「アクセス解析を見ると、お問い合わせページまでは来ているのに、送信されずに帰ってしまう人が多い…」
「スパムメールばかり来て、肝心のお客様からの連絡が少ない…」
Web集客において、最も「もったいない」のが、このフォームでの離脱(カゴ落ち)です。
せっかく興味を持ってくれたお客様を、使いにくいフォームが追い返してしまっているのです。
フォームの改善(EFO:Entry Form Optimization)は、集客施策の中で最も即効性があります。
「入力を面倒にさせない」「エラーで怒らせない」。この2つを徹底するだけで、お問い合わせ数は1.5倍〜2倍に跳ね上がります。
この記事でわかること
- ✅ ユーザーがフォーム入力を諦める「3大ストレス」とは?
- ✅ 必須項目はどこまで減らせる?CVRを上げるための断捨離術
- ✅ 【事例】「ふりがな」を削除しただけで、問い合わせが20%増えた話
- ✅ スマホユーザーを逃さない「キーボード自動切り替え」の技術
この記事では、精神論ではなく、人間工学とデータに基づいた「確実に送信ボタンを押させるためのフォーム改善術」をプロが解説します。
なぜ、お客様は入力途中で帰ってしまうのか?
お客様は、私たちが思っている以上に「面倒くさがり」で「短気」です。
フォームでの離脱を引き起こす、3つの大きなストレス要因を知りましょう。
| ストレス要因 | ダメなフォームの特徴 | ユーザーの心の声 |
|---|---|---|
| 入力項目が多すぎる | 住所、FAX番号、性別、きっかけ…。 必須項目が10個以上ある。 |
「うわ、長っ…。 面倒くさいから後でやろう(二度と来ない)」 |
| エラーが不親切 | 送信ボタンを押した後に「全角で入力してください」と赤字で怒られる。 | 「最初から言ってよ! もう一回入力するの? 無理。」 |
| スマホで使いにくい | 入力欄が小さい。 電話番号なのに日本語キーボードが出る。 |
「押し間違えるし、入力切り替えが面倒。 イライラする。」 |
入力完了率(CVR)を上げる7つのEFOテクニック
ユーザーのストレスをゼロにするために、今すぐ導入すべき改善策です。
1. 入力項目を極限まで減らす(断捨離)
「あったら便利かも」という項目はすべて削除してください。
初回のお問い合わせに必要なのは、極論「名前」「連絡先(メール)」「用件」の3つだけです。
住所や電話番号は、メールでやり取りした後で聞けば良いのです。
2. 住所の自動入力を導入する
郵便番号を入力したら、住所が勝手に入る機能です。
特にスマホでは長い住所を打つのが苦痛なため、この機能がないだけで離脱率が上がります。
3. 全角・半角を自動変換する
「電話番号は半角で入力してください」とエラーを出すのは不親切です。
全角で入力されても、システム側で勝手に半角に変換して受け付けるのが、現代のスマートなフォームです。
4. 必須項目をわかりやすくする
「※」マークだけでは見落とします。
「必須」という赤いアイコンを目立つように配置し、入力漏れを防ぎましょう。逆に「任意」の項目はなるべく削除するのがベストです。
5. スマホのキーボードを最適化する
電話番号の欄をタップしたら「数字キーボード」が、メールアドレスの欄なら「英字キーボード」が自動で立ち上がるように設定します。
この小さな配慮が、スマホユーザーの入力ストレスを激減させます。
6. 「リセット」ボタンを置かない
送信ボタンの横に「リセット(書き直し)」ボタンを置いていませんか?
誤って押してしまい、全部消えて絶望したユーザーは二度と戻ってきません。百害あって一利なしのボタンです。即刻削除しましょう。
7. 送信ボタンの文言(マイクロコピー)を変える
ただの「送信」よりも、「無料で相談する」「資料を請求する」といった具体的な行動を示す言葉のほうが、クリック率は高まります。
【事例】入力項目を半分にしてCV数3倍になったBtoB企業
「情報をたくさん取りたい」という企業側のエゴを捨て、ユーザーファーストに徹した成功事例です。
法人向けコンサルティング会社C社の事例
【Before】
問い合わせフォームには「会社名」「部署名」「役職」「住所」「FAX番号」「知ったきっかけ」など、15個以上の項目があった。
月間アクセスは多いのに、問い合わせは月2〜3件しかなかった。
【After】
営業部と相談し、「初回連絡に必要な情報」以外をすべて削除。
項目を「会社名」「氏名」「メール」「相談内容」の4つだけに絞り込んだ。
【結果】
「これならすぐ終わる」と感じてもらえるようになり、入力完了率が劇的に改善。
問い合わせ件数が月10件(約3倍)に増加。詳細なヒアリングは、アポイントが取れてから行うフローに変更しました。
あなたのフォームは大丈夫?EFOチェックリスト30
今あるフォームを見直してみましょう。当てはまらない項目が多いほど、改善の余地があります。
入力支援・機能
構成・レイアウト
安心感・導線
フォーム最適化に関するQ&A
よくある質問にお答えします。
Q1. 電話番号は必須にすべきですか?
業種によりますが、基本的には「任意」にするか、削除したほうがCV率は上がります。「営業電話がかかってくるかも」と警戒されるからです。どうしても電話が必要な場合(緊急対応など)を除き、メールでのやり取りを推奨します。
Q2. 「確認画面」はあったほうがいいですか?
意見が分かれますが、最近は「なし」の傾向も増えています。確認画面で「送信したつもりになって離脱する」ケースがあるからです。入力項目が少ないなら、確認画面なしで完了させるのも一つの手です。
Q3. スパムメールが大量に来るのですが。
Googleが提供する「reCAPTCHA(リキャプチャ)」を導入しましょう。「私はロボットではありません」とチェックするあれです。最新版(v3)なら、ユーザーにチェックさせなくても自動でスパムを判定・ブロックしてくれます。
Q4. フォーム作成ツールは何がいいですか?
WordPressなら「Contact Form 7」や「MW WP Form」が定番ですが、カスタマイズ(EFO)には知識が必要です。Googleフォームは無料ですが、デザインが安っぽく埋め込みには不向きです。自社サイトに馴染む、EFO対策済みのフォームをプロに実装してもらうのが一番確実です。
フォームは、お客様への「おもてなし」。
フォームの使いやすさは、そのまま企業の「親切さ」として評価されます。
ここを整えることは、お客様を迎える玄関マットをきれいにするのと同じくらい、基本的かつ重要なことです。
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