「ホームページを作りたいけど、どこにメニューや写真を置けばいいのか分からない…」
「おしゃれなサイトを真似してみたけど、なんだか使いにくいと言われてしまった…」
ホームページのデザインにおいて、色や写真よりも先に決めるべき最も重要な要素。それが「レイアウト(配置)」です。
人間がWebサイトを見る時の「視線の動き」には癖があります。
その法則を無視して自由に配置してしまうと、ユーザーは「どこを見ればいいか分からない」とストレスを感じ、3秒でページを閉じてしまいます。
この記事でわかること
- ✅ 現代のWebサイトで使われる「基本の5大レイアウト」
- ✅ スマホ時代になぜ「シングルカラム」が最強なのか?
- ✅ 【業種別マッチング】あなたのビジネスに最適なレイアウトはこれだ
- ✅ 視線誘導の法則「Fの法則」「Zの法則」とは?
この記事では、奇をてらったデザインではなく、「ユーザーが迷わず、自然と読み進めてしまう王道のレイアウト戦略」をプロが解説します。
基本のレイアウトパターン5選
世の中にあるWebサイトの9割は、以下の5つのパターンのいずれかに当てはまります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解しましょう。
1. シングルカラムレイアウト(1カラム)
【現在の主流】
サイドバー(横のメニュー)がなく、上から下へ一直線にコンテンツが並ぶ構成です。
- 🙆♂️ メリット:視線が分散しないため、強いメッセージを伝えやすい。スマホ表示との相性が抜群。
- 🙅♂️ デメリット:情報量が多い場合、ページが縦に長くなりすぎる。
- 🏢 向いているサイト:コーポレートサイト、ランディングページ(LP)、飲食店、サービス紹介
2. マルチカラムレイアウト(サイドバーあり)
【情報の整理役】
メインコンテンツの横に、メニューやバナーなどのサイドバーがある構成です(2カラム、3カラム)。
- 🙆♂️ メリット:他のページへの移動がしやすい。回遊率(いろんなページを見てもらえる率)が高まる。
- 🙅♂️ デメリット:スマホではサイドバーが下部に追いやられるため、設計が難しい。
- 🏢 向いているサイト:ニュースサイト、ブログ、ECサイト(商品検索が必要な場合)
3. グリッドレイアウト(カード型)
【一覧性の高さ】
写真や記事をカードのようにタイル状に並べる構成です。Pinterestやインスタグラムのような見た目です。
- 🙆♂️ メリット:たくさんの情報を一度に見せられる。写真が映える。
- 🙅♂️ デメリット:どれを見るべきかの優先順位がつけにくい。
- 🏢 向いているサイト:ポートフォリオ、ネットショップ、不動産物件一覧、Webメディア
4. フルスクリーンレイアウト
【圧倒的インパクト】
画面いっぱいに写真や動画を表示し、文字情報は最小限にする構成です。
- 🙆♂️ メリット:世界観やブランドイメージを強烈に印象づけられる。
- 🙅♂️ デメリット:具体的な情報(価格や場所)が伝わりにくい。
- 🏢 向いているサイト:高級ブランド、ホテル・旅館、美容室、建築・インテリア
5. ジグザグレイアウト(Z型)
【リズムと説得力】
「画像+文章」「文章+画像」を交互に配置していく構成です。
- 🙆♂️ メリット:単調にならず、リズム良く読み進めてもらえる。ストーリーを語るのに最適。
- 🙅♂️ デメリット:コンテンツ(画像と文章のセット)の準備が大変。
- 🏢 向いているサイト:サービス紹介ページ、採用サイト、商品の特徴説明
業種別・おすすめレイアウト早見表
「結局、ウチはどれを選べばいいの?」という疑問に答えるマッチング表です。
| 目的・業種 | 推奨レイアウト | 理由 |
|---|---|---|
| 企業・士業・病院 (信頼重視) |
シングルカラム +上部メニュー |
情報を整理して順序よく伝え、信頼感を醸成するため。スマホ閲覧が多いため。 |
| 通販・メディア (情報量重視) |
マルチカラム (2カラム) |
カテゴリ検索や人気ランキングなど、回遊させる仕掛けが必要なため。 |
| 美容・建築・飲食 (ビジュアル重視) |
フルスクリーン or グリッド |
言葉よりも「写真」の力が強いため。世界観への没入感を高めるため。 |
| 商品PR・LP (説得重視) |
シングルカラム × ジグザグ |
脇見をさせず、最後まで読ませて「申し込み」ボタンを押させるため。 |
視線誘導の法則「Fの法則」と「Zの法則」
レイアウトを決める際、人間の視線の動きを知っておくと、重要な情報をどこに置くべきかが見えてきます。
Fの法則(記事・テキスト中心)
ユーザーは左上から読み始め、右へ移動し、少し下に下がってまた左から右へ…と、アルファベットの「F」を描くように読みます。
活用法:見出しや重要なキーワードは「左側」に置く。
Zの法則(画像・デザイン中心)
左上 → 右上 → 左下 → 右下 と、「Z」の字を描くように全体を眺めます。
活用法:「左上にロゴ(開始点)」「右上に問い合わせボタン(第1ゴール)」「右下に最終的なアクションボタン(最終ゴール)」を配置する。
【事例】3カラムから1カラムに変えて成果が出たB社
「情報量が多いほうが親切だ」という思い込みを捨て、シンプル化して成功した事例です。
B社(コンサルティング業)の事例
【Before】
左右にサイドバーがある「3カラム」構成。バナーやリンクが所狭しと並んでおり、どこを見ていいかわからない状態。スマホで見るとサイドバーが延々と下に続き、メイン記事にたどり着くのが大変だった。
【After】
サイドバーを撤廃し、シンプルな「シングルカラム(1カラム)」へ変更。ヘッダー(上部)メニューを整理し、ユーザーが迷わないようにした。
【結果】
記事の「読了率(最後まで読まれた率)」が大幅に向上。
ごちゃごちゃした印象が消え、「洗練された企業」というイメージがついたことで、問い合わせ件数が1.5倍に増えました。
レイアウトに関するQ&A
よくある質問にお答えします。
Q1. スマホとPCでレイアウトを変えることはできますか?
はい、それが現在の標準である「レスポンシブデザイン」です。PCでは「2カラム」、スマホでは「1カラム」のように、画面幅に合わせて自動的に最適なレイアウトに切り替わるように作るのが一般的です。
Q2. メニューは上(ヘッダー)と横(サイドバー)、どっちがいい?
コーポレートサイトや店舗サイトなら「上(ヘッダー)」が推奨です。スマホではハンバーガーメニュー(三本線)に収納されるのが一般的だからです。ECサイトやブログなど、カテゴリが多い場合は「横(サイドバー)」も有効です。
Q3. 流行りのレイアウトを取り入れたいのですが。
トレンドを取り入れるのは良いことですが、「使いやすさ」を犠牲にしてはいけません。奇抜なレイアウト(横スクロールなど)は、ユーザーが操作に戸惑い、離脱の原因になることがあります。基本の型を守りつつ、あしらいで個性を出すのが安全です。
Q4. 自分でレイアウトを決めるのが難しいです。
無理にゼロから考える必要はありません。OmniWebのような制作サービスでは、業種ごとに「成果が出やすいレイアウト」のテンプレートを用意しています。プロの知見を借りて、中身(コンテンツ)作りに集中することをおすすめします。
レイアウトは「おもてなし」の心。
整ったレイアウトは、来店されたお客様に「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」と手を差し伸べることと同じです。
迷わせず、ストレスなく、快適に過ごしてもらうための設計こそが、Webデザインの本質です。
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