動画編集/撮影

動画編集用PCが「熱暴走」で止まる?夏場の編集環境とバックアップの重要性

「あと少しで書き出しが終わる」——そんな瞬間に、突然PCが落ちた経験はありませんか?

動画編集は、PCにとって最も負荷の高い作業のひとつです。特に夏場は室温の上昇も加わり、CPUやGPUの温度が限界を超えて「熱暴走」を引き起こすリスクが高まります。その結果、数時間かけた編集データが一瞬で消えてしまう——そんな悪夢のような事態も珍しくありません。

この記事では、動画編集用PCの熱暴走が起こるメカニズムから、夏場の編集環境の整え方、そして万が一に備えたバックアップ体制の構築まで、プロの動画編集者が実践している対策を徹底解説します。大切な編集データを守り、安定した制作環境を手に入れるために、ぜひ最後までお読みください。

動画編集PCが熱暴走を起こすメカニズム

まず、なぜ動画編集中にPCが熱暴走を起こすのかを理解しておきましょう。原因を知ることで、効果的な対策が見えてきます。

動画編集がPCに与える負荷とは

動画編集は、PCの主要コンポーネントに極めて高い負荷をかける作業です。

CPUへの負荷として、タイムライン上の複数トラックの処理、エフェクトやトランジションの計算、音声のミキシングと同期、プロジェクト全体の管理などが挙げられます。特に4K以上の高解像度素材を扱う場合、CPUは常にフル稼働に近い状態になります。

GPUへの負荷としては、リアルタイムプレビューの描画、カラーグレーディング処理、モーショングラフィックスのレンダリング、書き出し時のハードウェアエンコーディングなどがあります。GPUはCPU以上に高温になりやすく、特に注意が必要です。

ストレージへの負荷も見逃せません。大容量の動画ファイルの読み書きが連続的に発生するため、SSDやHDDも発熱します。特にM.2 NVMe SSDは高速な分、発熱も大きくなります。

関連記事として、編集用PCの買い替え時期は?Mac vs Windows どちらが動画編集に最適か徹底検証も参考にしてください。

熱暴走が発生する温度の目安

PCの各パーツには「安全に動作できる温度」の目安があります。

CPUの適正温度は、一般的にアイドル時(何もしていない状態)で30〜40℃、高負荷時でも70〜80℃以下が理想とされています。90℃を超えると「サーマルスロットリング」が発動し、強制的に性能が制限されます。100℃を超えると緊急シャットダウンが発生することもあります。

GPUの適正温度は、アイドル時で30〜50℃、高負荷時でも80〜85℃以下が目安です。グラフィックボードによっては90℃近くまで許容するものもありますが、長時間の高温状態は寿命を縮める原因になります。

SSDの適正温度は、0〜60℃程度とされており、70℃を超えるとサーマルスロットリングが作動して読み書き速度が低下します。M.2 NVMe SSDは特に発熱しやすいため、ヒートシンクの装着が推奨されます。

サーマルスロットリングとは

「サーマルスロットリング」は、PCを熱から守るための安全機能です。パーツの温度が一定以上に上昇すると、自動的にクロック周波数(処理速度)を下げて発熱を抑制します。

この機能のおかげでPCの故障は防げますが、動画編集においては深刻な問題を引き起こします。具体的には、編集中のプレビューがカクカクになる、書き出し時間が通常の2〜3倍以上に延びる、複数のエフェクトを重ねると極端に重くなる、作業効率が著しく低下するといった症状が現れます。

特に厄介なのは、サーマルスロットリングは「PCが完全に止まるわけではない」という点です。気づかないうちに性能が半減していることもあり、「なんか今日は重いな」と感じたらサーマルスロットリングを疑うべきです。

熱暴走が引き起こす最悪のシナリオ

サーマルスロットリングで抑えきれないほど温度が上昇すると、PCは「熱暴走」状態に陥ります。この場合、以下のような深刻な事態が発生します。

突然のフリーズでは、マウスもキーボードも反応しなくなり、強制終了するしかなくなります。保存していなかった編集データはすべて失われます。

緊急シャットダウンでは、警告なしにPCの電源が落ちます。編集中のプロジェクトファイルが破損するリスクもあります。

ブルースクリーン(BSOD)では、Windowsがエラーを検出して強制的に再起動します。システムファイルの破損につながることもあります。

パーツの物理的損傷として、最悪の場合、CPUやGPU、マザーボードが熱によって損傷し、修理や買い替えが必要になることもあります。

動画編集者にとって最も恐ろしいのは、「書き出し中の強制終了」です。数時間かけてレンダリングしていた動画が、完了直前で消えてしまう——この悲劇を経験した編集者は少なくありません。

夏場に熱暴走が増える理由

動画編集PCの熱暴走は一年中発生しますが、特に夏場にリスクが高まります。その理由を詳しく見ていきましょう。

室温とPC内部温度の関係

PCの冷却は、基本的に「室内の空気を取り込んで、熱を外に排出する」という仕組みで行われています。つまり、室温が高ければ取り込む空気の温度も高くなり、冷却効率が大幅に低下します。

一般的に、PCの使用に適した室温は10〜35℃とされています。しかし、日本の夏は室温が35℃を超えることも珍しくありません。エアコンをつけていない部屋では、40℃近くになることもあります。

仮に冬場(室温20℃)でCPU温度が70℃だったとすると、夏場(室温35℃)では単純計算で85℃になる可能性があります。これだけでサーマルスロットリングの領域に入ってしまうのです。

湿度がPCに与える影響

夏場は高温だけでなく、高湿度もPCにとって大敵です。日本の夏の平均湿度は70%程度ですが、80%を超える日も少なくありません。

高湿度環境でPCを使用すると、以下のような問題が発生します。

結露のリスクとして、急激な温度変化(エアコンの直風など)で内部に結露が発生し、電気回路がショートする可能性があります。

ホコリの付着として、湿気を含んだホコリはファンやヒートシンクに付着しやすく、冷却効率を低下させます。

部品の腐食として、長期間の高湿度環境は、金属部品の腐食を促進します。

PCにとって適切な湿度は20〜80%とされていますが、夏場は特に60%前後を目指すのが理想的です。

冷却ファンの限界

夏場は冷却ファンがフル回転する時間が長くなります。これにより、ファンの騒音が大きくなる、ファンの寿命が縮まる、電力消費が増加するといった問題が発生します。

また、長期間使用しているPCでは、ファンにホコリが溜まって冷却効率が落ちていることも多いです。冬場は問題なかったのに、夏になって突然熱暴走するようになった場合は、ファンの清掃を疑ってみてください。

動画編集PCの熱対策【実践編】

ここからは、具体的な熱対策を紹介します。すぐに実践できるものから、機材の追加が必要なものまで、段階的に解説します。

今すぐできる熱対策

まずは、追加の出費なしで今日から実践できる対策から始めましょう。

室温を適切に管理することが最も効果的な熱対策です。エアコンを使用し、室温を25〜28℃に保つことを心がけてください。ただし、エアコンの冷風を直接PCに当てるのは避けましょう。急激な温度変化による結露のリスクがあります。

PCの設置場所を見直すことも重要です。直射日光が当たる場所、壁に密着している場所、床に直置き(ホコリを吸いやすい)、密閉された空間(デスク下の収納など)は避けてください。理想的なのは、風通しの良い場所で、PCの周囲に10cm以上の空間を確保することです。

不要なソフトを終了することで、PCへの負荷を軽減できます。動画編集中は、ブラウザ(特にChromeは多くのメモリを消費)、メールソフト、チャットツール、クラウド同期サービスなど、不要なアプリケーションを終了しましょう。バックグラウンドで動作しているソフトも確認してください。

省電力設定を活用する方法もあります。書き出し作業中など、PCから離れる場合は省電力モードに切り替えることで発熱を抑えられます。ただし、編集作業中は高パフォーマンスモードの方が効率的な場合もあるため、状況に応じて使い分けてください。

PC内部の清掃

定期的なPC内部の清掃は、冷却効率を維持するために欠かせません。

清掃の頻度としては、一般的な環境なら3〜6ヶ月に1回、ペットを飼っている環境や喫煙する環境では1〜3ヶ月に1回が目安です。

清掃に必要なものは、エアダスター(缶入りの圧縮空気)、静電気防止手袋、柔らかいブラシ、マイクロファイバークロスなどです。

清掃の手順として、まずPCの電源を切り、コンセントを抜きます。次に、可能であればケースの側面パネルを外します。そして、エアダスターでファンやヒートシンクのホコリを吹き飛ばし、ブラシで細かい部分のホコリを除去します。最後に、クロスで表面を拭き取ります。

ノートPCの場合は分解が難しいため、通気口からエアダスターを吹きかける程度にとどめましょう。それでも改善しない場合は、専門業者への依頼を検討してください。

冷却機器の追加・強化

内蔵の冷却システムだけでは不十分な場合、外付けの冷却機器を追加することで熱対策を強化できます。

ノートPCの場合は、冷却台(ノートPCクーラー)が効果的です。金属製のフレームにファンを搭載した製品で、ノートPCの底面から風を当てて冷却します。価格は2,000〜10,000円程度で、効果は2〜5℃程度の温度低下が期待できます。選ぶ際には、ファンのサイズと数(大型ファン1基より小型ファン複数の方が静音)、騒音レベル(30dB以下が静音とされる)、高さ調整機能の有無、USB給電の有無などを確認しましょう。

デスクトップPCの場合は、ケースファンの増設が有効です。吸気用と排気用のバランスを考慮し、適切なエアフローを構築しましょう。また、CPUクーラーの交換も効果的です。リテールクーラー(CPU付属のクーラー)から、大型のヒートシンクやサイドフロー型クーラーに交換することで、冷却性能が大幅に向上します。高負荷な動画編集を行う場合は、簡易水冷クーラーの導入も検討に値します。

サーマルペーストの塗り直し

長期間使用しているPCでは、CPUとクーラーの間に塗られているサーマルペースト(熱伝導グリス)が劣化している可能性があります。サーマルペーストの塗り直しで、5〜10℃程度の温度低下が期待できることもあります。

ただし、この作業にはある程度の知識と技術が必要です。自信がない場合は、専門業者に依頼することをお勧めします。

やってはいけない熱対策

熱対策として「やってしまいがち」だけど、実は効果がない、または逆効果な方法もあります。

保冷剤をPCに当てるのは厳禁です。急激な温度差で結露が発生し、内部がショートする危険があります。

扇風機を直接PCに当てるのも効果は限定的です。PCケース内部に風を送り込めないため、表面が冷えるだけで内部温度はあまり下がりません。

濡れたタオルで拭くのは論外です。水分はPCの大敵であり、故障の原因になります。

冷房の風を直接当てるのも避けましょう。結露のリスクがあるほか、温度変化が激しくなり、パーツに負担がかかります。

動画編集に適した作業環境の構築

熱対策だけでなく、動画編集に適した作業環境全体を整えることで、より快適で効率的な制作が可能になります。

理想的な室温・湿度管理

動画編集作業に最適な環境条件は、室温が22〜26℃、湿度が40〜60%です。特に夏場は、エアコンと除湿機能を併用して、これらの数値を維持することを心がけましょう。

湿度対策としては、エアコンの除湿機能を活用する、除湿機を設置する、洗濯物を部屋干ししない、観葉植物をPCから離すなどが有効です。

長時間作業のための休憩ルール

動画編集は集中力を要する作業であり、つい長時間ぶっ続けで作業してしまいがちです。しかし、これはPCにとっても人間にとっても良くありません。

おすすめの休憩ルールとして、1時間に1回は5〜10分の休憩を取り、休憩中はPCをスリープ状態にして冷却時間を確保し、2〜3時間ごとに編集ソフトを一度終了して再起動することを心がけてください。これにより、PCの温度上昇を抑えつつ、自分自身の集中力も維持できます。

夜間・外出中のレンダリング活用

書き出し(レンダリング)作業は、PCに長時間の高負荷をかけます。夏場の日中に行うと、室温の上昇も相まって熱暴走のリスクが高まります。

そこでおすすめなのが、夜間や外出中のレンダリングです。夜間は気温が下がるため冷却効率が上がる、エアコンをつけっぱなしにする必要がない、作業時間を有効活用できるといったメリットがあります。

ただし、長時間の無人レンダリングにはリスクもあります。万が一に備えて、自動保存機能を有効にしておく、UPS(無停電電源装置)を導入しておく、火災リスクを考慮して可燃物をPCから離すといった対策を講じておきましょう。

関連記事として、動画編集の書き出し設定(エンコード)完全ガイド|YouTubeに最適な解像度とビットレートも参考にしてください。

データ消失のリスクを理解する

ここからは、熱暴走と密接に関係する「データ消失」のリスクについて解説します。動画編集者にとって、編集データは何よりも大切な資産です。

動画編集データが消える原因

動画編集データが消失する原因は、熱暴走だけではありません。主な原因を把握しておきましょう。

ハードウェアの故障として、HDDやSSDの故障(最も多い原因のひとつ)、マザーボードの故障、メモリの不良、電源ユニットの故障などが挙げられます。

ソフトウェアの問題として、編集ソフトのクラッシュ、OSのフリーズ・ブルースクリーン、ウイルス・マルウェア感染、ソフトウェアのバグなどがあります。

人為的ミスとして、誤操作による削除、上書き保存のミス、ファイルの移動・整理中の誤削除なども見逃せません。

外部要因として、停電・瞬断、落雷によるサージ、地震・火災・水害などの災害も考えられます。

これらのリスクは、どんなに注意しても完全にゼロにすることはできません。だからこそ、バックアップが重要なのです。

データ消失の実際の被害

データ消失が発生した場合、どのような被害が想定されるでしょうか。

時間的損失として、編集作業のやり直しで数時間〜数日の作業が無駄になります。また、素材の再取得や再撮影にも時間がかかります。クライアントへの納品が遅れれば、信頼を損なうことにもつながります。

経済的損失として、データ復旧サービスの費用は数万円〜数十万円にのぼることがあります。再撮影が必要な場合はその費用も発生します。納期遅延による違約金や、機会損失も無視できません。

精神的ダメージとして、長時間かけた作品が一瞬で消える喪失感は計り知れません。クライアントへの説明と謝罪のストレス、「なぜバックアップしておかなかったのか」という後悔も大きな負担となります。

プロの動画制作会社では、データ消失によってプロジェクトの進行が大幅に遅れ、数百万円規模の損害が発生した事例もあります。

「3-2-1バックアップルール」とは

データ保護の専門家が推奨する「3-2-1バックアップルール」をご存知でしょうか。これは米国国土安全保障省のUS-CERTでも推奨されている、バックアップの基本原則です。

3-2-1ルールの内容は、3つのデータコピーを作成し、2種類以上の異なる媒体に保存し、1つは物理的に離れた場所(オフサイト)に保管するというものです。

例えば、元データはPCの内蔵SSDに保存し、1つ目のバックアップは外付けHDDに、2つ目のバックアップはクラウドストレージに保存するという形です。こうすることで、PCが故障しても外付けHDDがある、火災で自宅が被災してもクラウドにデータが残るという二重三重の保険がかけられます。

関連記事として、バックアップ戦略:編集データが消えたら数百万円の損失?RAID構成とクラウド保存の二段構え外付けSSD vs HDD|動画編集を高速化し、データを安全に守るストレージ選びも参考にしてください。

動画編集者のためのバックアップ実践ガイド

ここからは、動画編集者に特化したバックアップの具体的な方法を解説します。

バックアップすべきデータの種類

動画編集に関連するデータは、大きく分けて以下の種類があります。それぞれの重要度を理解し、優先順位をつけてバックアップしましょう。

最優先(必ずバックアップ)すべきデータは、プロジェクトファイル(.prproj、.fcpbundleなど)、オリジナルの撮影素材(カメラで撮影した元データ)、完成した動画ファイルです。

高優先(できればバックアップ)すべきデータは、使用した音源・BGM・効果音、テロップやグラフィック素材、カラープリセットやエフェクトプリセットです。

中優先(余裕があればバックアップ)すべきデータは、プロキシファイル、レンダリングキャッシュ、自動保存ファイルです。

特にオリジナルの撮影素材は、一度失うと二度と取り戻せない「かけがえのないデータ」です。最優先でバックアップを取るようにしてください。

外付けストレージによるバックアップ

最も手軽で確実なバックアップ方法が、外付けストレージの活用です。

外付けHDDは、大容量が安価(4TBで1万円前後)、長期保存に適している、読み書き速度はSSDより遅いものの、バックアップ用途には十分という特徴があります。おすすめの使い方は、プロジェクト完了後のアーカイブ用、撮影素材の二次バックアップです。

外付けSSDは、読み書きが高速、衝撃に強く持ち運びに適している、HDDより高価だが価格は下落傾向という特徴があります。おすすめの使い方は、作業中のプロジェクトのバックアップ、外出先での編集作業です。

NAS(ネットワークアタッチドストレージ)は、複数のPCからアクセス可能、RAID構成で耐障害性を高められる、初期投資は大きいが長期的にはコスパが良いという特徴があります。おすすめの使い方は、チームでの動画制作、自宅・オフィスでの常時バックアップです。

クラウドストレージの活用

オフサイトバックアップとして、クラウドストレージの活用も重要です。

主要なクラウドストレージサービスとして、Google Drive(15GB無料、100GBで月額250円)、Dropbox(2GB無料、2TBで月額1,500円)、Microsoft OneDrive(5GB無料、1TBはMicrosoft 365に付属)、Adobe Creative Cloud(100GB付属)などがあります。

動画編集者向けのおすすめとしては、Adobe Creative Cloudユーザーなら付属の100GBを活用、大容量が必要ならGoogle One(2TBで月額1,300円)、チームで共有するならDropbox Businessが便利です。

クラウドストレージの注意点として、動画ファイルは容量が大きいため、アップロードに時間がかかります。また、月額費用が発生するため、長期的なコストを計算しておく必要があります。

自動バックアップの設定

手動でのバックアップは忘れがちです。自動バックアップを設定しておくことで、確実にデータを保護できます。

編集ソフトの自動保存機能を活用しましょう。Premiere Proでは、編集→環境設定→自動保存で、自動保存の間隔(5〜15分推奨)と保存するプロジェクトバージョンの数を設定できます。DaVinci Resolveでは、環境設定→ユーザー→プロジェクトの保存と読み込みで、ライブ保存を有効にできます。Final Cut Proでは、自動保存がデフォルトで有効になっています。

Windowsのバックアップ機能として、「ファイル履歴」を使えば、指定したフォルダを自動的に外付けドライブにバックアップできます。設定方法は、設定→更新とセキュリティ→バックアップ→ファイル履歴を使用してバックアップで、ドライブを選択して有効化します。

Macのバックアップ機能として、「Time Machine」を使えば、システム全体を定期的に自動バックアップできます。外付けドライブを接続し、システム環境設定→Time Machineから設定できます。

バックアップのスケジュール例

効率的なバックアップのために、以下のようなスケジュールを参考にしてください。

毎日(または作業終了時)には、プロジェクトファイルを外付けSSDにコピー、重要な素材をクラウドに同期します。

週1回には、プロジェクトフォルダ全体を外付けHDDにバックアップ、クラウドストレージの同期状況を確認します。

プロジェクト完了時には、すべてのデータを外付けHDDにアーカイブ、完成動画をクラウドにもアップロード、使用した素材リストを作成・保存します。

月1回には、バックアップデータの整合性を確認、不要なキャッシュやプロキシを削除、ストレージの空き容量をチェックします。

関連記事として、プロの動画編集者が必ずやっている「データの整理術」|素材迷子を防ぐフォルダ構成動画編集プロジェクトの「バックアップ」習慣|編集ソフトがクラッシュした時の復旧ガイドも参考にしてください。

熱暴走とデータ消失を防ぐチェックリスト

最後に、この記事の内容を実践するためのチェックリストをまとめます。定期的に確認して、安全な編集環境を維持してください。

日常的にチェックすべき項目

日常的には、室温が25〜28℃に保たれているか、PCの周囲に十分な空間があるか、通気口がふさがれていないか、編集ソフトの自動保存が有効になっているか、不要なアプリケーションを終了しているかを確認しましょう。

週1回チェックすべき項目

週に1回は、外付けストレージへのバックアップを実行したか、クラウドストレージの同期状況は正常か、PCのファン音に異常はないか、CPU/GPU温度が正常範囲内かをチェックしてください。

月1回チェックすべき項目

月に1回は、PC内部のホコリ清掃、バックアップデータの整合性確認、ストレージの空き容量確認、編集ソフト・OS・ドライバの更新を行いましょう。

季節の変わり目にチェックすべき項目

季節の変わり目、特に春から夏にかけては、冷却ファンの動作確認と清掃、サーマルペーストの状態確認(必要に応じて塗り直し)、冷却機器(冷却台など)の準備、エアコン・除湿機の動作確認を忘れずに行ってください。

よくある質問(FAQ)

動画編集PCの熱対策とバックアップについて、よく寄せられる質問にお答えします。

Q1. ノートPCで動画編集をしていますが、熱対策は必要ですか?

はい、ノートPCはデスクトップPCよりも熱対策が重要です。ノートPCは薄型・軽量化のために内部スペースが限られており、冷却性能にも制限があります。特に4K動画の編集や長時間のレンダリング作業では、熱暴走のリスクが高まります。冷却台の使用、室温管理、定期的な休憩を心がけてください。

Q2. CPUやGPUの温度はどうやって確認できますか?

Windowsの場合、タスクマネージャーのパフォーマンスタブでGPUの温度を確認できます(Windows 10/11)。CPUの温度は標準機能では確認できないため、「HWMonitor」「Core Temp」「HWiNFO」などのフリーソフトを使用してください。Macの場合は「Macs Fan Control」などのアプリで確認できます。

Q3. 夏場だけエアコンなしで作業していますが、大丈夫ですか?

動画編集のような高負荷作業を行う場合、夏場のエアコンは必須と考えてください。室温が35℃を超えるような環境では、PCの冷却が追いつかず、熱暴走やパーツの劣化を引き起こすリスクが高まります。電気代を節約するつもりが、PC修理や買い替えで結果的に高くつくこともあります。

Q4. 編集データは何年くらい保存しておくべきですか?

案件によりますが、クライアントワークの場合は最低でも納品後1年間は保存しておくことをお勧めします。修正依頼や別案件での素材再利用の可能性があるためです。自主制作の場合は、重要度に応じて判断してください。ただし、オリジナルの撮影素材は可能な限り永久保存が理想です。一度削除すると二度と取り戻せません。

Q5. 外付けHDDとSSD、バックアップにはどちらが適していますか?

用途によって使い分けるのがベストです。作業中のプロジェクトの日常バックアップには、読み書きが速い外付けSSDが便利です。一方、完了したプロジェクトの長期アーカイブには、大容量で安価な外付けHDDが適しています。両方を併用するのが理想的です。

Q6. クラウドバックアップは安全ですか?

主要なクラウドストレージサービス(Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)は、高度なセキュリティ対策が施されており、一般的に安全です。ただし、アカウント情報の管理(強力なパスワード、二段階認証)は自己責任で行う必要があります。また、クラウドサービスの障害でデータにアクセスできなくなるリスクもあるため、ローカルバックアップと併用することをお勧めします。

Q7. RAIDを組んでいればバックアップは不要ですか?

いいえ、RAIDはバックアップの代わりにはなりません。RAIDはディスク障害への耐性を高めるものですが、誤操作による削除、ウイルス感染、火災・盗難などには対応できません。RAID構成のNASを使っている場合でも、別途バックアップを取ることが重要です。「RAIDはバックアップではない」ということを覚えておいてください。

Q8. 熱暴走でデータが消えた場合、復旧できますか?

状況によります。ファイルシステムが破損していない場合は、データ復旧ソフトで回復できる可能性があります。ただし、ストレージ自体が物理的に損傷している場合は、専門のデータ復旧業者に依頼する必要があり、費用は数万円〜数十万円かかることもあります。復旧できる保証もないため、やはり事前のバックアップが最も重要です。

まとめ:安定した編集環境は「備え」から

動画編集用PCの熱暴走とデータ消失は、事前の対策で大幅にリスクを軽減できます。この記事のポイントをまとめます。

熱暴走対策のポイントとして、室温を25〜28℃に保つ(エアコン必須)、PCの設置場所と通気を確保する、定期的な内部清掃(3〜6ヶ月に1回)、必要に応じて冷却機器を追加することが重要です。

バックアップのポイントとして、3-2-1ルールを実践する(3コピー、2媒体、1オフサイト)、自動バックアップ機能を活用する、プロジェクトファイルとオリジナル素材を最優先でバックアップする、定期的にバックアップの整合性を確認することを心がけてください。

「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、トラブルが起きる前の対策が最も重要です。この記事を参考に、ぜひ今日から熱対策とバックアップ体制の見直しを始めてください。

大切な編集データを守り、クリエイティブな制作活動に集中できる環境を整えましょう。

関連記事

動画編集の環境整備について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定

【2026年】動画編集用ノートPCおすすめ5選|MacBook ProかWindows機か

チームで動画編集プロジェクトを共有する方法|クラウドストレージと編集データの管理術

チーム制作のハブ!「NAS」を導入して動画編集データを社内で共有・管理する方法

大容量動画の送信方法|ギガファイル便だけじゃない!クライアントへのスマートな納品法

関連記事