「動画編集に時間がかかりすぎて、他の業務に手が回らない」
「同じ操作を何度も繰り返すのが面倒」
「プロの編集者はどうやって効率よく作業しているの?」
動画編集は、時間のかかる作業です。1本の動画を完成させるのに何時間もかかり、締め切りに追われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、編集の効率を上げる方法はあります。ショートカットキーを覚える、左手デバイスを導入する、ワークフローを見直す——こうした工夫によって、編集時間を大幅に短縮できます。
本記事では、動画編集の効率を爆上げするためのテクニックを徹底解説します。ショートカットキーの活用から、左手デバイスの選び方、効率的なワークフローの構築まで、すぐに実践できる方法をお伝えします。
なぜ効率化が重要なのか
まずは、動画編集の効率化がなぜ重要なのかを確認しておきましょう。
時間コストの削減
動画編集は、想像以上に時間がかかる作業です。
一般的な編集時間の目安
・10分のYouTube動画:3〜8時間
・1分のショート動画:30分〜2時間
・30分のセミナー動画:5〜15時間
これだけの時間を毎回かけていては、他の業務に支障が出ます。効率化によって編集時間を半分に短縮できれば、その分の時間を他の重要な業務に充てられます。
クオリティの向上
意外かもしれませんが、効率化はクオリティの向上にもつながります。
・単純作業の時間が減る → クリエイティブな作業に時間を使える
・作業の流れが止まらない → 集中力を維持できる
・同じ時間でより多くの試行ができる → より良い仕上がりになる
身体への負担軽減
長時間の編集作業は、目、首、肩、手首などに負担がかかります。効率化によって作業時間を短縮すれば、身体への負担も軽減できます。
また、同じ操作を繰り返すことによる腱鞘炎などのリスクも、左手デバイスの導入で軽減できます。
モチベーションの維持
非効率な作業を続けていると、モチベーションが下がりがちです。効率的に作業を進められれば、達成感が得られ、モチベーションを維持しやすくなります。
ショートカットキーを覚えよう
効率化の第一歩は、ショートカットキーを覚えることです。マウス操作をキーボード操作に置き換えるだけで、作業速度は大幅に向上します。
ショートカットキーの効果
ショートカットキーを使うと、どのくらい効率が上がるのでしょうか。
マウス操作の場合
1. メニューバーにマウスを移動(1秒)
2. メニューをクリック(0.5秒)
3. サブメニューを探す(1秒)
4. 目的の項目をクリック(0.5秒)
→ 合計約3秒
ショートカットキーの場合
1. キーを押す(0.3秒)
→ 合計約0.3秒
1回の操作で約2.7秒の差があります。これを1日に100回繰り返すと、270秒(4.5分)の差になります。1ヶ月(20日)で90分、1年で18時間もの差が生まれます。
実際の編集作業では、ショートカットで置き換えられる操作はもっと多いため、効果はさらに大きくなります。
まず覚えるべき基本ショートカット
すべてのショートカットを一度に覚える必要はありません。まずは、使用頻度の高い基本的なショートカットから覚えましょう。
ほぼすべてのソフトで共通のショートカット
・Ctrl/Cmd + S:保存
・Ctrl/Cmd + Z:元に戻す
・Ctrl/Cmd + Shift + Z:やり直し
・Ctrl/Cmd + C:コピー
・Ctrl/Cmd + V:ペースト
・Ctrl/Cmd + X:カット
・Ctrl/Cmd + A:すべて選択
・Delete:削除
・Spaceキー:再生/停止
これらは、ほぼすべてのソフトで共通して使えるため、覚えておいて損はありません。
Adobe Premiere Proのショートカット
Premiere Proで特に使用頻度の高いショートカットを紹介します。
再生・移動
・Spaceキー:再生/停止
・J:逆再生(押すほど速度アップ)
・K:停止
・L:再生(押すほど速度アップ)
・←/→:1フレーム移動
・Shift + ←/→:5フレーム移動
・Home:シーケンスの先頭へ
・End:シーケンスの末尾へ
編集
・C:レーザーツール(カット)
・V:選択ツール
・Ctrl/Cmd + K:再生ヘッドの位置でカット
・Q:リップル削除(前のクリップ)
・W:リップル削除(後のクリップ)
・I:イン点を設定
・O:アウト点を設定
・;:イン点へ移動
・’:アウト点へ移動
タイムライン操作
・\:タイムライン全体を表示
・+/-:タイムラインのズーム
・Shift + 1〜9:パネルの切り替え
・@:タイムラインパネルを最大化
マーカー
・M:マーカーを追加
・Shift + M:次のマーカーへ移動
・Ctrl/Cmd + Shift + M:前のマーカーへ移動
Premiere Pro:初心者がまず覚えるべき基本操作10選|挫折しないための学習ロードマップも参考にしてください。
DaVinci Resolveのショートカット
DaVinci Resolveで特に使用頻度の高いショートカットを紹介します。
再生・移動
・Spaceキー:再生/停止
・J/K/L:逆再生/停止/再生
・←/→:1フレーム移動
・↑/↓:前/次の編集点へ移動
・Home/End:タイムラインの先頭/末尾へ
編集
・B:ブレードツール(カット)
・A:選択ツール
・Ctrl/Cmd + B:再生ヘッドの位置でカット
・Ctrl/Cmd + Shift + [:リップル削除(前)
・Ctrl/Cmd + Shift + ]:リップル削除(後)
・I/O:イン点/アウト点を設定
・Shift + I/O:イン点/アウト点へ移動
カラーページ
・Shift + 6:カラーページへ移動
・Alt/Option + S:スチルを保存
・Ctrl/Cmd + D:ノードを無効化
DaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法も参考にしてください。
Final Cut Proのショートカット
Final Cut Proで特に使用頻度の高いショートカットを紹介します。
再生・移動
・Spaceキー:再生/停止
・J/K/L:逆再生/停止/再生
・←/→:1フレーム移動
・↑/↓:前/次の編集点へ移動
・Fn + ←/→:タイムラインの先頭/末尾へ
編集
・B:ブレードツール
・A:選択ツール
・Cmd + B:再生ヘッドの位置でカット
・Option + [:開始点をトリム
・Option + ]:終了点をトリム
・I/O:イン点/アウト点を設定
・Q:接続(上のトラックに配置)
・W:挿入
・E:末尾に追加
ショートカットのカスタマイズ
多くの編集ソフトでは、ショートカットキーをカスタマイズできます。自分がよく使う操作に、押しやすいキーを割り当てましょう。
Premiere Proの場合
編集 → キーボードショートカット
DaVinci Resolveの場合
DaVinci Resolve → キーボードのカスタマイズ
Final Cut Proの場合
Final Cut Pro → コマンド → カスタマイズ
カスタマイズのポイント
・よく使う操作を、押しやすい位置のキーに割り当てる
・左手だけで押せるキー(Q、W、E、A、S、D など)を優先
・似た機能は、近いキーにまとめる
・カスタマイズした内容はメモしておく
ショートカットを覚えるコツ
ショートカットを効率よく覚えるためのコツを紹介します。
1. 一度に覚えるのは3〜5個まで
一度にたくさん覚えようとすると、結局どれも身につきません。まずは3〜5個に絞って、完全に身につけてから次に進みましょう。
2. 意識的に使う
覚えたショートカットは、意識的に使うようにしましょう。最初はマウス操作のほうが速く感じるかもしれませんが、慣れれば圧倒的に速くなります。
3. ショートカット一覧を見える場所に貼る
覚えたいショートカットの一覧を、モニターの横やデスクに貼っておくと、思い出しやすくなります。
4. 定期的に復習する
使わないショートカットは忘れてしまいます。定期的に一覧を見返して、復習しましょう。
左手デバイスで効率アップ
ショートカットキーの次のステップとして、左手デバイスの導入を検討しましょう。左手デバイスを使えば、さらに効率的な編集が可能になります。
左手デバイスとは
左手デバイス(左手用コントローラー)とは、キーボードの左側に置いて、左手で操作するデバイスです。ボタンやダイヤル、ノブなどにショートカットや機能を割り当てて使用します。
右手はマウスやペンタブレットを操作しながら、左手でショートカットを実行できるため、作業効率が大幅に向上します。
左手デバイスのメリット
1. 直感的な操作
ダイヤルやノブを回す操作は、タイムラインのスクロールや音量調整など、アナログ的な操作に適しています。キーボードでは難しい、微調整が可能です。
2. 視線を外さない
キーボードのショートカットは、押すキーを探すために視線を外すことがあります。左手デバイスは、ボタンの位置が固定されているため、画面から視線を外さずに操作できます。
3. カスタマイズ性
左手デバイスは、ソフトごとに異なる設定を登録できるものが多いです。Premiere Pro用、DaVinci Resolve用など、複数のプロファイルを切り替えて使えます。
4. 身体への負担軽減
キーボードの特定のキーを繰り返し押す動作は、手首や指に負担がかかります。左手デバイスは、押しやすいボタン配置で、身体への負担を軽減できます。
主要な左手デバイス
動画編集に人気の左手デバイスを紹介します。
TourBox Elite
クリエイター向けに設計された、ダイヤルとボタンを組み合わせた左手デバイスです。
特徴
・ダイヤル、ノブ、スクロールホイールを搭載
・ボタンは14個(組み合わせで最大50以上の機能を登録可能)
・Bluetooth接続とUSB接続に対応
・振動フィードバック機能
・Adobe製品、DaVinci Resolve、Final Cut Proなど、幅広いソフトに対応
動画編集での活用例
・ダイヤル:タイムラインのスクロール、ズーム
・ノブ:音量調整、クリップの移動
・ボタン:再生/停止、カット、リップル削除など
価格
約25,000〜30,000円
こんな人におすすめ
・ダイヤル操作を重視する人
・複数のソフトで使いたい人
・コンパクトなデバイスが好みの人
Loupedeck CT / Loupedeck Live
タッチスクリーンとダイヤルを組み合わせた、多機能な左手デバイスです。
Loupedeck CTの特徴
・タッチスクリーン付きボタン(アイコン表示可能)
・大型ダイヤル1個+小型ダイヤル6個
・物理ボタン20個
・Adobe製品との公式連携
・プロ向けの高機能モデル
Loupedeck Liveの特徴
・Loupedeck CTの機能を絞ったコンパクト版
・タッチスクリーン付きボタン12個
・ダイヤル6個
・価格を抑えたモデル
動画編集での活用例
・タッチスクリーン:よく使う機能をアイコンで表示
・ダイヤル:各種パラメーターの調整
・ボタン:ショートカットの実行
価格
・Loupedeck CT:約75,000円
・Loupedeck Live:約35,000円
・Loupedeck Live S:約25,000円
こんな人におすすめ
・視覚的にボタンを確認したい人
・Adobe製品をメインで使う人
・予算に余裕がある人
Elgato Stream Deck
本来は配信者向けのデバイスですが、動画編集にも活用できます。
特徴
・LCDキー(アイコン表示可能なボタン)
・サイズ展開:6キー、15キー、32キーなど
・プラグインで機能拡張が可能
・比較的安価
・ダイヤルはなし(ボタンのみ)
動画編集での活用例
・各ボタンにショートカットを割り当て
・アイコンで機能を視覚的に表示
・マクロ(複数の操作を1ボタンで実行)
価格
・Stream Deck Mini(6キー):約12,000円
・Stream Deck MK.2(15キー):約20,000円
・Stream Deck XL(32キー):約30,000円
・Stream Deck +(ダイヤル付き):約28,000円
こんな人におすすめ
・コストを抑えたい人
・ボタン操作がメインの人
・配信も行う人
その他の選択肢
ゲーミングキーパッド
Razer TartarusやLogicool G13など、ゲーム用の左手デバイスも動画編集に使えます。多数のキーを搭載しており、コストパフォーマンスが良いです。
テンキー
シンプルな方法として、テンキーにショートカットを割り当てる方法もあります。コストが安く、試しやすいです。
MIDIコントローラー
音楽制作用のMIDIコントローラー(フェーダーやノブ付き)を、動画編集に流用することもできます。
左手デバイスの選び方
自分に合った左手デバイスを選ぶためのポイントを紹介します。
1. 操作スタイル
・ダイヤル操作を重視 → TourBox、Loupedeck
・ボタン操作を重視 → Stream Deck
・両方使いたい → Loupedeck CT、Stream Deck +
2. 使用するソフト
・Adobe製品メイン → Loupedeck(公式連携あり)
・複数のソフトを使う → TourBox、Stream Deck(幅広く対応)
3. 予算
・1万円台 → Stream Deck Mini、テンキー
・2〜3万円台 → TourBox、Stream Deck、Loupedeck Live S
・5万円以上 → Loupedeck CT
4. デスクのスペース
・コンパクトが良い → TourBox、Stream Deck Mini
・スペースに余裕がある → Loupedeck CT、Stream Deck XL
左手デバイスの設定のコツ
左手デバイスを導入したら、効果的に設定しましょう。
1. よく使う機能を優先
まずは、最も頻繁に使う機能をボタンに割り当てましょう。使用頻度の低い機能は、後から追加すれば良いです。
2. 論理的な配置
関連する機能は、近くのボタンにまとめましょう。例えば、再生関連(再生、停止、逆再生)は隣り合わせに配置します。
3. ダイヤルには連続的な操作を
ダイヤルには、タイムラインのスクロール、ズーム、音量調整など、連続的に変化する操作を割り当てると効果的です。
4. 徐々に拡張
最初からすべてのボタンを使おうとせず、徐々に機能を追加していきましょう。慣れてきたら、マクロ(複数の操作を1ボタンで実行)なども活用できます。
効率的なワークフローを構築する
ショートカットや左手デバイスに加えて、ワークフロー全体を見直すことで、さらなる効率化が可能です。
素材の整理
編集作業の前に、素材を整理しておくことで、編集中の手間が大幅に減ります。
フォルダ構成の例
プロジェクトフォルダ/
├── 01_素材/
│ ├── 動画/
│ ├── 音声/
│ ├── 画像/
│ └── BGM・SE/
├── 02_プロジェクト/
├── 03_書き出し/
└── 04_アーカイブ/
ファイル名のルール
・日付を入れる(例:2026-01-16_インタビュー)
・内容が分かる名前にする
・連番を入れる(例:01_オープニング、02_本編)
・全角・半角、スペースの使い方を統一する
プロが教える「動画素材の整理術」|1年後の自分が見ても分かるフォルダ名ルールも参考にしてください。
プロジェクトの整理
編集ソフト内のプロジェクトも、整理しておくと効率が上がります。
ビン(フォルダ)の整理
・素材の種類ごとにビンを分ける
・シーンごとにビンを分ける
・使用済み/未使用で分ける
シーケンス(タイムライン)の整理
・トラックに名前を付ける
・トラックの役割を決める(例:V1=メイン映像、V2=テロップ、V3=ワイプ)
・色分けを活用する
テンプレートの活用
繰り返し使う要素は、テンプレート化しておくと効率的です。
テンプレート化すべき要素
・オープニング・エンディング
・テロップのデザイン
・トランジション
・BGMの構成
・カラーグレーディングのプリセット
動画編集の「テンプレート化」のススメ|制作時間を短縮しつつ統一感を出す方法で詳しく解説しています。
プロキシ編集の活用
4K以上の高解像度素材を編集する場合、プロキシ編集を活用すると、プレビューがスムーズになり、作業効率が向上します。
プロキシとは、編集用の軽いデータのことです。編集中はプロキシを使い、書き出し時には元の高解像度データを使用します。
動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定で詳しく解説しています。
自動化の活用
繰り返し行う作業は、自動化を検討しましょう。
自動化できる作業の例
・自動文字起こし → 字幕作成
・バッチ処理 → 複数ファイルの一括変換
・プリセットの適用 → カラー補正、音量調整
・テンプレートの適用 → テロップ、トランジション
AI動画編集ツールの実力は?自動カットや字幕生成で作業を10倍速くする方法も参考にしてください。
作業環境の最適化
物理的な作業環境も、効率に影響します。
デュアルモニター
モニターを2台使用すると、一方にタイムライン、もう一方にプレビューやエフェクトパネルを表示でき、作業効率が向上します。
快適な椅子とデスク
長時間の作業でも疲れにくい、適切な高さの椅子とデスクを用意しましょう。
照明
目に優しい照明環境を整えましょう。モニターの明るさと部屋の明るさのバランスが重要です。
動画編集用PCの推奨スペック解説|4K編集でもカクつかない選び方も参考にしてください。
効率化のためのTips集
すぐに実践できる、効率化のTipsを紹介します。
編集中のTips
1. J-K-L再生をマスターする
J(逆再生)、K(停止)、L(再生)のキーを使いこなすと、素材のチェックが格段に速くなります。JやLを複数回押すと、再生速度が上がります。KとJを同時に押すと、スロー逆再生になります。
2. リップル削除を活用する
クリップを削除した後の空白を、自動で詰めてくれるリップル削除を活用しましょう。手動で詰める手間が省けます。
3. マーカーを活用する
素材を確認しながら、重要なポイントにマーカーを付けておくと、後から探す手間が省けます。
4. 調整レイヤーを活用する
複数のクリップに同じエフェクトを適用する場合、調整レイヤーを使うと、一括で適用できます。
5. ネスト化を活用する
複数のクリップをまとめて1つのクリップとして扱うネスト化を活用すると、タイムラインがすっきりします。
テロップ作成のTips
1. エッセンシャルグラフィックスを活用する(Premiere Pro)
よく使うテロップのスタイルを、エッセンシャルグラフィックスに保存しておくと、ワンクリックで適用できます。
2. 自動文字起こしを活用する
Premiere ProやDaVinci Resolveの自動文字起こし機能を使えば、テロップ作成の時間を大幅に短縮できます。
3. テロップのテンプレートを作る
よく使うテロップのデザインをテンプレート化しておくと、毎回デザインを考える手間が省けます。
見やすいテロップ(字幕)の入れ方|フォント・サイズ・色の視認性ルールも参考にしてください。
書き出しのTips
1. プリセットを作成する
YouTube用、Instagram用など、よく使う書き出し設定をプリセットとして保存しておきましょう。
2. 夜間に書き出す
時間のかかる書き出しは、夜間や休憩中に行うと、作業時間を有効活用できます。
3. Media Encoderを活用する(Adobe)
Adobe Media Encoderを使えば、Premiere Proで編集を続けながら、バックグラウンドで書き出しができます。
動画編集の書き出し設定(エンコード)完全ガイド|YouTubeに最適な解像度とビットレートも参考にしてください。
効率化の効果を測定する
効率化の取り組みが、実際にどのくらい効果があるのかを測定することも重要です。
編集時間を記録する
動画1本あたりの編集時間を記録しましょう。
記録すべき項目
・動画の長さ(完成尺)
・素材の長さ(撮影時間)
・編集時間(トータル)
・工程ごとの時間(カット編集、テロップ、BGM、カラーなど)
これを続けることで、効率化の効果を数値で確認でき、さらなる改善ポイントも見えてきます。
ボトルネックを見つける
編集時間を工程ごとに分解すると、時間がかかっている工程(ボトルネック)が分かります。
よくあるボトルネック
・素材の確認に時間がかかる → 撮影時のメモ、マーカー活用
・テロップ作成に時間がかかる → 自動文字起こし、テンプレート活用
・カラー調整に時間がかかる → プリセット、LUT活用
・書き出しに時間がかかる → PC性能の見直し、夜間書き出し
ボトルネックを特定したら、そこを重点的に効率化しましょう。
編集スタイル別の効率化戦略
編集する動画の種類によって、効率化のポイントは異なります。スタイル別の戦略を紹介します。
YouTube動画(トーク系)
トーク系のYouTube動画は、カット編集とテロップ作成に最も時間がかかります。
効率化のポイント
・自動文字起こしを活用してテロップ作成を効率化
・「えー」「あー」などの無音部分を自動検出してカット
・テロップのテンプレートを用意しておく
・BGMの挿入ポイントをパターン化する
・オープニング・エンディングはテンプレート化
おすすめのショートカット
・リップル削除(Q/W):不要部分を素早く削除
・マーカー(M):重要なポイントに印を付ける
・イン点/アウト点(I/O):範囲選択を素早く行う
Vlog・旅行動画
Vlogや旅行動画は、大量の素材から必要な部分を選ぶ作業に時間がかかります。
効率化のポイント
・撮影時にメモを取る(どのシーンを使うか)
・素材を確認しながらマーカーを付ける
・使う素材と使わない素材を分けてフォルダ管理
・カラーグレーディングはLUTやプリセットを活用
・BGMに合わせてカットするビートシンクを活用
おすすめのショートカット
・J-K-L:素材を素早くチェック
・←/→:フレーム単位での確認
・お気に入りにマーク:使いたい素材をマーク
企業VP・プロモーション動画
企業VPやプロモーション動画は、品質を重視しながらも、クライアントとのやり取りを効率化することが重要です。
効率化のポイント
・事前に構成を固めてから編集に入る
・仮編集(ラフカット)の段階で確認を取る
・修正指示を一括で反映できるようにする
・ブランドキットを整備しておく
・過去の制作物をテンプレート化
おすすめのツール
・Frame.io:クライアントとの確認・フィードバック管理
・Dropbox Replay:タイムコード付きコメント
・Google Drive:素材の共有
ショート動画(TikTok、Reels、Shorts)
ショート動画は、1本あたりの制作時間を短くし、量産することが重要です。
効率化のポイント
・テンプレートを複数用意しておく
・スマホアプリ(CapCutなど)を活用
・トレンドのエフェクトやBGMをストック
・本編動画からの切り出しを効率化
・バッチ制作(複数本をまとめて作る)
おすすめのワークフロー
1. 本編動画から使えそうな部分をマーカーで印
2. まとめて切り出し
3. テンプレートに当てはめて仕上げ
4. 複数本をまとめて書き出し
YouTubeショート:バズる動画編集の「共通点」とは?最初の1秒に全力を注ぐべき理由も参考にしてください。
セミナー・ウェビナー動画
セミナーやウェビナーの録画編集は、長尺であることが多く、効率化が特に重要です。
効率化のポイント
・カット編集は最小限に(発言の途中で切らない)
・チャプター(目次)を作成して視聴しやすく
・スライドの切り替えタイミングでカット
・質疑応答は別動画にする、または削除
・自動文字起こしで要点を把握
おすすめの機能
・マルチカメラ編集:複数アングルの切り替えを効率化
・シーン検出:自動でシーンを分割
・チャプターマーカー:目次の作成
ウェビナー・セミナー録画編集:2時間素材を「ダイジェスト」と「フル版」に分ける編集術も参考にしてください。
チームでの効率化
複数人で動画編集を行う場合、チーム全体での効率化も重要です。
ルールの統一
チームで作業する場合、ルールを統一しておくと、引き継ぎやレビューがスムーズになります。
統一すべきルール
・ファイル名・フォルダ構成のルール
・プロジェクト内のビン(フォルダ)構成
・トラックの役割(V1は何、V2は何など)
・使用するフォント、カラー
・書き出し設定
テンプレート・プリセットの共有
テンプレートやプリセットをチームで共有することで、品質の統一と効率化を同時に実現できます。
共有すべきもの
・プロジェクトテンプレート
・テロップのスタイル
・カラーグレーディングのプリセット(LUT)
・エフェクトのプリセット
・書き出し設定のプリセット
分業の仕組み
編集作業を分業することで、効率を上げられます。
分業の例
・Aさん:カット編集
・Bさん:テロップ作成
・Cさん:カラーグレーディング
・Dさん:音声編集
分業する場合は、ファイルの受け渡し方法や、作業の進捗管理を明確にしておきましょう。
レビュー・フィードバックの効率化
動画のレビューやフィードバックも、効率化できるポイントです。
効率化のポイント
・Frame.ioやDropbox Replayなど、タイムコード付きでコメントできるツールを使う
・フィードバックは一度にまとめてもらう(小出しにしない)
・修正指示は具体的に(「もっと良くして」ではなく「○○を△△に変更」)
・確認のタイミング(仮編集後、仕上げ後など)を決めておく
よくある質問

Q1. ショートカットと左手デバイス、どちらを先に導入すべきですか?
まずはショートカットを覚えることをおすすめします。ショートカットは追加費用がかからず、すぐに始められます。ショートカットを使いこなせるようになってから、左手デバイスの導入を検討しましょう。左手デバイスは、ショートカットを「より快適に使うためのツール」です。
Q2. 左手デバイスは本当に必要ですか?
必須ではありませんが、編集頻度が高い方や、効率をさらに上げたい方にはおすすめです。特に、ダイヤルによるタイムラインのスクロールや、ボタンによるワンタッチ操作は、キーボードだけでは得られない快適さがあります。
Q3. どの左手デバイスがおすすめですか?
用途と予算によります。ダイヤル操作を重視するならTourBox、視覚的なボタン表示を重視するならStream Deck、多機能を求めるならLoupedeckがおすすめです。まずは比較的安価なStream Deck Miniから試すのも良いでしょう。
Q4. ショートカットをカスタマイズすると、他のPCで作業しにくくなりませんか?
確かに、カスタマイズしたショートカットは、他のPCでは使えません。ただし、多くのソフトでは、ショートカット設定をエクスポート/インポートできます。設定ファイルを持っておけば、他のPCにも適用できます。また、デフォルトのショートカットも覚えておくと、緊急時に対応できます。
Q5. 効率化を進めると、クオリティが下がりませんか?
適切な効率化は、クオリティを下げません。むしろ、単純作業の時間が減ることで、クリエイティブな作業に時間を使えるようになり、クオリティが向上することが多いです。ただし、「手を抜く」ことと「効率化」は違います。必要な工程を省くのではなく、同じ工程をより速く行うことを目指しましょう。
Q6. 効率化の効果が感じられません。何が原因ですか?
考えられる原因は以下の通りです。
・ショートカットが身についていない → 意識的に使い続ける
・ボトルネックが別の場所にある → 工程ごとの時間を測定する
・効率化できる作業量が少ない → 他の工程の効率化を検討する
・そもそも編集スキルが不足 → 基礎を学び直す
効率化チェックリスト
本記事で解説した内容をチェックリストとしてまとめます。
ショートカットのチェックリスト
□ 基本ショートカット(保存、元に戻す、コピー、ペースト)を覚えた
□ 再生関連のショートカット(J-K-L)を覚えた
□ 編集関連のショートカット(カット、リップル削除)を覚えた
□ よく使う操作をカスタマイズした
□ ショートカット一覧を見える場所に貼った
左手デバイスのチェックリスト
□ 自分の用途に合ったデバイスを選んだ
□ よく使う機能を優先して割り当てた
□ 論理的な配置で設定した
□ ソフトごとのプロファイルを作成した
ワークフローのチェックリスト
□ 素材の整理ルールを決めた
□ プロジェクトの整理ルールを決めた
□ テンプレートを作成した
□ プロキシ編集を設定した(必要な場合)
□ 自動化できる作業を洗い出した
効果測定のチェックリスト
□ 編集時間を記録している
□ 工程ごとの時間を把握している
□ ボトルネックを特定した
□ 定期的に改善を見直している
まとめ
動画編集の効率を上げるためのポイントをまとめます。
効率化の3つの柱
1. ショートカットキーの活用
2. 左手デバイスの導入
3. ワークフローの最適化
ショートカットキー
・まずは基本ショートカットから覚える
・J-K-L再生、リップル削除は必須
・よく使う操作はカスタマイズする
・意識的に使い続けて身につける
左手デバイス
・TourBox:ダイヤル操作重視
・Stream Deck:ボタン操作、コスパ重視
・Loupedeck:多機能、Adobe連携重視
・ショートカットを覚えてから導入する
ワークフロー
・素材とプロジェクトを整理する
・テンプレートを活用する
・プロキシ編集を活用する
・自動化を取り入れる
効率化は一朝一夕には実現しません。日々の作業の中で、少しずつ改善を積み重ねていきましょう。本記事で紹介したテクニックを実践すれば、編集時間を大幅に短縮し、より質の高い動画制作が可能になります。
動画編集に関する他の記事も、ぜひ参考にしてください。
・Premiere Pro:初心者がまず覚えるべき基本操作10選|挫折しないための学習ロードマップ
・動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定
・動画編集の「テンプレート化」のススメ|制作時間を短縮しつつ統一感を出す方法
・AI動画編集ツールの実力は?自動カットや字幕生成で作業を10倍速くする方法
・動画編集用PCの推奨スペック解説|4K編集でもカクつかない選び方
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