「動画編集を始めたいけど、今のPCで大丈夫?」
「4K動画を編集したいが、どのくらいのスペックが必要?」
「プレビューがカクカクして、作業効率が上がらない」
動画編集を始める際、多くの人が悩むのがPCのスペックです。動画編集は、PCに大きな負荷がかかる作業です。スペックが不足していると、プレビューがカクついたり、書き出しに何時間もかかったり、最悪の場合はソフトがクラッシュしたりします。
一方で、必要以上に高スペックなPCを購入すると、予算の無駄遣いになります。自分の編集スタイルに合った、適切なスペックのPCを選ぶことが重要です。
本記事では、動画編集用PCの推奨スペックを徹底解説します。CPU、GPU、メモリ、ストレージなど、各パーツの選び方から、予算別のおすすめ構成、ノートPCとデスクトップの比較まで、詳しくお伝えします。
動画編集にPCスペックが重要な理由
まずは、なぜ動画編集にPCスペックが重要なのかを理解しておきましょう。
動画編集はPCに大きな負荷がかかる
動画編集では、以下のような処理がPCに要求されます。
リアルタイムプレビュー
編集中の動画を、リアルタイムで再生しながら確認します。エフェクトやカラー調整を適用した状態でスムーズに再生するには、高い処理能力が必要です。
エフェクト・トランジションの処理
動画にエフェクトやトランジションを適用すると、その処理がリアルタイムで行われます。複雑なエフェクトを重ねるほど、PCへの負荷が増します。
カラーグレーディング
色調整の処理は、特にGPUに負荷がかかります。詳細なカラーグレーディングを行う場合、高性能なGPUが必要です。
レンダリング・書き出し
編集が完了した動画を、最終的なファイルとして書き出す処理です。この処理には、CPUとGPUの両方が使われます。スペックが低いと、書き出しに何時間もかかることがあります。
マルチタスク
動画編集ソフトを起動しながら、ブラウザで参考動画を見たり、音楽プレイヤーでBGMを確認したりすることも多いです。マルチタスクを快適に行うには、十分なメモリが必要です。
スペック不足で起こる問題
PCのスペックが不足していると、以下のような問題が発生します。
プレビューがカクつく
編集中のプレビューがスムーズに再生されず、カクカクした動きになります。タイミングの確認や、細かい調整が困難になります。
書き出しに時間がかかる
10分の動画の書き出しに1時間以上かかるなど、作業効率が大幅に低下します。
ソフトがフリーズ・クラッシュする
メモリ不足やCPU・GPUの過負荷により、ソフトがフリーズしたり、クラッシュしたりすることがあります。保存していない作業が失われるリスクがあります。
待ち時間が増える
素材の読み込み、エフェクトの適用、プロジェクトの保存など、あらゆる操作で待ち時間が発生し、ストレスがたまります。
編集内容によって必要スペックは異なる
重要なのは、「動画編集」と一口に言っても、その内容によって必要なスペックは大きく異なるということです。
軽い編集
・フルHD(1080p)の素材
・カット編集、テロップ、BGM追加程度
・エフェクトは最小限
→ エントリークラスのPCでも対応可能
中程度の編集
・フルHD〜4Kの素材
・カラー調整、トランジション、アニメーションあり
・複数のエフェクトを使用
→ ミドルクラスのPCが必要
重い編集
・4K以上の素材(RAW、Log撮影含む)
・本格的なカラーグレーディング
・モーショングラフィックス、VFX
・マルチカメラ編集
→ ハイエンドクラスのPCが必要
自分がどのような編集を行うかを考え、それに見合ったスペックのPCを選ぶことが重要です。
動画編集に必要なPCパーツの基礎知識
PCを選ぶ前に、各パーツの役割と、動画編集における重要性を理解しておきましょう。
CPU(プロセッサー)
CPUは、PCの「頭脳」に当たるパーツです。動画編集では、以下の処理をCPUが担当します。
CPUが担当する主な処理
・動画のデコード(読み込み)
・エンコード(書き出し)
・エフェクトの一部処理
・タイムラインの管理
・ソフト全体の動作
CPUの選び方のポイント
・コア数:同時に処理できるタスクの数。動画編集では、6コア以上が推奨
・クロック周波数:1つのコアの処理速度。高いほど良い
・世代:新しい世代ほど、同じコア数でも性能が向上
主要なCPUメーカー
・Intel:Core iシリーズ(i5、i7、i9)
・AMD:Ryzenシリーズ(Ryzen 5、7、9)
・Apple:Mシリーズ(M3、M3 Pro、M3 Max、M4)
GPU(グラフィックボード)
GPUは、映像処理を専門に行うパーツです。動画編集では、以下の処理をGPUが担当します。
GPUが担当する主な処理
・リアルタイムプレビューの描画
・カラーグレーディング
・エフェクトの処理(GPUアクセラレーション対応のもの)
・ハードウェアエンコード(書き出しの高速化)
・AI機能の処理
GPUの選び方のポイント
・VRAM(ビデオメモリ):GPUが使用する専用メモリ。4K編集では8GB以上を推奨
・CUDA/OpenCLコア数:並列処理能力。多いほど良い
・世代:新しい世代ほど、効率が向上
主要なGPUメーカー
・NVIDIA:GeForce RTXシリーズ(動画編集で最も人気)
・AMD:Radeon RXシリーズ
・Intel:Arc シリーズ
・Apple:Mシリーズに統合(Apple Silicon)
メモリ(RAM)
メモリは、作業中のデータを一時的に保存する場所です。「作業机の広さ」に例えられます。
メモリが担当する役割
・編集中のプロジェクトデータの保持
・素材のキャッシュ
・ソフトの動作に必要なデータの保持
・マルチタスク時の複数アプリのデータ保持
メモリの選び方のポイント
・容量:フルHD編集なら16GB、4K編集なら32GB以上を推奨
・速度(クロック):DDR5は DDR4より高速
・チャンネル:デュアルチャンネル(2枚挿し)で帯域幅が向上
ストレージ(SSD/HDD)
ストレージは、データを保存する場所です。動画編集では、ストレージの速度が作業効率に大きく影響します。
ストレージの種類
・NVMe SSD:最も高速。OSと編集ソフト、作業中のプロジェクトに最適
・SATA SSD:NVMeより遅いが、HDDよりは高速
・HDD:低速だが、大容量で安価。アーカイブ用に適している
ストレージの選び方のポイント
・システムドライブ(OS、ソフト):NVMe SSD 500GB以上
・作業用ドライブ(素材、プロジェクト):NVMe SSD 1TB以上
・アーカイブ用(完成動画の保存):HDD 4TB以上、または外付けストレージ
その他のパーツ
マザーボード
各パーツを接続する基盤。拡張性(メモリスロット数、SSDスロット数、GPUスロットなど)を確認しましょう。
電源ユニット
PCに電力を供給するパーツ。高性能なGPUを使用する場合、650W以上が推奨されます。
冷却システム
動画編集中はPCが発熱するため、適切な冷却が必要です。空冷または水冷のCPUクーラー、ケースファンなどを検討しましょう。
用途別の推奨スペック
ここからは、用途別に推奨スペックを具体的に解説します。
エントリークラス:フルHD編集向け
フルHD(1080p)の動画編集を、基本的な機能で行う場合の推奨スペックです。
想定する編集内容
・フルHD(1080p)の素材
・カット編集、テロップ、BGM追加
・簡単なトランジション
・軽めのカラー調整
推奨スペック
・CPU:Intel Core i5(第12世代以降)/ AMD Ryzen 5 5000シリーズ以降
・GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 / RTX 3050 / AMD Radeon RX 6600
・メモリ:16GB(DDR4またはDDR5)
・ストレージ:NVMe SSD 500GB以上
予算目安
・デスクトップ:10〜15万円
・ノートPC:12〜18万円
このクラスで快適に使えるソフト
・Adobe Premiere Pro(フルHD編集)
・DaVinci Resolve(フルHD編集)
・Final Cut Pro(フルHD編集)
・CapCut、Canvaなど
ミドルクラス:4K編集向け
4K動画の編集を、標準的な機能で行う場合の推奨スペックです。
想定する編集内容
・4K(2160p)の素材
・カラーグレーディング
・複数のエフェクト・トランジション
・アニメーション(簡易的なもの)
・AI機能(自動字幕など)
推奨スペック
・CPU:Intel Core i7(第12世代以降)/ AMD Ryzen 7 5000シリーズ以降
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 / RTX 4060 / AMD Radeon RX 6700 XT以上
・メモリ:32GB(DDR4またはDDR5)
・ストレージ:NVMe SSD 1TB以上(システム+作業用)
予算目安
・デスクトップ:18〜25万円
・ノートPC:20〜30万円
このクラスで快適に使えるソフト・機能
・Adobe Premiere Pro(4K編集)
・DaVinci Resolve(4K編集、カラーグレーディング)
・Final Cut Pro(4K編集)
・After Effects(基本的なモーショングラフィックス)
ハイエンドクラス:プロ向け・重い編集向け
4K以上の高解像度素材や、本格的なカラーグレーディング、モーショングラフィックスを行う場合の推奨スペックです。
想定する編集内容
・4K〜8Kの素材
・RAW、Log撮影の素材
・本格的なカラーグレーディング
・モーショングラフィックス、VFX
・マルチカメラ編集
・長尺の動画(1時間以上)
推奨スペック
・CPU:Intel Core i9(第12世代以降)/ AMD Ryzen 9 5000シリーズ以降
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 / RTX 4080 / RTX 4090
・メモリ:64GB以上(DDR5推奨)
・ストレージ:NVMe SSD 2TB以上(高速なGen4またはGen5)
予算目安
・デスクトップ:30〜50万円以上
・ノートPC:35〜60万円以上
このクラスで快適に使えるソフト・機能
・Adobe Premiere Pro(4K〜8K編集)
・DaVinci Resolve Studio(高度なカラーグレーディング)
・After Effects(本格的なモーショングラフィックス)
・Cinema 4D、Blenderなど(3D制作)
Macの場合の推奨スペック
Apple Silicon(Mシリーズチップ)搭載のMacを使用する場合の推奨スペックです。
エントリー:フルHD編集向け
・MacBook Air M2 / M3(8コアGPU)
・メモリ:16GB
・ストレージ:512GB
ミドル:4K編集向け
・MacBook Pro 14インチ M3 Pro
・Mac mini M2 Pro / M4 Pro
・メモリ:18GB〜36GB
・ストレージ:512GB〜1TB
ハイエンド:プロ向け
・MacBook Pro 16インチ M3 Max / M4 Max
・Mac Studio M2 Max / M2 Ultra
・Mac Pro
・メモリ:64GB〜128GB
・ストレージ:1TB〜2TB以上
Apple Siliconは、CPUとGPUが統合されており、省電力でありながら高い性能を発揮します。特にFinal Cut Proとの相性が良く、同等スペックのWindows PCよりも効率的に動作することがあります。
各ソフトの推奨・必要スペック
主要な動画編集ソフトの、公式推奨スペックを確認しておきましょう。
Adobe Premiere Pro
最小システム要件
・CPU:Intel第6世代以降 / AMD Ryzen 1000シリーズ以降
・GPU:2GB VRAM
・メモリ:8GB
・ストレージ:8GB以上の空き容量(SSD推奨)
推奨システム要件(4K編集)
・CPU:Intel第11世代以降 / AMD Ryzen 5000シリーズ以降
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 / AMD Radeon RX 6600以上(8GB VRAM)
・メモリ:32GB以上
・ストレージ:高速なNVMe SSD
Adobe Premiere Proがビジネス動画編集の標準である3つの理由も参考にしてください。
DaVinci Resolve
最小システム要件
・CPU:Intel Core i5 / AMD Ryzen 5以上
・GPU:2GB VRAM(OpenCL 1.2またはCUDA 11対応)
・メモリ:16GB
・ストレージ:SSD推奨
推奨システム要件(4K編集)
・CPU:Intel Core i7 / AMD Ryzen 7以上
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 / AMD Radeon RX 6700 XT以上(8GB VRAM以上)
・メモリ:32GB以上
・ストレージ:高速なNVMe SSD
DaVinci Resolveは、特にGPUへの依存度が高いソフトです。カラーグレーディングを重視する場合、GPUのスペックを優先しましょう。
DaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法も参考にしてください。
Final Cut Pro
システム要件
・Mac:macOS 13.5以降
・メモリ:8GB(4K編集には16GB以上を推奨)
・GPU:Metal対応のグラフィックカード
・ストレージ:3.8GBの空き容量
Final Cut ProはMac専用のため、Apple Siliconに最適化されています。M1以降のチップであれば、エントリーモデルでもフルHD編集は快適に行えます。4K編集には、M1 Pro / M2 Pro以上を推奨します。
After Effects
最小システム要件
・CPU:Intel / AMD(64ビット、マルチコア)
・GPU:2GB VRAM
・メモリ:16GB
・ストレージ:15GB以上の空き容量
推奨システム要件
・CPU:Intel Core i7 / AMD Ryzen 7以上(マルチコア)
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060以上(8GB VRAM以上)
・メモリ:32GB以上(64GB推奨)
・ストレージ:高速なNVMe SSD
After Effectsは、特にメモリを多く消費します。複雑なコンポジションを扱う場合、64GB以上のメモリを推奨します。
デスクトップPCとノートPCの比較

動画編集用PCを購入する際、デスクトップPCとノートPCのどちらを選ぶべきか、比較してみましょう。
デスクトップPCのメリット・デメリット
メリット
・同じ価格でノートPCより高性能
・拡張性が高い(メモリ、ストレージ、GPUの追加・交換が容易)
・冷却性能が高い(長時間の作業でも安定)
・大画面モニターを自由に選べる
・デュアルモニター、トリプルモニターの構築が容易
デメリット
・持ち運びができない
・設置スペースが必要
・モニター、キーボード、マウスなどを別途購入する必要がある
ノートPCのメリット・デメリット
メリット
・持ち運びができる(外出先でも編集可能)
・設置スペースが少なくて済む
・モニター、キーボード、トラックパッドが一体化
・停電時もバッテリーで動作可能
デメリット
・同じ価格でデスクトップより性能が劣る
・拡張性が低い(パーツの追加・交換が困難)
・冷却性能が低い(負荷が高いと発熱、性能低下)
・画面サイズに限界がある
・バッテリー劣化の問題
どちらを選ぶべきか
デスクトップPCがおすすめの場合
・オフィスや自宅の固定した場所で編集する
・コストパフォーマンスを重視する
・将来的にスペックアップしたい
・長時間の編集作業を行う
・4K以上の高負荷な編集を行う
ノートPCがおすすめの場合
・外出先やロケ現場でも編集したい
・設置スペースが限られている
・撮影と編集を同じデバイスで行いたい
・複数の場所で作業する
両方を使い分ける方法
予算に余裕がある場合、メインの編集作業はデスクトップPC、外出先での簡易編集はノートPCという使い分けも有効です。クラウドストレージを活用すれば、プロジェクトの共有もスムーズに行えます。
BTO、自作、メーカー製PCの比較
PCの購入方法には、BTO(受注生産)、自作、メーカー製の3つの選択肢があります。
BTO(受注生産)PC
BTOとは「Build To Order」の略で、注文時にパーツを選んでカスタマイズできるPCです。
メリット
・パーツを自由に選べる
・メーカー製より安いことが多い
・組み立て済みで届く(自作の知識不要)
・保証・サポートがある
デメリット
・カスタマイズの選択肢は限られる
・納期がかかることがある
代表的なBTOメーカー
・ドスパラ(GALLERIA)
・マウスコンピューター(DAIV)
・パソコン工房
・ツクモ
・サイコム
動画編集向けには、マウスコンピューターの「DAIV」シリーズが有名です。クリエイター向けに最適化された構成が用意されています。
自作PC
パーツを個別に購入し、自分で組み立てるPCです。
メリット
・パーツを完全に自由に選べる
・コストを最適化できる
・PCの知識が深まる
・パーツ交換が容易
デメリット
・組み立ての知識・技術が必要
・パーツの相性問題が発生することがある
・保証は各パーツ単位(一括の保証がない)
・トラブル時は自己解決が必要
PCの知識がある方、コストを最優先したい方には、自作PCも選択肢になります。ただし、初めての場合は、BTOから始めることをおすすめします。
メーカー製PC
Dell、HP、Lenovo、ASUSなどの大手メーカーが販売する完成品PCです。
メリット
・大手メーカーの安心感・ブランド
・保証・サポートが充実
・量販店でも購入可能
・法人向けのサポートプランがある
デメリット
・カスタマイズの自由度が低い
・同スペックのBTO・自作より高いことが多い
・独自パーツが使われていることがあり、交換が困難な場合がある
メーカー製でおすすめのシリーズ
・Dell:XPSシリーズ、Precisionシリーズ
・HP:ZBookシリーズ、Z Workstationシリーズ
・Lenovo:ThinkPadシリーズ(ノート)、ThinkStationシリーズ(デスクトップ)
・ASUS:ProArtシリーズ
企業で導入する場合、法人向けサポートや一括購入の割引があるメーカー製PCを検討する価値があります。
予算別おすすめ構成例
予算別に、おすすめの構成例を紹介します(2026年1月時点の目安)。
10〜15万円(エントリー・デスクトップ)
想定用途
フルHD編集、簡単な4K編集、YouTube動画制作(入門)
構成例
・CPU:AMD Ryzen 5 5600 または Intel Core i5-12400
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 3050 または RTX 4060
・メモリ:16GB DDR4
・ストレージ:NVMe SSD 500GB
・電源:550W
18〜25万円(ミドル・デスクトップ)
想定用途
4K編集、カラーグレーディング、YouTube動画制作(本格)
構成例
・CPU:AMD Ryzen 7 5800X または Intel Core i7-12700
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti または RTX 4070
・メモリ:32GB DDR4 または DDR5
・ストレージ:NVMe SSD 1TB
・電源:650W
30〜50万円(ハイエンド・デスクトップ)
想定用途
4K〜8K編集、本格的なカラーグレーディング、モーショングラフィックス、業務用
構成例
・CPU:AMD Ryzen 9 7900X または Intel Core i9-13900K
・GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti または RTX 4080
・メモリ:64GB DDR5
・ストレージ:NVMe SSD 2TB(Gen4以上)
・電源:850W
20〜30万円(ノートPC)
想定用途
4K編集、外出先での編集、持ち運び重視
おすすめモデル例
・MacBook Pro 14インチ M3 Pro(約28万円〜)
・ASUS ProArt Studiobook(約25万円〜)
・Dell XPS 15(約22万円〜)
・マウスコンピューター DAIV(約20万円〜)
購入後に確認すべき設定とTips
PCを購入したら、動画編集を快適に行うための設定を確認しましょう。
GPUの有効化(ハードウェアアクセラレーション)
動画編集ソフトで、GPUが正しく認識され、使用されているかを確認しましょう。
Premiere Proの場合
ファイル → プロジェクト設定 → 一般 → レンダラー → 「GPUアクセラレーション(CUDA)」または「GPUアクセラレーション(Metal)」を選択
DaVinci Resolveの場合
DaVinci Resolve → 環境設定 → システム → メモリー&GPU → GPUの設定を確認
メモリの割り当て
動画編集ソフトに適切なメモリを割り当てることで、パフォーマンスが向上します。
Premiere Proの場合
編集 → 環境設定 → メモリ → 「他のアプリケーション用に確保するRAM」を調整
After Effectsの場合
編集 → 環境設定 → メモリとパフォーマンス → 「After Effects用に確保」を調整
キャッシュとスクラッチディスクの設定
キャッシュファイルやスクラッチディスクの保存先を、高速なSSDに設定しましょう。
Premiere Proの場合
編集 → 環境設定 → メディアキャッシュ → キャッシュの場所を高速なSSDに設定
プロキシ編集の活用
4K以上の高解像度素材を編集する際、プロキシ(編集用の軽い仮データ)を作成することで、プレビューがスムーズになります。
動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定で詳しく解説しています。
ドライバーの更新
GPUドライバーは、定期的に更新しましょう。新しいドライバーでは、動画編集ソフトのパフォーマンスが改善されることがあります。
NVIDIAの場合
GeForce Experience、またはNVIDIA公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
AMDの場合
AMD Software、またはAMD公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
周辺機器の選び方
PCのスペックだけでなく、周辺機器も動画編集の効率に大きく影響します。
モニター
動画編集では、色を正確に表示できるモニターが重要です。
選び方のポイント
・解像度:フルHD(1920×1080)以上。4K編集には4Kモニター推奨
・色域:sRGBカバー率100%以上。カラーグレーディングにはAdobe RGBやDCI-P3対応も検討
・パネル:IPSパネル推奨(視野角が広く、色再現性が高い)
・サイズ:27インチ以上推奨。タイムラインを広く表示できる
・キャリブレーション:正確な色を表示するために、定期的なキャリブレーションを推奨
デュアルモニターのすすめ
動画編集では、デュアルモニター(2画面)環境がおすすめです。一方のモニターにタイムライン、もう一方にプレビューやエフェクトパネルを表示することで、作業効率が向上します。
おすすめモニター例
・エントリー:Dell S2722QC(4K、約4万円)
・ミドル:BenQ PD2706U(4K、USB-C対応、約6万円)
・プロ向け:EIZO ColorEdge CS2740(4K、ハードウェアキャリブレーション、約15万円)
外部ストレージ
動画素材は容量が大きいため、外部ストレージが必要になることが多いです。
選び方のポイント
・接続方式:USB 3.2 Gen 2以上、またはThunderbolt 3/4を推奨
・種類:作業用にはポータブルSSD、アーカイブ用には大容量HDD
・RAID:大量のデータを扱う場合、RAID対応のストレージも検討
おすすめ外部ストレージ例
・ポータブルSSD:Samsung T7(1TB、約1.2万円)、SanDisk Extreme Pro(2TB、約3万円)
・外付けHDD:WD My Book(8TB、約2.5万円)
・RAID:Synology DiskStation DS220+(NAS、約3万円+HDD代)
入力デバイス
キーボードやマウスも、編集効率に影響します。
キーボード
ショートカットキーを多用する動画編集では、打ちやすいキーボードが重要です。メカニカルキーボードや、キーの配列がしっかりしたものがおすすめです。
マウス
タイムラインの操作やカットの選択など、精密な操作が求められます。ボタンの多いゲーミングマウスは、ショートカットを割り当てられるため便利です。
左手デバイス
TourBox、Loupedeck、Stream Deckなどの左手デバイスを使うと、よく使う操作をワンボタンで実行でき、編集効率が大幅に向上します。
動画編集の効率爆上げ!左手デバイスやショートカットキーの活用術で詳しく解説しています。
その他の周辺機器
ヘッドホン・スピーカー
音声の確認には、フラットな特性のモニターヘッドホンやスピーカーが適しています。SONY MDR-7506、Audio-Technica ATH-M50xなどが定番です。
Webカメラ・マイク
自社で撮影も行う場合、高品質なWebカメラやマイクも検討しましょう。
デスク・椅子
長時間の編集作業には、適切なデスクと椅子が重要です。姿勢が悪いと、肩こりや腰痛の原因になります。
スペック不足を補う方法
PCのスペックが不足している場合でも、以下の方法で補うことができます。
プロキシ編集
4K以上の高解像度素材を、編集用の低解像度データ(プロキシ)に変換して編集する方法です。編集中のプレビューは軽くなり、書き出し時には元の高解像度データが使用されます。
Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cut Proなど、主要なソフトはプロキシ編集に対応しています。
動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定で詳しく解説しています。
最適化されたコーデックへの変換
カメラで撮影されたコーデック(H.264、H.265など)は、編集には重いことがあります。編集前に、ProRes、DNxHDなどの編集に最適化されたコーデックに変換することで、編集がスムーズになります。
不要なエフェクトの無効化
編集中、すべてのエフェクトを常に表示する必要はありません。重いエフェクトは一時的に無効化し、最終確認や書き出し時のみ有効にすることで、プレビューを軽くできます。
バックグラウンドアプリの終了
動画編集ソフトを使用する際、不要なバックグラウンドアプリを終了することで、メモリとCPUリソースを確保できます。特にブラウザは多くのメモリを消費するため、タブを閉じるか、ブラウザ自体を終了しましょう。
クラウドレンダリング
一部のサービスでは、書き出し処理をクラウドサーバーで行う「クラウドレンダリング」を提供しています。PCのスペックに関係なく、高速に書き出しが可能です。
PCのアップグレード
現在のPCのスペックが不足している場合、パーツのアップグレードも選択肢です。
メモリの増設
最も手軽で効果的なアップグレードです。16GBから32GBへの増設、32GBから64GBへの増設などが考えられます。
確認すべき点
・マザーボードが対応している最大メモリ容量
・空きスロットの数
・現在のメモリと同じ規格(DDR4/DDR5)のものを選ぶ
ストレージの追加・換装
HDDをSSDに換装する、または追加のSSDを増設することで、読み込み・書き込み速度が向上します。
確認すべき点
・空きM.2スロット、またはSATAポートの数
・マザーボードがNVMe(M.2)に対応しているか
GPUの交換
デスクトップPCの場合、GPUの交換が可能です。ただし、以下の点を確認する必要があります。
確認すべき点
・電源ユニットの容量が十分か
・PCケースにGPUが収まるか(長さ、厚さ)
・マザーボードのPCIeスロットの規格
CPUの交換
CPUの交換は、対応するマザーボードが必要なため、難易度が高いです。マザーボードの交換も必要になる場合、新しいPCを購入したほうが効率的なこともあります。
よくある質問

Q1. 今持っているPCで動画編集できるか確認する方法は?
以下の方法で、現在のPCスペックを確認できます。
Windowsの場合
・設定 → システム → 詳細情報(CPU、メモリを確認)
・タスクマネージャー → パフォーマンス(CPU、GPU、メモリを確認)
・「dxdiag」を実行(詳細なシステム情報)
Macの場合
・Appleメニュー → このMacについて(CPU、メモリ、GPUを確認)
確認したスペックを、本記事の推奨スペックと比較してみてください。
Q2. メモリは16GBで足りますか?
フルHD編集であれば、16GBでも対応可能です。ただし、4K編集や、複数のソフトを同時に使用する場合は、32GB以上を推奨します。メモリは比較的安価なパーツなので、可能であれば32GBを選ぶことをおすすめします。
Q3. GPUはNVIDIAとAMDのどちらがいいですか?
動画編集においては、NVIDIAのGeForce RTXシリーズが最も広くサポートされています。Adobe製品、DaVinci ResolveともにNVIDIA GPUへの最適化が進んでおり、安定した動作が期待できます。AMDのRadeonシリーズも使用可能ですが、一部の機能でNVIDIAに劣る場合があります。
Q4. SSDとHDDはどちらがいいですか?
動画編集には、SSD(特にNVMe SSD)が必須と言えます。OSと編集ソフト、作業中のプロジェクトはSSDに保存しましょう。一方、完成した動画のアーカイブなど、アクセス頻度が低いデータはHDDでも問題ありません。SSD(高速だが高価)とHDD(低速だが安価・大容量)を組み合わせて使うのが効率的です。
Q5. 中古PCでも動画編集はできますか?
スペックが十分であれば、中古PCでも動画編集は可能です。ただし、以下の点に注意してください。
・世代が古いパーツは、最新のソフトで性能を発揮できない可能性がある
・バッテリー(ノートPCの場合)が劣化している可能性がある
・保証期間が短い、または保証がない
・パーツの経年劣化(SSDの寿命など)
Q6. MacとWindowsのどちらがいいですか?
どちらでも動画編集は可能です。選び方の目安は以下の通りです。
Macがおすすめの場合
・Final Cut Proを使いたい
・Apple製品(iPhone、iPad)との連携を重視する
・デザイン、見た目を重視する
・安定した動作を重視する
Windowsがおすすめの場合
・コストパフォーマンスを重視する
・拡張性・カスタマイズ性を重視する
・特定のWindows専用ソフトを使いたい
・ゲームなど、他の用途にも使いたい
PC選びのチェックリスト
本記事で解説した内容をチェックリストとしてまとめます。
購入前のチェックリスト
□ 自分の編集内容(フルHD/4K、エフェクトの量など)を明確にした
□ 使用する編集ソフトの推奨スペックを確認した
□ 予算を決めた
□ デスクトップ/ノートPCのどちらにするか決めた
□ 購入方法(BTO/自作/メーカー製)を決めた
スペックのチェックリスト
□ CPUは用途に見合ったグレードか
□ GPUは用途に見合ったグレードか(VRAM容量も確認)
□ メモリは十分か(フルHD:16GB、4K:32GB以上)
□ ストレージはSSDか(NVMe推奨)
□ ストレージ容量は十分か
購入後のチェックリスト
□ GPUドライバーを最新に更新した
□ 編集ソフトでGPUアクセラレーションを有効にした
□ キャッシュの保存先をSSDに設定した
□ プロキシ編集の設定を確認した
まとめ
動画編集用PCの選び方のポイントをまとめます。
用途別の推奨スペック
・フルHD編集:Core i5 / Ryzen 5、GTX 1660 / RTX 3050、16GB RAM
・4K編集:Core i7 / Ryzen 7、RTX 3060 / 4060、32GB RAM
・プロ向け:Core i9 / Ryzen 9、RTX 4070以上、64GB RAM以上
重要なポイント
・自分の編集内容に見合ったスペックを選ぶ
・CPUとGPUのバランスが重要
・メモリは余裕を持って選ぶ(32GB推奨)
・ストレージはNVMe SSDを選ぶ
・購入後はGPUアクセラレーションを有効にする
コストを抑えるコツ
・BTOや自作でコストパフォーマンスを上げる
・必要以上のスペックを追求しない
・プロキシ編集を活用して、ミドルスペックでも4K編集を可能にする
PCは動画編集の基盤となる重要な投資です。本記事の情報を参考に、自分に最適なPCを選んでください。
動画編集に関する他の記事も、ぜひ参考にしてください。
・ツール比較:【2026年最新】動画編集ソフト徹底比較|目的・予算・スペック別のおすすめ
・Adobe Premiere Proがビジネス動画編集の標準である3つの理由
・DaVinci Resolve:無料版でここまでできる!プロ仕様の色補正をビジネス動画に活かす方法
・動画編集が重い・カクつく時の対処法|プロキシ編集のやり方と設定
・動画編集の効率爆上げ!左手デバイスやショートカットキーの活用術
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