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カラーユニバーサルデザインの失敗例:色覚多様性に配慮した安全な配色ルール

Webサイトやアプリにおいて、色(カラー)は情報の優先順位を伝える強力な手段です。しかし、日本人男性の約20人に1人、女性の約500人に1人が、特定の色(特に赤と緑など)の区別が困難な「色覚多様性」を持っていると言われています。この視点を欠いたデザインは、特定のユーザーに対して情報を遮断する「不当な差別」に繋がりかねません。

2024年4月に施行された**「改正障害者差別解消法」**により、民間企業にも**Webアクセシビリティ**の合理的配慮が義務化されました。カラーユニバーサルデザイン(CUD)の欠如は、法的なリスクを招くだけでなく、**金融**や**ヘルスケア**といった命や資産に関わるサービスにおいて致命的な事故を引き起こす可能性があります。

**この記事では、実際に起きたカラーユニバーサルデザインの失敗例を分析し、色だけに頼らずに情報を伝えるための安全な配色ルール**を詳説します。多様なユーザーに正しく、安全に情報を届けるための「一貫性のある設計」をマスターしましょう。

🚩 命取りになることも。カラーユニバーサルデザインの深刻な失敗例

色覚多様性を持つユーザーにとって、特定の色同士は「同じ色」や「非常に似た色」に見えてしまいます。代表的な失敗パターンを解剖しましょう。

1. 路線図やグラフの「赤と緑」の混同

最も多い失敗が、急行(赤)と普通(緑)を色だけで分ける、あるいは円グラフで赤と緑を隣接させるケースです。P型・D型のユーザーにはどちらも「茶色〜黄色系」に見えてしまい、情報の判別が不可能になります。これは**データ視覚化**における致命的なミスです。

2. フォームのエラーを「枠の色」だけで示す

**フォーム設計**において、入力ミスがあった項目を「枠を赤くする」だけで示す手法です。色覚特性によっては赤色の変化に気づきにくいため、なぜ送信できないのか理解できず、離脱の原因となります。**エラーメッセージ**は必ずテキストで併記する必要があります。

3. 背景色と文字色のコントラスト不足

薄い背景に淡い色の文字を載せる「おしゃれだが読みにくい」デザインです。**タイポグラフィ**の視認性を著しく下げ、**シニア層**や弱視のユーザーを排除してしまいます。これは**最新デザイントレンド**の誤った解釈から生じやすい問題です。

🛡️ 情報を正しく伝える!CUDの安全な配色ルール

センスではなく、科学的根拠に基づく配色ルールを採用しましょう。

4. 「色+α」の原則(色だけに頼らない)

色だけで情報を区別せず、形状、アイコン、パターン(ハッチング)、テキストを必ず組み合わせます。例えばグラフなら点線と実線を使い分ける、エラーなら色だけでなく「⚠」マークを付けるといった工夫です。これは**ヒューリスティック評価**における「状態の可視化」の基本です。

5. 高コントラストと明度差の確保

色が似ていても「明るさ(明度)」に差があれば判別しやすくなります。**WCAG 2.1**では、通常の文字で4.5:1以上のコントラスト比を求めています。**ダークモード**の実装時も、この比率を守ることが**アクセシビリティ**の根幹です。

6. ユニバーサルデザインカラーセットの活用

カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)などが推奨する、色覚多様性を持つ方でも見分けやすい「推奨カラーパレット」を**デザインシステム**のベースに採用します。**Figmaの変数**でこれらの色を一元管理することで、サイト全体での**一貫性**を担保します。

📝 CUD対応・実務チェックリスト

デザインレビュー時に必ず確認すべき、リスク回避の項目です。

チェック項目 具体的アクション
色の意味の併記 必須項目やエラー箇所に、色以外の識別子(テキストやアイコン)があるか?
コントラスト比 背景色と文字色のコントラスト比は4.5:1(大きな文字は3:1)以上か?
シミュレーション FigmaやブラウザのシミュレーターでP型・D型での見え方を確認したか?
情報の優先順位 最も重要なアクションボタン(**CTA**)は、色を抜いても目立つか?
凡例の工夫 グラフや地図の凡例は、色だけでなく「模様」や「直接のラベル」で区別できるか?

⚠️ 現場で起きた!CUD不備によるトラブル事例

事例A:カレンダーの「祝日」が分からない
ECサイトの配送指定カレンダーで、日曜を赤、祝日を緑で表示。D型のユーザーにはどちらも同じ色に見え、祝日の配送不可ルールに気づかず注文。クレームが多発し、最終的に「曜日のテキスト併記」と「背景模様の追加」で改修した。

事例B:ゲームUIでの「チーム識別」不能
対戦型アプリで自チームを赤、敵チームを緑のポインターで表示。一部のユーザーから「どっちが味方か分からずゲームにならない」との不評が相次ぎ、レビュー評価が急落。**デザインエンジニアリング**による色覚サポートモードの追加を余儀なくされた。


💖 まとめ:CUDは「おもいやり」を「仕組み」にすること

カラーユニバーサルデザインは、一部の人のための特別な対応ではありません。色に頼らず情報を整理する設計は、結果として、屋外の太陽光の下でスマホを見る人や、目が疲れやすい人など、**すべてのユーザーにとっての使いやすさ**へと繋がります。正しく、安全な配色ルールを**デザインシステム**に組み込み、信頼されるプロダクトを創りましょう。

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