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Meta広告のターゲティング設定を極める【オーディエンス設計のコツ】

Meta広告のターゲティングが重要な理由

Meta広告(Facebook・Instagram広告)の成功を左右する最大の要因は「ターゲティング」です。どれだけ魅力的なクリエイティブを用意しても、適切なユーザーに届かなければ成果は出ません。逆に、ターゲティングが適切であれば、シンプルなクリエイティブでも驚くほどの効果を発揮することがあります。

Meta広告のターゲティングが他の広告媒体と比較して優れている点は、主に以下の3つです。

1. 膨大なユーザーデータの活用
Facebookは実名登録制のSNSであり、ユーザーは年齢、性別、居住地、学歴、勤務先、趣味、ライフイベントなど多くの情報を登録しています。さらに、Facebook・Instagram上での行動データ(いいね、コメント、シェア、閲覧履歴など)も蓄積されています。これらの膨大なデータを活用することで、非常に精度の高いターゲティングが実現できます。

2. AIによる自動最適化
Meta広告のAIは、設定したターゲット内で最も成果が出やすいユーザーを自動的に見つけ出して広告を配信します。広告配信が進むにつれて学習が進み、精度がどんどん高まっていきます。

3. 柔軟なオーディエンス設計
基本的な属性ターゲティングに加えて、自社の顧客データを活用したカスタムオーディエンス、似た特徴を持つユーザーを探す類似オーディエンスなど、多彩なターゲティング手法を組み合わせることができます。

本記事では、Meta広告のターゲティング設定について、基本から応用まで徹底的に解説します。Meta広告の始め方をすでに読んで基本を理解している方は、この記事でターゲティングのスキルを一段階引き上げましょう。

Meta広告の3つのオーディエンスタイプを理解する

Meta広告のターゲティングには、大きく分けて3つのオーディエンスタイプがあります。それぞれの特徴と使い分けを理解することが、効果的なターゲティングの第一歩です。

コアオーディエンス:基本の属性・興味関心ターゲティング

コアオーディエンスは、Meta広告が保有するユーザーデータをもとに、年齢、性別、地域、興味関心、行動などの条件を指定してターゲットを作成する方法です。もっとも基本的なターゲティング手法であり、新規顧客の開拓に適しています。

コアオーディエンスの主な設定項目

・地域(国、都道府県、市区町村、郵便番号、半径指定)
・年齢(18歳〜65歳以上)
・性別(男性、女性、すべて)
・詳細ターゲット設定(興味関心、行動、属性)
・言語
・つながり(ページへのいいね、アプリ使用、イベント参加など)

コアオーディエンスが適しているケース

・自社の顧客データがまだ少ない場合
・新しい市場やターゲット層にアプローチしたい場合
・ブランド認知を広げたい場合
・特定の属性(年齢、地域、職業など)に絞って配信したい場合

カスタムオーディエンス:自社データを活用したターゲティング

カスタムオーディエンスは、自社が保有する顧客データやウェブサイトの訪問者データをもとにターゲットを作成する方法です。すでに自社と接点を持っているユーザーにアプローチできるため、コンバージョン率が高い傾向にあります。

カスタムオーディエンスの主なソース

・顧客リスト(メールアドレス、電話番号など)
・ウェブサイトトラフィック(Metaピクセルで計測)
・アプリアクティビティ
・オフラインアクティビティ
・動画視聴者
・リード獲得フォームの回答者
・Instagramアカウントとのエンゲージメント
・Facebookページとのエンゲージメント
・イベント参加者
・ショッピング利用者

カスタムオーディエンスが適しているケース

・既存顧客へのリピート促進
・ウェブサイト訪問者へのリマーケティング
・カート放棄ユーザーへのフォローアップ
・過去の購入者に新商品を案内
・メルマガ登録者への広告配信

類似オーディエンス:優良顧客に似たユーザーを発掘

類似オーディエンス(Lookalike Audience)は、カスタムオーディエンスをソースとして、そのユーザーに類似した特徴を持つ新規ユーザーをMeta広告のAIが自動的に探し出す機能です。新規顧客の開拓において非常に強力なツールです。

類似オーディエンスの仕組み

1. ソースとなるカスタムオーディエンスを選択(例:過去の購入者リスト)
2. 対象の国・地域を選択
3. オーディエンスサイズ(類似度)を1%〜10%で設定
4. Meta広告のAIがソースの特徴を分析し、類似したユーザーを抽出

類似度は1%が最も類似性が高く、10%に近づくほど類似性は下がりますがリーチは広がります。

類似オーディエンスが適しているケース

・優良顧客に似た新規見込み客を獲得したい場合
・カスタムオーディエンスの規模が小さくリーチが限られる場合
・スケールアップして配信量を増やしたい場合

コアオーディエンスの詳細設定:ターゲティング精度を高める

コアオーディエンスの設定項目を詳しく見ていきましょう。各項目を適切に設定することで、ターゲティングの精度を大幅に高めることができます。

地域ターゲティング:エリアを絞り込む

地域ターゲティングでは、広告を配信する地理的な範囲を指定します。

設定できる地域の種類

・国単位
・都道府県単位
・市区町村単位
・郵便番号単位
・特定の地点から半径○km(最小1km〜)

地域ターゲティングのオプション

・この地域に住んでいる人:その地域に住所がある人
・最近この地域にいた人:最近その地域を訪れた人
・この地域を旅行中の人:住所は別の場所だが、現在その地域にいる人
・この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人(デフォルト)

店舗ビジネスにおける地域ターゲティングの活用例

飲食店や美容室など店舗ビジネスでは、店舗を中心とした半径ターゲティングが効果的です。例えば、駅近の飲食店であれば、最寄り駅から半径2〜3kmを設定するといった使い方ができます。

また、「この地域を旅行中の人」を選択すれば、観光客や出張者にアプローチすることも可能です。観光地の飲食店やホテルなどで活用できます。

地域ビジネスの広告運用については、地域ビジネス・店舗のWeb広告活用法も参考にしてください。

年齢・性別ターゲティング:基本属性を設定する

年齢と性別は、最も基本的なターゲティング項目です。

年齢設定のポイント

・設定可能範囲:18歳〜65歳以上
・ターゲット層に合わせて適切な範囲を設定
・最初は広めに設定し、データを見て絞り込むアプローチも有効

注意点として、あまりに狭い年齢範囲(例:25歳〜27歳のみ)に設定すると、配信量が確保できず機械学習が進まないことがあります。

性別設定のポイント

・男性、女性、すべて(指定なし)から選択
・商品・サービスによっては性別を絞ることで効率が上がる
・データがない場合は「すべて」で配信し、結果を見て判断

詳細ターゲット設定:興味関心・行動・属性で絞り込む

詳細ターゲット設定は、Meta広告のターゲティングで最も重要な項目の一つです。ユーザーの興味関心、行動、属性に基づいて細かくターゲットを絞り込むことができます。

興味・関心カテゴリの例

・ビジネス・業界:起業家、中小企業経営者、マーケティングなど
・エンターテイメント:映画、音楽、ゲームなど
・家族・交際関係:子育て、結婚、恋愛など
・フィットネス・ウェルネス:ヨガ、ジム、ダイエットなど
・飲食:料理、レストラン、ワインなど
・趣味・アクティビティ:旅行、アウトドア、DIYなど
・ショッピング・ファッション:オンラインショッピング、ブランドなど
・スポーツ:サッカー、野球、ゴルフなど
・テクノロジー:スマートフォン、アプリ、ガジェットなど

行動カテゴリの例

・デジタルアクティビティ:Facebookページ管理者、スマホゲームプレイヤーなど
・海外在住者:特定の国に住む日本人など
・記念日:誕生日が近い、記念日が近いなど
・購入行動:オンライン購入者、購入予定者など
・旅行:よく旅行する人、最近旅行から戻った人など
・モバイルデバイスユーザー:iPhone所有者、Android所有者など

利用者層(属性)カテゴリの例

・学歴:高卒、大卒、大学院卒など
・ファイナンス:所得層など
・ライフイベント:最近引っ越した、最近婚約した、新しい仕事を始めたなど
・子供の有無:子供がいる親、子供の年齢別など
・交際ステータス:独身、交際中、婚約中、既婚など
・仕事:業界、役職、雇用形態など

詳細ターゲットの組み合わせ方

詳細ターゲット設定では、複数の条件を組み合わせることができます。組み合わせ方には2種類あります。

OR条件(いずれかに該当)
同じ入力欄に複数の項目を追加すると、いずれかの条件に該当するユーザーがターゲットになります。

例:「ヨガ」OR「フィットネス」OR「ダイエット」
→ヨガ、フィットネス、ダイエットのいずれかに興味があるユーザー

AND条件(すべてに該当)
「オーディエンスを絞り込む」をクリックして条件を追加すると、両方の条件に該当するユーザーだけがターゲットになります。

例:「ヨガに興味がある」AND「30代女性」
→ヨガに興味があり、かつ30代女性のユーザー

除外設定
「除外」をクリックして条件を追加すると、その条件に該当するユーザーを除外できます。

例:「フィットネスに興味がある」から「競合ジムのファン」を除外
→フィットネスに興味があるが、競合ジムのファンではないユーザー

つながりターゲティング:自社アセットとの関係性で絞る

つながりターゲティングでは、自社のFacebookページ、アプリ、イベントとの関係性に基づいてターゲットを設定できます。

Facebookページ
・ページにいいね!した人
・ページにいいね!した人の友達
・ページにいいね!した人を除外

アプリ
・アプリを使用した人
・アプリを使用した人の友達
・アプリを使用した人を除外

イベント
・イベントに回答した人
・イベントに回答した人を除外

例えば、新規顧客獲得を目的とした広告では「ページにいいね!した人を除外」を設定することで、既存フォロワーへの無駄な配信を防げます。逆に、既存顧客向けのキャンペーン告知では「ページにいいね!した人」のみに配信することで効率的にリーチできます。

カスタムオーディエンスの作成方法:自社データを活用する

カスタムオーディエンスは、自社が保有するデータを活用して作成するターゲットです。すでに自社と接点を持っているユーザーにアプローチできるため、一般的にコアオーディエンスよりも高い成果が期待できます。

顧客リストからカスタムオーディエンスを作成する

自社が保有する顧客データ(メールアドレス、電話番号など)をアップロードして、カスタムオーディエンスを作成できます。

利用できるデータの種類

・メールアドレス
・電話番号
・モバイル広告ID
・名前(ファーストネーム、ラストネーム)
・郵便番号
・市区町村
・都道府県
・国
・生年月日
・生まれた年
・性別

作成手順

1. 広告マネージャの「オーディエンス」を開く
2. 「オーディエンスを作成」→「カスタムオーディエンス」を選択
3. 「カスタマーリスト」を選択
4. CSVまたはTXTファイルでデータをアップロード
5. データ列のマッピングを確認
6. オーディエンス名を入力して作成

マッチ率を高めるポイント

アップロードしたデータとMetaのユーザーデータを照合(マッチング)して、該当するユーザーがオーディエンスに追加されます。マッチ率を高めるためには以下のポイントが重要です。

・複数の識別子を含める(メールアドレス+電話番号など)
・データを正しくフォーマットする(電話番号の国番号、メールアドレスの小文字化など)
・できるだけ新しいデータを使用する

活用例

・既存顧客に新商品を案内
・休眠顧客の掘り起こし
・メルマガ登録者への特別オファー
・高LTV顧客のリストをソースに類似オーディエンスを作成

ウェブサイトトラフィックからカスタムオーディエンスを作成する

Metaピクセルを設置することで、ウェブサイト訪問者をもとにカスタムオーディエンスを作成できます。いわゆるリマーケティング(リターゲティング)を実現するための機能です。

ピクセルの設置方法については、Meta広告のピクセル設定とコンバージョン計測を参照してください。

設定できるオーディエンスの種類

・すべてのウェブサイト訪問者
・特定のページを訪問した人
・訪問したページに特定のキーワードが含まれる人
・訪問した時間で絞り込み(例:過去7日間の訪問者)
・滞在時間の上位○%
・特定のイベントを実行した人(購入、カート追加、会員登録など)

リテンション期間の設定

オーディエンスに含める期間を1日〜180日の範囲で設定できます。一般的に、期間が短いほど購買意欲が高いユーザーが含まれますが、オーディエンスサイズは小さくなります。

・1〜7日:購買意欲が最も高い層。カート放棄へのリマーケティングなどに最適
・8〜30日:比較検討段階のユーザーを含む
・31〜90日:興味は持っているが購入に至っていない層
・91〜180日:広い層にリーチしたい場合、または類似オーディエンスのソースとして活用

セグメント別のオーディエンス作成例

・トップページ訪問者
・商品詳細ページ訪問者
・カートに追加したが購入していない人
・会員登録したが購入していない人
・過去に購入した人
・特定のカテゴリページを訪問した人

これらのセグメント別にオーディエンスを作成し、それぞれに合わせたメッセージを配信することで、効率的なリマーケティングが実現できます。リマーケティングの詳細については、リマーケティング広告の設定と活用法も参考にしてください。

動画視聴者からカスタムオーディエンスを作成する

Facebook/Instagramで配信した動画広告や、ページに投稿した動画を視聴したユーザーをオーディエンスとして作成できます。

設定できる視聴条件

・動画を3秒以上視聴した人
・動画を10秒以上視聴した人(ThruPlay)
・動画を25%まで視聴した人
・動画を50%まで視聴した人
・動画を75%まで視聴した人
・動画を95%まで視聴した人

視聴率が高いほど、商品やサービスへの関心度が高いと判断できます。例えば、動画を50%以上視聴した人は、興味を持って視聴を続けた見込み客と言えます。

活用例

・ブランド動画を視聴した人に商品広告を配信
・長尺の説明動画を最後まで見た人にコンバージョン広告を配信
・動画視聴者を類似オーディエンスのソースとして活用

Instagramアカウントエンゲージメントからカスタムオーディエンスを作成する

Instagramアカウントとインタラクションしたユーザーをオーディエンスとして作成できます。

設定できるエンゲージメントの種類

・プロフィールにアクセスした人
・投稿または広告に対してアクションを起こした人(いいね、コメント、保存、シェアなど)
・メッセージを送信した人
・投稿または広告を保存した人

Instagramでのオーガニック運用と広告運用を連携させることで、より効果的なマーケティングが実現できます。普段の投稿でエンゲージメントを集め、その反応者に広告を配信するという流れが効果的です。

リード獲得フォームからカスタムオーディエンスを作成する

Meta広告のリード獲得広告を使用している場合、フォームを開いた人やフォームを送信した人をオーディエンスとして作成できます。

設定できる条件

・フォームを開いた人
・フォームを開いたが送信しなかった人
・フォームを開いて送信した人

「フォームを開いたが送信しなかった人」に対してリマーケティングを行うことで、フォーム離脱者を再度獲得できる可能性があります。

類似オーディエンスの作成と活用:新規顧客を効率的に開拓する

類似オーディエンス(Lookalike Audience)は、Meta広告のターゲティング機能の中でも特に強力なツールです。適切に活用することで、新規顧客の開拓を大幅に効率化できます。

類似オーディエンスの仕組みを理解する

類似オーディエンスは、以下の仕組みで作成されます。

1. ソースとなるカスタムオーディエンスを指定
2. Meta広告のAIがソースユーザーの特徴を分析(年齢、性別、地域、興味関心、行動パターンなど)
3. 指定した国・地域のユーザーの中から、類似した特徴を持つユーザーを抽出
4. 類似度(1%〜10%)に応じたサイズのオーディエンスを作成

例えば、日本国内で1%の類似オーディエンスを作成した場合、日本のFacebook/Instagramユーザーの上位1%(最も類似度が高い層)がターゲットになります。

効果的なソースオーディエンスの選び方

類似オーディエンスの精度は、ソースとなるオーディエンスの質に大きく左右されます。

良いソースオーディエンスの条件

・ビジネス目標に直結するユーザーで構成されている
・十分なサイズがある(最低100人以上、理想は1,000〜5,000人)
・最新のデータで構成されている
・一定の品質基準を満たしている

おすすめのソースオーディエンス

・過去の購入者(最もおすすめ)
・高LTV(生涯顧客価値)の顧客
・リピート購入者
・コンバージョン(問い合わせ、会員登録など)したユーザー
・ウェブサイトで重要なアクションを取ったユーザー(カート追加、商品詳細閲覧など)
・動画を長時間視聴したユーザー
・Instagramでエンゲージメントが高いユーザー

避けるべきソースオーディエンス

・サイズが小さすぎるオーディエンス(100人未満)
・古いデータで構成されたオーディエンス
・購買意欲と関係ない行動に基づくオーディエンス

類似度(オーディエンスサイズ)の選び方

類似オーディエンスを作成する際、類似度を1%〜10%の範囲で設定します。

1%〜2%(類似度:高)
・ソースに最も類似したユーザーで構成
・コンバージョン率が高い傾向
・オーディエンスサイズは小さめ
・CPA重視の場合におすすめ

3%〜5%(類似度:中)
・バランスの取れた設定
・コンバージョン率とリーチのバランスが良い
・最初のテストに適している

6%〜10%(類似度:低)
・リーチを優先した設定
・コンバージョン率はやや下がる傾向
・認知拡大やスケールアップに適している

段階的なテストのすすめ

類似度によって効果が異なるため、複数の類似度でオーディエンスを作成し、ABテストで効果を比較することをおすすめします。

例えば、以下のように段階的に作成します。
・類似1%
・類似1%〜3%(1%を除外)
・類似3%〜5%(3%を除外)

これにより、各層のパフォーマンスを個別に測定し、最適な類似度を特定できます。

複数のソースから類似オーディエンスを作成する

異なるソースから複数の類似オーディエンスを作成し、テストすることで、最も効果的なアプローチを見つけることができます。

テストするソースの例

・購入者全体 vs 高LTV購入者
・直近30日の購入者 vs 直近180日の購入者
・購入者 vs カート追加者 vs 商品詳細閲覧者
・顧客リスト vs ウェブサイト訪問者

ソースによって類似オーディエンスの特性が異なるため、自社に最適なソースを見つけることが重要です。

オーディエンス設計の実践テクニック

ここからは、実際のキャンペーン運用で使える、より実践的なオーディエンス設計のテクニックを紹介します。

ファネル別のオーディエンス設計

マーケティングファネルの各段階に合わせて、異なるオーディエンスにアプローチすることで、効率的な顧客獲得が実現できます。

認知段階(Top of Funnel)

目的:ブランドや商品を知らない人にリーチする

適したオーディエンス:
・コアオーディエンス(興味関心ベース)
・類似オーディエンス(広めの類似度:5%〜10%)
・動画視聴者の類似

ポイント:
・リーチを優先した設定
・ブランドストーリーや価値提案を伝えるクリエイティブ
・認知度やリーチを指標として評価

検討段階(Middle of Funnel)

目的:興味を持った人に詳しい情報を提供し、検討を促す

適したオーディエンス:
・ウェブサイト訪問者(全体または特定ページ)
・動画を一定以上視聴した人
・Instagramでエンゲージメントした人
・類似オーディエンス(狭めの類似度:1%〜3%)

ポイント:
・商品の詳細情報やメリットを伝えるクリエイティブ
・比較検討に役立つコンテンツ
・CTRやエンゲージメント率を指標として評価

コンバージョン段階(Bottom of Funnel)

目的:購入や問い合わせに至っていない見込み客の背中を押す

適したオーディエンス:
・カート放棄者
・商品詳細ページ訪問者
・フォームを開いたが送信しなかった人
・高エンゲージメントのウェブサイト訪問者(滞在時間上位など)

ポイント:
・限定オファーや特典を訴求
・緊急性を演出(期間限定、在庫残りわずかなど)
・コンバージョン数やCPAを指標として評価

リピート・アップセル段階

目的:既存顧客にリピート購入やアップセルを促す

適したオーディエンス:
・過去の購入者(購入後一定期間経過)
・特定の商品カテゴリの購入者
・高LTV顧客

ポイント:
・新商品や関連商品の案内
・VIP向けの特別オファー
・リピート率やLTV向上を指標として評価

オーディエンスの重複を避ける

複数の広告セットを同時に配信する場合、オーディエンスが重複していると、同じユーザーに複数の広告が配信されてしまい、効率が悪くなります。

重複を避けるためのテクニック

・広告セットAのオーディエンスを、広告セットBで除外設定する
・カスタムオーディエンスを作成してから、コアオーディエンスでそれを除外
・類似オーディエンスを段階的に作成(1%、1%〜3%、3%〜5%など)

例:リマーケティングと新規獲得の分離

新規獲得キャンペーン:
ターゲット:類似オーディエンス1%
除外:過去180日のウェブサイト訪問者、既存顧客リスト

リマーケティングキャンペーン:
ターゲット:過去30日のウェブサイト訪問者
除外:過去30日の購入者

オーディエンスサイズの目安

オーディエンスサイズは、広告の効果に大きく影響します。適切なサイズを設定することが重要です。

サイズが小さすぎる場合の問題

・配信量が確保できない
・機械学習が進まない
・入札競争で不利になりCPCが高騰
・フリークエンシーが上がりすぎて広告疲れが発生

サイズが大きすぎる場合の問題

・ターゲットの精度が下がる
・関係のないユーザーにも配信されてしまう
・CPAが悪化する可能性

目安となるオーディエンスサイズ

・最小:1万人〜10万人
・推奨:10万人〜100万人
・上限:特になし(ただし、絞り込みすぎないよう注意)

ただし、これはあくまで目安です。予算やビジネスの特性によって最適なサイズは異なります。

Advantage+オーディエンス(旧:詳細ターゲット拡大)の活用

Meta広告には「Advantage+オーディエンス」という機能があります。これは、設定したターゲットを超えて、成果が出やすいと予測されるユーザーにも配信を拡大する機能です。

Advantage+オーディエンスのメリット

・Meta広告のAIが最適なユーザーを自動的に見つける
・手動では見つけられなかった見込み客にリーチできる
・配信量を確保しやすい

Advantage+オーディエンスのデメリット

・ターゲットの範囲が広がりすぎることがある
・想定外のユーザーに配信される可能性
・コントロールがしにくい

活用のポイント

・コンバージョン目的のキャンペーンでは効果的なことが多い
・学習データが十分にある場合に有効
・厳密なターゲティングが必要な場合はオフにする

業種別ターゲティング設定例

ここでは、主要な業種別に具体的なターゲティング設定例を紹介します。自社の業種に近い例を参考にしてください。

EC・通販サイトのターゲティング例

新規顧客獲得

コアオーディエンス:
・年齢:商品のターゲット層に合わせる
・興味関心:取り扱い商品カテゴリ、関連する趣味
・行動:オンラインショッピング、特定デバイス所有者

類似オーディエンス:
・ソース:過去の購入者、高LTV顧客
・類似度:1%〜3%

リマーケティング

カスタムオーディエンス:
・カート放棄者(過去7日)
・商品詳細ページ訪問者(過去14日、購入者除外)
・過去の購入者(購入後30日〜60日、リピート促進)

詳しくはECサイトの広告運用戦略をご覧ください。

飲食店のターゲティング例

新規顧客獲得

コアオーディエンス:
・地域:店舗から半径3〜5km
・年齢:20代〜50代(店舗のターゲット層による)
・興味関心:グルメ、外食、該当ジャンル(イタリアン、居酒屋など)

類似オーディエンス:
・ソース:予約フォーム送信者、来店者リスト
・類似度:1%〜2%(同一地域内)

リピーター獲得

カスタムオーディエンス:
・Instagramでエンゲージメントした人
・予約フォーム送信者
・LINE公式アカウント友だち追加者

詳しくは飲食店の広告運用戦略をご覧ください。

美容室・サロンのターゲティング例

新規顧客獲得

コアオーディエンス:
・地域:店舗から半径5〜10km(商圏による)
・年齢・性別:ターゲット層に合わせる
・興味関心:美容、ヘアケア、ファッション

類似オーディエンス:
・ソース:既存顧客リスト、予約完了者
・類似度:1%〜3%

リピーター獲得

カスタムオーディエンス:
・過去の来店者(前回来店から60日〜90日経過)
・Instagramフォロワー

詳しくは美容室・サロンの広告運用戦略をご覧ください。

BtoB・法人向けサービスのターゲティング例

新規リード獲得

コアオーディエンス:
・興味関心:該当する業界、ビジネス関連トピック
・行動:Facebookページ管理者(ビジネスオーナーの可能性)
・役職:経営者、部長、マネージャーなど意思決定者

類似オーディエンス:
・ソース:過去の問い合わせ者、商談・成約者
・類似度:1%〜2%

リードナーチャリング

カスタムオーディエンス:
・ホワイトペーパーダウンロード者
・ウェビナー参加者
・サービスページ訪問者

詳しくはBtoBビジネスの広告運用戦略をご覧ください。

不動産のターゲティング例

新規問い合わせ獲得

コアオーディエンス:
・地域:物件所在地、通勤圏内
・ライフイベント:最近引っ越した、婚約中、結婚したばかり
・興味関心:不動産、住宅、インテリア

類似オーディエンス:
・ソース:過去の問い合わせ者、成約者
・類似度:1%〜3%

リマーケティング

カスタムオーディエンス:
・物件詳細ページ訪問者
・資料請求フォームを開いたが送信しなかった人

詳しくは不動産業界の広告運用戦略をご覧ください。

ターゲティング設定でよくある失敗と対策

最後に、ターゲティング設定でよくある失敗パターンと、その対策を紹介します。

失敗1:ターゲットを絞りすぎる

問題
「できるだけピンポイントで届けたい」という気持ちから、年齢、地域、興味関心などを細かく絞りすぎてしまう。結果、オーディエンスサイズが小さくなりすぎて、配信量が確保できない。

対策
・最初は少し広めにターゲットを設定する
・オーディエンスサイズは最低10万人以上を目安にする
・データを見ながら徐々に絞り込む
・Meta広告のAI(Advantage+オーディエンス)を活用する

失敗2:興味関心だけでターゲティングする

問題
コアオーディエンスの興味関心だけに頼ったターゲティングは、精度に限界がある。「ダイエットに興味がある」人が全員ダイエット商品を買うわけではない。

対策
・カスタムオーディエンス(リマーケティング)を優先する
・類似オーディエンスを活用する
・複数のターゲティング手法を組み合わせる
・興味関心ターゲティングは認知段階で活用する

失敗3:リマーケティングを設定していない

問題
新規獲得ばかりに注力し、一度サイトを訪れたユーザーへのリマーケティングを行っていない。関心を示したユーザーを逃してしまう。

対策
・Metaピクセルを必ず設置する
・ウェブサイト訪問者のカスタムオーディエンスを作成する
・ファネルの段階に合わせたリマーケティングを実施する
・カート放棄者への配信は特に優先度を高く

失敗4:類似オーディエンスのソースが不適切

問題
類似オーディエンスのソースとして、購買意欲と関係のないオーディエンス(すべてのサイト訪問者など)を使ってしまう。結果、類似の精度が低くなる。

対策
・購入者や問い合わせ者など、成果に直結するユーザーをソースにする
・できれば高LTV顧客のリストを使う
・ソースのサイズは最低100人以上、理想は1,000人以上
・複数のソースでテストして比較する

失敗5:オーディエンスの重複を放置している

問題
複数の広告セットで同じユーザーに広告が配信されてしまい、フリークエンシーが上がりすぎたり、自社の広告同士で入札競争が発生したりする。

対策
・広告セット間でオーディエンスが重複していないか確認する
・除外設定を活用してオーディエンスを分離する
・オーディエンスの重複チェックツール(広告マネージャ内)を活用する

まとめ:効果的なターゲティングで成果を最大化する

Meta広告のターゲティングは、成果を左右する最も重要な要素の一つです。本記事で解説した内容をまとめると、以下のポイントが重要です。

【3つのオーディエンスタイプを使い分ける】
・コアオーディエンス:基本属性・興味関心での新規開拓
・カスタムオーディエンス:自社データを活用したリマーケティング
・類似オーディエンス:優良顧客に似た新規ユーザーの発掘

【ファネルに合わせたオーディエンス設計】
・認知段階:広めのターゲティングでリーチを確保
・検討段階:興味を示したユーザーに詳細情報を提供
・コンバージョン段階:リマーケティングで背中を押す
・リピート段階:既存顧客へのアップセル・クロスセル

【成功のための鉄則】
・ターゲットを絞りすぎない(最低10万人以上が目安)
・リマーケティングを必ず設定する
・類似オーディエンスは質の高いソースから作成する
・オーディエンスの重複を避ける
・データを見ながら継続的に改善する

ターゲティングは一度設定して終わりではありません。広告配信のデータを分析し、効果の高いオーディエンスに予算を寄せていく継続的な改善が重要です。広告運用のPDCAサイクルと改善の進め方も参考に、効果的な運用を実践してください。

クリエイティブの最適化についてはInstagram広告のクリエイティブ作成術、コンバージョン計測についてはMeta広告のピクセル設定とコンバージョン計測もあわせてご覧ください。

Meta広告の基本設定からやり直したい方は、Meta広告(Facebook・Instagram広告)の始め方と設定方法を参照してください。

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