「物件情報をポータルサイトに載せているだけでは、なかなか問い合わせが増えない」
「内見動画を作ってみたけど、素人っぽい仕上がりで、物件の良さが伝わっている気がしない」
「他社の物件動画と比べると、うちのは何かが足りない。でも何が違うのか分からない」
こんな悩みを抱えている不動産会社の方は、非常に多いのではないでしょうか。
近年、物件探しにおける動画の重要性は飛躍的に高まっています。SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトでも動画掲載が一般的になり、YouTubeで「〇〇駅 賃貸」「〇〇市 新築マンション」などと検索する人も増えています。
特に、遠方からの転勤者や、忙しくて内見に行く時間が取れない人にとって、物件動画は「行く前に物件を絞り込む」ための重要な判断材料です。動画の出来次第で、「この物件、見に行ってみよう」となるか、「なんか違うな、パス」となるかが決まります。
しかし、ただ物件を撮影しただけでは、魅力は伝わりません。「編集」の力で、限られた時間の中で物件の良さを最大限に引き出す必要があります。
この記事では、不動産の内見動画に特化した編集テクニックを徹底解説します。広角レンズの効果的な使い方、図面との連携方法、間取りの分かりやすい見せ方、視聴者を惹きつける構成の作り方まで、すぐに実践できるノウハウをお伝えします。
不動産会社の営業担当者、賃貸管理会社のスタッフ、物件動画の編集を請け負うクリエイターの方は、ぜひ最後までお読みください。
なぜ内見動画の「編集」が重要なのか

写真だけでは伝わらない「空間の広がり」
物件情報において、写真は今でも重要な要素です。しかし、写真だけでは伝えきれない情報があります。それが「空間の広がり」と「部屋同士のつながり」です。
静止画では、リビングの写真を見て「広そうだな」と思っても、その部屋がキッチンとどうつながっているのか、廊下からどう入るのか、窓からの景色は良いのか、といった「動き」の中での体験は分かりません。
動画であれば、玄関から入ってリビングに向かい、キッチンを見て、各部屋を巡り、バルコニーからの景色を見る…という「実際に内見しているような体験」を提供できます。
この「疑似内見体験」の質を高めるのが、編集の役割です。
「1分」という制約の中で勝負する
物件動画において、視聴者の集中力は非常に短いです。特にポータルサイトやSNSで物件を探している人は、複数の物件を次々と見比べています。
そのため、内見動画の理想的な長さは「1分前後」です。長くても2分以内に収めるのが基本です。
「1分で物件の魅力を全て伝えるなんて無理では?」と思うかもしれません。確かに、すべての情報を詰め込むことはできません。しかし、編集の力で「見せるべきポイント」を絞り込み、効率よく伝えることで、1分でも十分に「この物件を見に行きたい」と思わせることができます。
逆に、ダラダラと5分も10分もある動画は、途中で離脱されてしまい、肝心の「物件の良さ」が伝わらないまま終わってしまうことが多いです。
「編集」で差がつく時代
不動産業界において、物件動画を撮影すること自体は、もはや珍しくありません。スマートフォンでも十分な画質の動画が撮れるため、多くの不動産会社が物件動画を撮影しています。
しかし、「撮影」と「編集」は別物です。
撮影した映像をそのままアップロードしている動画と、プロの編集が施された動画では、同じ物件でも与える印象が全く違います。
テロップで間取りや設備を分かりやすく表示している、BGMで心地よい雰囲気を作っている、カメラワークがスムーズで見やすい、余計な「間」がカットされてテンポが良い…。
こうした「編集の差」が、問い合わせ数の差につながります。
動画編集と不動産サイトの連携については、不動産業のホームページ制作|物件検索機能は必要?反響を獲得するサイト構成の記事も参考にしてください。
内見動画の「構成」を考える
内見動画で伝えるべき5つの要素
内見動画の編集に入る前に、「何を伝えるべきか」を整理しておきましょう。物件を探している人が知りたい情報は、大きく分けて以下の5つです。
【要素1】広さ・間取り
「この部屋は何畳あるのか」「部屋同士の配置はどうなっているのか」「生活動線はスムーズか」。これが最も基本的な情報です。
【要素2】日当たり・眺望
「窓からの日当たりは良いか」「バルコニーからの眺めはどうか」「隣の建物との距離は」。写真では分かりにくい情報です。
【要素3】設備・仕様
「キッチンの設備は充実しているか」「バスルームは広いか」「収納は十分か」「エアコンは付いているか」。生活をイメージする上で重要な情報です。
【要素4】物件の状態・清潔感
「きれいにリフォームされているか」「壁や床の状態はどうか」「清潔感はあるか」。中古物件やリノベーション物件では特に重要です。
【要素5】周辺環境(オプション)
「最寄り駅からの距離」「周辺の商業施設」「治安の良さ」。物件の中だけでなく、周辺環境を見せる動画も効果的です。ただし、内見動画のメインは室内なので、周辺環境は別動画として作成するか、エンディングで簡単に触れる程度にするのがおすすめです。
内見動画の基本構成
1分前後の内見動画を作る場合、以下のような構成が基本です。
【オープニング】5〜10秒
物件の外観、エントランス、または「〇〇駅徒歩5分・2LDK・月額〇〇万円」といった基本情報をテロップで表示。視聴者に「どんな物件か」をすぐに伝えます。
【玄関〜廊下】5〜10秒
玄関から入り、廊下を進む映像。シューズボックス、玄関収納などがあれば簡単に見せます。
【メインの部屋(リビング・LDK)】15〜20秒
最も時間をかけて見せるべきポイント。広さ、日当たり、窓からの眺望などをしっかりと伝えます。
【各居室】各5〜10秒
各居室の広さ、収納、窓の位置などを見せます。
【水回り(キッチン・バス・トイレ・洗面)】15〜20秒
設備の充実度を伝える重要なポイント。特にキッチンとバスルームは重点的に見せましょう。
【エンディング】5〜10秒
物件の基本情報をまとめたテロップ、不動産会社の連絡先、問い合わせ先などを表示。
この構成を目安に、物件の特徴に応じてアレンジしていきます。例えば、眺望が売りの物件であれば、バルコニーからの景色に時間をかける、広いウォークインクローゼットがある物件であれば、収納スペースをしっかり見せる、といった具合です。
「ルートプラン」を決める
内見動画の撮影・編集で最も重要なのが「ルートプラン」です。
実際の内見では、玄関から入り、廊下を歩き、リビングに入り、各部屋を見て、水回りをチェックして、バルコニーに出る…という「ルート」があります。動画でも、この「ルート」を意識した構成にすることで、視聴者は実際に内見しているような感覚を持てます。
基本のルートプラン例
玄関→廊下→リビング→キッチン→洋室1→洋室2→洗面所→バスルーム→トイレ→バルコニー→エンディング
このルートを基本に、物件の間取りに合わせてアレンジします。
注意点
行ったり来たりする「迷路のような」ルートは避けましょう。視聴者が「今どこにいるのか」分からなくなり、ストレスを感じます。なるべく一筆書きで回れるルートを設計することが大切です。
広角レンズの効果的な使い方
なぜ広角レンズが内見動画に必須なのか
内見動画を撮影する際、最も重要な機材の一つが「広角レンズ」です。
通常のスマートフォンのカメラや、標準的なビデオカメラでは、室内の狭い空間を撮影すると、実際よりも狭く見えてしまうことが多いです。これは、人間の目は約180度の視野を持っているのに対し、標準的なカメラのレンズは約50〜60度程度の視野しかないためです。
広角レンズを使えば、より広い範囲を1つのフレームに収めることができ、部屋の「広がり」を視聴者に伝えることができます。
広角レンズのメリット
部屋を実際よりも広く見せることができます。部屋の全体像を1カットで見せられるため、視聴者が空間を把握しやすくなります。また、狭いスペース(玄関、廊下、トイレなど)でも撮影しやすいという利点があります。
広角レンズのデメリット
使いすぎると「広角歪み」が発生し、不自然な映像になります。部屋の隅が歪んで見える、直線が曲がって見えるといった現象です。また、実際よりも広く見せてしまうため、「動画で見たイメージと違う」というクレームにつながるリスクもあります。
広角レンズの選び方
内見動画に適した広角レンズの焦点距離は、35mm換算で12mm〜24mm程度です。
超広角(12mm〜16mm):非常に広い範囲を撮影でき、狭い部屋でも全体を映せます。ただし、歪みが大きくなるため、使いどころを選びます。
広角(18mm〜24mm):バランスの良い広さで、歪みも比較的少ないです。内見動画のメインとして使いやすい焦点距離です。
機材の選択肢
アクションカメラ(GoPro等):小型で取り回しやすく、超広角の映像が撮れます。内見動画には非常に適しています。手ブレ補正機能も優秀なものが多いです。
スマートフォンの広角レンズ:最近のスマートフォンには、超広角レンズが搭載されているモデルが多いです。追加機材なしで広角撮影ができるため、手軽に始められます。
一眼カメラ+広角レンズ:最も高画質な映像が撮れますが、機材が大きく、操作も複雑です。本格的な物件動画を制作する場合におすすめです。
ジンバル+広角レンズ:手ブレを抑えながら滑らかな映像を撮るには、ジンバル(電動スタビライザー)が効果的です。歩きながらの撮影でも、映画のような滑らかな映像が撮れます。
広角レンズを使った撮影テクニック
【テクニック1】部屋の角から撮る
部屋を最も広く見せるには、「部屋の角」にカメラを置き、対角線方向に向かって撮影します。こうすることで、部屋の縦方向と横方向の両方を1カットで見せることができます。
【テクニック2】入口から奥に向かって撮る
部屋の入口に立ち、奥に向かって撮影することで、「これから入っていく」という臨場感を出せます。視聴者は、自分が部屋に入っていくような感覚を味わえます。
【テクニック3】歪みを最小限にする
広角レンズの歪みは、カメラを傾けると強調されます。カメラを水平に保ち、壁や床のラインがまっすぐに見えるように意識しましょう。
また、編集ソフトの「レンズ補正」機能を使えば、歪みをある程度補正することができます。
【テクニック4】高さを意識する
カメラの高さによって、部屋の印象は大きく変わります。一般的には、目線の高さ(150cm〜160cm程度)で撮影すると、自然な印象になります。
天井を高く見せたい場合は、やや低い位置から撮影します。逆に、床の広さを強調したい場合は、やや高い位置から見下ろすように撮影します。
撮影と編集の関係については、編集を楽にする撮影術:後から「ズーム」できるように4Kで撮っておくべき理由の記事も参考にしてください。4Kで撮影しておけば、編集時にトリミングやズームの余裕が生まれます。
「広角」と「標準」の使い分け
内見動画のすべてを広角レンズで撮る必要はありません。むしろ、「広角」と「標準」を使い分けることで、より効果的な動画が作れます。
広角が適しているシーン
部屋全体を見せたいとき、狭いスペース(玄関、廊下、トイレなど)、LDKの広さをアピールしたいとき、バルコニーからの眺望を見せたいときなどです。
標準が適しているシーン
設備のアップ(キッチンのコンロ、バスルームの浴槽など)、細かいディテール(収納の中、コンセントの位置など)、テロップを入れるための静止カットなどです。
広角で全体を見せた後、標準(または望遠)でディテールを見せる、という組み合わせが効果的です。
図面(間取り図)の活用術
なぜ図面が内見動画に必要なのか
内見動画を見ている視聴者は、「今、どの部屋を見ているのか」「部屋同士の位置関係はどうなっているのか」を常に把握したいと思っています。
しかし、動画だけでは、特に初めて見る物件の場合、「今リビングを見ていたけど、次に映ったのはどの部屋?」と混乱することがあります。
そこで有効なのが、図面(間取り図)の活用です。
図面を動画に組み込むことで、視聴者は「全体の中の今どこを見ているか」を把握でき、物件の理解度が格段に上がります。
図面の基本的な使い方
【パターン1】オープニングで図面を表示
動画の冒頭で、物件の図面を表示し、間取りの全体像を伝えます。「2LDK・〇〇㎡」といった基本情報もテロップで追加すると、視聴者は「こういう間取りの物件なんだな」と把握した上で動画を見ることができます。
表示時間は3〜5秒程度が目安です。
【パターン2】部屋が変わるたびに図面を挿入
リビング→洋室→キッチン…と部屋が変わるたびに、図面の該当部分をハイライトした映像を挿入します。「今からここを見ます」という案内役になります。
この方法は、部屋数が多い物件や、間取りが複雑な物件で特に効果的です。
【パターン3】画面の隅に常時表示
動画の本編中、画面の隅(右上や左下など)に小さく図面を常時表示し、「今見ている部屋」を点滅やハイライトで示す方法です。
視聴者は常に「全体の中のどこにいるか」を把握できますが、図面が画面を占有するため、物件映像の視認性がやや下がります。重要な映像(LDKの広さを見せるシーンなど)では、図面を一時的に非表示にするなどの工夫が必要です。
図面の編集テクニック
【テクニック1】図面を見やすく加工する
不動産ポータルサイトに掲載されている図面は、そのまま使うと見にくいことがあります。編集ソフトで以下の加工を行いましょう。
コントラストを上げて線をくっきりさせる、背景を単色(白や薄いグレー)に統一する、文字(「リビング」「洋室」など)を読みやすいサイズに調整する、方位記号(N)を見やすい位置に配置するなどです。
【テクニック2】ハイライトを動かす
図面の「今見ている部屋」をハイライト(色を変える、枠で囲む、点滅させるなど)することで、視聴者の視線を誘導できます。
動画の進行に合わせてハイライトを動かすアニメーションを入れると、さらに分かりやすくなります。
【テクニック3】3D図面・CG図面の活用
最近は、2Dの平面図だけでなく、3D化した図面やCGパースを提供してくれる不動産会社やサービスもあります。
3D図面を使えば、より立体的に間取りを理解でき、視聴者の「住んだイメージ」を喚起しやすくなります。
図解やアニメーションの編集については、「喋り」が苦手でも大丈夫!テロップと図解で補足する編集の工夫の記事も参考にしてください。
図面と動画のトランジション
図面から動画(または動画から図面)に切り替える際のトランジション(場面転換)も、印象を左右するポイントです。
【シンプルなカット】
最もシンプルなのは、単純に切り替える「カット」です。テンポよく進行できますが、やや唐突な印象になることもあります。
【フェード(クロスディゾルブ)】
図面と動画をゆっくりとオーバーラップさせながら切り替える方法です。滑らかで上品な印象になりますが、多用すると冗長になります。
【ズームイン・ズームアウト】
図面の該当部分にズームインしていき、そのまま動画に切り替わる(または動画からズームアウトして図面になる)という演出です。視聴者の視線誘導に効果的ですが、編集の手間はかかります。
基本的には「カット」または「フェード」で十分ですが、物件のイメージやブランドに合わせて選択しましょう。
テロップ・テキストの編集テクニック
内見動画で入れるべきテロップ
内見動画において、テロップ(文字情報)は非常に重要です。映像だけでは伝えきれない情報を補足し、視聴者の理解を助けます。
【必須テロップ1】物件の基本情報
動画の冒頭やエンディングで、以下の情報をテロップで表示しましょう。
物件名(マンション名・アパート名など)、所在地(〇〇市〇〇区、または最寄り駅と徒歩分数)、間取り(1K、2LDK、3LDKなど)、専有面積(〇〇㎡)、賃料・価格、築年数、主な設備(オートロック、宅配ボックス、エアコン付きなど)などです。
これらの情報を一度に全部表示すると見にくくなるため、重要度に応じて絞り込むか、複数のテロップに分けて表示しましょう。
【必須テロップ2】各部屋の名称と広さ
部屋が変わるたびに、「リビング・ダイニング 12畳」「洋室 6畳」「キッチン 3畳」といったテロップを入れましょう。
これにより、視聴者は「今見ている部屋は何畳あるのか」をすぐに理解できます。
【必須テロップ3】設備・仕様の紹介
物件のアピールポイントとなる設備は、テロップで強調しましょう。
「システムキッチン」「追い焚き機能付き」「ウォークインクローゼット」「浴室乾燥機」「独立洗面台」「宅配ボックス」「オートロック」「ペット可」「インターネット無料」などです。
単に設備名を表示するだけでなく、「◎追い焚き機能付き」「★浴室乾燥機完備」のように、記号を使って強調するとさらに目立ちます。
【任意テロップ4】アピールポイント・コメント
「日当たり良好!」「収納たっぷり」「リノベーション済み」「駅徒歩3分」といった、物件のセールスポイントをテロップで入れると、視聴者の印象に残りやすくなります。
また、「このスペースにソファを置けます」「二人暮らしでも余裕の広さ」といった、生活をイメージさせるコメントも効果的です。
テロップのデザインルール
テロップは、読みやすさが命です。以下のルールを意識しましょう。
【ルール1】フォントはゴシック体を基本に
明朝体は細い線が多く、動画では読みにくくなります。太めのゴシック体(ヒラギノ角ゴ、游ゴシック、Noto Sans JPなど)を使いましょう。
【ルール2】サイズは大きめに
スマートフォンで視聴する人が多いため、小さい文字は読めません。フルHD(1920×1080)の動画であれば、最低でも24ポイント以上、できれば32〜48ポイント程度の大きさを確保しましょう。
【ルール3】背景とのコントラストを確保
白い壁の前に白いテロップを置くと、読めません。テロップに「縁取り」「影」「背景ボックス」などを付けて、どんな背景でも読めるようにしましょう。
最も汎用性が高いのは、白文字に黒い縁取り(または影)を付ける組み合わせです。
【ルール4】表示位置を統一する
テロップの表示位置がバラバラだと、視聴者は「どこを見ればいいか」分からなくなります。部屋名は左上、設備情報は左下、基本情報は右下…というように、ルールを決めて統一しましょう。
【ルール5】表示時間は十分に取る
テロップは、視聴者が読む時間を確保する必要があります。目安として、1秒あたり4〜5文字程度が読みやすいとされています。10文字のテロップであれば、最低2〜2.5秒は表示しましょう。
テロップの詳しいデザインルールについては、見やすいテロップ(字幕)の入れ方|フォント・サイズ・色の視認性ルールの記事を参考にしてください。
ナレーション vs テロップ
内見動画に「ナレーション(音声)」を入れるかどうかは、一つの選択です。
ナレーションのメリット
物件の魅力を言葉で詳しく伝えられます。担当者の「人柄」が伝わり、親近感を持ってもらえます。視聴者は「見る」だけでなく「聞く」ことで情報を得られます。
ナレーションのデメリット
撮影・編集の手間が増えます。音声のクオリティが低いと、逆効果になります。電車内など音声を出せない環境では視聴しにくくなります。
テロップのみのメリット
音声オフでも内容が伝わります。編集の手間が比較的少ないです。多言語対応がしやすい(テロップを差し替えるだけで済む)という利点もあります。
おすすめの方法
内見動画においては、「テロップのみ」または「ナレーション+テロップ併用」がおすすめです。
ナレーションのみでテロップがない動画は、音声オフで視聴する人に情報が伝わらないためです。
ナレーションを入れる場合は、音声とテロップの内容を完全に一致させる必要はありません。ナレーションで「このリビング、広いですよね」と話しながら、テロップでは「LDK 15畳」と具体的な数字を表示する、という使い分けも効果的です。
カメラワークと編集のポイント

スムーズなカメラワークの重要性
内見動画において、カメラワーク(カメラの動かし方)は非常に重要です。
カメラがブレブレだったり、急に動いたり止まったりすると、視聴者は「酔う」ような感覚になり、不快感を覚えます。逆に、スムーズで安定したカメラワークは、「プロっぽい」「この会社、ちゃんとしてる」という印象を与えます。
手ブレを抑える方法
三脚を使う:固定カットを撮る際は、三脚を使うことで完全にブレを抑えられます。ただし、歩きながらの撮影には使えません。
ジンバル(電動スタビライザー)を使う:歩きながらでも滑らかな映像が撮れる、最も効果的な方法です。DJI、FeiyuTech、Zhiyunなど、様々なメーカーからジンバルが発売されています。
手ブレ補正機能を活用する:カメラやスマートフォンに搭載されている「電子手ブレ補正」機能を有効にしましょう。ジンバルほどではありませんが、ある程度のブレは抑えられます。
体の使い方を意識する:ジンバルがなくても、「腕を体に密着させる」「膝を軽く曲げて歩く」「呼吸を止めるタイミングで撮る」といった撮影テクニックで、ブレを軽減できます。
基本のカメラワーク
【カメラワーク1】パン(横移動)
カメラを左から右(または右から左)にゆっくりと動かし、部屋の全体像を見せる動きです。部屋に入った直後、「この部屋はこれくらいの広さです」と伝えるのに効果的です。
速すぎると酔いやすくなるため、ゆっくりと一定速度で動かすことがポイントです。
【カメラワーク2】ティルト(縦移動)
カメラを上から下(または下から上)にゆっくりと動かす動きです。天井の高さを見せたいとき、壁面収納を上から下まで見せたいときなどに使います。
【カメラワーク3】ドリー(前後移動)
カメラを前に進めたり、後ろに下がったりする動きです。玄関から部屋に入っていく、廊下を歩いていく、といったシーンで使います。
「視聴者が実際に歩いている」かのような臨場感を出せます。
【カメラワーク4】固定カット
カメラを動かさず、固定した状態で撮影するカットです。部屋の全体像を見せるとき、テロップを入れるとき、設備のアップを撮るときなどに使います。
常にカメラを動かしている動画は、視聴者を疲れさせます。適度に「固定カット」を入れることで、視聴者の目を休ませることができます。
編集でカメラワークを改善する
撮影時にうまくいかなかったカメラワークも、編集である程度改善できます。
【改善1】手ブレ補正
Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cut Proなどの動画編集ソフトには、「手ブレ補正(スタビライザー)」機能が搭載されています。撮影後に手ブレを軽減することができます。
ただし、補正の効果には限界があり、極端にブレた映像は補正しきれません。また、補正をかけると映像の端がカットされるため、被写体が見切れることがあります。
【改善2】トリミング・リフレーミング
4K(または高解像度)で撮影しておけば、編集時に映像をトリミング(切り取り)したり、リフレーミング(フレームの位置を動かす)したりすることができます。
例えば、「カメラを動かさずに撮影した固定映像」を、編集で「ゆっくりとパンしているように見せる」ことも可能です。
この手法については、編集を楽にする撮影術:後から「ズーム」できるように4Kで撮っておくべき理由の記事で詳しく解説しています。
【改善3】カットで繋ぐ
カメラワークがうまくいかなかった部分は、思い切ってカットしてしまうのも一つの手です。
例えば、「玄関からリビングに歩いていく」シーンで途中でブレてしまった場合、「玄関の映像」と「リビングの映像」を別々のカットとして繋げば、ブレた部分を見せずに済みます。
カットの入れ方については、視聴維持率が変わる!プロが教える「カット」と「間」の編集テクニックの記事も参考にしてください。
BGM・音響の編集
BGMが内見動画の印象を決める
内見動画においても、BGM(バックグラウンドミュージック)は重要な要素です。
BGMがない内見動画は、「環境音」がそのまま聞こえます。空調の音、外の車の音、撮影者の足音、呼吸音…。これらが気になって、物件の魅力に集中できないことがあります。
適切なBGMを入れることで、ノイズをマスキングし、物件のイメージに合った「雰囲気」を作ることができます。
内見動画に適したBGMのタイプ
明るく爽やかな曲:ファミリー向け物件、新築物件、リノベーション物件など、「新しい生活のスタート」をイメージさせたい場合に適しています。
落ち着いたピアノ曲:高級マンション、タワーマンション、大人向けの物件など、「落ち着いた暮らし」をイメージさせたい場合に適しています。
アップテンポなポップス:若者向けのワンルーム、デザイナーズマンションなど、「おしゃれな一人暮らし」をイメージさせたい場合に適しています。
ボサノバ・ジャズ:カフェ風のインテリア、ビンテージリノベーション物件など、「ゆったりとした暮らし」をイメージさせたい場合に適しています。
逆に、避けるべきBGMとしては、激しいロックや EDM(うるさすぎる)、悲しげなマイナー調の曲(暗い印象になる)、歌詞のある日本語の曲(歌詞に気を取られる)などがあります。
BGMの選び方については、BGMと効果音(SE)の選び方で印象は激変!動画のクオリティを上げる音響術の記事で詳しく解説しています。
環境音の処理
撮影時に入ってしまった「環境音」をどう処理するかは、編集の重要なポイントです。
【選択肢1】環境音を完全にカットしてBGMのみにする
撮影時の音声を完全にミュートし、BGMだけを流す方法です。ノイズを完全に消せますが、「臨場感」がなくなります。
【選択肢2】環境音を小さくしてBGMをかぶせる
撮影時の音声を残しつつ音量を下げ、その上にBGMを重ねる方法です。足音やドアを開ける音などが残り、臨場感を保てます。
【選択肢3】ナレーションを入れる場合は環境音をカット
ナレーションを入れる場合は、環境音がナレーションの邪魔になるため、基本的にはカットした方が聞きやすくなります。
ノイズ除去
空調の「ゴー」という音や、電気の「ジー」という音など、持続的なノイズは、編集ソフトの「ノイズ除去」機能である程度軽減できます。
ただし、ノイズ除去をかけすぎると、音声全体が「こもった」ような不自然な音になることがあります。程度のバランスが重要です。
音声のノイズ処理については、音がこもる・ノイズが入る…編集で解決できる音声トラブルの限界と対策の記事も参考にしてください。
効果音の使い方
内見動画で効果音を使うかどうかは、物件のイメージによります。
効果音が効果的な場面
テロップが出現するタイミングでの「キラン」「シュッ」という音、部屋が切り替わるタイミングでの「スワイプ音」、アピールポイントを強調するときの「キラキラ」音などです。
これらの効果音は、視聴者の注意を引き、情報を印象付ける効果があります。
注意点
高級感を出したい物件(タワーマンション、ハイグレード物件など)では、効果音を多用すると「安っぽい」印象になることがあります。そのような物件では、効果音は控えめにするか、使わない方が良いでしょう。
逆に、若者向けの物件やポップな印象を出したい物件では、効果音を活用することで「楽しい」「カジュアル」な印象を作れます。
カラー補正・カラーグレーディング
なぜ色補正が必要なのか
撮影した映像は、そのままでは「実際に見た印象」と異なることがほとんどです。
特に内見動画では、以下のような問題が起こりやすいです。
蛍光灯の光で、部屋全体が「緑っぽく」または「青っぽく」見える。曇りの日に撮影したため、全体的に「暗い」「どんより」した印象になる。窓からの光が強すぎて、「白飛び」している。逆に、窓際以外が「暗く」なっている。壁や床の色が、実際とは違う色に見えるなどです。
これらの問題を、編集時の「カラー補正(カラーコレクション)」で修正することで、より魅力的な映像に仕上げることができます。
基本的なカラー補正
【補正1】ホワイトバランスの調整
ホワイトバランスとは、「白が白く見える」ように色温度を調整することです。
蛍光灯の下で撮影した映像は、緑や青に偏っていることが多いです。編集ソフトの「色温度」「色合い」スライダーを調整して、白い壁や天井が自然な白に見えるようにしましょう。
【補正2】明るさ(露出)の調整
暗い映像は、物件が「陰気」「古い」という印象を与えます。「露出」「明るさ」を上げて、明るく見やすい映像にしましょう。
ただし、明るくしすぎると「白飛び」(白い部分が真っ白になって詳細が見えなくなる)が発生します。「ハイライト」「シャドウ」を個別に調整できる場合は、暗い部分だけを明るくすると自然に仕上がります。
【補正3】コントラストの調整
コントラストを上げると、「くっきり」「メリハリのある」映像になります。特に、床や壁の質感を見せたい場合は、コントラストを適度に上げると効果的です。
ただし、上げすぎると「ギラギラ」した不自然な映像になります。
【補正4】彩度の調整
彩度を上げると、色が「鮮やか」になります。リノベーション物件のカラフルな壁や、観葉植物の緑を強調したい場合に効果的です。
逆に、彩度を下げると、「落ち着いた」「シック」な印象になります。高級物件のイメージ作りに使えます。
物件イメージに合わせたカラーグレーディング
「カラーコレクション」が「正しい色に戻す」作業であるのに対し、「カラーグレーディング」は「意図した色に変える」作業です。
物件のイメージに合わせて、以下のようなカラーグレーディングを施すことができます。
温かみのある雰囲気(ファミリー向け物件):オレンジや黄色方向に色温度をシフトし、暖色系の温かい印象にします。
清潔感のある雰囲気(新築・リノベーション物件):やや青白い方向に調整し、明るさを上げて、クリーンな印象にします。
高級感のある雰囲気(タワーマンション・高級物件):コントラストを上げ、彩度をやや下げ、シャドウを深くすることで、映画のような「シネマティック」な印象にします。
ナチュラルな雰囲気(自然素材の物件):緑やベージュを強調し、彩度を抑えめにして、自然でリラックスした印象にします。
カラーグレーディングの詳しいテクニックについては、カラーグレーディングの基本|動画の色味を整えて「プロっぽさ」を出す方法の記事を参考にしてください。
照明の問題と対策
内見動画の撮影でよくあるのが、「照明の問題」です。
問題1:窓からの光が強すぎる
昼間に撮影すると、窓からの光が強すぎて「白飛び」することがあります。逆に、窓際以外は暗くなります。
対策:撮影時にカーテンやブラインドで光を調整する、HDR撮影機能があるカメラを使う、編集時に「ハイライト」を下げ「シャドウ」を上げるなどの対応が考えられます。
問題2:照明の色が混在している
部屋の照明が蛍光灯(青白い光)で、窓からの日光(オレンジっぽい光)と混在すると、色がおかしくなることがあります。
対策:撮影時に照明を統一する(電気を消すか、カーテンを閉めるか)、編集時に部分的に色補正を行うなどの対応が考えられます。
照明と編集の関係については、照明と編集の関係:編集で「明るく」するのは限界がある?撮影時にこだわるべきライティングの記事も参考にしてください。編集でできることには限界があるため、撮影時の照明が重要です。
物件タイプ別・編集のポイント
賃貸マンション・アパートの編集
賃貸物件の内見動画では、「この部屋で生活するイメージ」を持ってもらうことが最も重要です。
編集のポイント
生活動線を意識した構成:玄関→リビング→キッチン→洋室→水回りという、実際の生活をイメージしやすい流れで編集しましょう。
設備情報を具体的に:「エアコン付き」「インターネット無料」「オートロック」など、入居者にとってのメリットをテロップで明確に伝えましょう。
周辺環境も触れる:「駅徒歩〇分」「スーパー徒歩〇分」など、立地のメリットも冒頭またはエンディングで伝えると効果的です。
ターゲットに合わせたトーン:学生向けの物件と、ファミリー向けの物件では、BGMやテロップのトーンを変えましょう。
分譲マンション・新築一戸建ての編集
分譲物件は、賃貸と比べて「購入」という大きな決断が伴うため、より詳細な情報提供が求められます。
編集のポイント
広さ・仕様を具体的に:各部屋の広さ(畳数・㎡)、天井高、床材(フローリングの種類)、建具の仕様など、具体的な情報をテロップで伝えましょう。
キッチン・バスルームを重点的に:分譲物件の購入者は、設備のグレードを重視します。システムキッチンのメーカー・機能、バスルームの広さ・機能などを詳しく見せましょう。
収納スペースをしっかり見せる:ウォークインクローゼット、パントリー、シューズインクローゼットなど、収納の充実度は購入の決め手になります。
高級感のある編集:分譲物件は価格が高いため、動画のクオリティも高く求められます。カラーグレーディング、BGM選び、テロップデザインなど、細部にこだわった編集を心がけましょう。
リノベーション物件の編集
リノベーション物件は、「古さ」をマイナス要因にせず、「新しさ」と「個性」をアピールすることが重要です。
編集のポイント
ビフォー・アフターを見せる:可能であれば、リノベーション前の写真や映像と、リノベーション後の映像を比較して見せましょう。「ここまできれいになったのか」という驚きを与えられます。
ビフォー・アフターの編集については、工務店・リフォーム:Before/Afterを劇的に魅せる!建築動画の編集・比較見せのコツの記事も参考にしてください。
デザインの特徴を強調:「無垢フローリング」「モルタル壁」「アイアン手すり」など、リノベーションならではのデザイン要素をテロップで紹介しましょう。
おしゃれな雰囲気のBGM:リノベーション物件は「個性的でおしゃれ」というイメージが重要です。BGMも、それに合ったボサノバやアコースティックな曲を選びましょう。
投資用物件の編集
投資用物件は、「入居者」ではなく「投資家」がターゲットです。編集の方向性も変わってきます。
編集のポイント
数字を重視:利回り、想定家賃、表面利回り、実質利回りなど、投資家が重視する数字をテロップで明確に伝えましょう。
立地・賃貸需要をアピール:「駅徒歩〇分」「周辺に大学があり学生需要が高い」「再開発エリアで今後の値上がりが期待」など、投資としてのメリットを強調しましょう。
管理状態を見せる:共用部(エントランス、廊下、ゴミ置き場など)の管理状態は、投資家にとって重要な判断材料です。室内だけでなく、共用部の映像も入れましょう。
BGMは控えめに:投資用物件は「情緒」よりも「情報」が重要です。BGMは控えめにして、数字や立地情報に集中できるようにしましょう。
事業用物件(オフィス・店舗)の編集
事業用物件は、「ビジネスに適しているか」という視点で見られます。
編集のポイント
広さ・レイアウトの自由度を見せる:オフィスや店舗は、入居者が自分でレイアウトを考えます。「このスペースにデスクを〇台置ける」「このエリアを客席にできる」といった、レイアウトのイメージを伝えましょう。
設備・インフラを重視:電気容量、空調設備、給排水設備、インターネット回線、駐車場の有無など、事業に必要なインフラ情報をテロップで明確に伝えましょう。
周辺環境・アクセスを強調:「最寄り駅から徒歩〇分」「大通り沿いで視認性が高い」「駐車場〇台完備」など、ビジネスにとってのアクセスの良さをアピールしましょう。
落ち着いたビジネスライクな編集:BGMは控えめで落ち着いたもの、テロップも派手すぎない、ビジネス向けのトーンで編集しましょう。
各部屋の撮影・編集ポイント
リビング・LDKの編集
リビング・LDKは、物件の「顔」です。最も時間をかけて見せるべき場所です。
見せるべきポイント
部屋全体の広さ(広角レンズで撮影)、窓の位置と大きさ、日当たり・採光、エアコンの有無と位置、コンセントの位置(家具配置の参考になる)、天井高(高ければアピール)などです。
編集のコツ
リビングには、動画の中で最も長い時間(15〜20秒程度)を割きましょう。まず部屋の入口から全体を見せ、次にパンで左右を見せ、窓際まで歩いて日当たりを見せる…という構成が効果的です。
「リビング12畳」「南向き・日当たり良好」「エアコン付き」などのテロップを入れて、情報を補足しましょう。
キッチンの編集
キッチンは、特に女性や料理好きの人にとって重要なポイントです。
見せるべきポイント
キッチン全体の広さ、システムキッチンの仕様(3口コンロ、IH、食洗機など)、収納スペース、シンクの大きさ、作業スペースの広さ、冷蔵庫置き場のサイズ、窓の有無(換気)などです。
編集のコツ
まずキッチン全体を広角で見せ、次にコンロやシンクのアップを見せる構成が効果的です。
「システムキッチン」「3口IHコンロ」「食洗機付き」「グリル付き」などの設備情報をテロップで入れましょう。
バスルーム・洗面所の編集
水回りは、清潔感が重要なポイントです。
見せるべきポイント
バスルームの広さ(1216、1418、1620などのサイズ)、浴槽の大きさ、シャワーの種類(レインシャワー、ハンドシャワーなど)、追い焚き機能の有無、浴室乾燥機の有無、洗面台のサイズと収納、洗濯機置き場の位置とサイズなどです。
編集のコツ
バスルームは狭いため、広角レンズが特に効果的です。入口から全体を見せ、次に浴槽のアップ、シャワーのアップを見せましょう。
「追い焚き機能付き」「浴室乾燥機」「独立洗面台」などの設備情報をテロップで強調しましょう。
各居室(洋室・和室)の編集
各居室は、リビングほど詳しく見せる必要はありませんが、最低限の情報は伝えましょう。
見せるべきポイント
部屋の広さ(畳数)、窓の位置と大きさ、クローゼット・収納の有無と大きさ、エアコンの有無、コンセントの位置などです。
編集のコツ
各居室は5〜10秒程度で十分です。入口から全体を見せ、収納があればドアを開けて中を見せる、という構成が基本です。
「洋室6畳」「クローゼット付き」などのシンプルなテロップを入れましょう。
バルコニー・眺望の編集
バルコニーからの眺望は、物件の大きなアピールポイントになることがあります。
見せるべきポイント
バルコニーの広さ、眺望(何が見えるか)、日当たり、周囲の建物との距離、物干しスペースなどです。
編集のコツ
眺望が良い物件であれば、バルコニーからの景色を5〜10秒程度じっくり見せましょう。
逆に、眺望があまり良くない(隣の建物が近いなど)場合は、サラッと流す程度にして、他のアピールポイントに時間を使いましょう。
「南向き・日当たり良好」「〇階からの眺望」「遠くに〇〇が見える」などのテロップが効果的です。
に行けない人にとっては、通常の動画よりも物件をリアルに感じられるメリットがあります。
ただし、360度カメラは専用の機材が必要であり、編集も通常の動画より複雑です。また、視聴するには対応したデバイス(VRゴーグル、または対応したスマートフォンアプリ)が必要なため、すべての視聴者が見られるわけではありません。
まずは通常の内見動画を充実させ、余裕があれば360度動画にも挑戦する、という順序がおすすめです。
360度動画については、VR・360度動画:空間を丸ごと届ける!360度映像の編集とYouTubeへのアップロード方法の記事を参考にしてください。
ドローン撮影は必要?
一戸建てや大規模マンションの場合、ドローンを使った空撮は物件の魅力を伝える効果的な手段です。外観の全景、周辺環境、眺望などを、地上からでは撮れないアングルで見せることができます。
ただし、ドローン撮影には以下の点に注意が必要です。
航空法の規制(飛行禁止区域、飛行許可の取得など)、操縦には資格やスキルが必要、機材費・保険費がかかる、天候に左右されるなどです。
自社でドローン撮影を行うのはハードルが高いため、必要な場合はドローン撮影を専門とする業者に依頼することをおすすめします。
ドローン映像の編集については、【自治体・観光】:地域の魅力を映像で伝える「ドローン映像」の編集と著作権の記事も参考になります。
まとめ:内見動画は「編集」で差がつく

この記事では、不動産の内見動画に特化した編集テクニックを解説してきました。
改めて、重要なポイントをまとめます。
内見動画の基本
理想的な長さは1分前後、長くても2分以内に収めましょう。「ルートプラン」を決め、視聴者が迷わない構成にします。伝えるべき5つの要素(広さ・間取り、日当たり・眺望、設備・仕様、物件の状態、周辺環境)を意識しましょう。
広角レンズの活用
12mm〜24mm程度の広角レンズで部屋の広がりを表現します。部屋の角から撮る、入口から奥に向かって撮るなどのテクニックを活用しましょう。歪みが強くなりすぎないよう、カメラを水平に保つことも大切です。
図面の活用
オープニングで図面を表示し、間取りの全体像を伝えます。部屋が変わるたびに図面を挿入し、「今どこを見ているか」を分かりやすくします。ハイライトやアニメーションで、視聴者の視線を誘導しましょう。
テロップの活用
物件の基本情報、各部屋の名称と広さ、設備情報をテロップで伝えます。読みやすいフォント・サイズ・色を使い、表示位置を統一しましょう。音声オフでも内容が伝わるようにすることが大切です。
カメラワークと編集
スムーズで安定したカメラワークを心がけましょう。パン、ティルト、ドリー、固定カットを使い分けます。手ブレは撮影時に抑えるのが基本ですが、編集でもある程度改善できます。
BGM・音響
物件のイメージに合ったBGMを選びます。環境音は適切に処理し、ノイズが気にならないようにしましょう。効果音は物件のイメージに合わせて使い分けます。
カラー補正
ホワイトバランス、明るさ、コントラスト、彩度を調整して、見やすい映像にします。物件のイメージに合わせたカラーグレーディングで、印象を演出することもできます。
効率化の工夫
テンプレートを作成し、制作時間を短縮しましょう。AIツールを活用して編集作業を効率化します。撮影と編集の分業も検討してみてください。
内見動画は、物件の「第一印象」を決める重要なツールです。同じ物件でも、編集の質によって「見に行きたい」と思わせる動画にも、「なんだか微妙だな」と思われる動画にもなります。
ぜひ、この記事で紹介したテクニックを実践し、問い合わせ数アップにつなげてください。
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