動画編集/撮影

肖像権とモザイク:通行人の顔を自然に隠す!「モーショントラッキング」のやり方

街中でのロケ撮影やVlogの撮影、店舗紹介動画の制作など、屋外や公共の場所で動画を撮影する機会は年々増えています。

しかし、そこで必ず直面するのが「通行人の映り込み」という問題です。

YouTube、TikTok、InstagramなどのSNSに動画を投稿する際、映り込んだ人の顔をそのまま公開してしまうと、肖像権侵害となるリスクがあります。

実際に、動画投稿者が損害賠償請求を受けたケースや、炎上騒動に発展した事例も少なくありません。

そこで必要になるのが、モザイク処理です。

しかし、動画内で動き回る人物の顔に一つひとつ手作業でモザイクをかけるのは、膨大な時間と労力がかかります。

そこで活用したいのが、「モーショントラッキング」という技術です。

モーショントラッキングを使えば、動く被写体を自動で追跡し、モザイクやぼかしを追従させることができます。

この記事では、肖像権の基本知識から、主要な動画編集ソフト(Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cut Pro、CapCut)を使ったモーショントラッキングの具体的なやり方、さらにトラッキング精度を上げるコツまで、徹底的に解説していきます。

第1章:肖像権とは何か?動画制作者が知っておくべき基礎知識

1-1. 肖像権の定義と法的根拠

肖像権とは、自分の顔や姿を無断で撮影されたり、公表されたりしない権利のことです。

実は、肖像権という権利は、著作権法のように明確に法律で定められているわけではありません。

しかし、日本国憲法第13条の「個人の尊厳」や「幸福追求権」を根拠として、判例によって認められてきた権利です。

最高裁判所も平成17年11月10日の判決において、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由」を有していると認めています。

つまり、すべての人には「勝手に撮影されない権利」と「撮影された画像や映像を勝手に公開されない権利」があるということです。

1-2. 肖像権とプライバシー権・パブリシティ権の違い

肖像権と混同されやすい権利として、プライバシー権とパブリシティ権があります。

プライバシー権は、私生活上の情報を他人に知られない権利です。例えば、車のナンバープレートや住所が映った映像を公開すると、プライバシー権の侵害になる可能性があります。

パブリシティ権は、芸能人やスポーツ選手など、知名度が高く経済的価値のある人物が、自らの氏名や肖像を商業的に利用される際に対価を求められる権利です。

動画制作においては、これら3つの権利すべてに配慮する必要があります。

1-3. 肖像権侵害となるケース・ならないケース

すべての映り込みが肖像権侵害になるわけではありません。

判例では、以下の要素を総合的に考慮して判断されます。

【肖像権侵害となりやすいケース】

・被写体の顔がはっきりと映っており、個人を特定できる場合

・被写体が動画のメインとして大きく映っている場合

・撮影場所がプライベートな空間(自宅、更衣室など)の場合

・YouTubeやSNSなど拡散性の高い媒体で公開する場合

・被写体から撮影や公開の許可を得ていない場合

・被写体にとって不利益となる文脈で使用される場合

【肖像権侵害となりにくいケース】

・風景撮影中に通行人が小さく映り込んだ程度の場合

・モザイクやぼかしで顔が特定できないよう加工されている場合

・公共の場所でのイベントや祭りなど、撮影されることが予想される状況の場合

・報道目的での撮影の場合

・被写体の顔が一瞬しか映らない場合

重要なのは、「社会生活上の受忍限度」を超えているかどうかです。

ただし、法的に問題がない場合でも、視聴者から「肖像権侵害だ」と指摘されてトラブルになるケースもあります。

特にYouTuberなど視聴者が多いクリエイターの場合、アンチからの攻撃材料にされることもあるため、念のためモザイク処理を施すことが無難と言えます。

1-4. 被写体から「やめてほしい」と言われた場合

撮影時や公開後に、映り込んだ本人から「使わないでほしい」「削除してほしい」と申し出があった場合は、状況が変わります。

本人から明確な拒絶の意思が示された時点で、「受忍限度」を超えたと判断される可能性が高くなります。

この場合は、速やかにモザイク処理を施すか、該当部分をカットするなどの対応が必要です。

トラブルを未然に防ぐためにも、撮影時にはできるだけ通行人が映り込まないよう配慮し、映り込んでしまった場合は編集段階でモザイク処理を施すことをおすすめします。

第2章:モザイク処理が必要なシーンとは?

2-1. YouTubeやSNSへの動画投稿

YouTubeやTikTok、Instagramなどに動画を投稿する場合、世界中の不特定多数の人が視聴する可能性があります。

このような拡散性の高い媒体では、たとえ一瞬の映り込みであっても、スクリーンショットを撮られて拡散されるリスクがあります。

特に以下のようなジャンルの動画では、通行人の映り込みが発生しやすいため注意が必要です。

・Vlog(日常の記録動画)

・旅行動画

・食べ歩き動画

・ストリートスナップ

・ドライブ動画(ドラレコ映像含む)

・モトブログ(バイク走行動画)

・店舗紹介動画

・イベントレポート動画

2-2. 企業のプロモーション動画・採用動画

企業が制作するプロモーション動画や採用動画でも、オフィス内や店舗内で撮影する際に、社員やお客様が映り込むことがあります。

社員であっても、動画出演の同意を得ていない場合はモザイク処理が必要です。

また、お客様が映り込んだ場合は、原則としてモザイクをかけるか、該当シーンをカットする必要があります。

企業の場合、肖像権トラブルはブランドイメージの毀損につながるため、より慎重な対応が求められます。

関連記事として、求人特化型の動画制作については「採用サイトに載せる「社員紹介動画」の編集(https://omniweb.jp/m71/)」も参考にしてください。

2-3. ニュースやドキュメンタリー映像

テレビのニュース番組やドキュメンタリー映像でも、近年は通行人にモザイクをかけることが一般的になっています。

以前は通行人の顔がそのまま放送されることも多かったですが、訴訟リスクを回避するため、テレビ局側も配慮するようになりました。

個人の動画クリエイターも、この流れに倣ってモザイク処理を施すことが望ましいでしょう。

2-4. 車のナンバープレートやその他の個人情報

モザイクが必要なのは人の顔だけではありません。

以下のようなものも、プライバシー保護の観点からモザイク処理が推奨されます。

・車のナンバープレート

・住所や表札

・電話番号

・名刺や書類の個人情報

・QRコード(読み取られる可能性があるため)

・クレジットカード番号

特にドライブ動画やモトブログでは、前を走る車のナンバープレートが頻繁に映り込むため、モーショントラッキングを使った自動追従モザイクが非常に役立ちます。

第3章:モーショントラッキングとは?基本概念を理解しよう

3-1. モーショントラッキングの定義

モーショントラッキング(Motion Tracking)とは、映像内の特定の対象(オブジェクト)の動きを検知・追跡する技術のことです。

「トラッキング」は「追跡」「追尾」という意味で、動画編集においては、指定した対象の動きに合わせてエフェクト(モザイク、ぼかし、テキスト、画像など)を追従させることを指します。

モーショントラッキングを使わない場合、動く被写体にモザイクをかけるには、1フレームずつ手動でモザイクの位置を調整する必要があります。

例えば、30fpsの動画で10秒間のシーンにモザイクをかける場合、300フレーム分の調整が必要になり、膨大な作業時間がかかってしまいます。

モーショントラッキングを使えば、ソフトウェアが自動で対象の動きを解析し、モザイクを追従させてくれるため、作業効率が大幅に向上します。

3-2. トラッキングの種類

モーショントラッキングにはいくつかの種類があります。

【ポイントトラッキング(1点追跡)】

映像内の1点(特徴点)を追跡する方法です。位置の変化のみを追跡するため、比較的シンプルで処理が軽いのが特徴です。

【平面トラッキング】

4点以上のポイントを使って平面を追跡する方法です。対象の回転やスケール変化にも対応できます。

【3Dカメラトラッキング】

カメラの動きを解析し、3D空間内での位置情報を取得する方法です。VFX制作などで使用されます。

【顔認識トラッキング】

AI(機械学習)を使って人の顔を自動認識し、追跡する方法です。近年のソフトウェアでは、この機能が充実してきています。

モザイク処理においては、主にポイントトラッキングと顔認識トラッキングが使用されます。

3-3. トラッキングの仕組み

トラッキングは、以下のようなプロセスで行われます。

①ターゲットの指定

追跡したい対象(顔、ナンバープレートなど)を指定します。多くの場合、マスクやウィンドウで範囲を囲みます。

②特徴点の検出

ソフトウェアが指定範囲内のコントラストや色、形状などの特徴を分析します。

③フレーム間の動き解析

次のフレームで同じ特徴を持つ部分を探し、位置の変化を計算します。

④キーフレームの自動生成

検出した位置情報をもとに、自動でキーフレーム(位置データ)が生成されます。

⑤エフェクトの適用

生成されたキーフレームに沿って、モザイクやぼかしなどのエフェクトが追従します。

3-4. トラッキングが失敗しやすいケース

モーショントラッキングは万能ではありません。以下のようなケースでは、トラッキングが失敗したり、精度が低下したりすることがあります。

・対象の動きが速すぎる場合

・カメラの動きが激しい場合(手ブレなど)

・対象が他の物体に隠れる(オクルージョン)場合

・コントラストが低く、特徴点が検出しにくい場合

・モーションブラー(動きによるぶれ)が強い場合

・対象の形状が大きく変化する場合(顔の向きが変わるなど)

このような場合は、トラッキングがずれた部分を手動で修正する必要があります。

後述のセクションで、トラッキング精度を上げるコツについて詳しく解説します。

第4章:Adobe Premiere Proでのモーショントラッキング&モザイク処理

Adobe Premiere Pro(プレミアプロ)は、プロの映像制作現場で最も広く使われている動画編集ソフトの一つです。

Premiere Proには、「マスクパス」を使ったトラッキング機能が搭載されており、比較的簡単にモザイクの自動追従が可能です。

ここでは、Premiere Proを使ったモーショントラッキングの具体的な手順を解説します。

4-1. Premiere Proでモザイクをかける基本手順

【Step 1:動画素材をタイムラインに配置】

Premiere Proを起動し、モザイクをかけたい動画素材をプロジェクトに読み込み、タイムラインに配置します。

【Step 2:モザイクエフェクトを適用】

「エフェクト」パネルを開き、「ビデオエフェクト」→「スタイライズ」→「モザイク」を選択します。

見つからない場合は、検索ボックスに「モザイク」と入力すると簡単に見つかります。

「モザイク」エフェクトをタイムライン上のクリップにドラッグ&ドロップします。

この時点では、画面全体にモザイクがかかります。

【Step 3:モザイクの粗さを調整】

「エフェクトコントロール」パネルで、「モザイク」の設定を調整します。

・水平ブロック:横方向のモザイクの細かさ

・垂直ブロック:縦方向のモザイクの細かさ

数値が低いほど粗く、高いほど細かくなります。

プライバシー保護のためには、数値を50以下に設定することをおすすめします。細かすぎると元の画像が推測できてしまう可能性があるためです。

4-2. マスクを使って特定の部分にだけモザイクをかける

画面全体ではなく、顔など特定の部分にだけモザイクをかけるには、マスク機能を使います。

【Step 1:マスクを作成】

「エフェクトコントロール」パネルの「モザイク」項目の中に、マスク作成ツール(楕円形、四角形、ペンツール)があります。

・楕円形マスク:顔を隠す場合に便利

・四角形マスク:ナンバープレートやテキストを隠す場合に便利

・ペンマスク:複雑な形状を隠す場合に便利

顔にモザイクをかける場合は、楕円形マスクを選択します。

【Step 2:マスクの位置とサイズを調整】

プログラムモニター上にマスク(楕円)が表示されます。

マスクの中心をドラッグして位置を調整し、端の四角いハンドルをドラッグしてサイズを調整します。

モザイクをかけたい対象(顔など)がマスク内に収まるようにします。

【Step 3:マスクのエッジを調整(任意)】

「マスクの境界のぼかし」を10〜30程度に設定すると、モザイクの境界が自然になります。

「マスクの拡張」を+5〜+15程度に設定すると、マスクの範囲が少し広がり、対象がはみ出しにくくなります。

4-3. マスクパスを使ったトラッキング(自動追従)

ここからが本題の「モーショントラッキング」です。

マスクを作成しただけでは、対象が動くとモザイクが外れてしまいます。

対象の動きに合わせてモザイクを追従させるには、「マスクパス」のトラッキング機能を使います。

【Step 1:再生ヘッドをトラッキング開始位置に移動】

トラッキングを開始したいフレームに再生ヘッドを移動します。

対象の顔が正面を向いているフレームや、対象がはっきり見えるフレームを選ぶと、トラッキング精度が上がります。

【Step 2:マスクパスのトラッキングボタンをクリック】

「エフェクトコントロール」パネルの「マスクパス」の横にある「▶」(再生)ボタンをクリックします。

・▶(前方にトラッキング):再生ヘッド位置から後ろ(動画の終わり方向)に向かってトラッキング

・◀(後方にトラッキング):再生ヘッド位置から前(動画の始まり方向)に向かってトラッキング

ボタンをクリックすると、自動でトラッキングが開始されます。

【Step 3:トラッキング結果を確認】

トラッキングが完了したら、再生して結果を確認します。

対象の動きに合わせてモザイクが追従していればOKです。

タイムライン上の「マスクパス」にキーフレームが自動生成されているのが確認できます。

4-4. トラッキングがずれた場合の修正方法

対象の動きが速かったり、他の物体に隠れたりすると、トラッキングがずれることがあります。

その場合は、以下の方法で手動修正します。

【修正手順】

1. トラッキングがずれ始めたフレームを探す

2. そのフレームで再生を停止する

3. プログラムモニター上でマスクの位置を手動で修正する

4. 修正すると、そのフレームに新しいキーフレームが自動追加される

5. 再度トラッキングボタンをクリックして、続きをトラッキング

この作業を繰り返して、トラッキングのずれを修正していきます。

【補足:トラッキングの安全設定】

プライバシー保護を確実にするため、以下の「安全レシピ」を参考にしてください。

・モザイク:水平/垂直ブロック 20/20

・マスクの境界のぼかし(フェザー):15

・マスクの拡張:+8

個人情報やナンバープレート、QRコードなどは、少し過剰なくらいにモザイクをかけておくと安全です。

Premiere Proの基本操作や他のエフェクトについては、「AIによる「自動カット」の精度を検証|Premiere Proの新機能を使い倒す(https://omniweb.jp/m103/)」も参考にしてください。

4-5. 複数人にモザイクをかける場合

複数の人物にモザイクをかける場合は、同じエフェクト内で複数のマスクを作成できます。

「モザイク」エフェクトの下に「マスク(1)」「マスク(2)」…と複数のマスクを追加し、それぞれにトラッキングを設定します。

ただし、人混みなどで大量の人物がいる場合は、カットを分割してトラッキング範囲を短くすると、より安定してトラッキングできます。

第5章:DaVinci Resolveでのモーショントラッキング&モザイク処理

DaVinci Resolve(ダビンチリゾルブ)は、Blackmagic Design社が開発した動画編集ソフトで、無料版でも非常に高機能なことで知られています。

特にカラーグレーディング機能が優秀で、映画やCMの制作現場でも使用されています。

DaVinci Resolveでは、「カラーページ」のトラッキング機能を使ってモザイクの自動追従が可能です。

DaVinci Resolveの詳細な機能については、「DaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法(https://omniweb.jp/m51/)」も参考にしてください。

5-1. DaVinci Resolveでモザイクをかける基本手順

【Step 1:素材をタイムラインに配置し、カラーページに移動】

DaVinci Resolveを起動し、動画素材をタイムラインに配置します。

画面下部のタブから「カラー」ページに移動します。

【Step 2:ノードを追加】

カラーページの右側にあるノードエリアで、既存のノードを右クリックし、「ノードを追加」→「シリアルノードを追加」を選択します。

この追加したノードにモザイク効果を設定していきます。

【Step 3:パワーウィンドウでマスク範囲を指定】

カラーページ中央下部の「ウィンドウ」タブをクリックします。

円形(楕円)、四角形、ペンなどのパワーウィンドウから、目的に合った形状を選択します。

・顔を隠す場合:円形

・ナンバープレートを隠す場合:四角形

プレビュー画面でウィンドウの位置とサイズを調整し、モザイクをかけたい対象を囲みます。

【Step 4:モザイクエフェクトを適用】

画面右上の「エフェクト」(OpenFX/ライブラリ)をクリックします。

「ResolveFX ブラー」から「ブラー(モザイク)」を選択し、追加したノードにドラッグ&ドロップします。

「設定」パネルでモザイクのピクセル数やセルの形状を調整できます。

※ぼかし効果にしたい場合は、「ブラー(ガウス)」を選択します。

5-2. トラッカーを使った自動追従

パワーウィンドウでマスク範囲を指定しただけでは、対象が動くとモザイクが外れてしまいます。

トラッカー機能を使って、マスクを自動追従させましょう。

【Step 1:トラッカータブに移動】

カラーページ中央下部の「トラッカー」タブをクリックします。

(「ウィンドウ」タブの隣にあります)

【Step 2:トラッキング設定を調整】

トラッカータブ上部に、「パン」「チルト」「ズーム」「回転」「3D」などのチェックボックスがあります。

シンプルなトラッキングの場合は、「回転」と「3D」のチェックを外すと、トラッキング精度が向上することがあります。

【Step 3:トラッキングを開始】

再生ヘッドをクリップの先頭(またはトラッキング開始位置)に移動します。

「▶」(順方向にトラッキング)ボタンをクリックすると、自動でトラッキングが開始されます。

トラッキングが外れたタイミングで自動的に停止します(外れなければ最後まで再生されます)。

【Step 4:ずれた部分を手動修正】

トラッキングがずれた場合は、以下の手順で修正します。

1. トラッカータブ内の「クリップ」を「フレーム」に切り替える

2. キーボードの矢印キーで1フレームずつ移動し、ずれたフレームを探す

3. プレビュー画面でウィンドウの位置を手動で調整する

4. 修正するとキーフレームが自動追加される

5. 再度トラッキングボタンをクリックして続行

5-3. マジックマスク(有償版機能)を使った顔認識トラッキング

有償版のDaVinci Resolve Studioには、「マジックマスク」というAI顔認識機能があります。

この機能を使うと、人物の顔や髪、体の部位を自動で認識してマスクを作成できます。

【マジックマスクの使い方】

1. カラーページで「マジックマスク」タブを開く

2. 「人物マスク」を選択

3. 「部位」から「顔」を選択

4. プレビュー画面で対象の顔にストロークを描く

5. トラッキングボタンでマスクを追尾させる

マジックマスクは非常に便利ですが、無料版では使用できないため、無料版ユーザーは前述のパワーウィンドウ+トラッカーの方法を使用してください。

5-4. 選択範囲の外側にモザイクをかける(反転)

通常はマスク内にモザイクがかかりますが、マスク外(背景)にモザイクをかけたい場合もあります。

この場合は、「ウィンドウ」タブ内の「反転」ボタンをクリックします。

これにより、マスク内が通常表示、マスク外がモザイク表示になります。

第6章:Final Cut Proでのモーショントラッキング&モザイク処理

Final Cut Pro(ファイナルカットプロ)は、Apple社が開発したMac専用の動画編集ソフトです。

直感的な操作性と高いパフォーマンスで、多くのクリエイターに愛用されています。

Final Cut Proには「オブジェクトトラッカー」という強力な機能があり、簡単にモザイクの自動追従が可能です。

6-1. Final Cut Proでモザイクをかける2つの方法

Final Cut Proでモザイクをかける方法は大きく2つあります。

①センサー:特定の部分(顔など)に丸いモザイクをかける場合に便利

②ピクセル化:画面全体や広い範囲にモザイクをかける場合に便利

人物の顔にモザイクをかける場合は、「センサー」を使うのが一般的です。

6-2. センサーエフェクトでモザイクをかける基本手順

【Step 1:センサーエフェクトを検索】

「エフェクトブラウザ」を開き、「スタイライズ」カテゴリから「センサー」を探すか、検索ボックスに「センサー」と入力します。

【Step 2:センサーをクリップに適用(従来の方法)】

センサーエフェクトをタイムライン上のクリップにドラッグ&ドロップすると、画面中央に丸いモザイクが表示されます。

【Step 3:モザイクの位置とサイズを調整】

ビューア上でモザイクをドラッグして位置を調整し、白いポイントをドラッグしてサイズや形状を調整します。

「ビデオインスペクタ」でセンサーの詳細設定(モザイクの種類、粗さなど)を調整できます。

【センサーのモザイク種類】

・Pixellate(ピクセル化):標準的なモザイク

・Blur(ぼかし):ぼかし効果

・Darken(暗くする):黒く塗りつぶす

・Lighten(明るくする):白く塗りつぶす

6-3. オブジェクトトラッカーを使った自動追従(推奨)

Final Cut Pro 10.6以降では、「オブジェクトトラッカー」機能が搭載され、非常に簡単にモザイクの自動追従ができるようになりました。

【オブジェクトトラッカーを使った手順】

Step 1:センサーをビューアにドラッグ

エフェクトブラウザから「センサー」を選択し、タイムラインではなくビューア(プレビュー画面)にドラッグします。

ビューア上のオブジェクト(顔など)の上にドラッグすると、白い枠線が表示されます。

顔を認識すると「フェース」、その他のオブジェクトの場合は「オブジェクト」と表示されます。

Step 2:トラッキング範囲を調整

ビューア上にオンスクリーントラッカーが表示されます。

赤いポインタをドラッグして、モザイクの範囲(トラッキング対象の検出範囲)を調整します。

Step 3:解析(トラッキング)を実行

ビューア左上の「解析」ボタンをクリックします。

被写体の動きが自動で解析され、モザイクが追従するようになります。

解析が完了したら「完了」をクリックします。

Step 4:再生して確認

タイムラインを再生して、モザイクが正しく追従しているか確認します。

これで、動画全体を通して対象(顔など)にモザイクが追従します。

6-4. トラッキングパラメータの調整

トラッキングがうまくいかない場合は、パラメータを調整してみましょう。

「ビデオインスペクタ」で「Objectトラック」の設定を確認します。

・「自動」:デフォルト設定。多くの場合はこれで問題ない

・「機械学習」:回転方向のトラッキングを無効にし、位置と大きさのみをトラッキング

回転方向のトラッキングがうまくいかない場合は、「機械学習」に切り替えて再度「解析」を実行してみてください。

6-5. キーフレームを使った手動追従(従来の方法)

オブジェクトトラッカーが使えない古いバージョンのFinal Cut Proや、トラッキングがうまくいかない場合は、キーフレームを使って手動でモザイクを追従させることもできます。

【手動追従の手順】

1. センサーエフェクトを適用し、開始位置でモザイクの位置を調整

2. 「ビデオインスペクタ」でセンサーの「Center」パラメータにキーフレームを追加

3. 再生ヘッドを数フレーム進める

4. 対象の動きに合わせてモザイクの位置を調整(自動でキーフレームが追加される)

5. 手順3〜4を繰り返す

この方法は手間がかかりますが、細かい調整が可能です。動きの少ないシーンや短いシーンでは有効な方法です。

第7章:CapCut(スマホ・PC)でのモーショントラッキング&モザイク処理

CapCut(キャップカット)は、ByteDance社(TikTokの運営会社)が開発した無料の動画編集アプリです。

スマートフォンアプリとして人気がありますが、PC版(Mac/Windows)も提供されています。

無料でありながら高機能で、初心者でも直感的に操作できることから、多くのユーザーに支持されています。

CapCutでもモザイクの追従が可能ですが、方法がやや複雑なため、ここでは複数の方法を紹介します。

7-1. CapCut(スマホ版)でモザイクをかける基本手順

【方法1:エフェクトを使った全体モザイク】

1. CapCutを開き、「新しいプロジェクト」をタップ

2. モザイクをかけたい動画を選択して追加

3. 下部メニューの「エフェクト」→「動画エフェクト」をタップ

4. 「基礎」カテゴリから「モザイク」または「ぼかし」を選択

5. チェックマークをタップして適用

この方法では画面全体にモザイクがかかります。

7-2. CapCutで一部にモザイクをかける方法

顔など特定の部分にだけモザイクをかけるには、以下の方法を使います。

【オーバーレイ+マスクを使った方法】

1. タイムラインに配置した動画クリップをタップして選択

2. 下部メニューの「コピー」をタップ

3. 「オーバーレイ」をタップして、コピーした動画を上のトラックに配置

4. コピーした動画にモザイクエフェクトを適用

5. コピーした動画を選択し、「マスク」→「円」または「四角形」を選択

6. マスクの位置とサイズを調整して、モザイクをかけたい部分に配置

7-3. CapCutでモザイクを追従させる方法

CapCutでモザイクを追従させる方法は2つあります。

【方法1:キーフレームを使った手動追従】

1. 前述の方法で一部にモザイクをかけた状態にする

2. 再生ヘッドをモザイクを表示させたい開始位置に移動

3. ダイヤマークの「キーフレーム」をタップして追加

4. 再生ヘッドを少し進める

5. 被写体の動きに合わせてマスクの位置を調整(自動でキーフレームが追加される)

6. 手順4〜5を繰り返す

キーフレームを打つ位置が細かいほど、より精密な追従が可能です。

【方法2:スタンプ+トラッキングを使った自動追従(推奨)】

CapCutの「トラッキング」機能は、スタンプとテキストにのみ使用できます。

モザイク画像をスタンプとして追加し、トラッキングで追従させる方法が簡単です。

1. モザイク画像(PNG)をあらかじめスマホに保存しておく

(フリー素材サイトでモザイク画像をダウンロードするか、自作する)

2. CapCutの編集画面で「スタンプ」をタップ

3. カメラロールからモザイク画像を選択して追加

4. モザイクスタンプの位置とサイズを調整

5. スタンプを選択した状態で「トラッキング」をタップ

6. 黄色い丸を追従させたい対象(顔など)に合わせる

7. 「トラッキング」をタップして解析開始

この方法ならキーフレームを使わずに簡単に追従できます。

7-4. CapCut(PC版)でのモザイク処理

PC版のCapCutでは、より詳細なモザイク設定が可能です。

【PC版での顔モザイク(ボディエフェクト機能)】

最新バージョンのCapCutには「顔のモザイク」というAI機能があります。

1. CapCutで動画を読み込む

2. 「エフェクト」→「ボディエフェクト」→「カバーアップ」→「顔のモザイク」を選択

3. AIが自動で人間の顔を認識してモザイクを適用

この機能はAIが顔を自動認識するため、手動でのトラッキング設定が不要です。

ただし、あくまでAIの判断に依存するため、確実にモザイクが必要な場面では従来の方法と併用することをおすすめします。

【PC版でのステッカー+モーショントラッキング】

1. 「ステッカー」から好きなステッカー(または自作のモザイク画像)を選択

2. ステッカーをタイムラインの動画の上に配置

3. ステッカーを選択し、「モーショントラッキング」をクリック

4. トラッキングしたい部分(顔など)を四角で囲む

5. 「スケール」と「距離」はオフにしておくとうまくいくことが多い

6. 「開始」をクリックしてトラッキング解析

第8章:トラッキング精度を上げるコツ

モーショントラッキングは便利な機能ですが、100%完璧に追従できるわけではありません。

ここでは、トラッキング精度を上げるためのコツを紹介します。

8-1. トラッキング開始位置の選び方

トラッキングを開始するフレームの選び方は、精度に大きく影響します。

【良いトラッキング開始位置】

・対象(顔など)が正面を向いているフレーム

・対象がはっきりと見えるフレーム

・コントラストが高いフレーム

・モーションブラーが少ないフレーム

【避けるべきトラッキング開始位置】

・対象が横を向いているフレーム

・対象が他の物体に一部隠れているフレーム

・ピントが合っていないフレーム

・暗すぎる/明るすぎるフレーム

8-2. マスク(ウィンドウ)のサイズ設定

マスクのサイズが適切でないと、トラッキングが失敗しやすくなります。

【推奨設定】

・対象よりも少し大きめのマスクを設定する

・「マスクの拡張」を+5〜+15程度に設定する

・対象の動きが大きい場合は、さらに余裕を持たせる

顔全体をマスク内に収めるように設定すると、トラッキング精度が上がります。

8-3. トラッキングパラメータの調整

多くの動画編集ソフトでは、トラッキングのパラメータを調整できます。

・「回転」「ズーム」「3D」などのオプションがある場合、不要なものはオフにする

・シンプルな動き(位置変化のみ)の場合は、「パン」「チルト」のみで十分

・追跡するパラメータを減らすと、処理が軽くなり精度も上がることがある

8-4. クリップを分割してトラッキングする

長いクリップを一度にトラッキングしようとすると、途中でずれやすくなります。

以下のような場合は、クリップを分割してトラッキングすることをおすすめします。

・対象が一度フレームアウトして再登場する場合

・対象が他の物体に完全に隠れる場合

・カメラワークが大きく変化する場合

・人混みなど、複数の対象が入り乱れる場合

8-5. 手動修正のタイミング

トラッキングがずれた場合は、早めに手動修正することが重要です。

ずれが大きくなってから修正するよりも、小さなずれのうちに修正した方が、その後のトラッキング精度が維持されます。

対象の動きが激しい場面では、数フレームごとに確認しながらトラッキングを進めることをおすすめします。

第9章:モザイク以外の隠し方(ぼかし、スタンプ、絵文字など)

モザイクは最も一般的な隠し方ですが、動画の雰囲気によっては他の方法の方が適している場合もあります。

9-1. ぼかし(ガウスブラー)

モザイクの代わりにぼかし(ガウスブラー)を使う方法があります。

【ぼかしのメリット】

・モザイクよりも自然で柔らかい印象

・動画の雰囲気を壊しにくい

・調整が容易(半径を変えるだけ)

【ぼかしのデメリット】

・ぼかしが弱いと元の画像が推測されやすい

・処理負荷がモザイクより高い場合がある

プライバシー保護を確実にするため、ぼかしの半径は40〜60程度に設定することをおすすめします。

9-2. スタンプ・絵文字・イラスト

ポップな雰囲気の動画では、モザイクやぼかしの代わりにスタンプや絵文字、イラストを使う方法があります。

【スタンプ・絵文字のメリット】

・動画を楽しく演出できる

・視聴者の興味を引く

・モザイクよりも「隠している」感が少ない

【スタンプ・絵文字のデメリット】

・真面目な動画には不向き

・対象の大きさに合わせた調整が必要

CapCutなどでは、スタンプにトラッキング機能を適用できるため、簡単に追従させることができます。

詳しい方法は「AIで顔を隠す・モザイクを自動追従させる!最新の編集ツール活用法(https://omniweb.jp/m60/)」も参考にしてください。

9-3. 黒塗り・白塗り

ニュースやドキュメンタリーでは、黒塗りや白塗りで隠す方法も使われます。

Final Cut Proのセンサーエフェクトでは、「Darken(暗くする)」や「Lighten(明るくする)」オプションで実現できます。

この方法は完全に隠せますが、視覚的に目立つため、状況に応じて使い分けましょう。

9-4. 被写界深度のシミュレーション(背景ぼかし)

主要な被写体以外(背景に映る通行人など)を自然に目立たなくする方法として、背景全体をぼかす「被写界深度のシミュレーション」があります。

この方法は、映画のような「ボケ味」を演出しつつ、背景の人物を目立たなくすることができます。

マスクの「反転」機能を使い、主要被写体以外にぼかしをかけることで実現できます。

第10章:法的リスクを避けるための注意点

10-1. モザイクをかけても安心ではない場合

モザイクやぼかしをかけても、以下のような場合は肖像権侵害のリスクが残ります。

・モザイクが薄すぎて顔が認識できてしまう場合

・体の一部や服装から本人が特定できてしまう場合

・声や名前が動画内で言及されている場合

・周囲の状況から場所や時間が特定され、本人が推測できてしまう場合

モザイクの強度は「少し過剰なくらい」に設定し、念のため動画内で個人を特定できる情報がないか確認しましょう。

10-2. 撮影時の配慮

編集でモザイクをかけるよりも、そもそも撮影時に通行人が映り込まないよう配慮することが重要です。

【撮影時のポイント】

・人通りの少ない時間帯を選ぶ

・背景に通行人が入りにくいアングルを選ぶ

・望遠レンズを使って背景をぼかす

・許可を得られる場合は撮影許可を取る

・イベントなど撮影が予想される場所では、撮影の旨を告知する

10-3. 公開前のチェックリスト

動画を公開する前に、以下の点をチェックしましょう。

□ 通行人の顔にモザイク・ぼかしがかかっているか

□ モザイクの強度は十分か(薄すぎないか)

□ トラッキングがずれている部分はないか

□ 車のナンバープレートは隠れているか

□ 住所や電話番号など個人情報は映っていないか

□ 会話や音声で個人名が出ていないか

□ 誤解を招く表現や不適切なテロップはないか

公開前のチェックについては、「炎上防止の編集検閲:公開前にチェックすべき「誤解を招く表現」と「不適切なテロップ」(https://omniweb.jp/m144/)」も参考にしてください。

10-4. 削除・修正依頼への対応

万が一、公開後に映り込んだ本人から削除や修正の依頼があった場合は、速やかに対応しましょう。

【対応手順】

1. 依頼内容を確認する

2. 該当部分にモザイクをかける or 該当部分をカットする

3. 修正版を再アップロードする(または動画を削除する)

4. 依頼者に対応完了を報告する

誠実に対応することで、トラブルの拡大を防ぐことができます。

10-5. 著作権との関係

肖像権と著作権は別の権利ですが、動画制作では両方に注意が必要です。

例えば、他人が撮影した写真や動画を無断で使用すると著作権侵害になります。

また、フリー素材であっても商用利用可能か、クレジット表記が必要かなどを確認する必要があります。

著作権については、「画像の無断転載は違法?ホームページ運営で知っておくべき著作権の基本(https://omniweb.jp/90-2/)」も参考にしてください。

また、AI生成コンテンツの著作権については、「AI生成物の著作権:AIで作った動画や音声は商用利用できる?最新の法的見解(https://omniweb.jp/m141/)」で詳しく解説しています。

第11章:よくある質問(FAQ)

Q1. 公共の場所での撮影は肖像権侵害にならないのでは?

A. 公共の場所であっても、撮影や公開の方法、映り込みの程度によっては肖像権侵害となる可能性があります。

確かに、公共の場所では「撮影されることをある程度受忍している」と考えられますが、それでも「受忍限度」を超える場合は違法となります。

特にYouTubeなど拡散性の高い媒体で公開する場合は、法的に問題がなくても事実上のトラブルを招く可能性があるため、モザイク処理を施すことをおすすめします。

Q2. 後ろ姿だけならモザイクは不要?

A. 後ろ姿であっても、身体的な特徴や服装などから本人が特定できる場合は、肖像権侵害のリスクがあります。

一般的な後ろ姿で個人を特定できない場合は問題ないことが多いですが、特徴的な服装や髪型、歩き方などがある場合は注意が必要です。

Q3. モザイクの強度はどのくらいが適切?

A. 元の画像から個人を特定できないレベルが必要です。

Premiere Proの場合、水平/垂直ブロックを20〜30程度に設定すると、ほとんどの場合で安全です。50以上だと細かすぎて元の画像が推測できてしまう場合があります。

「自分が映り込んだ立場だったら嫌かどうか」を基準に判断するとよいでしょう。

Q4. 顔認識AIで自動でモザイクをかけることはできる?

A. はい、最新のソフトウェアやツールでは可能です。

DaVinci Resolve Studio(有償版)のマジックマスク、CapCutの「顔のモザイク」機能などがあります。

ただし、AIの認識精度は100%ではないため、公開前には必ず確認が必要です。

詳しくは「AIで顔を隠す・モザイクを自動追従させる!最新の編集ツール活用法(https://omniweb.jp/m60/)」を参考にしてください。

Q5. トラッキングがどうしてもうまくいかない場合は?

A. 以下の方法を試してみてください。

・トラッキング開始位置を変更する

・マスクのサイズを大きくする

・トラッキングパラメータを調整する(回転、ズームなどをオフにする)

・クリップを分割して短い範囲でトラッキングする

・手動でキーフレームを打つ

どうしても自動トラッキングがうまくいかない場合は、手動でキーフレームを打つ方法に切り替えましょう。

Q6. スマホだけでモザイク処理はできる?

A. はい、スマホアプリでも可能です。

CapCut、VLLO、InShotなどのアプリでモザイクをかけることができます。

ただし、スマホの画面は小さいため、細かい調整はPCの方がやりやすいです。

Q7. 肖像権侵害で訴えられたらどうなる?

A. 損害賠償請求や動画の削除・差止請求を受ける可能性があります。

肖像権侵害は刑事罰ではなく民事上の問題となることが多いですが、慰謝料の支払いを命じられる判例もあります。

金銭的な損害だけでなく、炎上によるブランドイメージの毀損、チャンネルの信頼性低下など、さまざまな悪影響が考えられます。

法的なトラブルを避けるためにも、モザイク処理は念入りに行いましょう。

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