SEO/MEO対策

飲食店向け:Googleマップに「デリバリー・テイクアウト」ボタンを出す手順

飲食店MEO:Googleマップに
「デリバリー・テイクアウト」ボタンを出す最新ガイド

「今すぐ家で食べたい」「帰り道に寄って持ち帰りたい」
そう思ったユーザーがGoogleマップを開いたとき、あなたの店に『注文』ボタンがあるかどうか。これが売上の明暗を分けます。

Googleビジネスプロフィールには、外部サービス(Uber Eatsや出前館など)と自動連携する機能や、自社サイトの注文ページを直接リンクさせる機能があります。2025年、ユーザーの利便性を最大化し、「探す」から「注文」までのタイムラグをゼロにする設定をマスターしましょう。

【本記事の構成(Part 1)】

  • 第1章:なぜ「注文ボタン」が必須なのか?CVR向上のメカニズム
    • 電話不要・入力最小限で注文を完了させるメリット
    • ローカルパック(検索結果上位)への影響と「属性」の重要性
  • 第2章:基本設定:属性情報の有効化(テイクアウト・デリバリー)
    • ビジネス情報の「サービス項目」からチェックを入れる手順
    • 「注文」ボタンが表示されるまでの反映時間と注意点
  • 第3章:外部プラットフォーム(Uber Eats / 出前館等)との自動連携
    • Googleが自動でリンクを生成する仕組み
    • 意図しないリンクが表示された場合の修正・管理方法

第1章:なぜ「注文ボタン」が必須なのか?

Googleマップにおける「デリバリー」「テイクアウト」ボタンは、単なるリンクではありません。ユーザーの「今食べたい」という衝動を、一切の離脱なしに決済まで導く最強のコンバージョン(成約)ツールです。

1-1. CVR(成約率)への劇的な影響

ボタンがない場合、ユーザーは一度あなたのウェブサイトを探し、さらにその中の「注文はこちら」というリンクを探さなければなりません。このステップが増えるごとに顧客の離脱率は高まります。ボタンがあれば、Googleマップから直接メニュー選びへと進めるため、予約や注文のハードルが劇的に下がります。

第2章:属性情報の有効化手順

まずは、Googleに対して「自分の店はテイクアウトとデリバリーに対応している」という意思表示を、データ(属性)として登録する必要があります。

✅ 基本設定の3ステップ

  1. Googleビジネスプロフィールの管理画面から「プロフィールの編集」を選択。
  2. 「ビジネス情報」の中にある「サービス」タブ(または属性)をクリック。
  3. 「テイクアウト」「デリバリー」の項目を探し、「はい」にチェックを入れて保存します。

この設定を行うだけで、Googleマップの検索結果に「テイクアウト可」「デリバリー可」というバッジが表示されるようになり、「[地域名] テイクアウト」などの絞り込み検索にヒットするようになります。

第3章:外部プラットフォームとの自動連携

Uber Eats、出前館、Woltなどの大手プラットフォームを利用している場合、Googleは自動的にそれらのリンクを検出し、ビジネスプロフィールに「注文」ボタンを表示させることがあります。

3-1. 第三者によるリンクの管理

便利な反面、「自社の利益率が高いプラットフォームを一番上にしたい」という要望もあるでしょう。2025年現在、Googleは管理画面の「注文(Food ordering)」セクションから、優先するリンクの選択や、不要なサードパーティリンクの削除依頼を行えるようになっています。手数料を考慮した最適なリンク構成を目指しましょう。

第4章:利益率を最大化!自社サイト注文リンクの手動追加

外部プラットフォーム(Uber Eats等)は集客力に優れますが、高い手数料がネックです。Googleマップから直接、自社サイトやLINE公式アカウントの注文ページへ誘導することで、利益率を最大化できます。

4-1. 「オンライン注文リンク」の設定手順

管理画面の「プロフィールの編集」>「ビジネス情報」>「連絡先」セクションにある「オンライン注文リンク」欄に、自社注文ページのURLを入力します。「優先注文リンク」として設定することで、サードパーティのリンクよりも目立つ位置に表示させることが可能です。

第5章:メニュー写真と「注文ボタン」の連動アルゴリズム

GoogleのAIは、投稿された写真の内容を解析しています。ただ「注文ボタン」を出すだけでなく、写真を通じて「今すぐこれを食べたい」と思わせる一貫性が重要です。

💡 注文率を高める写真の紐付け

「メニュー」セクションに料理写真を登録する際、「テイクアウト専用容器」に盛り付けられた状態の写真も1枚混ぜておきましょう。ユーザーは「持ち帰っても崩れないか」「容器のサイズはどれくらいか」を瞬時に判断し、注文への迷いが消えます。

第6章:投稿機能(アップデート)を使ったデリバリー訴求

「最新情報」の投稿機能を使い、デリバリーやテイクアウトの需要を定期的に刺激します。

6-1. 時間帯に合わせた「今すぐ注文」投稿

例えば、ランチタイム前の午前11時や、夕食前の午後17時に「本日のテイクアウト限定メニューはこちら!」といった投稿を、「今すぐ注文」ボタンをセットにして行います。このボタンをクリックすると、設定した注文ページへ即座にジャンプするため、非常に高い成約率を維持できます。

第7章:デリバリー圏内のユーザーへ「距離」をアピール

デリバリーを探しているユーザーは「どれくらいで届くか」を気にします。

7-1. 「サービスエリア」設定の最適化

実店舗の住所とは別に「サービス提供地域」を市町村単位や半径で設定しましょう。これにより、「[地域名] デリバリー」と検索した、店舗から少し離れた場所にいるユーザーに対しても、あなたの店が検索結果に出現する確率が上がります。

第8章:情報の乖離を防ぐ!「デリバリー営業時間」の厳密な管理

ユーザーが最も落胆するのは、Googleマップで「営業中」となっているのに、注文しようとしたら「受付時間外」になっているケースです。これは店舗の評価(口コミ)に直結する重要なポイントです。

8-1. サービス別の営業時間設定

Googleビジネスプロフィールでは、店舗の営業時間とは別に、「テイクアウト」「デリバリー」それぞれの営業時間を設定することが可能です。「ラストオーダーの関係でテイクアウトは店舗閉店の30分前に終わる」といった場合も、詳細に設定しておくことで、ユーザーの「空振り」を防ぐことができます。

第9章:口コミを活用した「デリバリー品質」の証明

デリバリー・テイクアウトユーザーが一番に気にするのは「料理の温度」と「梱包の丁寧さ」です。

🌟 狙い撃ちしたい「神口コミ」のキーワード

「梱包が丁寧で汁漏れしていなかった」「届いた時にまだアツアツだった」「箸や手拭きの心遣いが嬉しかった」といった口コミに対し、「デリバリー専用の保温バッグを導入しております」「梱包担当者が細心の注意を払っています」と具体的に返信しましょう。これを見た新規ユーザーの不安は一気に解消されます。

第10章:【総括】「注文ボタン」を起点としたファン作りの未来

2025年、飲食店のMEOは「見つけてもらう」段階から「その場で体験(注文)を完了させる」段階へと完全に移行しました。Googleマップに「デリバリー・テイクアウト」ボタンを出すことは、デジタル上の支店を一つ出すことに等しい価値があります。

単にボタンを表示させるだけでなく、そこから繋がる注文ページの使いやすさ、届いた料理の感動、そして「また頼もう」と思わせるアフターフォロー。この一連のデジタルとリアルの融合(OMO)こそが、これからの外食産業で勝ち残るための唯一無二の戦略となります。

デリバリー・テイクアウト設定 よくある質問(Q&A)

Q. 提携していないデリバリーサービスが勝手に表示されています。消せますか?

A. はい、Google経由で修正依頼が可能です。 サードパーティ側が勝手に情報を収集して掲載しているケースがあります。ビジネスプロフィールの「注文」設定からリンクの削除依頼を出すか、該当のサービス運営会社に直接「Googleビジネスプロフィールとの連携解除」を申し立てる必要があります。

Q. テイクアウト用のメニューを特別に作りたいのですが、どこで設定すれば良いですか?

A. 「メニュー」機能のセクションを活用しましょう。 メニュー設定の中で「【テイクアウト限定】お弁当・一品料理」というセクションを新規作成してください。そこに専用の価格と写真を並べることで、マップ上のユーザーに対して「持ち帰り専用のお得感」を演出できます。

【結び】 あなたの料理を、もっと身近な存在へ。

忙しい日のランチに、自分へのご褒美のディナーに。誰かがGoogleマップであなたの店を見つけたその瞬間、画面に光る「注文」ボタンが、美味しい料理との出会いを橋渡しします。

テクノロジーを味方につけ、店舗の壁を越えて美味しさを届ける。その第一歩が、このガイドラインに沿った正しい設定です。

今日からあなたの店も、地域で一番「頼みやすくて美味しい店」へのアップデートを始めましょう!

関連記事