は必ず守る、プロジェクト完了後に振り返りを行う、同じ失敗を繰り返さないよう改善策を実行することが大切です。

まとめ

動画編集における納期遅延は、適切なスケジュール管理で大幅に防ぐことができます。

ポイント1として、全体フローを理解し、各工程にかかる時間を正確に把握することが重要です。

ポイント2として、バッファを設け、「想定外」に備えることを忘れないでください。

ポイント3として、企画段階でクライアントとの認識を徹底的に合わせることで、後工程の修正を最小限に抑えられます。

ポイント4として、確認期限、修正回数などのルールを事前に明確化しておくことが大切です。

ポイント5として、問題が発生したら早めに報告し、選択肢を提示することでクライアントの信頼を維持できます。

納期を守ることは、動画編集者としての基本的な信頼に直結します。この記事で紹介したスケジュール管理術を実践し、クライアントから「この人に任せれば安心」と思われる編集者を目指しましょう。

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