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特定商取引法に基づく表記とは?ネット販売やサービス提供で記載必須な項目解説

「自社のオンラインショップをオープンしたけど、『特定商取引法に基づく表記』ってどこまで詳しく書けばいいのだろう?」
「自宅で事業をしている場合、住所や電話番号も公開しないといけないのだろうか?」

インターネットを通じた商品販売やサービス提供を行う上で、**「特定商取引法に基づく表記(以下、特商法)」**のページは、**「プライバシーポリシー」**と並ぶ、法的・信用面で最も重要な文書です。

特商法の目的は、**「事業者情報を明確にし、悪質な販売方法から消費者を守ること」**です。このページに不備があったり、虚偽の記載があったりすると、**消費者庁から「業務停止命令」や「罰金」の対象**となる、非常に重い法的リスクを伴います。

この記事でわかること

  • ✅ 特商法が「記載必須」となるビジネスモデルとは?
  • ✅ 氏名、住所、電話番号の「公開ルール」と「省略できるケース」
  • ✅ ECサイト、サブスク、デジタルコンテンツ販売で異なる重要記載項目
  • ✅ 記載漏れが絶対に許されない「返品・返金」に関する事項

この記事では、**特商法が適用されるケースと、記載が必須となる12の項目**を、具体的なリスクと合わせてプロが解説します。

特定商取引法が適用される「6つの取引類型」

特商法は、特定の販売方法(取引類型)を行う事業者に適用されます。Webサイト運営者に関わる主な類型は、以下の通りです。

取引類型 定義・適用されるケース 主な事業者の例
通信販売 郵便、電話、インターネットなど、**非対面**で申し込みを受ける取引。 ECサイト、ネットショップ、オンラインセミナー販売、サブスクサービス。
特定継続的役務提供 期間が長く、高額になりがちなサービス(例:エステ、学習塾)。 オンライン英会話、プログラミングスクール、パーソナルトレーニング。
訪問販売 営業担当者が消費者宅へ訪問して行う販売(Webサイトでの広告を含む)。 訪問営業を伴うリフォーム業、健康食品販売など。

特に、ECサイトやサブスクサービスを運営する事業者は、**「通信販売」**として特商法のすべての規定を守る必要があります。

記載必須となる「12の項目」とリスクのポイント

特商法で義務付けられている主な記載事項は以下の通りです。特にリスクが高い部分に焦点を当てて解説します。

【重要】事業者の基本情報

  1. **販売業者名(氏名・名称):**法人なら会社名、個人事業主なら屋号と本名。
  2. **住所:**登記簿上の住所または活動の拠点となる住所。
  3. **電話番号:**すぐに連絡が取れる番号。
  4. **メールアドレス:**顧客からの問い合わせに利用できるアドレス。
  5. **代表者または通信販売業務責任者の氏名:**法人なら代表者名、個人事業主なら本人名。

【最重要】価格・支払い・キャンセルに関する情報

  1. **商品の価格:**消費税、送料、手数料、その他の費用を全て含めた総額。**(税込表示が必須)**
  2. **代金の支払い時期・方法:**クレジットカード、銀行振込など。
  3. **商品の引き渡し時期:**注文から何日後に配送・納品されるか。
  4. **返品・交換に関する特約:**
    **「返金は不可」とする場合も、その旨を明確に記載**する必要があります。
  5. **申込みの有効期限:**(期限がある場合のみ)
  6. **その他(サブスクなど):**継続課金の場合は、**「自動更新であること」「解約方法」**を明確に記載。
  7. **(広告の場合)誇大広告の禁止:**著しく優良、有利であると誤認させるような表示は禁止。

【論点】住所・電話番号の公開範囲と代替手段

個人事業主や自宅兼オフィスの場合、住所や電話番号の公開に抵抗があるのは当然です。特商法では、そのリスクを軽減するための規定が設けられています。

住所・電話番号の表示を「省略」できるケース

原則として、氏名・住所・電話番号は**全て掲載必須**です。

しかし、**「インターネット上の広告(Webサイト)から、消費者からの請求があれば、遅滞なく開示する」**という旨を記載すれば、**表示を省略**することができます。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • ✅ **省略できるのは「広告(Webサイト)」のみ:**申込書や確認メールには記載が必須。
  • ✅ **代替手段の確保:**電話番号の代わりに**固定電話以外の連絡先**(例:IP電話、問い合わせフォーム)を設けること。
  • ✅ **開示までの時間:**請求から**24時間以内**など、迅速な開示が求められる。

※ただし、省略する記載方法自体が顧客の信用を損なう場合もあります。企業として信頼性を優先するなら、レンタルオフィスやバーチャルオフィスの住所を借りることも検討すべきです。

特商法に関するQ&A

よくある質問にお答えします。

Q1. デジタルコンテンツ(PDF、動画など)の販売も特商法が必要ですか?

**必要です。**デジタルコンテンツの販売も「通信販売」に該当します。特にデジタル商品は「返品・返金不可」とするケースが多いため、**「商品の特性上、購入後のキャンセルや返金は一切お受けできません」**という旨を特商法と販売ページに明確に記載する必要があります。

Q2. 企業間取引(BtoB)にも特商法は適用されますか?

**基本的には適用されません。**特商法は「消費者」を保護するための法律だからです。しかし、顧客が個人事業主や小規模な会社の場合、トラブル防止のために特商法に準じた情報を記載するのが望ましいです。

Q3. 記載事項をコピペ生成ツールで作っても大丈夫ですか?

テンプレートはベースとして利用できますが、**「返品規定」「支払い時期」「役務の提供時期(納品時期)」**は自社のサービス内容に合わせて必ず手動で修正してください。この部分が現実と異なると、最も大きな法的リスクになります。

Q4. 特商法のページはどこに置くべきですか?

**フッター(サイトの一番下の部分)**にリンクを貼るのが一般的です。また、最終的な「購入・申込みボタン」の直前にも特商法へのリンクを併記し、消費者がすぐに確認できる導線を作ることが推奨されます。

信頼は、明確なルールから生まれる。

特商法のページは、お客様から見て「この会社は逃げも隠れもしない」という誠実さを示す証明書です。
このページを曖昧にすることで、あなたの会社の信用を自ら下げてはいけません。

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