編集者に「丸投げ」してはいけない3つの要素|これだけは発注側が決めておくべき
「プロなんだから、いい感じにかっこよくしておいて」
これは、動画制作の現場で最も危険な言葉です。多くの発注者は「丸投げ(お任せ)」こそが効率化だと思っていますが、実は逆です。定義なき丸投げは、修正回数を増やし、納期を遅らせ、追加費用を発生させます。
編集者は「料理人」です。最高の技術を持っていても、「何料理を食べたいか(目的)」と「食材(素材)」がなければ、美味しい料理は作れません。今回は、発注者として絶対に手放してはいけない3つの決定権について解説します。
なぜ「丸投げ」は失敗するのか?
編集者にとって「お任せします」は、「あなたのセンスを信じます」という褒め言葉ではなく、「私は思考停止します」という宣言に聞こえることが多々あります。
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編集者が考える「いい感じ」 このズレが「修正地獄」の正体です
「なんか違うんだよね」「もっとこう、バーンとできない?」といった抽象的な修正指示は、編集者を疲弊させ、クオリティを下げます。これを防ぐために、以下の3つだけは発注前に決めてください。
編集技術(カットのテンポ、テロップのデザイン、BGMの選定)は、すべてこの「ターゲットとゴール」から逆算して決定されます。
- NGな発注:「とにかく誰でもいいからバズらせて」
- OKな発注:「ターゲットは30代の多忙なビジネスマン。ゴールは動画最後の『無料相談申し込み』をクリックさせること。だから、冒頭で結論を述べ、スピード感のある編集にしてください」
編集者が判断できないこと:
あなたのビジネスのターゲット層や、その商品の売り(USP)。ここが決まっていないと、編集者は「若者向けのポップな編集」をすべきか、「富裕層向けの高級感ある編集」をすべきか迷い、結局どっちつかずの動画になります。
「素材を渡すから、適当につないで」と言われて、意図通りのストーリーを作れる編集者は稀です。特にビジネス動画やYouTubeの場合、「構成(台本)」が面白さの9割を決めます。
もし台本がない場合でも、最低限「この動画で伝えたい3つのポイント」と「話す順番(構成案)」は発注側が指定すべきです。
編集者に構成から考えてほしい場合は、「編集費」とは別に「構成費・ディレクション費」を支払う必要があります。安価な編集費で丸投げすると、中身のない動画が完成します。
「トンマナ(トーン&マナー)」とは、デザインや雰囲気のルールのことです。ここが曖昧だと、自社のブランドイメージを損なう動画ができあがるリスクがあります。
最低限決めておくべきリスト
- 使用フォント:自社の指定フォントがあるか?明朝体かゴシック体か?
- ブランドカラー:テロップや背景に使ってほしい色(メインカラー)は何か?
- NG表現:「絶対に使ってはいけない言葉」「出してはいけない競合他社の情報」はあるか?
- 参考動画:「このYouTuberのようなテロップの出し方にしてほしい」という具体的なURL。
今日から使える「発注テンプレート」
編集者に依頼する際、以下の項目を埋めて渡すだけで、コミュニケーションコストは激減し、クオリティは劇的に向上します。
まとめ:指示出しは「拘束」ではなく「自由」を与えること
「細かく指示したら、クリエイターのやる気を削ぐのではないか?」と心配する方がいます。しかし、優秀なクリエイターほど「明確な制約(ルール)」を歓迎します。
なぜなら、ルールが明確であって初めて、「そのルールの中でどう工夫するか」というクリエイティビティを発揮できるからです。逆に、何でもありの「丸投げ」は、暗闇の中を手探りで歩かせるようなもので、クリエイターを不安にさせます。
「目的・構成・ルール」の3つを決めること。これが、発注者であるあなたの最大の仕事であり、最高の動画を作るための近道です。